年末年始
2009.1.26付 朝日歌壇・俳壇より
大晦日帰省の息子二夫婦吾が打つソバのよき客となる:(佐久市)西村忠士
息子たち、妻たちに曰く「親父の趣味のソバだから、味はともかく、まぁ親孝行と思って、食べてやってくれ。おふくろのそばつゆに免じて」。西村さん、スミマセン。
帰省子はネギ味噌つけて里芋を三つ四つ五つ七つ余食べる:(飯田市)草田礼子{高野公彦 馬場あき子 選}
馬場あき子 評:数詞はネギ味噌とともにユニーク。
里芋がおいしいとい言うえるようになるまでには、すいぶんかかったでしょう。里芋って、子ども向きの食い物じゃないからなぁ。これもやはり、多少、親への思いやり(かな)。
掃初や嵐の如く子等去りし:(今治市)横田青天子
稲畑汀子 評:暮れに帰ってきた子供達と祝った元日である。二日の掃初にはもう嵐のごとくどっと帰ってしまった。ほっとしたりあっけなく思う作者の心の推移が想像される。
子らが帰省すると、にぎやかなのはいいけれど、帰った後の寂しさはひどく身にしみる、といいます。もう少しゆっくりしていったっていいじゃないのねぇ、とか、呟きながら、しょうがないか、掃除でもして気を紛らわせましょう・・・。
忌籠りて人日すぎてをりにけり:(福知山市)松山ひとし
稲畑汀子 評:お正月は忌籠をして過ごした作者。はや七日の人日になっていた驚きが伝わってくる。
「人日」という言葉を初めて知りました。
じん‐じつ【人日】[荊楚歳時記]五節句の一。陰暦正月7日の節句。七種(ナナクサ)の粥を祝う。ななくさ。人の日。<季語:新年>[広辞苑第五版]
時の経つのはあっという間。特に年を重ねると速くなります。若い頃は正月3日間こもっているだけで、なんかこう、動きたくなって、4日ともなれば、人ごみが恋しくってどうしても外出したかったけれど。今はもう、動きたくないや。
永らへて初笑して独りかな:(京都市)岸田健
子より配偶者だよなぁ。寂しい。
全滅と言ふ風邪の子の一家かな:(笠間市)村上咲
電話あり。家族全員で風邪ひいちまって全滅だぁ、ごめん、うつしちゃ悪いから正月行かない。
せっかく料理の腕振るったのになぁ、風邪じゃあしょうがないけど、つまんないの。とまぁ、旦那にあたったりしてね。
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