新米・古米・こめつなぎ
2008.11.03付 朝日俳壇より
新米と云ふ話題あり古女房:(さいたま市)薄井逸走
金子兜太 評:「新米」の語ににじむ諧謔の味。
古米にも新米の日のありしかな:(東京都)土屋雅子
長谷川櫂 評:新米がもてはやされはじめると、去年の米は古米と呼ばれるようになる。その古米の気持ちを思いやる一句。
2008.11.09付 朝日俳壇より
新米と言ふ響きさへ馳走なり:(大阪市)高橋爽魚
◆初もの好きですよね、日本人って。初ガツオ、ボージョレヌーヴォー・・・。
で、本当のところ、ほんとうにあなたの舌は「違い」を味わい分けていますか?
と、皮肉なかかしさんは聞きたくなってしまいます。
実際に気分を楽しむのならまだしも、みんなが騒ぐその騒ぎに乗ることを楽しんではいませんか?と。
騒げるネタを、貪り探しているように見受ける今のご時世です。
中身ではなく、騒ぎを騒いで楽しんでいませんか?
◆アサヒ・コムのマンガ・コラムに「ゆるゆるフェミニン」という戸田聖子さんの連載コラムがあります。
その11月6日付のコラムが面白かったですよ。
「米びつに虫が…あなたならどうする?」というのです。
ご実家から新米をいただいてきた聖子さん。一週間後にその新米に、「虫」がわいてしまったのです。
ノシメマダラメイガという蛾の幼虫ですね。
これを、手でより分けて
「なんと! 8キロの米の中に五十匹以上いました!多分全て駆除したハズ・・・」
エライ!ですねぇ。
昔の私ならすぐに米を捨てていると思います。
本当に虫が苦手なんです!女子なら分かってくれるはず!!
けれども女子というより主婦・お母さんになって
しまったという事ですかね……なんだか切ないですが、
地球にやさしい人間になれたような気がします。^_^
◆私は子どものころ、この蛾の幼虫とりをずいぶんやりました。こういう仕事は子ども向き。いっぱい取りましたよ。曖昧な記憶ですが「コメツナギ」とかいってましたね。幼虫が糸を出して、米をつないでしまうからです。
で、そうやって虫を取ったお米をちゃんと食べる、ごく当たり前の日常生活でした。
多少食味が変わっていたかもしれませんが、構った事ではありません。おいしかったです。
ゆで栗をむくと、中によく虫がいて、虫だけよけて、その栗の実も食べました。
梨をむくと、虫の食べた穴があったりして、実を削り食べながら、穴を追跡し、ついに虫を発見すると、それだけをどけて、みんな食べてしまうーーごく当たり前のことで。
◆私はもうかなり長いこと、玄米を食べておりますが、たまにコクゾウムシが発生してしまうことがあります。消毒剤がない証拠、健康米だなぁ。
一応、成虫になったものは取り除いて、残りを炊いて食べてしまいます。卵やフンもきっと食べているのでしょう。
妻の論理では、米の中の卵から生まれて、米の実だけを食べて成長してきたのだから、汚くもなんともない。米が姿を変えただけのものだ、ということになります。
私も賛成。で、健康トラブルなんかひとつもありません。
米に虫がわいたら、まぁ、一応取り除けるものは取り除いて、ちゃんと食べましょうね。健康には一切問題はありませんから。
◇アゲハやアオスジアゲハなど飼育していると、いっぱいウンチをします。みかんの葉っぱが姿を変えただけ、クスノキの葉っぱが姿を変えただけ、全然不潔でもなんともない、というのが我が家の論理なのでした。
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