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2009年1月15日 (木)

枇杷

0104biwa2009.1.12付 朝日歌壇より
びわの花やさしく咲けり十二月世になき母にもめぐる生(あ)れ月:(新潟市)太田千鶴子
ニトロベンゼンの安き香を撒き枇杷の木は貧しき花を冬につけゐる:(横須賀市)戸村健児

枇杷の花の香りがニトロベンゼン臭だとは知りませんでした。知っていれば花の盛りの時期に嗅いでみましたが・・・。
上の写真は1月4日の状況です。もう「花」という状態ではないですね。花の名残りだけ。うまく成長してくれれば、あの枇杷の実になるはずなんですが、我が家の無手入れ状況の中では、食べられるほどの実に成熟したことはないのです。

私は化学屋ですので、ニトロベンゼンの「特異」な香りは十分に知っています。化学辞典などでは「アーモンド臭」とも表記されていますが、そうかなぁ、と思ってしまいます。敢えて似た匂いといえばそうなるのでしょうが、あれはやっぱりニトロベンゼンの匂いとしか言いようがありません。
濃硫酸と濃硝酸をまぜた「混酸」というものとベンゼンを反応させます。猛烈な発熱をしますので氷水で冷やして反応の速さをコントロールしながら進めます。やがて、ニトロベンゼンの凄い匂いが漂ってきますが、あれが花や果実の香りと感じたことはありませんでした。
薄ければ甘やかな香りになるのかなぁ。

ビワの花は、ふわふわして、あたたかそうで、幸せな花だ、と私は思っています。

2008年に入ってからの朝日歌壇・俳壇の気になった句や歌は、テキストでデータベースにしていますが、検索してみたら、もう二つ枇杷の歌がありました。

2008年1月14日付
冬日向せわしく動き蜜を吸う虫を集めて枇杷は花ざかり:(茅ヶ崎市)相沢孝七
ふるさとの五色台では枇杷のみの蜜を集めて蜂多忙らし:(アメリカ)中條喜美子

び‐わ【枇杷】バラ科の常緑高木。果樹として栽培。西日本に野生種がある。高さ約10メートルに達し、葉は長楕円形、厚くて堅く、下面には淡褐色の毛を密生。11月頃、帯黄白色の佳香ある小花を開き、翌年初夏、果実を結ぶ。果実は黄橙色・黄白色などで、食用。葉は薬用、材は木刀などにする。ひわ。<季語:夏>[広辞苑第五版]

あらま、俳句の世界では、季語は夏なんですね。枇杷の実の方の話ですね。

去年も今年も、1月の今の時期に枇杷の花が歌われています。花の少ない時期の花としてよい題材なのですね。もちろん、昆虫にとっても花の少ない時期の蜜源として貴重です。
今、1月に入ると、さすがに蜜を吸いに来ている昆虫はもうほとんどいません。ひたすら冬の寒さに耐えて越冬中なのでしょう。また会おうね。

◆化学教師をしていた時代、ある高校で夏休みの「進学向け補講」をやりました。入試問題など解いてもつまらないので、特別な企画を立てました。
入試問題などで「特異な臭気」としてよく出る物質を、小スケールで嗅いでみよう、という講座です。

硫化水素、塩素、臭素、ヨウ素、アンモニア、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ギ酸、酪酸、吉草酸、ニトロベンゼン、アニリン、サリチル酸メチル、ヨードホルム・・・安息香酸は「安息」な香りがするのか?(実はNO)・・・各種のエステル類・・・

結構楽しんでくれたものでした。

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