寒柝
2008.11.24付 朝日俳壇より
風の玉ねらひ寒柝(かんたく)放ちけり:(羽村市)寺尾善三
長谷川櫂 評:見えるはずのないものを、たしかに見ている一句。
たく【柝】:拍子木。「―を打つ」「撃柝・寒柝」[広辞苑第五版]
かん‐たく【寒柝】冬の夜寒に打ち鳴らす拍子木の音。[広辞苑第五版]
木が入る:(多く「柝が入る」と書く) 芝居や相撲で、開幕・閉幕などの合図に拍子木が打たれる。[広辞苑第五版]
11月より、もう少し季節が進んで、キリキリと寒気に締め付けられる透明な夜のイメージがします。
「カーン」というのかなぁ、拍子木の「一音」が風の玉を切り裂いていく。
拍子木の音も、風の玉も、どちらも目に見えませんが、明らかにイメージの世界の実在です。
世界を切り裂く刃の一閃が目に見えます。
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