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2009年1月29日 (木)

ミルク

「加湿器」という題で書いた朝日歌壇の歌
加湿器のやうに息出す豚の鼻豚舎に入れる新しき藁
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-d00f.html#comments

 という歌にコメントをいただき、その中に「山羊の乳」を飲んだことがある、との思い出話がありました。
 実は、私も山羊の乳を飲みました。母の実家で飼っていました。茶碗をもっていって、絞ってもらうと、チューっと音を立てて、表面に泡を立てて、乳がたまります。搾りたてでまだ山羊の体温のままの温かい乳は、おいしかったです。(私の味覚は信用しないでください。これはこの味で、うむ、おいしい。あれはあの味で、いや~、おいしい。という感じで、「これが唯一絶対うまい」というグルメ的な味覚ではないものですから。)

 ここまでの話だったら、項を立てて書く必要もなかったのでしょうが、昨日の朝日新聞夕刊に「ミルクしぼりたて」という詩が紹介されていたものですから、書きたくなってしまいました。

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[詩のジャングルジム]アーサー・ビナード、木坂涼(選・共訳)
                                                            (朝日新聞 2009/1/28)
  ミルクしぼりたて
                エリザベス。ロバーツ
 もうすぐ夕飯。でも、もうすぐって
 いわれても、わたしは待てないの!
 そんなときはマグカップもって
 坂をくだって、牛のいる小屋までいくの。

 牝牛さんはその時間、トウモロコシの皮を
 むしゃむしゃ、口の横からはもしゃもしゃ
 こぼしてる。やさしい紫色の目は大きくて
 いつもふわらーっと全身、ミルクの匂い。

 わたしがマグカップをさしだせば、父が
 柵の横木の間から受け取って、その中に
 しゅっしゅ――っとミルクをしぼってくれる。
 泡がうまれてふわふわとミルクがふえていく。
 ふわふわふわふわ、ふえてふえて
 マグカップからあふれんばかり。ミルクの
 細いすじが、外へ流れだしたとき、今度は
 父が、柵の横木の間から、渡してくれるの。

           

 搾りたての牛乳は、温度が人肌で、驚くほど甘く、最高のご馳走だ。それを丁寧に低温殺菌すれば、滋養と風味を損なわずに商品化できる。が、日本では牛乳の九割が超高温加熱処理されてしまう。今年こそ、本物を求めなきゃ!

 ミルクしぼりたて "Milking Time" (Elizabeth Madox Roberts: Under the Tree)

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 いいですね。搾りたての牛乳。おいしいですよ~。
 私の見解では、低温殺菌だからおいしいというのは、ちょっと思いこみじゃないかな、と。おそらく原乳のおいしさは、脂肪の粒子が大きく、舌にその味と食感がいいのではないでしょうか。牛肉や、豚肉でも、「味」というわけではなくても「脂肪」の食感っていいでしょ。あれですよ。
 ただ、脂肪粒の大きなままで瓶詰にして運ぶと、振動で脂肪が分離して、表面にバターとして浮いてしまうんですね。ですから、スクリューのようなもので撹拌して脂肪粒を細かく均一にする処理=ホモジナイズ、するわけです。細かくなってしまうと、脂肪のうまみがあまり感じられなくなるのですね。
 昔「○○ホモ牛乳」という商品名がありましたが、これがホモジナイズ処理が始まった頃の命名です。それ以前の牛乳はホモジナイズされていませんでしたので、よく表面に脂肪が浮いていました。そこだけすくって舐めるのも好きでした。
 日常の生活でバター作りの原理を体感していたということですね。

 大学2年生の時、化学部で、北海道の僻地の小中学校へ理科実験隊を組織して、薬品や器具を担いで理科実験をさせてあげたり、してみせたり、という活動をしたことがあります。
 昔のニシン漁場で、今は寂れてしまったというような村などを歩いたのですが、いろいろ歓待されましてねぇ。学生さんたちに差し入れ、というので、原乳を一升瓶でいただいたこともあります。あれはおいしかった。都会の学生さんは下痢するかもしれないよ、といわれましたが、誰もそうはならず、堪能しましたね。いまでも、原乳をたらふく飲んだ記憶は忘れられません。
 岩浜で、ウニをとって割って食べていたら、地元の漁師さんが、おおウニ食えるのか、といって、大きなザルに山盛りのウニをくれました。ただじゃぁ、かえって気にするといけないから、10円おくれ、ということで、10円で山盛りのウニ。生で食べ、貝殻に盛って焚き火であぶって焼きウニで食べ、ウニだけでほぼ満腹してしまった、という経験はあの時だけです。

 いやぁ、食い物の話はつきないなぁ。(いやしい、かかしさんでした。)

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