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2009年2月12日 (木)

湯湯婆

2009.2.8付 朝日歌壇より
膨張と収縮ありて湯湯婆(ゆたんぽ)のブラックホールに春の海眠る:(八王子市)武藤オキ
 馬場あき子 評:湯湯婆のブラックホールという捉え方は面白い。その中に眠る温かな春の波形は湯湯婆の背の波形からの連想か。

私はなまじ、理系で、ブラックホールというものについて、多少の知識があるものですから、この歌の意味が捉えられなくなっているのかもしれません。
湯たんぽとブラックホール、どうにも、つながりません。
湯たんぽの栓をとったところにぽっかりと開いている黒い口、これがブラックホールの連想なのでしょうか。それは、ちょっとつらいなぁ。

「春の海眠る」というのは、湯たんぽが揺れるときの「ちゃぷん、ちゃぽん」という音と振動のことでしょう。
「波形」からの連想ではないと私は想像します。

◆湯たんぽは揺れても、ちゃぷんで済みますが、平たい容器にいれた液体が揺れると、はねてこぼれやすいですね。皿にいれたスープなんかを運ぼうとすると、揺れてこぼれます。
この頃、地震のときに、石油タンクの中の液体が揺れてタンクを破壊したりすることがあって、これを「スロッシング」というのだということが、大分知られてきたと思います。

皿のスープの揺れを思い浮かべて下さい。あれが石油タンク内で起こったら大変ですね。
湯たんぽが「ちゃぷん」と音を立てるのも、内部でスロッシングが起こっているからです。湯たんぽの中は見えませんが、想像してみてください。

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コメント

湯湯婆が湯たんぽと読むとは驚きました。「千と千尋」の湯婆婆と間違えました(笑)。似てますよね。この頃見間違いが多くて年をとったなぁ、とつくづく思います。

「湯麺」の「湯」、麻婆豆腐の「婆」で「湯婆=たんぽ」なのでしょう。それに「ゆ」を入れる。なんだか、重複してますねぇ。
 今「重複」と書いて、思い出しました。高校の国語でこれを「ちょうふく」と読まずに「じゅうふく」と読んでも正解になります。それを知った時はショックでした。

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