加湿器
2009.1.26付 朝日歌壇より
加湿器のやうに息出す豚の鼻豚舎に入れる新しき藁:(浜松市)桑原元義
この、「加湿器」というのがたまりませんね。目に浮かびますね。湯気が上がる様子。
豚舎に長くあった藁は、独特の匂い。新しい藁は枯れた植物の匂い。
私は、幼いころ母の実家で飼っていた、綿羊の小屋の匂いが記憶から離れません。藁の匂いを嗅ぐと、綿羊小屋を思い出します。匂いと記憶の結びつきは非常に強い。ある特定の匂いで、ある光景が浮かんでくる、というような経験はありませんか?
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コメント
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同じ風景で私は牛でした。寒い時には息をするたび湯気が上っていましたね。なので藁の匂いを嗅ぐと乳牛のコロを思い出します。一時期家に居たのですが直ぐに何処かへ行ってしまいました(とてもカナシカッタ)。綿羊は不思議な言葉ですね。羊からは羊毛が取れるのに「綿」とつくのは何故かしら?
それから中学か高校の国語で習ったと思うのですが(記憶は曖昧です)堀口大学の「海の風景」という詩の中に出て来ます。
空の 石盤に
鴎が ABCを書く
海は灰色の牧場です
白波は 綿羊の群れであらう・・
と続くのですが何故か印象に残っていて忘れられません。
ちなみに周りに綿羊は居なかったのですが、山羊は居ました。お乳をもらって飲んだ事がありますが牛乳より匂いは強いけど美味しかったです。
懐かしい・・・。
投稿: 桔梗 | 2009年1月28日 (水) 09時59分
綿羊と羊は多分同じだと思います。子どもの頃にそう言われてそう覚えたままです。綿羊の毛を刈って業者に渡すと、その毛から布地を作ってくれるのか、その量に対応する布地を交換にくれるのか、詳しいことは知らないのですが、布地になり、(ツルツルの)祖父が、それで股引とかの暖かい下着をつくっていました。
私の兄は、幼いときに母に叱られて綿羊小屋に放り込まれたのに、一切泣きもせず頑張り通して我を張った、という強情っぱりで「融通機関長」などと呼ばれました。
山羊の乳は私も飲みました。茶碗に受けて、湯気の立つような暖かいのを飲みました。おいしかったです。濃かった。
投稿: かかし | 2009年1月28日 (水) 13時33分