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2009年1月22日 (木)

2009.1.19付 朝日歌壇・俳壇より
癌の手術控え髪切り帰り来ぬ冬陽いっぱい死ぬなよ死ぬな:(岡山市)小林道夫
癌直すつもりで春を語り居り:(横浜市)有澤清

わたくし、がんを病気だとは思っていないのです。自己の外に原因があって、「罹患」するものではなし。自分自身の細胞が、通常のコントロールを離れて暴走してしまった「状態」と捉えています。ですから「がんにかかった」というよりは「がんを発した」と言いたいと思っています。

生物の寿命は、基本的に生殖を終えるまで。生殖期間に至るまでに、あるいはその最中に、体の暴走が始まるような遺伝的な欠陥は、子孫を残せないという形で淘汰されます。でも、生殖期間が済んでからは、生物としてはもうどうでもいいわけで、がんを発する遺伝的な素質があっても、淘汰には引っかからないというわけですね。

父・母・兄 義父・義妹みながんを発し ポリオのわたし「ここにいるよ」:崩彦

60代過ぎて、がんを発し、近親たちに覚悟が生じる猶予があり、なによりも本人が死を認知しながら、病院で死ぬ。申し訳ないけれど、これって、死に方としてとても望ましい、私もそうありたい、と思っている次第です。

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