オオハナアブ
マルハナバチと間違える方もいるかもしれませんが、ハエの仲間の顔をしています。
胸の黒いところが「漆黒」というのでしょうか、反射のない真っ黒なのが印象的です。ビロードのような、というのかな。黒い毛が密生していて、入射光が全く返ってこないという黒さです。
どういう風な構造でこの模様が現れるのか分かりませんが、どの角度から見てもこの模様が見えますから、光線の加減、というのではなく、眼の表面に存在する模様なのでしょう。
まったく反射光がないでしょ。入射光が全く返ってこない、というできごとを「黒」といいます。
カッターナイフの替刃を買うことがあったら、包装を開いて、刃が並んでいるところを見てください。斜めの刃の並びに入っていった光が返ってこないので、金属の刃の並びなのに真っ黒に見えますよ。
◆ところで、ハナアブという名前のアブがいくつかいますが、この幼虫がなんというか、すごい恰好なんです。水中で生活します。
”オナガウジ(尾長蛆)”とも呼ばれるのですが、芋虫に尾が生えたような形で、この尾が呼吸管なのです。
中山周平 著「庭・畑の昆虫」(小学館)という”名著”によりますと
幼虫は”オナガウジ”とよばれ、長い呼吸管をもっていて、静止した汚水中に生活する。汚物を食べて成長する。さなぎにも呼吸管があり、このさなぎで越冬することもある。
とのことです。
私はこの姿の幼虫は1回だけ見たことがあります。生物室の前の草むらに、昔の防火用水の水槽が放置されていて水がたまっていました。変なのがいるぞ~、という声が上がり、ビーカーにとらえてみたら、全くあんまり楽しくはない幼虫でした。その時は何の幼虫か分からず、家で上記の本を調べて解決したのでした。
「オナガウジ」でグーグルのイメージ検索をかけると写真が見られますが、あまりお勧めはしません。
もし、静止した汚水で尻尾のあるイモムシを見ることがあったら、ああこれかぁ、と思ってください。(水の汚濁の度合いの指標にもなります。)
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