エゾカタビロオサムシ
10月5日の撮影です。日曜日は具合の悪くない限りプールへ行って1時間ほど泳いでくるのですが、そのプールの建物の前の地面に落ちていました。いつも携帯しているコンパクトデジカメでの撮影です。
弱ってはいましたが、生きていました。プールのそばに神社があり、プールの建物の前には街灯があるので、おそらく夜、明かりに誘われてやってきたのでしょう。
硬い翅(前翅)の模様が美しい。
焦げ茶っぽい渋い地に、金色の鋲をうったみたい。実に印象的な模様です。
後翅が少しはみ出して見えます。これが実は私の混乱のもと。
これはどう見ても肉食性ですよね。すごいアゴだ。
アゴの付け根の間に単眼がちょっと光って見えます。
さて、これは何という名前なのか?
一見して、オサムシの仲間かな、とは思ったのです。でも、私の知識ではオサムシの仲間の後翅は退化していて飛べない、と思っていました。ですから、夜間に飛んできたらしいこの虫を、同定することができずに放置していました。
ネットで調べても思うような候補が上がってこない。困って、書籍の図鑑にチャレンジ。
古いんですよ、私が中学生の時に買った「原色日本昆虫図鑑」 です。保育社、昭和37年4月1日 改訂九刷発行、というのです。奥付には昭和37年9月1日購入と書きこんでありました。1300円もしたのです!バス料金が10円か15円くらいの時代に、1300円、小遣いためて、決死の思いで買い込んだ図鑑です。
図版全部を見てやろうと、心構えしてページを繰り始めて、オサムシの項で「あっ、これっ」とすぐに目にとまったのが
エゾカタビロオサムシ
でした。「エゾ」でいいのかなぁ、と読むと、分布範囲には本州もはいってますから大丈夫でしょう。
エゾカタビロオサムシオサムシで検索すると、よかった、確かに間違っていません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%82%B7
によりますと
・・・
カタビロオサムシ亜族に属する種以外の大半のオサムシの後翅は小さくなるか、しばしば糸状になるまで退化して飛ぶ事はできない。
・・・
カタビロオサムシ亜族のオサムシは多くのオサムシ類と異なり、地表のみでなく樹上をも活動範囲としてチョウやガの幼虫を専門に捕食するのみならず、飛翔によって広域移動をすることが知られる。
畑などでヨトウムシなどを捕食しているエゾカタビロオサムシが、夜間郊外の住宅地の街灯に飛来しているのを見ることも稀ではない。
・・・
なるほどねぇ。そうなんだぁ。オサムシでも飛ぶやつがいるんですねぇ。大した量の知識でもないのに、その固定観念でものをとらえてはいけないのでした。
印象は、ひたすらきれいな昆虫、です。
なお、手に取ってしばらく写真をとったのですが、何も匂いをつけられるというようなことはありませんでした。興奮させなければ大丈夫です。
撮影後、プールの建物脇の植え込みの下のほうに放してやりました。駐車場もそばですからさまよってひかれてはかわいそう。穏やかに土に還ってください、と念じました。
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