立ちあがる
2009.2.23付 朝日歌壇より
筍のように椅子から立ちあがる昔の僕のような少年:(小平市)萩原慎一郎
そう、上体をまっすぐ立てたまま、どこにも捕まることなく、「筍のように」まっすぐスックと椅子から立ちあがる。
見事なものです。
私は残念ながら、自分のどの年代をとっても、このような立ちあがり方はできませんでした。
上体を前へ傾け、重心が足の裏の上に完全に乗っていることを確認してから、膝に手をついて、(肘掛があれば肘掛けに手をついて)手で体重を支えながら、ぐっと前かがみにしか立ちあがれません。
最近はもう、「どっこいしょ」の掛け声なしには立ちあがれませんね。
◆電車などで、シートに座っている時、目の前に人が立つということが恐怖なんですよ。
体を前かがみにしてかなり前へ体をのめりださなければ立てませんから、必ずその人にぶつかる。
普通の人は、靴底の摩擦と、シートの縁へ体重をかけることを利用して、前にのめらずすくっと立ちあがりますよね。だから、わたしのような悩み・恐れをご存知ない。
荷物を前に置かれると、またげないし。
混んだ電車で座ることは恐怖なんです。立っている方が心理的にずっと楽なんですよ。
◆ついでに。今もそうですが、腰痛状態のときは、いったん座ると立ちあがるのが強烈に辛い。腰を伸ばして、一歩を踏み出すまでにずいぶん目に見えぬ準備が必要なんです。ですから、そういうときは、立ったまま、腰を伸ばしたままの方が楽なんです。
◆電車は揺れがスムーズなのでまだよいのですが、バスはきつい。加速も減速もとてもきつい。そういう、加速・減速中に、右足一本に重心を乗せて立ちあがるのは不可能に近いですね。だから、運転手さんが、とまってからお立ちください、などというのは困るんです。
一定スピードで走っているところを見計らって立つのが一番安全で楽なんです。
腰痛のときは立てたからといってすぐ歩きだせるわけではなし。
そういう事情もあるので、とまってから立て、といわないでほしいなぁ。
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