夜盗虫
2009.1.5付 朝日歌壇より
凍りつく大根抜かんと畑に来て静かに春待つ夜盗虫見つ:(山口県)宮田ノブ子
馬場あき子 評:夜盗虫の冬の生態も心に残る。
この歌が実際にいつの光景なのか、ギリギリなんですが、「夜盗虫の冬の生態」は基本的には蛹です。ただ、11月頃に見たのであれば、終齢幼虫が蛹になる直前であったかも知れません。
ただ、「静かに春待つ」と詠んでおられることを勘案すると、おそらく蛹がコロンと出てきたのでしょう。ああ、夜盗虫だわ、とすぐにわかるのですから、畑仕事の敵として熟知しておられるのです。さて、蛹が転がり出てきて、殺したかな?多分、苦笑いしながら、転がしておいたか、埋め戻してやったかではないでしょうか。
注:夜盗虫は、夜盗蛾=ヨトウガの幼虫のことです。下のサイトで、ヨトウガの成虫、幼虫、蛹の写真が見られます。
http://www.jpmoth.org/Noctuidae/Hadeninae/Mamestra_brassicae.html
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