弓始
2009.2.23付 朝日俳壇より
弓始三十三間堂唸る:(新潟市)佐藤五生
長谷川櫂 評:新年に行われる京都、三十三間堂の弓始。実は矢がうなるのだが、お堂全体が共鳴りしているというのだ。豪胆の一句。
矢がうなるといって、矢の振動が何も介さずに耳に届くわけではありません。三十三間堂の中の空気が振動して音となって耳に届くのです。ですから、矢の音とは、当然、三十三間堂の音にほかなりません。
矢もうなれば、弓の弦もうなります。的に当たった音も響きます。すべてが三十三間堂の唸りなのです。
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