さいはひ
2009.2.23付 朝日歌壇より
綿雪の降り静かにて思ふなり何ごともなきさいはひといふもの:(仙台市)坂本捷子
私という、かなり偏った人間の語感ですから、信用しないでくださいね。
私の語感では、「さいはい」というのは「先祝い」のような感じなのです。ですから、たとえば、人生行路のこれから先に「よきこと」がありますように、というような、時間的にこれから「さき」という感覚を持っています。
それに対して「しあわせ」は「仕合せ」であり、「今合う」ことのように感じられるのです。今現在、「よきこと」にであっていること、この、なりゆき、めぐりあわせが「しあわせ」であるという語感です。
私の語感では上の歌の結びは、「しあはせといふもの」のほうが、ぴったりくるんですね。
「今」、だという気がします。
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