向こうの人
2008.11.9付 朝日歌壇より
パソコンの向こうにひとがいるんだとアイスクリーム食べて深呼吸:(小平市)萩原慎一郎
佐佐木幸綱 評:eメールか。ゲームか。一人の部屋の独り言のような作。
どうも素人は恐れを知らない。佐佐木幸綱さんに楯突こうなんてね。
今私はこうやってブログを書いていますが、この言葉たちは、画面の向こうにいる「人」に向かって発されているものです。
言葉は必ず人に向って発されるべきものだ、と私はかたく考えています。独り言は嫌です。ブログが独り言なら、私には耐えられません。
かつて、教師として教壇に立っていた時もよく生徒に言ったものです。授業はライブだ。僕の言葉はテレビの音声ではない。今、ここから、君たちへ向かって発される生き物だ。しっかり受け止めて欲しい。とね。
今の生徒は、テレビの前で菓子でもかじりながらドラマでも見ているような授業態度なんですよ。教師の言葉が、自分に向けて発されているとは思っていない生徒がひどく多いのです。
それじゃあ、むなしすぎるんです。
言葉は常に人から人へ向かうものであるべきです。今、私は、パソコン画面の向こうにいる人に向かってこの言葉を発しています。
萩原さんも、一息ついて、パソコン画面の向こうの人に語りかける覚悟を定めて、気合いを入れているのではないでしょうか。
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