桐一葉
2008.12.14付 朝日俳壇より
桐一葉滑空の後池に在り:(多摩市)宮崎冝和
長谷川櫂 評:すうっと舞い降りて、軽く水面に乗っている桐の落葉。
どうも選者の評に楯突くのが悪い癖で・・・。
当然「桐一葉落天下知秋」を踏んでいるわけですよね。
(この桐は梧桐であって、桐ではないそうですが。)
天下の秋を知らしめたのは「音」ですね。宮崎さんの句では、一葉は滑らかに滑空してきて、水面に乗った、当然音はない。でも、おそらく水面には波が立ち、音もなく静かに池の水面を広がっていった。水の粘性もイメージしてください。なめらかな波です。
その波は、深まる秋を池の中へ、また池の表面から世界へ、伝えているのではありませんか?
(天下の秋かどうかは知りませんが)
静かな無音の世界に桐一葉が告げる晩秋です。
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