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2008年10月28日 (火)

鉦叩

2008.10.27付 朝日歌壇・俳壇より

一秒の時間をこんなに大切に刻んで生きている鉦叩き:(城陽市)山仲勉
鉦叩二匹ずれたり揃ったり:(東京都)石川理恵

鉦叩きの声はちょうど1秒前後位でしょうか。連続して、でもなく、思いだしたように、でもない、絶妙の間合いで鳴きます。「時を刻む」という感じがするのですね。深まる秋に、命の果てを視野に入れつつ、静かに時を刻む。そのような思いを引き起こす声です。

その鉦叩きが二匹います。一匹が単独で鳴くときも、時計の針のように正確な間隔で鳴くわけではありません。二匹いれば、それぞれのメインの間隔と、メインに対するズレが入ってきますから、時々揃うこともあるのでしょう。おそらくずれている時の方が長いけれど。二匹の鉦叩きの鳴き声がそろうというのは私には未経験ですがきっと、あぁ同調した、という結構深い物思いを誘う出来事なのだと思います。命の同調というのは、なんであれ、いつであれ、とても深いものですから。

◆突然、理科教師の顔に戻りまして。

車を運転していて右折待ちかなんかで、自分も前の車もウィンカーを点滅させているとします。それぞれの車のウィンカーは正確な間隔で点滅しているとします。でも、2台の車のウィンカーの点滅間隔はずれているとします。そうすると、このずれがごくわずかである時、ウィンカーが一度同調してから、次に同調するまでの時間が長くかかります。ずれが大きい方と、同調した、ずれた、同調した、がどんどんやってきます。

これは一種の「うなり」であり、時間的なモアレ縞もようでもあるのです。

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/118th/sci_118.htm

↑このあたりで「うなり」などで小学生のU君と一緒に遊んだ記録です。お読みください。

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