ユキヤナギ
嘱託勤務をしていた頃の生物の先生に質問してみました。
いろいろ、調べてくださったり、お仲間に問い合わせてくださいました。
> ユキヤナギのめしべの周りを囲んでいるというか、雄しべの付け根を囲んでいる黄色い輪は何のためにあるのですか。
山と渓谷社の樹に咲く花離弁花①に蜜腺と書いてあります。
http://yasousuki.exblog.jp/7714548/にも蜜腺という表現で、10個と書いてありますが、いただいた写真ではつながっていて区別が付きません。色も黄色で、蜜腺らしい色ですので間違えないでしょう。後は、観察数を増やして実際に蜜が出ていることを確かめる必要があります。
> また、この花はめしべを5本持っていて、それぞれに子房があると考えて良いのでしょうか。
離生心皮と言って、一つの心皮から一つの雌しべ(子房)ができていて、それが独立しているタイプです。これは、キンポウゲ科やバラ科など原始的な花の特徴とされています。オランダイチゴのつぶつぶ一つが種子ではなく果実であるという説明をすると生徒も納得するのではないでしょうか。ちなみに、イチゴは花托が肥大したものなので偽果と呼ばれていますが、ユキヤナギは子房が膨らんでいますので果実で、袋が裂けるようにわれるため袋果と呼ばれています。
上のリンクから一部引用しますと
花の中心に、黄色の蜜腺が10個ほど環状に並んでいる。蜜腺の外側に、黄色の葯をつけた雄しべが約20個。蜜腺で囲まれた壷の内側には、雌しべが5個。 基部に子房が見える。
子房の色が、緑色のものと、紅色のものがあるが、初め緑色でやがて紅色に変わるものと思われる。
最初に載せた写真では子房の色が緑と赤のものが写っています。で、変なんですよ。子房の色が緑のものでは、蜜腺が黄色くて、子房の色が赤のものでは、蜜腺が白いんです。経時的な変化ではないのかもしれないと、ちょっと思っています。
暗くて分かりにくくてすみません。
花を一個だけとってきて、開いてみました。
黄色いのは子房とは独立していて、オシベの付け根付近に2個ずつくっついた形で並んでいます。
確かに蜜腺でしょう。
これが、花が終わって実が熟し始めたところです。
もう少し熟すと褐色になってきました。
5個の実がなる、といってよいでしょう。
その実の中に、何個の種が入っているかは分かりません。
気になりはじめると、いろいろ分かってくるものですね。
今回のユキヤナギ騒動はこのくらいにしたいと思います。
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