座敷鷹
◆サイエンス・アイ新書「身近なムシの びっくり新常識100」森昭彦 著 というのを読んでおりましたら、ハエトリグモの話で、こんな記述にぶつかりました。
風雅を愛する江戸時代には座敷鷹としてペットにされ、商人が売り歩き、高価で取引されたようである。・・・。たとえばネコハエトリは、オス同士が出会うと相撲を始める。「いやぁ」と両手を挙げて威嚇してから、がっぷり四つ。社交ダンスみたいなステップを踏みつつ、真剣勝負は数分に及ぶことも。決まり手は押し出し。負けた方は葉っぱの縁から落とされて、ほうほうの体で逃げてゆく。・・・
前に使った写真を引っ張り出しました。
9月16日の撮影分です。ここで私と遊んでくれているのはネコハエトリのメスですので、上に引用した遊びには参加してくれないでしょう。
オスは頭胸部がもっと黒いはずです。脚が長いし。
さしずめ「座敷雌鷹」でしょうか。
この色合いを鷹に見立てたのでしょうかねぇ。眼光の鋭さ、が鷹なのかな?
http://sito.ehoh.net/zasikitaka1.html
↑ここに「座敷鷹」の話が詳しく載っております。関心のある方はどうぞ。
◆「クモ学」小野展嗣 著、東海大学出版会 には、下のような記述がありました。
ハエトリグモのように眼の利くクモでは、雄同士が威嚇行動を行うものがある。ホンチ遊びと呼ばれるネコハエトリの雄を使ったクモ合戦は、その行動を人間が利用したものである。
また、「日本のクモ」新海栄一 著、文一総合出版では
・・・。神奈川県と千葉県の東京湾沿岸地域と、房総半島周辺地域にはネコハエトリを戦わせる遊びがあり、その地域ではこのクモをホンチ、ババなどと呼ぶ。
とありました。検索してみると、遊び方などを紹介したサイトがありましたので、ご紹介しておきます。
http://ueda3.bit.ac/asobi.f/honti.html
http://www.geocities.com/Heartland/Valley/8116/society.html
「ほんち」というのがどういう言葉なのかは分かりませんでした。
2番目のサイトから引用します。
・・・関東で「ホンチ」などの名で知られるネコハエトリの雄成体をつかうもの。ちいさなマッチ箱様の「ホンチ箱」のなかで二頭をたたかわせると、第一脚をすりあわせる「サヤアテ」、第一脚を広げて向かい合う段階から、四つに組む「地取り」、そして一方が他方の腹部を引っかいて、引っかかれた方が逃げ出す、と、実にダイナミックな闘いが展開されます。これらの行動は、野生下でもオス間の闘争として観察されており、生態をよく観察した末に生まれた「遊び」文化ということができそうです。
・・・
ホンチ箱は、関東大震災の翌年、傘職人の加藤さん(右)という横浜の方が、丸薬の箱のデザインをもとに作って売り出したところ、戦後直後は60万箱も売れたといいます。かつて、この遊びは、子どもの間で大流行していたのです。
ひょっとして「陣取りゲーム」みたいな「本地」取り、なのかな?(まったくの想像です。信用してはいけません。)
ネコハエトリ・ファンとしては面白い話だったので、ご紹介しました。
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