山彦
2009.2.16付 朝日俳壇より
山彦も蒲団叩いてをりにけり:(大竹市)見上木地草
大串章 評:干蒲団を叩く音が山彦となって返ってくる。「山彦」も「蒲団」を叩いている、という言い方に楽しさがある。
状況的には何も説明はありません。
山彦というのは「山」の「彦」=「日子」=「男子」ですので、「山の神」です。
山や谷に向かって発した音が、山の神が返事をするように、反射して返ってくる現象です。比較的間のあく反射音です。
それに対して「谺(こだま)」は「木霊」ですから、「木の霊」なので、林に向って音を発すると、木々の魂が返答するかのように、細かく短時間でたくさん音がはね返ってくる現象です。
とまぁ、高校の物理では私は教えておりました。山彦とこだまは同じものだとする解釈もありますけどね。
私が名乗っている「崩彦(くえびこ)」は「崩(くえ)る彦」=「崩れる男」です。それが案山子にあてはめられています。ひょっとして、身体障害者の神格化ではないかと思っています。
ちなみに「姫」は「日女」=「女子」です。
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