オビキンバエ
通常のキンバエより「目」が美しいと思います。
腰をかがめなくても撮れる高さにいてくれたので、助かりました。
少し後ろ側から撮った大きめの画像をお目にかけます。
写真の中に白い矢印で指し示した、小さな白い構造がありますね。
多分これが「平均棍」というものです。もう少し、じっくり撮りたかったのですが、これ以上は鮮明に撮れませんでした。またいずれ、もっとはっきり分かる写真にチャレンジっします。
ハエの仲間は昆虫なのに、2対の翅ではなく、1対2枚の翅しかありません。前翅が残っているのです。
では、後翅はどこへ行ったのか?翅としては退化しましたが、「平均棍」として残っています。
以前は、前の翅をはばたくときに、バランスを取るのだろう、と考えられていましたが、現在は「ジャイロスコープ」の一種だろうと考えられています。
糸に重りをつけて振り子にし、手の先で振らせながら体を回転させてみてください。振り子自身の振動面は動きません。ですから自分から見ていると相対的に振り子の振動面が動いたように見えます。
振り子を持った指の先にセンサーをつけて、振動面の方向をいつも監視しているとしましょう。もし、振り子の振動面が動いたら、実は自分が動いたことになるので、自分の姿勢を保持する情報として使えますね。
これが、ハエの平均棍のはたらきです。平均棍は前翅と同期しながら高速で振動しています。そして、平均棍の付け根にはセンサーがあります。これによってハエは自分の姿勢の変化をとらえて、姿勢制御ができるのです。
平均棍をとってしまうと、ハエはバランスを失って、うまく飛べなくなるそうです。
ハエは嫌われがちですが、飛行能力の高さでは昆虫界でも1,2を争う高度な飛行技術を持っています。それを支えるのが、この平均棍なのです。
オオスカシバも見事なホバリングができますが、なんでも、触覚をジャイロスコープに使っているという話です。
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