この世の埃
2009.2.8付 朝日俳壇より
纏ひたるこの世の埃雪だるま:(防府市)荒瀬まゆ美
またまた、詩心薄い理科おじさんのおせっかい。
雲の中で水蒸気が雪として結晶化するには、結晶の「核」が必要です。
ですから、雪の結晶一つ一つの中に、結晶核があります。
雪が降ると、何となく口に含んでみたりしたくなりますが、今度一度、雪を、きれいに洗ったコップに入れて、とかして見てください。濁りが見えることがあります。それが結晶核。
というわけで、雪というものはそもそも「この世の埃」を核として成長した結晶なのでした。
◆北京オリンピックのときも話題になりましたが、人工降雨。あれはというと。
上空に氷点下の水蒸気があるのに、核がないために結晶化できずにいるところへ、ドライアイスや、ヨウ化銀などをまくと、それが結晶核になって雪が生じ、とけながら落ちてきて雨になる、という話なのでした。
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