身体には重さがある
2008.10.27付 朝日歌壇より
身体には重さがあるといふことも思はで街を歩きゐしころ:(東京都)山下征治
まったくですね。若いころは、私のような身体障害者でも、あまり自分の重さなんて意識せずにおられましたものを。
この年になって、街をゆく若い男女を見ると、圧倒的な「軽やかさ」、暴力的とさえ思える「しなやかさ」を身にまとって歩いていますね。
最近の私などは、朝起きると、組み立て式のロボットみたいなもので、きしむ体をあちこちから寄せ集めて、一つの体にまとめ上げ、その上で体がちゃんと立ちあがるかどうか、そっと立ち上がらなければなりません。朝の最初の一歩、というのが、ちゃんと踏み出せるかどうかと軽い不安を感じながらの朝の儀式です。歩きはじめの赤ちゃんじゃあるまいし、全然かわいいはずもない。
まったくもう、しょうがないものです。
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