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2009年2月 5日 (木)

檸檬

アサヒコムの1月31日にこんな記事が載りまして、同じ記事が、昨日4日、紙の新聞の方にも載りました。で、ちょっと、ご紹介。

小説「檸檬」の店、「八百卯」が閉店:2009年1月31日19時39分
 「その果物屋は私の知っていた範囲で最も好きな店であった」――。梶井基次郎(1901~32)の小説「檸檬(れもん)」で、主人公がレモンを買った店のモデルとなった京都市中京区寺町二条の老舗(しにせ)果物店「八百卯(やおう)」が、25日に閉店した。小説の主人公が爆弾に見立てたレモンを置いた同市内の書店「丸善」も05年に店を閉めており、相次ぐ閉店を惜しむファンが次々と八百卯の店先を訪れている。
 1879(明治12)年創業の八百卯は、25年に発表された「檸檬」をきっかけに、「檸檬の店」として親しまれてきた。昨秋、4代目当主の村井義弘さんががんで急逝。関係者によると、親族が店を手伝っていたが、「責任者を立てられないのが現状。いいかげんな商売はできない」と閉店を決断した。
 この関係者は「後々のことを考え、やむを得ずこういう形になった。お客様には感謝の気持ちでいっぱいです」と話す。
 シャッターには「檸檬の店で永きに渉(わた)り皆様のご愛顧を得て営業致して参りました」などと書かれた紙が張られている。店には連日問い合わせの電話があるといい、閉店の張り紙に見入る家族連れや、携帯電話で店の写真を撮る若い女性の姿も見られる。

梶井基次郎の「檸檬」。高校時代にどっぷり浸りましたね。
「桜の樹の下には」には、かぶれましたね。「桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ。」この出だしにしびれて、今だにしびれっぱなしですからね。
全集も買って読んだなぁ。
 気に入った作者に浸りきって、自分を失ってもいい、その人になりきる程に傾倒すればいい。その後に現れてくるものがあれば、それが「自分」なんだし、そのまま呑みこまれっぱなしでなにも出てこないなら、それはそれで、「自分」というものがそれまでのもの、ということだ。と、見得を切ってみたのも、そのころでしたか。
「自分探し」なんてくだらないことです。初めから「自分」があるわけじゃない。飲みこまれ、圧倒され、つぶされ、くだけ、そうやって「自分」ができてくるのです。「本当の自分を探して」などと、いっていると、現実から逃げだしてしまうことになり、自分なんて育ってきませんよ~。

◆ところで、私の個人データベースで、「檸檬」のキーワードで検索をかけたら、もう二つヒットしました。お目にかけます。上の記事は、檸檬を買った店の閉店ですが、今度は丸善の閉店。

閉店惜しみ置きレモン 小説「檸檬」ゆかりの京都・丸善:2005年10月02日13時22分 
 10日に閉店する書店「丸善」京都河原町店で、売り場の本の上にレモンを置いて立ち去る客が相次いでいる。作家梶井基次郎(1901~32)の短編小説「檸檬(れもん)」の主人公が京都の丸善の本の上に、近くの果物屋で買ったレモンを置いたのをまねて客がそっと置いていくらしい。
 これまでも年に数回、レモンが置いてあった。それが閉店が決まった今春から徐々に増えはじめ、現在11個。いずれも、レジの店員から見えない所に置かれていたという。
 店では忘れ物としてバスケットに集めて、「檸檬」の文庫本のわきに置いている。文庫本もここ数日、1日60冊も売れており、急きょ1000冊を追加注文した。
 丸善が京都に出店したのは1872年で、小説の舞台になった旧店舗は現在地から約400メートル北西にあった。丸善は京都市内の別の場所で店を復活させたいとしているが、適当な店舗はまだ見つかっていない。伊藤博店長は「京都の店をこんなに愛してもらって、心底うれしい」と話している。

ご覧のように、2005年のことでした。檸檬を買った店、置いた店、両方とも無くなってしまったんですね。さすがに、寂しいことです。

[キミの名は]丸善(2008/2/2)
 梶井基次郎の代表作『檸檬(れもん)』の舞台は京都の丸善だった。夏目漱石が使った万年筆は丸善で購入したものだ。丸善の名には、明治、大正の文化の香りが漂う。
 1869(明治2)年、横浜で輸入商社として出発した。最初の名は「地球」からとった球屋(まるや)商社だったが、誤読されるので丸屋商社とした。
 創業時の社長は名義上、「丸屋善八」だった。これは実際の創業者である早矢仕(はやし)有的(ゆうてき)が考えた架空の人物で、若き日の早矢仕に資金援助をした高折善六の恩を忘れまいと、善の1字をつけたという。
 「丸屋善八」が省略されて顧客から「丸善」と呼ばれ、1880年には丸善商社と改称した。
 早矢仕が外国人にふるまったのが、あり合わせの肉や野菜のゴッタ煮で、これが「早矢仕さんのライス」と呼ばれ、やがてハヤシライスになったという説がある。東京・丸善丸の内本店などのカフェのメニューにある。

というわけで、ウンチクが増えたでしょ。いっぱい、傾けてください。何を?盃を?

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