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2008年10月23日 (木)

アブラムシとアリ

1015aburamusi1 1015aburamusi2 あぶら‐むし【油虫】カメムシ目アブラムシ科の昆虫の総称。一般に小形で、農作物などの汁液を吸収して発育を害し、種類によりウイルスを媒介。夏、単為生殖で増殖し、秋に雌雄を生じ、多数の卵を産む。多くは腹端から蜜を分泌するので、蟻が好んで保護する。アリマキ。[広辞苑第五版]

このあたりは、よく知られたことだと思います。

高校の生物でも、環境条件の良い時には、効率のよい「単為生殖」で増殖し、厳しくなるときには「有性生殖」で遺伝的多様性を増やす。

というような話を「世代交代」というところで話します。有性生殖というのは雌雄が出会わなければ成立しないので、効率は悪いし、リスクも大きいのです。単為生殖はその点、効率よく、低リスクですね。でも遺伝的には親と同一のままです。

ですからあえて非効率な有性生殖をおこなうのは、おそらくこの「遺伝的多様性」ということのためです。その多様性があればこそ「進化」という歩みも起こってきたのです。

「進化」は、より良くなること、ではありません。より多様になって環境の隅々まで生き進むことです。

「身近なムシのびっくり新常識 100」という本を読んでおりましたら、ボタンヅルワタアブラムシなどのアブラムシでは、「成長を途中でやめた特別な一群」がいて、「口吻が短く、足も太くて大きい」のだそうです。これが「兵隊アブラムシ」で敵と戦うのだそうです。

ウィキペディアを検索してみたら、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7

アブラムシ類は、自分自身の防御力が弱く、それを補うためか、アリに頼るものがある(それゆえアブラムシをアリマキと呼ぶことがある)。食物である師管液には大量の糖分が含まれるので、肛門からの排泄物には余剰の糖分が大量に含まれ、甘露と呼ばれる。しばしば、この甘露を求めてアリが集まる。中には、はっきりとアリとの共生関係を持ち、アリに守られて暮らすものもある。また、アブラムシの中には1齢幼虫と2齢幼虫の一部が兵隊アブラムシに分化して積極的に外敵に攻撃する真社会性のものもいる。この幼虫は成長せずに死ぬ。虫えいを形成するものでは、排出された甘露を幼虫が虫えい外に押しだして「掃除」を行うなどの社会性が見られる。
体内でブフネラという大腸菌近縁の細菌と共生しており、ブフネラは師管液からアブラムシにとって必要な栄養分を合成している。アブラムシはブフネラの生育のために特化した細胞を提供しており、ブフネラは親から子へと受け継がれる。ブフネラはアブラムシの体外では生存できず、アブラムシもブフネラ無しでは生存不可能である。

こんな記述がありました。アブラムシが社会性を持つというのは今まで知りませんでしたので、びっくりです。

アリとアブラムシの写真を見ながらいろいろ考えさせられました。

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