アオスジアゲハの羽化
アオスジアゲハが2匹(2「頭」という人もいますが、別にこだわらなくていいです)、ほぼ同時に羽化しました。
左の方をA、右をBとしましょう。
翅を軽くつまんで、ランタナの花につかまらせたところです。
このAは、すぐに飛び去っていきました。
充分に飛びたくなっていたようです。
時間的に少しAより遅く羽化したのでしょう、まだ、少し休憩状態。
ランタナの花にしばらくつかまっていました。
ちょっと珍しいショットですね。
完璧なフォルム、というのかな。
美しい。
普通、「チョウの毛並み」というのはあまり意識しないでしょ。
見てください、ふさふさ。犬を思わせるような美しい豊かな毛並みですね。
このあと、何枚か写真を撮っているうちに飛び立っていきました。
食酢の瓶にクスノキの枝をさして飼育していたのですが、蛹になるときに歩き回って(ワンダリングといいます)、瓶の壁で蛹になってしまいました。
蛹自体は安定しているのですが、羽化の時に蛹の殻から歩きだすんですね、その時に足場が悪いと落ちてしまって、翅の伸展に失敗することがあるのです。
そこで、落っこちてあわてて何かに登ろうとしたときに、いい足場になるように、と妻がティッシュペーパーを巻いてやったのが写っているのです。
人がいるときに羽化失敗を見てしまったら、カーテンにつかまらせるとか、ティッシュペーパーをぶら下げてやって、つかまったらセロテープで貼るとか、割り箸につかまらせてやって、箸を固定するとかしてやってください。早い時期に、よい足場につかまらせてやれれば羽化は成功します。翅を上向きに伸展することはできません。体が垂直から上向きになっていれば自力で伸展できます。
こちらは、蛹になるときに、固定に失敗して落ちてしまったものです。
蛹が黒く色づいてくるまでは、別にどういう姿勢でも大丈夫です。
羽化が近づいたら、こんな準備をします。
紙で、ちょうど蛹が入る円錐をつくります。その円錐の一部を長くしておいて、壁面にセロテープで固定し、蛹を入れてやります。これで準備は万端整いました。
別に蛹を紙の円錐に貼り付けるという必要はありません。入れてやるだけで大丈夫です。
セロテープの縁に粘着物がはみ出していないようにしてください。ちょっとでも粘ったところを踏んだら致命的ですから。
とまあ、こんな羽化準備をしてやって、無事羽化して飛び去っていくのを見るのは本当にうれしいものです。
もう30年以上もこうやってチョウと付き合ってきました。何匹羽化していったのかなぁ。楽しい趣味です。皆さんにもお勧めします。
柑橘類があればアゲハチョウが来ます。
セリ、パセリ、ニンジンなどをプランターで栽培すればキアゲハが来ます。
スミレの仲間にはツマグロヒョウモンが来ます。
食草を栽培してください。チョウたちは目ざとく飛来して産卵してくれます。そうとうな都会でも、来ます。チャレンジしてください。
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コメント
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パセリにつくのは、キアゲハですか!
かかし先生のサイトは、面白いくらいすんなり頭に入ります。
これでもう、バッチリです。
我が家のパセリにいた「キャタピー」(娘の命名)は、キアゲハの幼虫だったのですね。
前の家では、フェンネルを地植えしていたので、たくさんのキアゲハが勝手に育っていったようです。
でも、その時はアオスジアゲハやカラスアゲハもお庭に来ていたので、なんのアゲハの幼虫かわからずにいました。
パセリについてた我が家の「キャタピー」は、いなくなりました。
娘が寂しがっていましたが、パセリがプランター植えで乏しかったので、他に餌を求めて移動したのか、食べられちゃったかは不明です。
(パセリは丸坊主状態)
乏しいパセリなのに、またキャタピーのちっこいのが生まれました。
地植えして、キアゲハのお宿にするか、思案しています。
投稿: みみこ | 2008年8月29日 (金) 01時17分
REを少し急ぎます。
スーパーなどで市販のパセリをそのまま幼虫に与えないでくださいね。栽培農家側の責任ではないと思いますが、店頭で見栄えが良いように、リン酸水溶液かなぁ、を吹き付けてあることがあります。こういうパセリを食べさせると、幼虫が死にます。よほど長時間洗うか、新しく芽を出させるかしたほうが無難です。
終齢幼虫の食欲は猛烈ですから、あらかじめなんとかパセリの分量を確保することを考えてください。
いったんパセリで育ち始めた幼虫を他の食草で飼育するのは難しいでしょうが、もし食料不足になったら、ニンジン、ミツバ、セリなどセリ科の植物を与えてみてください。腹ぺこなら食べてくれるかもしれません。
取り急ぎお知らせします。
投稿: かかし | 2008年8月29日 (金) 10時34分
とても丁寧なアドバイスをどうもありがとうございました。
この際、買ってこようか、などと思っていましたが、農薬については、まさか人間も口にするものだし、考えもしませんでした。
あぶないあぶない・・・・・。
とりあえず、三つ葉のプランターを近くに持ってきて、様子を見ようと思います。
かかし先生の、蝶をはじめとする「いきもの」への慈愛の深さに、感嘆をすることしきりです。
投稿: みみこ | 2008年8月31日 (日) 02時16分
農薬というのか、農家では使っていなくても、売る側が鮮度保持などに薬剤を使うことはあるようです。
線路際の草を使ったら、ずいぶん前に電鉄会社がまいた除草剤が残留していたということもありました。
カマキリにゴキブリを与えたら、多分殺虫剤が少し体についていたのでしょうか、カマキリが死んでしまったこともありました。
ずいぶん悲しい思いを重ねて学んだことです。人間は「巨大」なんですね。人間が平気でも小動物には致命的なこともあります。心したいと思います。
投稿: かかし | 2008年9月 1日 (月) 15時13分