くっく
2008.11.17付 朝日歌壇より
玄関に初めての靴並びたり一人立っちの一歩はじまる:(奈良市)織田真記
佐佐木幸綱 評:歩きはじめた幼児の靴。記念写真のような、うれしい一首。
かわいいですよねぇ。昔、友人たちへの出産祝いに、妻がフェルトを煮て、パステルカラーに染色し、靴の形に縫って、一足箱に入れてプレゼント、なんてよくしたものです。
とにかくかわいい。
寝返りが打てた、はいはいができた、座れた、つかまり立ちができた・・・視界が変化するたびに、赤ちゃん自身もう嬉しくってね、革命的に認識レベルも変化していきますよね。
ちょっと立って尻もちついていたのが、ある日、2,3歩、歩いてしまう。あれは本当に「革命」ですよ。翌日からはもう、いくらでも歩けたりして。あの成長の速さはとてつもないですね。どうやって全身の運動を統合するんだろう?プログラムで動くロボットにはまねのできないことです。
◆ところで、生まれたての赤ちゃんの足の裏をつっつくと、「足を握る」反射を示すのはご存じでしょうか。サルとしての枝を足で握る動作の名残のようです。
生まれたての赤ちゃんの体を縦にして、両脚を床に接触させると、歩行反射がおこって、歩くような動作をします。しばらくするとこの反射は消えて、だいぶ後になってまた復活します。
ベビーマッサージとか何とか、特別なことではなく、赤ちゃんを突っついたり、なでたり、くすぐったりしましょ。おむつ替えながら、お腹をくりくりしてあげたり。
言葉が分からないからといって無言で接してはいけません。たくさん声をかけてあげましょう。言葉に包まれて、赤ちゃんはくつろぎ、人間関係の第一歩を獲得していくのです。
誕生後しばらくは「目が見えない」ということになっていますが、実は見えてはいるのです。見たものに、見たことに、反応を示してくれていないだけなんです。うまく視覚が統合されていないのかも知れませんね。
でもね、生後1カ月くらいまでの赤ちゃんがいる方は試してみて欲しいのですが。
赤ちゃんを抱いて顔を向き合わせ、べ~っと舌を出して見せてあげてください。すると、かなり確実に、赤ちゃんもその動作を真似て舌を出しますよ。
つまり、見えてはいるのですね。どういう反射なのか、よく分かりませんが、とにかくかわいいから試してみてください。
このことを「日経サイエンス」で読んで知って、わが子に試した時は、もう1カ月を過ぎていたのですが、面白かったですよ~。
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