キハラゴマダラヒトリ
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_56b5_1.html
↑ここで、幼虫から蛹になり、羽化したキハラゴマダラヒトリをご紹介しました。
飼育ケースには、成虫が出ていった「あと」があります。
幼虫時代の糞が転がっています。
写真の繭の下の方が白くなっていますが、ここから成虫が羽化して出ていったのです。
中はどうなっているのかな?と好奇心が湧きました。
表面からピンセットで少しずつ繭をむしって、中を開いていきました。
蛹の腹部は筒状にコロンと、出てきました。
腹部先端に幼虫時代の皮を脱ぎ送ったものがたまっています。
幼虫時代のあのすごい「顔」がくっついて残っていますよ。
繭の内側は白い糸で覆われていて、そこに、蛹の胸部と頭部がくっついていて、体内側から見る状態になっています。
胸の部分の板と頭のフタのような具合ですね。
このあたりでカパッと蛹の体が割れて、成虫が出ていったのでしょう。
上から頭部、胸部、腹部とそろっています。
蛹時代の姿が想像されます。
ところで、腹部が筒状に残っていますので、ちょっと中を覗いてみたんですが
特に何も見えませんでした。
セミの抜け殻なんかでは、気管が糸状に見えたりするんですけれどね。
さて、ひとしきりこうやって観察した後、はケースを水で洗って、次の飼育に備えました。
ブログにどの写真を使おうかパソコン上で考えていて、フト気づいたことがあります。
幼虫時代の皮が残っていました。では、幼虫時代=あのものすごい「毛虫時代」の、あの「毛」はどこへ行ったのでしょう?
もう一回、繭の全体像を見てください。
内側は白い糸を吐いて体を包みました。
繭の外側にくっついている褐色の繊維状のもの、これはきっと、毛虫だった幼虫時代の毛ですね。
どうやったかは分かりませんが、毛だけ先に抜けたのではないでしょうか。そうして、非常に毛の少なくなった幼虫は、口から糸を吐いて繭をつくりながら、その外側に自分が今までまとっていた毛を配してくっつけたのではないでしょうか。蛹の腹部先端に残る幼虫時代の皮を見ると、多少の毛は残っていますが、全部が残っているようには見えません。
では、じっくり繭を見てください。繭本体は白いのです。自然界では、どのような場所で蛹化するのか知らないのですが、白ではどこでも目立ちます。
周りに褐色の毛をつけておけば、目立たなくなります。おそらくそういうことでしょう。
自分の幼虫時代の毛を使って、繭をカモフラージュし、羽化する。
感心しました。
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