パンのみ
2009.1.5付 朝日歌壇より
パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる:(ホームレス)公田耕一
{高野公彦選、馬場あき子選}
水葬に物語などあるならばわれの最期は水葬で良し:(ホームレス)公田耕一
{永田和宏選}永田和宏 評:前衛短歌の幕開けとなった塚本邦雄の記念碑的な歌集『水葬物語』を下敷きにしている。
どんな経歴の方なのか、分かりませんが、文学・詩歌にかなり深く食い入ったことのある方とお見受けします。
昔々、私が大学生のころ、大学闘争というやつがありまして、ノンセクトラジカルズという立場で関わっていた私です。大学構内の落書きにこんなのがあったような・・・
「最も低く位置する者が、最も遠くを撃つ」
私自身は、この言葉とのかかわりで、自分は「障害者なのに」ではなく「障害者だからこそ」健常者とは異なる視点から社会を見ることができるのだ、などと粋がっていたものでした。
公田さんの今位置する場所(「立ち位置」という言葉は嫌いです)から見ると、明瞭に奥深く、現在のこの日本社会が抱え込んでいる「矛盾・歪・欠陥」が見えるのだと思います。
なんとも言葉のかけようもないのですが、どうか御達者で。
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