酔醒めの水
2009.1.19付 朝日歌壇より
酔醒めの水の甘きを知らぬひとあはれと思ふ言うふにあらねど:(長野県)沓掛喜久男
一応、酔い醒めの水のうまさは知っております。が、それも過去のこと。酒やめちゃって20年以上になりましょうか。ビール、嫌いでした。蒸留酒が好きでした。で、肝臓を少々傷めました。医者に行って毎月血液検査をしてもらったのですが、半年くらいで検査値は正常に戻りました。酒やめるわ、といったら、何もやめることもないだろう、湯上りのビールのうまさ、あれを捨てることもないだろうに、と医者に言われましたが、意地ッ張りの私、い~や、や~めたぁ、とやめてしまいました。
眼の前に飲みかけのジンの瓶を置いて、時々蓋をあけてきついアルコールのにおいを嗅いでうっとりしながら、や~めたぁ、と自分に「ほれ呑まないの?」とけしかけて、やめてしまいました。
とうことで、「あはれ」な人になりましたことよ。今飲んだからと言って、復活するわけでもありません。「酔った状態」そのものが気持ち悪くなってきました。もともと、左脚の障害者である私は、酔って足元がふらつくことにある種の恐怖心を抱いていましたが、今は、酔って自分の体のコントロールが自分でできにくくなることに恐怖と不快を覚えます。
しかしまあ、タバコやめた、酒やめた、減塩したっきり戻す気もない、牛や豚の脂はすい臓が受け付けなくって、たんぱく質のメインは魚のみ・・・。
全くの話、枯れた案山子ですねぇ。なにが楽しゅうて、生きておるやら。生きる力がまだ体に残っているうちは生きていることにしましょう。て。
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