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2009年3月 5日 (木)

定位置

2009.3.2付 朝日歌壇より
ここちよき定位置なのか川なかの岩にいつもの鵜があさひ浴ぶ:(浜松市)松井惠

これも、このブログで書いたことがあるような気がしますが、昔、高校生のころ、絵の展覧会に行ったのです。川の中に岩があり、その岩に鳥がとまっている。

 まさに、上に掲げた歌の情景です。

私は、その絵の前で10分か20分か、佇んでいました。美大生だという人に「この絵が気に入ったのか」ときかれて、「自分があの鳥になって、岩の上から流れを、渓を見たらどんなふうに見えるんだろうと考えていました」と答えたものです。「そういう鑑賞の仕方もあったのか」とその大学生は言っていました。

作者が提示する作品と直接対峙することによってのみ鑑賞という行為は成立しうる、なんて偉そうなことを考えていました。(今の私の原型。)

鵜になってみてください。浴びる朝日の温かさを感じてください。川の中にアユはいませんか?

◆別件:鵜は水に潜って魚を採ります。普通の水鳥のように水に浮くことを主眼にして、羽に油分を塗っておくと、潜りにくいじゃないですか。ですから、鵜の羽は水をはじかないようになっています。ですから、今度は飛ぼうと思うと、十分に羽を乾燥させないと飛べないんですね。

空中で物がちゃんと見える眼で、水に潜ると、遠視の状態になります。(人が水中でものがぼんやりしか見えないのは、角膜が水と接して、角膜面での光の屈折がほとんどなくなり、水晶体の屈折力では網膜の後ろにしか像が結べなくなって、遠視の状態になるからです。)
で、鵜はどうするか?眼球を絞って縦長にしちゃうんですね、水に潜ったときは。
それによって遠視状態になることを避け、水中でも正視でいられるのです。

すぐれた鳥ですねぇ。

「鵜の目鷹の目」といいますが、鵜の目は水中空気中両用のすぐれもの、鷹の目は高いところを飛びながら地上の獲物が見えるとてつもない視力(800m先のトンボが見えると聞いたことがあります)と、前方と側方が同時に明瞭に見える優れた眼なんですね。

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