アブラゼミの抜けがらについて
こうやって落ち着いて見てみると、本当にきれいです。
脱皮ということの不思議さにうたれます。
鋭く尖った脚の先端を木の肌にしっかり食い込ませています。
これが羽化の際の命綱。こうやって固定した幼虫時代の殻に、羽化中の成虫がどうやって体を支えているのか?よくは分かりませんが、綱渡りのような状態を通過して羽化を完成させていくわけです。危険な時間帯ですね。おそらく、羽化の過程で失敗してしまう個体も少なくはないのだと思います。
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ところで、一番上の写真の触覚を見てください。
実は、アブラゼミとミンミンゼミは、成虫はもちろん一目で分かりますが、抜けがらはとてもよく似ているのです。
抜けがらだけを見て、これはアブラゼミだ、これはミンミンゼミだ、と判別できるのでしょうか?
http://www.hirahaku.jp/web_yomimono/tantei/smmiwake.html
http://www4.zero.ad.jp/seiken/shihyo/bhousemi.htm
上のサイトを参照してください。アブラゼミでは「触角は毛深く、第3節は第2節の1.5倍」とあります。
ミンミンゼミでは、第3節と第2節はほぼ同じ長さなのだそうです。
触覚の部分だけを拡大してみました。
いかがでしょう?
第2節と第3節の長さが違うようだ、とは思うのですが、「1.5倍」もちがうかなぁ?
これは、アブラゼミの抜けがらであることは確定していますから、この程度の違いなのだということをご理解ください。
これは、8月4日の夜に羽化に失敗しかかったけれど、なんとか成功したアブラゼミの抜けがらの触覚部分です。
いかがでしょう?
やっぱり1.5倍はないような気がします。
◆ところで、この知識をもとに下の写真を見てください。
これは大田区の白山神社で8月1日に撮影したセミの抜けがらです。
触覚をご覧ください。
どっちでしょう?アブラゼミ?ミンミンゼミ?
アブラゼミではないか、と私は思うのですがいかがでしょうか。
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