黄の旗
2009.2.23付 朝日歌壇より
静かなる冬の朝なり車椅子に黄の旗立てて媼道ゆく:(高松市)菰渕昭
馬場あき子 評:黄の旗がユニーク。
「ユニーク」といって済まされない深刻さを感じています。
ハンドル型の電動車椅子を買って行動範囲を広げようかな、と私は今思っているのですが、そのつもりで道路を眺めると、本当に怖い。
車いすは歩道を行くべきなんですが、狭くて、向こうから自転車やベビーカーなんかが来たらすれ違うのが難しい道ばかり。
すれ違いがなくても、いままで幅があった歩道が、突然行き止まりになっていて、ポールが立っていて、人はそのポールの間をすり抜けて歩いていくけれど、車いすは引き返さなければならない。なのに向きを帰るだけのスペースもない、などという道もざらにあります。うっかり走れませんね。
黄色い旗を立てて、目立ちやすいようにして走る。必死・懸命の安全策でしょう。
ユニークじゃすまないよなあ。「『黄の旗』が必要な日本の劣悪な交通状況」くらいいってほしかったなぁ。
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