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2008年7月

2008年7月31日 (木)

年間気温の頂上へ

◆暑中お見舞い申し上げます。

◆もう7月も終わりです。30年間の平均である平年気温で見ると、東京の気温のピークは、最高気温が8月2日~8月9日の31.2℃で、最低気温が7月31日~8月15日の24.4℃です。

立秋は8月7日です。

Temperature これが年間の気温変化のグラフです。

このグラフは以前にもご紹介したと思います。

立秋というのはまさに季節の替わり目に建てられた「標識」なのです。

◆ところで、ある日の平年気温が前日の値からどう変わったか、という差をとってみましょうか。そうすると、気温の変化の速さのデータが得られます。グラフの傾き具合を数値化したものです。

Velocity1 それをそのままグラフにしたのがこれです。

「速さ」ですから、プラスなら気温が前日より上昇した、マイナスなら気温は降下した、ゼロなら変化なし、ということになります。

7月の終りからしばらくゼロが続きますね。ピークでは前日と変わらない値が続くからです。

・立春を過ぎたころから気温は上昇に転じています。

・春分を過ぎると上昇スピードが増します。

・夏至のころに上昇スピードが落ちるのは、東京という地域の「梅雨」という気候の特性かもしれません。

・立秋を過ぎると、気温は降下を始めます。

・秋分を過ぎて冬至まで、下降速度が速いのが分かります。

・そして、寒さの谷底でまた変化しなくなって速度ゼロが来て、立春へ。

◆上では、「変化量=当日値-前日値」をそのままグラフにしましたが、移動平均という方法でグラフを滑らかにしてみました。

Velocity2 立春と立秋が季節の境目なのだということがきれいにわかると思います。

二十四節気というのは、太陽の位置を示す言葉なので、(もちろん太陽を回る地球の位置を示す言葉でもあります)、太陽暦に属する刻み目なのですね。

◆まだまだ暑い日が続きますが、長い目で見ると、まもなく気温のピークに達し、やがて低下が始まります。

立秋を過ぎたら、体も少しずつ楽になってきます。もうしばらく頑張りましょう。

ヒメグモ

0728himegumo1 7月28日。ヒメグモの巣です。

分かりにくいかと思いまして、写真の中にメスとオスの位置を書きこんであります。

この巣の持ち主はメスです。

0728himegumo2 これがそのメス。

お腹が丸いのが特徴。オレンジ色です。

オスの方を拡大してみます。

0728himegumo3 0728himegumo4 オレンジ色が濃いというか、赤っぽいという感じです。

体もメスよりはかなり小さめです。

交尾のためにメスの巣にやってきたのでしょう。

どうしても巣を揺らさなければ近づけませんが、どうやって同種のオスだという信号を送るのか、詳しいことは知りません。振動を送るのでしょうか。

0730himegumo

二日後30日、思いだして同じ巣を見たら、オスはいませんでした。

交尾を済ませて無事去ったのか、メスの栄養になたのかは分かりません。

時間が前後しますが、28日、別の場所でもメスの巣にいるオスを見ました。

0728himegumo5 0728himegumo6

左の写真にはメス・オス両方写っています。

右はオスのクローズアップ。

季節のよいうちに、何としても産卵・孵化を繰り返して、繁殖しなければなりますまい。

生きるということは厳しいことです。

ヤマイモハムシ

0725yamaimohamusi 0725yamaimohamusi2 ヤマノイモの葉の上にいるのですからして、ヤマイモハムシですよね。

すこしピンボケなのが残念。接近しようとするとすばしこく逃げてしまいます。

もうちょっとくっきり撮りたいな。

オオカマキリ

0725ookamakiri1 オオカマキリの幼虫だと思います。

ハラビロカマキリのように腹を曲げたりはしません。

次の写真は、我が家の家族などカマキリファンにとっては、その圧倒的な迫力が「カッコイイ」と、ゾクッと来るような写真なのですが、カマキリが苦手な方にはおそらく、怖い、気持ち悪い、とぞっとする写真だと思います。拡大するか否かはお任せします。

0725ookamakiri2 いかがですか?

芙蓉

0725huyou1 芙蓉の花が咲いています。

私の認識では、この写真のように、「姿が木」であるのが芙蓉で、「姿が背の高い草」みたいなのがムクゲ、と理解していますが。

それで正しいでしょうか?花を見ても分からない、というのが実態です。

0725huyou2 0725huyou3淡いピンクがとってもきれいな花です。

六郷用水跡の遊歩道に咲いています。

チビタマムシ

0725humei1 0725humei2 これチビタマムシの仲間だと思うのですが・・・。

大田区の白山神社の石垣の上の面にいたのです。

体長は3mm程度、ごく小さな甲虫ですが、妙にキラキラしてきれいなので写真を撮りました。

チビタマムシにもいろいろあって、ヤノナミガタチビタマムシ、コウゾチビタマムシ、クズノチビタマムシなどがあるようです。

上の写真は「何チビタマムシ」なのかよくわかりません。写真もこれっきりなので、種を同定するのは無理かもしれませんね。「チビタマムシ」で勘弁してください。

ハラビロカマキリの幼虫

0725harabiro1 0725harabiro2          

0725harabiro3_2     

ハラビロカマキリの幼虫です。この腹をキュッと持ち上げたスタイルが、ハラビロカマキリに独特のものです。

「逆さJの字」 とでもいいましょうか。

かわいいでしょう。

カマキリたちの写真を取ると、他の昆虫よりもくっきりした「偽瞳孔」が写ります。複眼を構成する個眼のうち、こちらを向いているものだけが入射光を返さないので黒く見えるのです。

顔の向きにかかわらず、こちらを見ているようにみえるということが、写真からお分かりいただけると思います。

今いるところは、アジサイの葉の裏です。撮影しているうちにちょっと移動したのですが、不思議なことになりました。

0725harabiro4 0725harabiro5 餌と一緒に記念撮影、みたいなことになってしまいました。

豪華な食卓です。

こうやってカマキリ側に心理的に移入していると、ツマグロオオヨコバイの幼虫が、みずみずしくってとってもおいしそうに見えてくるのが不思議です。(カマキリにとってですよ、私にとってではありません、為念。)

元気でね~。

ハキダメギク

0725hakidamegiku かわいそうな名前をもらってしまっているので、なるべくチャーミングに撮ってあげたいと、チャレンジしてみました。

如何でしょうか。小さな小さなキク科の花です。

ガザニアにオンブバッタ

0725gazaniaonbu 花はガザニアです。

花びらがありません。

犯人は少し下にくっついているオンブバッタです。

これを見つけた妻は、オンブバッタにきつく説教していました。

「あなたの食べ物は単子葉の葉っぱでしょ。花びらなんか食べちゃダメでしょ。こっちよ」

ひょいとつまんで、細長い葉っぱの多いあたりへ、放り込んでやっていました。

私、「ヒトも食用菊食うしなぁ。きっと、ガザニアの花びらもほろ苦かったりして。この苦さがたまらない、大人の味だ、とかいって食ってるんじゃないの。あのオンブバッタきっとグルメなんだよね、多分」

その後も、時々、ガザニアのところでオンブバッタを見かけますが、いつも追放処分。細い葉っぱを食ってなさい。

◆我が家には猫が2匹いますからね。虫にもつい話しかけてしまう。猫ならかなり話が通じてるという気もしますが。昆虫に説教してもなぁ。わっからないだろうなぁ。

虫に説教

猫に小判。糠に釘。暖簾に腕押し。牛の角に蜂。馬耳東風。馬の耳に念仏。犬に論語。・・・

アオスジアゲハ

0725aosujiageha 庭で写真を撮っていたら、目の前をアオスジアゲハが直線的な軌跡で横切っていきました。

反射的にカメラを振って、レンズがアオスジアゲハの方を向いていることだけ確認してシャッターボタンを押しました。一眼レフのいいところは、とにかく追随性がいいことですね。ピントもなにも考えずに押したシャッターでしたが、パソコン画面で確認したら、こんな風に写っていたのです。

ラッキー!なワンショットでした。こう撮れていたとは、ウレシイナ。

ネコハグモ

0724nekohagumo1 0724nekohagumo2 以前に葉を撓めて巣をつくっている、ネコハグモをご紹介しました。

今回は、腹部背面の模様がかなりくっきり撮れましたので、掲載します。

気づいてみると、葉だけではなく、門扉のくぼみとか、あちこち、いっぱいこのネコハグモがいます。知らなかったんだなぁ。

小さなクモですが、こんな模様を見かけたら、ネコハグモだ、と同定していいと思います。

コフキコガネ

0724kohukikogane1 コフキコガネです。

高さ2mくらいのところにとまっていたので、写真が撮りづらい。

悪いね、降りといで、とつまみました。さすがにこの大きさのコガネムシだと力が強い。いやだ、といってましたが降参して手にくっついたところ。

0724kohukikogane2 機嫌悪そうですね。

触覚の先端がぱっと開いていますね。これ、緊張しているんですよ。

落ち着いているときはここを閉じてます。

アゴも大きく開いたり閉じたりしています。怒らせてしまったみたい。

0724kohukikogane3 手から飛んで、壁にくっつきました。

壁でしばらくじっとして、落ち着いてきたら・・・ほらね

触覚の先端が閉じました。

0724kohukikogane4 背中からの全体像。

白い粉を吹いているようだ、というのでコフキコガネです。

でもこれは粉ではなくて、毛です。

0724kohukikogane5

頭部の接写。毛がいっぱい。

落ち着いてくれれば、けっこう優しい顔つきですね。

0724kohukikogane6 背中の接写。

やはり毛だらけですね。毛の流れが美しいです。

しばらくして、今度は庭の奥の方へ飛び去っていきました。

2008年7月30日 (水)

オオシオカラトンボの産卵

0726sanran1_2 7月26日(土)、オオシオカラが産卵してるわよ、という妻の声。さっそくカメラに望遠ズームレンズを装着して駆けつけました。

今回の写真は動きが激しいので、どれもピンボケ、ブレだらけです。予め言い訳しておきます。

腹の太いがっしりしたオオシオカラトンボのメスです。1m弱上でオスがホバリングしています。

0726sanran3 0726sanran4 メスは水面近くでホバリングして、急降下して、腹端を水面に打ちつけます。左の写真で、左の後翅のあたりに水滴が飛んでいるのですが、水面をたたいた時のしぶきです。写真の左上でメダカさんがびっくりしているようです。

水面に丸い波紋が見えるのは、メスが水面を叩いて起こした波です。

0726sanran7 ここでも水滴も写っていますね。

水面に降下していくところでしょう。

0726sanran8 0726sanran2 まるっきりブレてますがご容赦を。

腹端で水面を叩く瞬間です。

猛烈なパワーで水面を叩きますので、水が前方へ跳ね飛ばされているのが写っています。すごいでしょ。

こうやって、メスが産卵している間、オスは上でホバリングしたり、近くの木の枝の先端にとまったりしています。これを「見守っている」というのか「監視している」というのかよくわかりません。

0726sanran5 0726sanran6 メスのように激しく上下に動きまわらず、空中にじっと浮いていますので、こんな写真が撮れました。

空中のトンボが撮れるとは思ってもいませんでした。

メスは時々、産卵を終わりにして飛び上るのですが、そうするとオスは「まだだ。自分の精子を使い切れ」という感じで、メスに激しく体当たりをします。羽音と体がぶつかりあうガサ、バシっという音が響きます。

というわけで、産卵中のメスをオスが上空から守っているのかどうかわからなくなってしまいました。同じ種のオスが割り込んできたら、それは撃退してメスの産卵行動をまもるでしょうが・・・。

生殖戦略上、自分の精子による受精卵を可能な限りたくさん産ませるために、メスを見張っているという感じも強くしました。

とにかく、産卵なのか、闘いなのか、という激しい行動が続きました。

0726sanran9 0726sanran10 メスのほうが圧倒的に激しい動きをしていました。

やがて、メスは高く舞い上がり、オスも一緒に舞い上がっていきました。

産卵は終了したようです。

その後、この池で、おそらくこのオスだと思いますが、毎日パトロールを続けています。次の交尾相手を探しているのでしょうか。

小さな池ですが、毎年、こういう激しい命の燃焼が行われています。そのような営みに立ち会えることは、同じ動物として、幸いなことです。

白い夾竹桃

0725kyoutikutou1 ここは、東急多摩川線下丸子駅からほど近く、多摩堤通りに面したところです。

サルスベリの花をバックに、白い夾竹桃が咲いていました。

とてもきれいです。

0725kyoutikutou2

0725kyoutikutou3_2 0725kyoutikutou4 一重咲きですね。

すっきりした輪郭が清楚です。

朝9時頃の光線であることも、画像をすっきりさせているのかもしれません。(卒業写真を撮るときなどに、写真やさんは必ず午前中の光で撮るはずです。光線が午後とは違うのですよね。)

◆比較参考のため、我が家の夾竹桃も。

0721kyoutikutou 0726kyoutikutou ピンクの八重咲きです。

豪華な雰囲気になりますね。

中央で渦を巻いて立ちあがるメシベが幻想的です。

◆実は、上の白い夾竹桃の隣に「柑橘類の実」がなっていました。

0725mikan

今の時期にもうずいぶん大きくなっているのは、何でしょう?

我が家の夏ミカンやキンカンは、まだ実ともいえないほど小さく未熟なのですが。ユズとかかなぁ。

ハモグリバエ(?)(追記あり)

0724hamuguriga ハモ(ム)グリバエかハモ(ム)グリガか、ですよね。

エカキムシとかも呼ばれるようです。

この葉っぱ、ナス科であることは間違いないところです。

0730inuhouzuki1 0730inuhouzuki2 左は全体が見えるように撮りました。右は花です。

この花ならば、ナス科ですよね。

イヌホウズキかなぁとも思うのですが、背が低いまま(30~40cm程度)で、もっと前にこれよりは少し大きめの花が咲いて、今は大きな実が成熟中というのがあるんですね。

それに比べると、草丈が高くて(1m弱)、花がずいぶん小ぶりで、今小さな実をつけ始めたところなのです。

どちらもイヌホウズキなのかなぁ。わかりません。

まあ、どちらにせよ、ナス科なのですからして、最初の写真に出てきたハモグリバエはきっと「ナスハモグリバエ」なのではないかと考えています。

下のサイトに、よい解説があります。ご参考まで。

http://www.agrofrontier.com/guide/t_90a.htm

◆8月11日追記。ここの写真はイヌホウズキで間違いありません。記事中背が低いと書いているのは「フユサンゴ」でした。

下をお読みください。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_208c.html

ヤマトシジミ

0723yamatosijimi おいしそうに蜜を吸っています。

暑い時はこれに限りますね。

アオスジアゲハなどは、水溜りの水を吸いながらおしっこするという行動をとります。何をやっているのでしょうか?体温を下げているのでしょうか?

シコクアシナガグモ

0723sikokuasinagagumo1

池の上に水面から少し離れて円網を張っているクモがいました。単なるアシナガグモではないように思います。背中の模様が違うのです。

0723sikokuasinagagumo2

こんな具合。銀色っぽいでしょ。

多分シコクアシナガグモだと思うのですが・・・。「シコク」は最初に採集されたのが「四国」だったということであって、四国特有のクモだというわけではありません。

アシナガグモもそうですが、このシコクアシナアグモも水辺に円網を張るタイプです。

この池からはトンボたちが羽化していると思われるので、申し訳ないけれど、水面の網は撤去、です。ここでさえなければ、生活していてもいいんだよ、と、言訳しながら網をとりました。

2008年7月28日 (月)

クサギカメムシの幼虫

0728kusagikamemusi1 ムクゲの花のつぼみのところに、なにやら虫がいます。

よく見ると、クサギカメムシですね。写真に撮ってみたら、アリも写ってましたが、この時点では気づきませんでした。

手で引き寄せてみたら、幼虫でした。翅が完成していません。さすがに、ムクゲの花をダメにされたくはないので、移住させることにしました。

0728kusagikamemusi2 0728kusagikamemusi3 強い振動が来たので逃げ出したのですが、逃げた先がナント私の手の上。

手から肘と歩き回ります。(くすぐったい。)

翅が「芽」の状態ですね。次の脱皮あたりで完成でしょう。

すぐそばの電柱に置いて、撮影。

0728kusagikamemusi4 電柱のガードの凹凸でちょっと見づらいかもしれませんがご容赦を。

クサギカメムシの幼虫の姿としては「キマった」という感じになりました。

ところで、よく見ていただきたいのですが、単眼がありません。

0728kusagikamemusi5

拡大してみましょう。やはり複眼の内側に単眼がありません。

成虫についての記事がすぐ前にありますので、比較してください。

幼虫時代には単眼がないのですかねぇ。知らなかった。同じような行動力で行動しているのですから、単眼もあるものだと思っていました。

◆このクサギカメムシ君は、そのまま放置。「歩いて行ける先で生きて行っていいよ。もしまた、ムクゲにいるところを発見されたら、また移住だからね」と「言い聞かせ」ておいたのでした。虫に説教は通じるかなぁ?

馬の耳に念仏:(馬に念仏を聞かせても、その有難みがわからないように)いくら説き聞かせても、何の効もないたとえ。犬に論語兎に祭文牛に経文。[広辞苑第五版]

う~む。「虫に説教」というのを新しい慣用句にしませんか!?

クサギカメムシ

0723kusagikamemusi1 クサギカメムシを見かけました。

手に取って撮影。典型的な姿が撮れました。こう撮れるとウレシイ。

手の上を歩き回らせているのですが、別に臭いとかなんとか、そういうことはありません。怒らせたわけではないのですから。しばらくするうちに、腹側が撮影できました。

0723kusagikamemusi2 写真の中に白い矢印を入れてあります。

これはおそらく気門です。呼吸器官ですね。ここから枝分かれした管が体内に入って行って、体中に酸素を送るわけです。肺はありませんが、体のサイズからいって、気管からの拡散で十分な量の換気が行えるのです。

0723kusagikamemusi3 ちょっとブレているのですが、頭部の拡大写真です。

複眼はまあ普通どおりとして、ここでも写真の中に白い矢印を入れたところ、ここに赤い単眼があるようです。

1対2個のようですね。「アカヒメヘリカメムシ」のところでもやはり1対2個の単眼があるようでした。カメムシの単眼は1対2個だといっていいのかな?分かりません。

ヒラタグモ・オス

0723hiratagumom1 0723hiratagumom2 夜7時のNHKニュースを見ていたら、服の胸のところに、ぴょんと飛びついてきました。

見たことがあるなあ、と思いつつ、すぐには思い出せず、とりあえず透明なプラスチックケースに入ってもらって、ニュースが終わってからじっくり記念写真を取って、図鑑を眺めていたら「ヒラタグモ」でした。この腹部の模様で決定です。

触肢の先が丸く膨らんでいますし、腹がスマートですから「オス」でしょう。というわけです。

たまたま、ケース内で足を滑らせてひっくり返ってしまい、腹側の写真を撮らせてくれました。

0723hiratagumom3 触肢の先、脚の付け根、出糸突起などがよく見えると思います。

獲物を捕まえると、一番後ろの脚=第4脚で糸を引き出しては獲物に巻きつけてがんじがらめにしてしまいます。

写真撮影後は、屋外へ送り出しました。元気でねぇ~。

ヒメイトカメムシ&イトカメムシ

0723himeitokamemusi1 0723himeitokamemusi2 0725himeitokamemusi ヒメイトカメムシの幼虫だと思います。

いちばん左の写真では「翅の芽」がかなりちゃんと見えています。

まるで釣竿のような触覚が印象的。

また、脚に模様があるのも一つの特徴なのでしょう。いつ、どんな、成虫になるのかな?

0725itokamemusi1 こちらはイトカメムシの成虫だと思います。

脚の模様が違いますよね。

翅が完成しています。飛ぶんだろうなぁ、この翅で。なんだか頼りないけれど。

いずれも、ホトトギスの葉の上でみつけました。一度、眼が慣れると、よく見えるようになります。

ヒマワリ

0723himawari1

0723himawari2ヒマワリが咲き始めたのですが、どうも我が家のヒマワリはひょろひょろしています。たくましい大輪とはいかないのが残念ですが、でも何とか頑張って咲いています。

0723himawari3 これは管状花の拡大です。

この花に実がなります。

0725himawari1  こちらは舌状花です。

これは実がならないんですよね。

どうも、我が家のヒマワリは、管状花の部分が小さいんですね、普通に見るヒマワリより。

◆ところで、蕾というものはいつも「内緒話」

0725himawari2

「もうすぐ咲くよ」

ツマグロオオヨコバイ&オンブバッタ

0721tumaguroonbu ヒマワリの葉の上に、たまたま、ツマグロオオヨコバイの幼虫とオンブバッタが一緒に乗っていました。

互いに「我関せず焉」です。そりゃそうだ。肉食の昆虫じゃないですものね。

ツマグロオオヨコバイの幼虫を正面から撮れそうだったのでチャレンジ!

0721tumaguroooyokobai1 なかなか愛嬌のある顔に写りました。

頭の上にぴょんと飛びだして見えるのは腹部の先端です。

もっと視線を下げてみました。

0721tumaguroooyokobai2 眼の模様が面白いですね。

なかなかに立派なひげをしています。

センリョウ

0721senryomi センリョウの実が少し大きくなってきました。

とても不思議な花でしたが、メシベ・オシベしかないような花でしたが、ちゃんと受粉して、実がつきはじめたところです。

門の脇にあるんですけれど、我が家に財宝はきませんねぇ。

ムラサキシラホシカメムシ

0721murasakisirahosikamemusi このカメムシにつてはすでにご紹介しました。ただ、その時は、ブロック塀の上を歩いているところを見つけて写真に収めたのでした。

今回、その時の位置から直線距離にして1m強の位置で、下方、オシロイバナの葉の間でみつけましたので、スナップしてきました。

このあたりが本拠地だったのでしょう。なんかの拍子でブロック塀に出てきたとことを前回はかかしさんに見つかってしまったのでしょう。

写真、向こう側にぼんやり映っているのはオシロイバナのつぼみです。

2008年7月25日 (金)

ムカデ

昨夜われが大騒ぎして退治せしむかでを運ぶ蟻の一隊:(岩国市)木村桂子
2008/07/21  朝日歌壇より。

オオムカデの写真をご紹介しましたので、この歌もご紹介します。

この歌のようなお家のほうが一般的なのでしょうね。私ども家族は、ちょっと風変わりかもしれません。

多分「退治」するには殺虫スプレーも使ったのではないでしょうか?とすると、その薬物がムカデの死骸の表面に残留している可能性があります。蟻さんたちが、その残留薬物でダメージを被らないことを祈ります。

キアゲハの幼虫を飼っていて、餌が足りなくてスーパーのパセリを与えたら死んでしまったことがあります。鮮度保持のリン酸かなにかがついていたのではないでしょうか。

カマキリの飼育中にやはり餌が足りなくてゴキブリを与えたら、食べた後に、カマキリが口から茶色い液を出して苦しんで死んでしまったことがあります。とっても悲しかった。多分、ゴキブリの体表についていたゴキブリ駆除剤の残留物のせいだろうと反省したものです。

蟻さんが、無事でありますように。

◆戯れ歌をひとつ。

家族してムカデを眺め愛で喜び記念写真を撮りて放せり : かかし

まるっきり詩的じゃなよなぁ、これじゃぁ。

ムクゲが咲いています

0723mukuge1 0723mukuge2 7月23日撮影です。

花弁を斜めから見ると、とてもおもしろい質感があるのですが、写真ではうまく表現できませんでした。

花の中心部を拡大して写したら、さすが働き者、アリさんがもう仕事をしていました。

0724mukuge1 0724mukuge2 7月24日撮影。

大輪の花です。

絞り込んで光量を減らした上で、フラッシュを使って撮影しました。

白い花の陰影を出すのはむずかしいですね。

比較的うまくいったと思うものをご紹介しました。

アカヒメヘリカメムシ

0721kamemusi1 0721kamemusi2 ビヨウヤナギの花のあと、のところでみつけました。

アカヒメヘリカメムシだと思います。

カメムシもいろんなのがいて、覚えきれませんね。

クサギカメムシくらいしか今まで知らなかったのに、見え始めると、次々と知らなかったのに出会います。

眼の付近を拡大してみました。

0721kamemusi3 白い矢印で指示しているところに「赤く丸い」ものが見えますね、これ、単眼だと思います。

セミだと赤いルビーのような単眼が3つあるのですが、このカメムシでは2つしか見えませんでした。(写真を見ていて気付いたので、最初からもっといろんな角度で眼に迫っていれば、違ったのかもしれません。数については不確定だということにしてください。)

アサヒエビグモ

0721asahiebigumo1 ストケシアの花が終わった後の近くです。

7月21日、アサヒエビグモが卵塊をつくって、守っているのを見つけました。

しっかり抱きついていますが、なんだか少し体のバランスが悪いように思えます。弱っているのではないでしょうか。

0721asahiebigumo2

けなげですね。

0722asahiebigumo

7月22日、全く姿勢を変えないまま、卵塊を抱きかかえています。

無事、卵が孵化するといいなと思っていたのですが・・・。

0725asahiebigumotamago

7月25日。

昨日あたりから、母親の姿が見えなくなってしまいました。

捕食者に見つかってしまったのでしょうか?

それとも、体力が尽き果てて落ちたのでしょうか?

卵塊そのものは傷ついたりはしていないようです。

見続けるしかありませんね。

アリですよね?

0721ari ずいぶん大きくて、体が重たそうでした。

シャッターを切った直後に葉から落ちて逃げて行ってしまったのですが、自ら葉を放して落ちたというより、体が重くて落っこちた、という感じでした。

体長は13mmくらい。クロオオアリにしては色が赤いなぁ。

女王アリ?でもないだろうなぁ。

ホソヘリカメムシの幼虫はアリに擬態していてそっくりだ、とも聞きますのでそれなのかなぁ?

なんだか、わけがわからなくなってしまったのでした。

2008年7月24日 (木)

ヒメグモ

0719himegumo 7月19日。

池の上の不規則網の中の葉蔭の隠れ家。

ヒメグモのメスです。

0721himegumo 7月21日。

産卵しました。

糸で包んだ卵塊に寄り添っています。

0723himegumo 7月23日。

わぁ、卵塊が二つある!

君はすごいんだねぇ。二つも卵塊をつくって。守り抜く気なんだ。

0724himegumo 7月24日。

無事、守り続けています。

ササグモ

0718sasagumo 7月18日。

逆光気味のポジションでササグモのメスを見かけました。

頭胸部が半透明で、まるでエメラルド。単眼の上に「まつげ」風の毛が生えていて、擬人化したくなります。美しい眼差しです。

あまりの美しさに、ワンショット。何度もご紹介してきているので、もういいかな、とも思いつつ。

0723sasagumo 7月23日。

ホトトギスのところで別の虫を撮影していて、何気なく葉を裏返したら、卵塊とそれを守るメスのササグモに出会ってしまいました。

ゴメン、驚かす気はなかった、と謝りながら、3枚撮影して、すぐにそっと元のポジションに戻しました。腹が細いですよね。卵を産んだ後なのでしょう。

クモって、卵を守るものが多いのですね。昆虫類では親が自分の子に出会うことは珍しいことなのですが、クモでは子が孵るまで守っている、ということはざらにあるようです。

0724sasagumo

翌、7月24日。

ほぼ同じ場所で、ホトトギスの葉の上に、ササグモの子がいました。まさか昨日の卵塊から孵化したとは思いませんが、きっと母親に守られて無事孵化したのでしょう。

体長は1mm足らず。本当に小さいんです。100匹生まれれば99匹は成長できずに終わるという世界です。できれば、この子グモが大人にまで成長できますように。私にできることはなにもありません、ただ心から祈るだけです。

ミスジハエトリ

0719misujihaetori オオムカデやチャバネゴキブリの撮影に夢中になっていたところへ、突然、闖入者が現れました。

「僕も撮って!」

なにぃ~、おまえもか、と、あわててレンズを向け、2、3枚撮影したら、さっさと走り去っていきました。

あまり見かけないクモです。ハエトリグモには違いないので、調べてみたところ「ミスジハエトリのオス」でした。「ウリ坊」みたいな模様ですね。かわいい。

「日本のクモ」によりますと

本来は屋内性であるが、アダンソンハエトリの侵入地では競争に負け、屋内より出て野外で生活している。主に中部地方以南では野外に生息、以北では屋内とその周辺に生息する。・・・

我が家にもアダンソンハエトリがいることは以前に書きました。ということは、このミスジハエトリくん、アダンソンハエトリの圧力に抗して、我が家の屋内で頑張って生きているのでしょうか。

そうだったのかぁ、頑張れよ~。という次第です。

チャバネゴキブリ

0719chabanegokiburi1 土曜日恒例(?)撮影会の第1回「オオムカデ」に引き続きまして、まだ第2回があるのです。

食事の準備をしておりましたところ、流しの隅をゴキちゃんが走っていました。「だめだろ~。姿を見せたらやっつけざるを得ない」と退治しようとしたら、見慣れたクロゴキブリとはなんだか雰囲気が違うんですね。スマートで薄い色、縦に2本の縞がはいっているようで、記念写真でも撮ってやろう、という気が起きました。

こういうときは、別にどうということもないので、手のひらの中につかんで、プラスチックケースに入れ、食事が済んだら写真撮ってやるよ、と置いておきました。

さて、その写真が上の写真です。妻もこれを見て、これがゴキブリなの?普通の虫って言われてもわかんないわね、といって眺めております。

チャバネゴキブリです。食堂とかなんとかで走り回るので目の敵にされてます、あれです。

確かにね、ゴキブリなんですけどね、スマートでかっこいいでしょ。腹端からなんだか透明な板状のものを出し入れしていました。何でしょう?メスの交尾器?かなぁ。(クロゴキブリと同じようにメスは卵鞘を腹端につけて歩くんですよ。)

0719chabanegokiburi2 横から見た姿。

私には、この姿が、洗練された軽快でスマートな姿に見えるんですが・・・。

0719chabanegokiburi3

腹側のショット。

ケース越しです。

腹端部もアップにしてみました。

0719chabanegokiburi4

透明な板状のものが出ておりますでしょ。

これ何でしょう?

ご存じの方は教えてください。

撮影後、妻に頼んで庭の隅へ放してやりました。家の中で同居するのはお断りするとして、屋外で生活する分には、何にも問題はありません。元気でね~。

2008年7月23日 (水)

オオムカデ

0719mukade1 土曜日恒例?撮影会!

7月19日(土)朝、起きて階下へ降りて行ったら、透明ケースの中に「ムカデ」が入っておりました。金曜の夜、風呂場に現れたムカデを、娘がこのケースに捕獲しておいてくれたのだそうです。さすが、かかしさんの娘はムカデごときにビビるようなことはありません。

上の写真が全体像です。透明なプラスチックケースの内側は1辺が約9cmですので、ムカデの体長もそんなものだということがお分かりいただけるでしょう。

1つの胴節に1対の歩肢ですから、ムカデの仲間ですね。一番後ろの「曳航肢」という長いのまで入れて、21対あるようです。(左側の9番目の脚を失っています。)

21対ということになると、これはおそらく「オオムカデ目」の中の種なんですが、オオムカデでいいと思います。(去年イシムカデというのをご紹介しました。それについてはこの記事の終りでリンクしますのでご覧ください。)

↓頭部付近を拡大しました。

0719mukade2 頭の両側に色の赤っぽい「ほっぺた」のようなものがあることに、全体写真でお気づきの方もいらっしゃるでしょう。

こうやって見てみると、大顎なんですね。触覚はこの写真では18の節からなっているようです。

0719mukade3 もっと拡大してみましょう。

私はこの写真で初めてムカデの「眼」というものを見ました。白い矢印の指しているのがそうです。

こんなところにあるんですねぇ。

大顎の内側にもっと小さな顎もあることが、よくわかると思います。

↓ケースを妻に持ってもらって、ケースの底から頭部の下面を撮影しました。

0719mukade4 ここでも白い矢印で眼の位置を示してあります。この写真の方が眼はくっきり写っています。

口の構造をもっとはっきりさせたかったのでいろいろ写してみました。

0719mukade5 口器ももとは体節の付属肢から進化したものですから、左右に開閉するのです。カマキリでもトンボでも同じですよね。左右に開閉します。(私たち哺乳類の顎は魚の口と同じですから、上下に開閉しますが。)

オオムカデの口も左右開閉型であることがよくわかりました。

ちょっと向きを変えて、腹端部を。

0719mukade6 一番終りの肢は「曳航肢」というのだそうです。

歩肢と同じく4つの節でできていますね。

この肢は歩肢なんですが、別に名前をもらっただけです。素早く歩くときは持ち上げて歩きます。

0719mukade7 歩肢は胴節にどんなふうについているのか、撮影してみました。

こんな具合です。

しなやかさにかけるな、という感じはしますね。

初めの方で、肢を1本失っていると書きましたが、それがありました。娘はムカデが窒息しないように、ケースのふたと本体の間にティッシュをはさんでおいてくれたのですが、そのティッシュにくっついていました。

0719mukade8 トカゲが尻尾を「自切」するように、ムカデは脚を自切できるのだそうです。

なんかの刺激を受けた時に、自切して、ティッシュにその肢が残ったのでしょう。

◆おまけ:ムカデは母親が体を丸めて、体と歩肢の間に卵を入れて保護します。抱卵中、母親は卵をなめ、カビの発生を防ぐのだそうです。もちろん、捕食者からの保護でもあります。抱卵中のオオムカデ目の母親を刺激すると、抱卵していた卵を食べたり放棄してしまいます。穏やかにしておいてあげないといけません。

◆さて、ムカデの体長からするとこのケース内で立ち上がれればギリギリ脱出できるくらいの状況です。撮影中に脱出されるのは面倒ですので、ケースの蓋をずらして、ムカデの様子を見ながら撮影しました。

撮影も終わり、妻に「これ逃がしてきてくれる?」と頼んでカメラを片づけていたら、外から妻の声がするのですね。「どうしたんだい?」ときいたら、ムカデに話しかけていたのです。庭の隅へ持って行ってケースの蓋をあけ、眺めながら「あなた自力では出られないの?」というわけです。結局のところ、ギリギリのところで縁に肢をかけて自力で脱出するのは無理だったようです。で、ケースを横にして「さよなら」と出してやったのでした。

虫さんたちに話しかけたり、危ないよ!と説教したり、どうも、妙な夫婦なのでした。

◆「多足類読本」の著者、田辺力さんはこうおっしゃっています。

ムカデには、獲物をとらえて食べるという肉食動物としての姿が見事に具現化されている。機能美なのだ。ムカデは造形として最高のできである。

◆進化の過程で、ムカデの姿にみられる「体節制」は、基本的な構造です。

 複数の体節をまとめて、頭・胸・腹をつくっていったのが昆虫ですね。

 私たち哺乳類の体も、脊椎を考えてください。やはり体節制を基本にしてつくられているのです。(魚を食べるとき骨を見てください。体節制ですね、やはり。)

ムカデを見たら、無脊椎動物の昆虫、脊椎動物のヒト、両方の基本体制である体節制の原型に近い形を今に見せてくれる「ご先祖筋」の動物として、進化に思いをはせて観察してみてほしいと思います。

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2007年10月11日 (木)に「イシムカデ」について書きました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_91e9.html

↑ここをご覧ください。

翌、2007年10月12日 (金)に「多足類」についてくわしく書きました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_9dda.html

↑ここをご覧ください。

ヤブガラシ

0718yabugarasi ヤブガラシの実が大きくなってきました。

「花」を認識していないうちに「実」です。どうもタイミングを失しました。

やぶ‐がらし:ブドウ科の多年生蔓草。路傍・空地などに生える雑草。二岐(フタマタ)になった巻鬚(マキヒゲ)で樹木などに巻きついて茂り、往々それを枯らす。葉は5小葉から成る複葉。若葉は紫褐色であるが、のち淡緑色に変る。夏、葉腋に黄緑色の小四弁花を多数散房花序につけ、のち黒色・球形の液果を結ぶ。ビンボウカズラ。ビンボウヅル。[広辞苑第五版]

「ビンボウ」だなんて、かわいそうな名をもらっています。みんなそれぞれ立派な生き方をしているのになぁ。昔からの名前だから仕方ないけれど、もう少しいい名前にしてあげたいですね。

山茶花の芽

0719sazanka チャドクガの幼虫を退治して、あまり繁殖できないように風通しよくスカスカに刈り込んでしまった山茶花に新しい芽が出ています。

ふと見たら、なんだか、ミズバショウなどのサトイモ科の植物でおなじみの「仏焔苞」に似て見えたので、スナップを一枚。

中でかわいい芽が「座禅を組んで」います。

ネコハグモ

0719nekohagumo1 0719nekohagumo2 7月4日に「また分からなくてスミマセン」としてアップしたクモの名前が判明しました。

ネコハグモです。

左が葉に張った不規則な網、右が何とかとらえた腹部背面です。

前回の記事は下で読めます。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_6adc.html

さて、腹部背面の模様が見えると、図鑑を見てページを繰る気になります。ず~っと眺めて行ったら、

ハグモ科(Dictynidae)ハグモ属(Dictyna)ネコハグモ(Dictyna felis)でした。

学名の「felis」は猫のことです。ですから、学名からして「ネコ」ハグモらしいのですが、どこが一体猫なのか、模様が似ているということなのでしょうか?

「日本のクモ」によりますと

人家、神社、寺院、倉庫、屋外トイレの周囲、壁、窓枠、塀、フェンス、門扉、鉄柵、看板、歩道橋などの隅に棚網または不規則網が壊れたようなボロ網を張る。庭木、生け垣(主に広葉樹)の葉上に張られた網では白色の天幕状の覆いをつけたものが多く、天幕網と呼ばれる。

こう記載されていました。「ボロ網」はかわいそうだよなぁ。美しいテント網だと思います。

何にしても小さいクモでして、現時点で体長3mm程度でしょうか。網を見ることはあってもクモは見逃してしまうことが多いのだと思います。

◆ペンディングにしていたものが分かるとホッとします。妻は猫好きですから「ネコハグモ」というんだ、と伝えたら、早速見に行って存在を認識したようです。

2008年7月21日 (月)

モノサシトンボ

0718monosasitonbo1 この間出会った個体と同一かどうか、よくわかりませんが、また我が家の池でモノサシトンボに出会いました。

細くて、きゃしゃで、はかなげな雰囲気ではあるのですが、トンボですからね、肉食性なんですよ。小さな昆虫を捕まえて食べるわけです。そのことを頭に置いて以下の3枚の写真を見てください。立派な口です。

0718monosasitonbo2 0718monosasitonbo3 0718monosasitonbo4 ふつうここまで接近して顔を合わせる機会はないと思いますので、じっくりとご覧ください。

ところで、顔の形、眼の配置、そういうもののせいでしょうか、どうも「やぁ、目があってしまったね」と言いたくなる顔つきなんですね。

つぶらな瞳で見つめられているようでしょ。かわいいものです。

クサカゲロウの幼虫

0718kusakagerou1 なんだかゴミの塊が歩いているように見えたので、とにかく写真を撮ってみました。

その時点では、何かの幼虫が背中にゴミを集めて背負い歩いている、という認識で撮影していました。体長は5~6mm程度。

パソコンで拡大してみると、ものすごいアゴが見えます。これは肉食性の昆虫だなぁ。

0718kusakagerou2 すごいアゴでしょ。

このサイズで、肉食性の昆虫の幼虫・・・と考えてみると、私の知識では「クサカゲロウ」くらいしか思い浮かばなかったのです。

で、クサカゲロウを検索してみたら「当たり!」でした。

クサカゲロウはアブラムシを餌として食べるのですが、体液を吸って、その殻を自分で背負っているのだそうです。

私は、クサカゲロウの成虫はよく知っています。また、俗に「優曇華(うどんげ)」と呼ばれる、糸の先についた卵もよく知っています。そうして、その卵から孵った小さな幼虫にアブラムシを与えたところ、取りついて体液を吸う、というのも観察しました。

ところが、飼育したことはないのです。小さな幼虫がアブラムシを食べることを確認したところで、飼育はやめて屋外に放してしまったのでした。

そういうわけで、幼虫が自分の食べたアブラムシの死骸を背負って歩くという習性は知らなかったのです。

いや~、面白いものを見た、感激です。クサカゲロウの成虫は美しい緑色で、とてもはかなげで、肉食性とは思っていない人が多いと思いますが、成虫・幼虫ともに肉食性なのです。

さいごにもう一枚。写真としては不十分な写り方ですが、幼虫の体の周りのトゲというのかがよく見える写真をお目にかけます。

0718kusakagerou3

ね、ごみの塊にしかみえないでしょ。

http://www11.big.or.jp/~magmell/science/watch11.html
http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200707150000/
 これらのサイトにとてもよい写真があります。ご覧ください。

キンバエ

0718kinbae1 ちょっと以前に、小型で金属光沢の美しい「アシナガキンバエ」をご紹介しました。

あれは「キンバエ」とはいってもアブの仲間でした。

今回のこの写真はハエの仲間の「キンバエ」です。ややこしいですね。クロバエ科キンバエです。

写真はちょっとぶれてますが、キンバエの特徴の金属光沢はわかります。

ハエはそう長時間撮り続けるのは無理で、すぐに逃げてしまいます。もうワンショット、いいのが撮れました。

0718kinbae2 アッカンベー、をされてしまいました。

もちろん、舌ではなくて、ハエ特有の「舐める口」です。

この後すぐ飛んで行ってしまいました。

ギンメッキゴミグモ

0718ginmekkigomigumo ギンメッキゴミグモだと思うのですが、うまく腹部の背面が見えませんでした。

よくみないと分かりにくいのですが、食事中の姿なのです。

脚を開いて踏ん張った形で食事中。かなり迫力のある姿です。何もしていないときは、脚を前にそろえているのですが。

実際の大きさはと言いますと、とても小さいのです、現在の体長3mmくらいでしょうか。

しばらくするとまた別の場所へ移って網を張りなおします。小型ですがとてもきれいな円網です。

バッタ2種

0717onbubatta 0717syouryoubatta 左がオンブバッタの幼虫、右はショウリョウバッタの幼虫です。

どちらも「翅の芽」があるのが見えるでしょうか。

成虫になるときの脱皮は美しいですよ。

白くてしわくちゃな翅がまっすぐに展開されていく様は、本当に美しいものです。

もうすぐ大人だね!元気でね!

ヒメグモ

0717himegumo1  7月17日です。

ヒメグモが何かしています。

不規則網の中、なんだかいつもと違う。

よく見ると

0717himegumo2

獲物を捕まえたようです。

糸でぐるぐる巻きにしてあります。

これからお食事でしょう。お邪魔してはいけないですね。

↑この写真で見えている模様はヒメグモの模様です。

ところで、0717himegumo3

クモが糸を出すのは「お尻の先端」だ、と思いますよね。

「お尻の先端」というのは、上から見て後ろの方の端のことだと思いますよね。

ところがね、上の写真を見てください。白い矢印を入れたところが「出糸突起」なんですね。たまたま、フラッシュの光で糸がきれいに光って見えていますのでよくわかると思います。

なんとなくイメージとしては「腹の真ん中」から糸が出ているように見えますね。西遊記に出てくる「クモの妖怪」はおへそから糸をだす妖怪でした、ということを思い出してしまいました。

0719himegumo 7月19日。

腹の模様がもっとはっきり撮れました。

この模様でヒメグモだと判断していただいていいと思います。

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7月21日。同じヒメグモを見に行ったら、状況が変わっていました。

0721himegumo 卵を産んだようです。いっぱい食べて、いっぱい産卵できたのでしょうか。

枯れ葉の下に糸でくるまれた白い卵塊がありました。

おそらく、この後、卵が孵化するまで、このクモはそばにいて卵塊を守るはずです。

◆「日本のクモ」を開いてみたら

草間に下部にシート網を付けた不規則網を張る。その中央部に枯れ葉を吊るして住居とする。

とありました。その通りになっていたのですね。そうして、産卵して卵塊を守る場所でもあったわけです。なるほどなぁ。見事な営みです。

2008年7月18日 (金)

セグロアシナガバチ

0716seguroasinagabati1 アジサイの葉の間をハチが歩き回っていました。

いいショットで撮れました。精悍な顔つきですね。

0716seguroasinagabati2 この模様は、セグロアシナガバチだと思います。

アジサイの葉の間を丹念に探っているところを見ると、ツマグロオオヨコバイの幼虫でも捕まえに来ているのでしょうか。

目当てといえば、そのくらいしか思い当たりませんが・・・。

0716seguroasinagabati3 このショットは、アゴで脚の掃除をしているところです。

アゴがすごいですね。

カマキリもよく食後に、触覚、カマ、脚などを丹念に掃除・手入れします。総じて、肉食性の昆虫はきれい好き。

対して、カブトムシやクワガタは、甘い樹液や果実の汁に浸って、体中べとべとで発酵臭がします。

飼育してみるとよくわかります。

どちらかというと、肉食性の昆虫の方が好きです。

テリトリー

0716oosiokara しばらく姿を見せなかったオオシオカラトンボが、またずっと腰を落ち着けています。

この間見に行ったら、飛んできて、肩にとまられてしまいました。

ものおじしないやっちゃ。

この池をテリトリーにして、パトロールしているのだと思います。

昆虫にとって、「場所の記憶」とはそのようななものなのでしょうね?

ここを離れて飛び歩いても、またここへ戻ってこられるというのはすごいことですよね。

トンボの場合は「におい」というような感覚ではないでしょう。あたりの「景色」「目印」なんでしょうね。

すごい能力だと思います。

二十歳

◆京都の大学生、敷田八千代さんの歌を集めてみました。私が何かを書きたいと思った時は、文字の色を変えて小さな文字で書きます。

2007/12/24
東京に一人暮らしている友の小さな小さな部屋のパソコン

 ちょっとひねって、「小さな部屋の小さなパソコン」かな?などとも考えてみました。

2008/01/07
こうやって君を忘れてゆくことを忘れていいのだろうか二十歳

2008/01/14
辞書を繰る右手がふいに冷たくて誰かのことを考えている

 手が止まっていたのでしょうね。思考が復帰したときに「冷たい」という感じを送ってきた右手を見つめてしまったのでしょう。

2008/01/28
大きなる花束抱え乗り来たる人に市バスの空気やわらぐ

2008/02/04
トロンボーン抱えて冬をゆく人の足音響く哲学の道

 トロンボーンが黒いケースに入っています。大きな花束は暖かい空気をもたらしましたが、トロンボーンは空気を切り分けるのでしょう。

2008/02/18
君のことまた考えてドイツ語の試験勉強各駅停車

2008/02/25
単語帳ベッドの中に持ち込んでTOEICまであと七日間

2008/03/03
誰かいるような気がして振り向いた二月の街はみんな一人だ
コンビニのツナおにぎりのフィルムをゆっくり開くように春は来
 高野公彦 評:新しい感覚でとらえた春の到来の喜び。

2008/03/17
新しく買ったフェザーのジャケットのポケットに君の手はもういない
 馬場あき子 評:フェザーのジャケットに作者の若さが匂う。ポケットの中でつないでいた恋人の手の記憶が悩ましい。

 評の「ポケットの中でつないでいた」というのに、少し引っかかっています。「君のポケット暖ったかい」とかいって、彼が勝手にポケットに手を入れてきたりして遊んでたのかなぁ、とも思うのです。ジャケットだからなぁ。

2008/03/31
なぜ君はここに付箋をしたのかと思いつつ読むアラン・シリトー
 永田和宏 評:借りた本を読むことはその人の心を思うことでもある。シリトーには「長距離ランナーの孤独」などがある。

 図書館の本に書き込みをしてはいけないのですが、古本の場合は書き込みのあるのが面白い。見知らぬ人ながら、前の持ち主は何を考えていたのだろう、と想像しながら、自分ならここはこう書く、などと考えながら。まして、おそらく親しい「君」の付箋。彼の思索をたどろうと、遠くはるかに思考が飛翔してゆくのでしょう。

七時間前のあなたがいたはずの駅のホームのベンチが青い
 馬場あき子 評:七時間前はちょっと想像に苦しむが、愛する人のぬくもりを追う気持ちが濃い。

 待ち合わせなら「ぬくもり」かもしれませんが、馬場さん自身が「七時間」に苦しんでおられるように、これはおそらく待ち合わせではない。「あなた」の行動と、私の心の間に「七時間」があって、うまくつながらない。悲しくてさびしい、それが「青」なのではないでしょうか。

2008/04/28
そばにいて欲しいときだけそばにいてくれる君なら好きにならない
ふふふっと二人笑って春の日のカフェのテラスにふふふが満ちる

 揺れます。振幅の大きな振動です。

2008/06/16
はつなつの小さな矛盾 恋人でなくても君と一緒にいたい

 時間と空間を共有し続けようという意志、それが実は「愛」なのだ、と考えています。

2008/06/23
携帯の「圏外」すこし嬉しくて地下一階の哲学講義

2008/07/07
大人対子供でもなく大人対大人でもない母とのケンカ
 高野公彦 評:母対娘の口喧嘩。対等に近いが対等ではない微妙な関係が浮き彫りに。

◆というわけで、コメントって疲れますね。写真にコメントつけてる方がやっぱり楽です。

作品を選ぶという行為自体が、自己の表出です。

あ~、しんど。

まちぼうけ

◆2008年に入ってからの「朝日歌壇・俳壇」から、心ひかれたものを、エディタでテキストファイルにまとめる作業がやっと終わりました。

テキストファイルになれば、作者名で検索して「名寄せする」というような作業も楽になります。

若い女性のみずみずしい感性にいつもチェックマークをつけている東京の田代麻里紗さんの歌をまとめてみました。

2008/03/24
まちぼうけ電光掲示板からは今日の降水確率ながれる
薔薇の香の泡で身体を洗いし日左の脛に痣みつけたり
 馬場あき子 評:芳香のやさしい石鹸の泡に包まれながら発見した脛の痣が精神に響く疵(きず)のよう。

2008/04/07
ブロッコリーを強火で茹でる八分間きみの名前を何度もつぶやく

2008/04/28
京王線乗る吾(あ)は風となりさくら、むらさきはなな、なのはな揺らす
 高野公彦 評:自分が風と化して、花々を揺らして走る。

2008/05/05
吾の顎を傾けさせる親指で生物学の教科書めくる
 永田和宏 評:若い恋の思いを感性豊かに歌って魅力的。

◆私自身の「評」は遠慮します。どう書いても、どこかピント外れになります。選者の評のついていたものは、そのまま一緒に載せてあるのですが、申し訳けないけれど、どの評もなんとなく、ポイントを外しているという感が否めません。

ひたすらに「私はこれらの歌に惹かれた」ということだけを提示します。

作品と直接対峙してください。鑑賞とは自己表出であり、創造であると思います。

2008年7月17日 (木)

マツバボタンの種

0717matubabotan1 マツバボタンの種はまるで砂粒のようだ、という思いがあるのですが、園芸店で買った種の記憶なのか、実際に実った種の記憶なのか、よくわからなくなってしまいました。

で、完全に熟して乾燥した実の上をつまんだら、中身が出てきました。

0717matubabotan2 掌に受けて接写。

確かに細かい。肉眼では単に細かい黒い粒です。

レンズの助けを借りて見ると、この小さい粒にも構造があり、微小な突起が一発いているようです。なんとまぁ。

指先に一粒つけて接写。指紋と比べてみてください。

0717matubabotan3

指紋の畝二つ分くらいしかないですね。

あらためて種の小ささにびっくりしました。

ササグモ

0716sasagumo 7月16日。なんだか認識パターンから少しずれたパターンに眼が(脳が)反応したので、よくよく近づいてみると、いわゆる「共食い」でした。

産卵を控えたおなかの大きなメスのササグモが、オスを捕まえたようです。

あまりの厳粛な行為に、1枚だけ写真を撮ってすぐに引き下がりました。

残酷だ、とは言わないでください。次世代を産むこと、これが至上命令なのです。命の営みとはこういうものです。人間的な倫理観や情緒的な感情は、ここでは無用です。

有性生殖とは個体の命を有限なものに限定して、命の流れの持続を図るシステムです。有性生殖を獲得して、私たちは死をも獲得したのです。

よく、カマキリでメスがオスを食うといわれますが、あれは非常に例外的なこと。ほとんどの場合オスは交尾後、メスから簡単に逃れます。また、私の数少ない観察では、オスがメスの正面から近づいても、メスの捕食行動を抑制する方法があるように見受けられました。

クモの場合は、昆虫とはまた違った生き方を選択したいきものです。子に与える最初の餌が自分自身の体であるというクモもいます。生半可な感情で自然をとらえずに、まずは「見ること」「見極めること」に徹していきたいと思います。

7月17日。同じ場所で、おそらく同じ個体であろうと思われるササグモに再会しました。

0717sasagumof このおなかの大きさを見てください。

次世代へ向かう「卵」がいっぱい詰まっています。メスグモは、産卵という仕事に向ってすべてをかけています。

私は、このクモに、敬意を表します。

ムクゲ

0717mukuge ムクゲの花が開き始めました。

まだ開ききっていません。

風情あるたたずまいですね。

泥んこゾウムシ(続編)

0717sugurizoumusi1 0717sugurizoumusi2 今日の昼、ちょっと勝手口の方へ出たら、「あの泥んこゾウムシ」に再会しました。

モチの木の枝につかまっていました。

多分同一個体です。

前回出会ったのが7月15日。その時の場所のほぼ真上です。

よかったね~、口まで泥んこで固まっていなかったんだね~、と思わず話しかけてしまいました。

ところで、このゾウムシの名前ですが、「スグリゾウムシ」でほぼ間違いないと思います。

がんばれよ~~。

2008年7月16日 (水)

泥んこゾウムシ

0715zoumusi1 0715zoumusi2 郵便物を取りに出たら、足もとの葉っぱに何やら小さな甲虫が一匹。カメラを取ってきて3枚ほど撮影したらポロッと落ちて、どこやらへ消えていきました。

その時、肉眼では(老眼なもので)詳細には見えていなかったのです。

さて、パソコン画面上で見てみたら、なんと、泥まみれではないですか。乾いてきて割れ目が走っています。「泥んこ甲虫(Dirty Beetle)」ですねぇ。

何となくおかしみを感じさせる姿ですが、本人(本虫)にしてみれば、奇跡の生還かもしれません。このサイズの虫にとって、泥の粘っこさは致命的。よくまぁ、脱出してきたものです。

(水滴の表面張力に、アリがつかまって死ぬこともあります。)

ヒトは巨大なので、泥が粘っこいとか、水滴に指がへばりつくなんて考えてもいませんが、小さな虫たちにとっては重大なことなのです。

さて、この甲虫、名前は分かりません。形からして、「スグリゾウムシ」とか「コフキゾウムシ」とかではないのかな?と思いますが、何せ、泥んこで固まってます。見えません。

乾燥した泥が砕けて、自由になったことを祈ります。元気にしてるかなぁ。がんばれよ~。

シオヤアブ

0715sioyaabu1 線路のコンクリートの柵に、シオヤアブがとまっていました。

3cmを超えるくらいの大型のアブです。肉食性ですが、人を刺すとは思っていません。(後で、ウシアブに刺された話をしようと思っていますが。)

なんていうのかなぁ、こういう大型の肉食性昆虫って独特の雰囲気を漂わせますね。悠然というのでしょうか、泰然というのでしょうか。

0715sioyaabu2 パワフルでしょ。

自分と同じくらいの大きさの虫でも、とらえて抱え込んで、体液を吸います。

多分この個体、羽化して間もないんじゃないかな。

細かい毛とか、全く乱れがありません。

これはメスだと思います。オスは腹端に白い毛が生えているはずですので。

0715sioyaabu3 複眼をアップしましたが、少しぶれています。残念。

この直後、さすがにうるさかったのか飛び立っていきました。

あまりにも美しいので、縮小率を少しでも小さくしたいと、写真を横倒しにしてお目にかけます。(サムネイルをクリックして大きな写真を見ていただくとき、大きすぎると、ダウンロードしないと全体を見ることができなくなる恐れがありますね。で、いつも、一画面に収まるように、トリミングと縮小をかけて、お目にかけています。)

0715sioyaabu4

いかがでしょう。

泰然として、こういうアップをとらせてくれました。

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◆ところで、人を刺すのはウシアブです。

私の母の実家は、白神山地が海に迫るという場所でしたので、子育て中は毎夏ここで、水泳、虫捕りに明け暮れたものです。

ここでは、よくウシアブが家にも入ってきました。さすがに刺されるのは嫌で、皮膚につくとすぐ叩こうとするのですが、なかなかすばしこくて叩けません。

それを見ていた従弟がいうには。皮膚にとまってから、実際に刺すまでには時間がある。しばらくとまらせて、刺す準備が整った時に叩くと、飛びあがれないので簡単に叩けるよ、と教えてくれました。

しかしなぁ、心穏やかじゃないですよね。で、それからも、ひたすら叩いて、時々成功していました。

その家の近くに、小さな滝があり、8月の夏の祭りには神輿を担いで滝に入るというのがちょっと有名なのです。

祭りも終わって、お盆の前、何気なく家族でその滝のそばまで車で行って、車を出たら、ブワ~ンとウシアブの集団に襲われました。泡食って、車の中に逃げ込み、何百メートルか遠ざかり、すべての窓やドアを開け放って車の中のアブを追いだしたことがあります。いまだに家族の間では笑い話です。

ほんの何日かで、とんでもない違いになっていました。お盆前にいっせいに羽化したんですね。

ウシアブは苦手だ。

◆ついでに、蚊を叩くときも、吸血を開始する頃まで待ってから叩くと成功率が高いですよ。

普後 一 著「人が学ぶ 昆虫の知恵」という本では、蚊は吸血するとき、血液が固まらないように、また、麻酔作用で血管の筋肉を緩ませておくために、唾液を注入します。この唾液に対するアレルギー反応が「かゆい」ということなのです。

本来蚊の唾液は、吸血終了とともに蚊の体内に戻ります。そのため必要な血液を吸引し終われば、蚊に刺された箇所のかゆみはさほど感じることはありません。ところが吸血の中断や蚊を叩き潰すと、唾液は体内に残されたままになってかゆみが出ます。蚊の気が済むまで血を吸わせるか、途中で叩き潰すか、悩ましいところです。

とありました。西ナイル熱が上陸したらこんな悠長なことは言っていられませんが、今のうちなら「考慮に値する?」でしょうか。

◆脱線ついでに、ゴキブリの叩き方。

素早く走るゴキブリを一発で叩くのは難しいかもしれません。そこで、とにかく一発、ゴキブリの近くを叩いてください。音、振動、などに反応してゴキブリは1~2秒動かなく(動けなく)なります。その間に人間側としては、体勢を立て直し、狙いを定めて叩いてください。成功率がアップしますよ。

ムクゲ

0715mukuge ムクゲも「もうすぐ咲くよ」といっています。

韓国の国の花ですね。無窮花(ムグンファ)。窮まることの無い花。好きな名前です。

無窮花の呉音が「むくげ」だとも聞いたことがあります。

フヨウと多分区別がついていると思います。これはムクゲのはずです。

ヒマワリ

0715himawari1 0715himawari2 0715himawari3 ヒマワリが花を準備し始めました。

左から右へ、幼いものから、少しずつ成長していく過程になっています。

あまり背の高いヒマワリではありませんが、あの元気な花を楽しみにしています。

2008年7月15日 (火)

樹雨

2008/07/13付 朝日歌壇より

紫陽花の樹雨(きさめ)涼しや境内の隅にちひさき地蔵目を閉ず:(宗像市)巻 桔梗

 永田和宏 評:樹雨は枝や葉に溜まった霧が雨粒のように降る現象。巻氏は樹雨を効果的に使い、地蔵があたかもいま目をつぶるかのような静寂を歌った。

き‐さめ【樹雨】濃霧のとき、森林の中で霧の微小な水滴が枝葉につき、大粒の水滴となって雨のように落下する現象。きあめ。[広辞苑第五版]

「樹雨」という言葉を初めて知りました。なんとなく、4月終わりから5月初め頃の、若葉が成長し始めたとき、葉から樹液が細かい霧雨のように降り注ぐことがありますが、あれを思ってしまいました。自動車のフロントガラスが曇るので、見上げると木が茂りつつある、という感覚は生命力を感じさせて勢いがあります。 でも、それではありませんでした。

永田さんは「いま目をつぶるかのような」と、ある種、心理的な「動き」を感じとっておられますが、私にはもうちょっと静的な感じがします。

散歩の途中でも、駅でも、どこでも、(危なくないようにしたうえで)、目をつぶってみてください。目を開いていた時には聞こえなかった音の風景が、俄然、聴こえてきます。注意深く音を分けて聞くと、音源の方向がかなり正確に弁別できるはずです。人間の聴覚だって、とても優れたものなのです。人の歩く足音、車の走る音、いろいろな音の風景が聴き取れるはずです。

「ちひさい地蔵」さんは、樹雨の静かな音を背景に、世界の音の風景に聴き入っているのではないか。そういう静かな姿、たたずまいを私はこの歌から受け取りました。

地蔵というものを、「立ち会う存在」としてとらえている私の読みは偏っているかもしれません。これはただ一つの解釈として、ご自分の解釈を展開してください。

どきどき

2008/07/07付 朝日歌壇より

誕生日プレゼントする口実にノートを借りて過去分子訊く

(作者は高校生ですので、新聞紙上に名前が掲載されることは承知の上として、ネット上に名前が出ることについては控えた方がいいかな、と思い名前は書きませんでした。)

な~るほど、そういう戦術があったのか、きっともう、どきどきしているだろうな。そういう感覚って「遠くなってしまったな」などと思いつつ、妻にも読み聞かせて、二人でニコニコしてしまいました。

で、私のまだ整わない俳歌倉用データベースですが、名前を検索してみたら、もっとありましたので、ご紹介します。

2008/06/23
ノート裂き解き方教えてくれる君その優しさを独り占めしたい

2008/06/02
顔を上げぼんやりしたふりしてる時あなたが視界に入るこの位置

2008/05/26
ダムダムとドリブルの音君がいる体育館わき歩み緩める

初々しい。同級生なんですね、察するに。私は男子高校の出身ですので、高校生の頃にこういう感情はあまり味わわなかったな。抽象的な「恋へのあこがれ」という観念の中に埋没していたように思います。

みのるかどうかはわかりません。でも、正面衝突なさい。すべての事態に正面衝突すること、それがあなたを大きく深くします。

とは、じいちゃんの感懐。

◆青春時代が夢なんて、あとからほのぼの思うもの、青春時代の真ん中は、道に迷っているばかり。

この歌好きだなぁ。60歳という「前期高齢者入口」にきてみたら、やっぱり先は見えず、「道に迷っているばかり」であることが分かりました。

甲虫の幼虫

0713youtyu1 7月13日、ガレージの床タイルの上に、なにやら甲虫の幼虫がいました。

アリにつっつかれています。この幼虫が何の幼虫なのかはよく分かりません。

コガネムシの仲間だというのはたしかでしょう。カナブンかなぁ。わからない。

いわゆる「根切り虫」とも呼ばれてしまいますね。園芸関係の方は嫌いますね。根を切る、ということで。ネキリムシというのは俗称で、ヤガの仲間の幼虫や、コガネムシの仲間の幼虫のことでしょう。ちょっと混乱があるようです。

でもなぁ、本当に根を切っているかどうかは、わかりません。根の辺りから見つかるのでそう呼ばれますが。コガネムシの幼虫の方は「ナマの根」より「腐植」のほうを食べるんじゃないかなぁ。とも思うんですが。確実なことは知りません。

0713youtyu2 すごいアゴですね。根を切りそうな雰囲気がしてしまいます。

ところで、本来土の中で生活しているはずの幼虫が、日の当たる熱いタイルの上にいる、ということ自体がすでに異常事態です。

何があったのでしょう?もう正常な状態ではないはずです。何かの病気か、トカゲにでも掘り出されちゃってなんとか逃げてきた?たぶんそれはないと思うけど・・・。

飼育することもできませんので、私にできることといえば、差し当たって、アリからよけて、枯れ葉の下へ置いてやることくらいです。

生きられるなら生きほしい、ダメだったら、土に還ってね、ということくらいしかしてあげられません。

多分、こういう正常ではない状態に一度陥った幼虫は長くは生きられず死んだだろうと思っています。

鳳仙花

0713housenka1 今年もホウセンカが咲き始めました。

何度見ても不思議な形ですね。

0713housenka2 ピンクの象さん、と見立てるのは無理ですか?

0713housenka3 ちょっと豪華な雰囲気に撮ってみました。

薔薇のようでしょ。

タケノホソクロバ

7月5日に、大田区の白山神社の神楽堂の壁を歩いているところを見つけて写真をアップしました。↓

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_c183.html

7月11日、今度は彼らの「本拠地」で発見しました。(大田区の白山神社の境内です。)

0711takenohosokuroba 笹の葉につかまって葉を食べていました。

芯だけ残して、きれいさっぱり食べています。

公共の場所だしな、神社の方にお知らせしようかな、とも思ったのですが、社務所には誰もいなくてお知らせできませんでした。

キハラゴマダラヒトリ

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_56b5_1.html

↑ここで、幼虫から蛹になり、羽化したキハラゴマダラヒトリをご紹介しました。

飼育ケースには、成虫が出ていった「あと」があります。

0711mayu1 これがそうです。

幼虫時代の糞が転がっています。

写真の繭の下の方が白くなっていますが、ここから成虫が羽化して出ていったのです。

中はどうなっているのかな?と好奇心が湧きました。

0711mayu2 表面からピンセットで少しずつ繭をむしって、中を開いていきました。

蛹の腹部は筒状にコロンと、出てきました。

腹部先端に幼虫時代の皮を脱ぎ送ったものがたまっています。

0711mayu3 これがその拡大写真。

幼虫時代のあのすごい「顔」がくっついて残っていますよ。

繭の内側は白い糸で覆われていて、そこに、蛹の胸部と頭部がくっついていて、体内側から見る状態になっています。

0711mayu4 これがその部分の拡大。

胸の部分の板と頭のフタのような具合ですね。

このあたりでカパッと蛹の体が割れて、成虫が出ていったのでしょう。

0711mayu5 全部取り出して、背面から見たような形に並べてみました。

上から頭部、胸部、腹部とそろっています。

蛹時代の姿が想像されます。

ところで、腹部が筒状に残っていますので、ちょっと中を覗いてみたんですが

0711mayu6

特に何も見えませんでした。

セミの抜け殻なんかでは、気管が糸状に見えたりするんですけれどね。

さて、ひとしきりこうやって観察した後、はケースを水で洗って、次の飼育に備えました。

ブログにどの写真を使おうかパソコン上で考えていて、フト気づいたことがあります。

幼虫時代の皮が残っていました。では、幼虫時代=あのものすごい「毛虫時代」の、あの「毛」はどこへ行ったのでしょう?

0711mayu7

もう一回、繭の全体像を見てください。

内側は白い糸を吐いて体を包みました。

繭の外側にくっついている褐色の繊維状のもの、これはきっと、毛虫だった幼虫時代の毛ですね。

どうやったかは分かりませんが、毛だけ先に抜けたのではないでしょうか。そうして、非常に毛の少なくなった幼虫は、口から糸を吐いて繭をつくりながら、その外側に自分が今までまとっていた毛を配してくっつけたのではないでしょうか。蛹の腹部先端に残る幼虫時代の皮を見ると、多少の毛は残っていますが、全部が残っているようには見えません。

では、じっくり繭を見てください。繭本体は白いのです。自然界では、どのような場所で蛹化するのか知らないのですが、白ではどこでも目立ちます。

周りに褐色の毛をつけておけば、目立たなくなります。おそらくそういうことでしょう。

自分の幼虫時代の毛を使って、繭をカモフラージュし、羽化する。

感心しました。

2008年7月14日 (月)

産卵

◆朝日歌壇 2008/05/19 より

太き胴あらわに見せて産卵の間近き鯉のその目やさしき:(舞鶴市)吉富憲治
 馬場あき子 評:産卵時の鯉の目がやさしいという。行動は激しいが命を生む時の目のやさしさは納得させられる。

私自身、和金、リュウキン、オランダシシガシラ、ランチュウ、メダカ、グッピーなどなど、魚の飼育もずいぶんしましたから、産卵間近のメスの腹の膨らみはよくわかります。

一方、産卵のために入れてやったシュロ縄の切れ端などは、産卵が済み次第取り出して、別の水槽に移さなければなりません。

◆朝日俳壇 2008/07/07 より
いま産みし卵にたかる金魚かな:(長崎市)濱口星火
 長谷川櫂 評:自分の産んだ卵とも知らず、貪る金魚。世はかくも非情。

金魚もメダカも同じです。「非情」という評には抵抗感があります。広い自然環境の中ならば、多少は親が食べても、さしあたって大部分は残ります。飼育下の狭い空間で起きる「人為的現象」ともいうべきものではないでしょうか。

「人が動物を飼う」ということの哀しさを私は感じます。

◆下の写真は、もうおなじみですが、ササグモです。ただ、腹がとても大きくなっていることにお気づきでしょうか。

0710sasagumof_2

産卵間近のメスなんですね。

これまでより、写真が撮りにくくなっています。人影の動きなどに、とても鋭敏になっているのです。このときも、これ一枚しかシャッターチャンスはありませんでした。

産卵を控えて、身を守っているのでしょう。

私は、この産卵間近のササグモに「母性」を感じます。たくさん卵を産んで子孫がつながりますように、と祈りたくなります。

100個卵を産んでも、99個は成虫にはなれない世界です。でも、100の「誕生おめでとう」と、99の「サヨウナラ」の差が、種族を維持しています。

世界は「さようならと、おめでとう。ちょっぴりだけど、おめでとうのほうが多いのよ」。

この表現は、澤口たまみさんの著書「昆虫楽園」山と渓谷社、から引用しました。

キンカンの花

0714kinkan1 0714kinkan2 キンカンの花が咲いています。

柑橘類の花は清楚ですね。

つぼみがまた、かわいらしい。

キンカンの実を食べるのも大好きです。

何せ、完全、有機、無農薬栽培ですからね。安心なんていう生易しいものではありません。

虫たちや、鳥たちと常に競合しています。

アサガオ

0711asagao1 0711asagao2 7月11日、こんな朝顔も咲きました。

とってもきれいです。

クモの巣網

0711ami1 勝手口を出たところに、立派なクモの網ができています。

破れたら修理しているようですので、この網の持ち主はいるはずなんですが、まだ見つけられずにいます。どこい隠れて獲物がかかったことの振動をとらえているのかなぁ。

ふと思いついて、霧吹きを持ってきて、霧を吹き付けてみました。

0711ami2 少しは網がくっきりしたでしょうか?

びっくりしたのは水滴の蒸発の速さ。写真を2、3枚撮っているうちにもう蒸発して水滴は消滅しました。

霧吹きから吹き出した霧はただちに蒸発して「雲散霧消」するのですから、当たり前といえば当たり前なんですけれど、頭の中で、雨上がりの水滴に飾られたクモの巣をイメージしていたものですから、この乾燥の速さにはあっけにとられてしまいました。

網の主さんや~い、会いたいゾ。

ムラサキシラホシカメムシ

0710murasakisirahosikamemusi1 似たようなカメムシが3種類います。

「シラホシカメムシ」「トゲシラホシカメムシ」「ムラサキシラホシカメムシ」です。

http://www.insects.jp/konbunhankame2.htm ここで、その3種類が見られます。

私もいろいろ眺めた結果、胸の縁がとんがってない、星の大きさが違う、というので、エイヤッと、ムラサキシラホシカメムシだっと叫んだのです。間違ってたらごめんなさい。

背中の模様が何となく人の顔みたいに見えませんか?

0710murasakisirahosikamemusi2 0710murasakisirahosikamemusi3 0710murasakisirahosikamemusi4 いろんなアングルから見てください。

見つけたのは、ブロックの柱の上の面ですので、どういう植物が好物かというようなことは分かりません。

体長は5mm程度。小さなカメムシです。

上に引用したサイトでムラサキシラホシカメムシを見ると

タンポポ、ハルジオン、オオバコ、ツユクサなど、いろいろな植物を食べる。

とありました。我が家で見かけても全く不思議ではありません。

名前が分かりません

0710humei1 0710humei2 7月10日、ヒルザキツキミソウの花の中にいました。

花の中に潜り込んでいるのだから「ハナムグリ」じゃないか、とはいかないようですね。

普通にハナムグリというと、緑色で、ずっと大きくて、翅にテカテカがないんですね。

写真に撮ったのは、体長5~6mmでちっちゃくて、黒くて、テカテカ輝いています。

花粉まみれですが、模様はないようです。

7月14日、夾竹桃の花の中で、多分同じ種類だろうという甲虫を見ました。

0714humei さてなぁ。ご存じの方は教えてください。

ギンメッキゴミグモ

0710ginmekkigomigumo1 0710ginmekkigomigumo2 7月10日、ガレージの隅で並んで巣を張っていた2匹のギンメッキゴミグモの幼体です。

きっと、卵が孵って、わ~っと「クモの子を散らすように」あちこちで成長を始めたのでしょう。この日、もう一か所でも確認しました。計3匹。

14日では、2匹になっています。

何せ小さい。体長2mm足らずでしょうか。

妻にこれだよ、と教えたら、「銀メッキじゃかわいそうだ、プラチナちゃんにしよう」といっておりました。

どれだけが成虫になれるのかはわかりません。がんばれよ。

アワダチソウグンバイ

0710awadatisougunbai1 アワダチソウグンバイといいます。

ヒマワリの若い葉にいました。

http://www.insects.jp/kon-kameawadatisougun.htm

このサイトによりますと

カメムシ目 カメムシ亜目 グンバイムシ科
Corythucha marmorata
大きさ 3mm前後
時 期 4-10月
分 布 本州・四国
翅は半透明で褐色の斑紋があり、前翅前縁が角ばっているグンバイムシの仲間。
アメリカ原産で、近年日本に入ってきた帰化種。関西地方を中心に、東海、中国、四国などに分布を広げている。
キク、ヒマワリ、サツマイモなどに付く。

とありました。カメムシの仲間なんですねぇ。ため息です。

0710awadatisougunbai2 0710awadatisougunbai3 拡大してみました。わかったような、よく見ると分からなくなるような、不思議な体です。

「軍配」とは言い得て妙、とでもいうのでしょうか。

あえて別のたとえを考えると、ずいぶん昔に子どもらの間で流行った「スーパーカー」みたいともいえるような・・・。

おとなしいので、指先に乗せて接写を試みました。

0710awadatisougunbai4 0710awadatisougunbai5 左手の人差し指の先端部です。指紋と比べてください、大きさが分かるでしょう。

眼や触覚が分かるかと思いますが。なんだか全体がくっきり見えた感じにならない虫でした。

2008年7月11日 (金)

キハラゴマダラヒトリ

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_bd2a.html

↑ここで「シロヒトリ」の幼虫としてご紹介し、蛹になりました、というところまでご報告したアレが、7月10日、羽化しました。

0710kiharagomadarahitori1 飼育ケースの中にいるのを、ケースの外から撮影したので、少しかすんだ感じがしますがご勘弁を。

シロヒトリの幼虫だとばっかり思っていましたが、羽化してみたら、ゴマダラヒトリでした。7月9日に、庭のアジサイの葉で見かけて撮影し、アップしたばっかりだったので、一目で分かります。

さて、「キハラ」か「アカハラ」かの決着をつけなければとは思いますが、この幼虫を連れてきたのは妻ですからして、妻が帰宅してから二人で観察しなければなりますまい。

妻の帰宅後、二人で庭にケースを持って出て・・・。0710kiharagomadarahitori2

そっと、ケースの覆いのガーゼをはずし、出てきてもらいました。

まぁ、きれいねぇ、と妻も喜んでおります。

横の方から覗いてみると、どうやらキハラゴマダラヒトリのようです。飛ぶときの腹を見ててね、赤いか黄色いか。

0710kiharagomadarahitori3 さて、飛んでもらおうとしたら、なかなか飛んでくれなくて、私の服にのぼってきてしまったり・・・。やっと飛んでもらって・・・。

これが、飛んで場所を変えた姿です。

二人でしっかと「見ました」。「腹部背面は黄色でした」。

よって

キハラゴマダラヒトリです。

9日に庭で見かけたのと同じころに産みつけられた卵から出発したのでしょう。正確な「時計」ですね。

いろいろな昆虫たちが入れ替わり立ち替わり、姿を見せにやってきてくれます。ありがたいことです。楽しいですね。

テツイロヒメカミキリ

0709tetuirohimekamikiri1 7月9日。シダの葉の上にこんなカミキリムシを見つけました。

カミキリムシまでは一目で分かりますが、カミキリムシの世界は奥が深いので、あまり立ち入ったことがありません。

でもまぁ、調べなくっちゃ。

0709tetuirohimekamikiri2 いかにもカミキリらしい、いかつい顔つきですね。

検索していて、最初に「これかな?」と引っ掛かったのは「トゲヒゲチャイロヒメカマキリ」でした。

でもねぇ、名前の由来の「ヒゲにトゲ」というのに合致しないし、南方系らしいし、東京都の南端でみられる種類ではなさそうな雰囲気です。

実はヒメカミキリ族の仲間だろうと思って撮影したのですが、ニホンチャイロヒメカミキリともテツイロヒメカミキリともどこか微妙に違っていました。

こんな記述がありました。ということは、ニホンチャイロヒメカミキリやテツイロヒメカミキリはよく似ているらしい。で、それらを調べてみました。

ニホンチャイロヒメカミキリもなんだか南方系らしい。じゃあ、テツイロヒメカミキリは?

http://insectk.web.fc2.com/im3t2/tetuirohime07508.html

ここを開いて、「あぁ、これだ」。

非常に美しい濃いアメ色のカミキリムシですが、移入種だそうです。
山間部よりも都市近郊の灯火で見られるようで、池袋でも記録されています。

とありました。これなら、ここ大田区で見かけても不思議はないでしょう。

決定:テツイロヒメカミキリです。

「テツサビイロ」とか「サビイロ」の方がいいような気もするけれど、着いている名前は仕方ない。

上の2枚目の写真の顔の部分だけトリミングして再掲します。よくご覧ください。

0709tetuirohimekamikiri3 触覚の付け根を複眼が取り囲んでいます。ぐるっと一周はしていませんが、眼の中から触覚が生えているという雰囲気ですね。

カミキリってこうでしたっけ?ビックリしました。

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翌日、10日。庭に出て、昨日カミキリがいたところを見ると、まだいます。よく見るともう死にかけていました。室内へ連れてきて、顔のところを観察させてもらいました。

0710k1 0710k2 0710k3 いかがですか?造化の妙というのでしょうか、美しい顔です。

ありがとう。じっくり観察させてもらいました。

今日、11日庭の隅の落ち葉の重なったところの下へ置いてやりました。

土に還り、命の流れに還り、別の命の中に再生します。生きるものの幸せは、命の流れとつながって循環すること。そのようにして、すべての命は「地球に遍在」となるのです。

2008年7月10日 (木)

ストケシア

0710stokesia ストケシアの花についてはもう書きました。

花が終わったあとの姿が印象的です。

クリックして拡大してみてください。

咲いているときは隠れていたのでしょうね。みんなユニークな姿をしています。

(理系人間の私がユニークという言葉を使うときは「単一の」という意味合いを強くはらんでおりますので、そのようにご理解ください。)

イヌホオズキの実

0710inuhouzuki イヌホオズキの実がなっています。

きれいな緑色の球。

「ホオズキ」というのですから「鬼灯」みたいに赤くなるのかな、と思ったら違いました。

いぬ‐ほおずき【犬酸漿】ナス科の一年草。全世界の温帯・熱帯に広く分布。茎の高さ約50センチメートル。葉は卵形。夏、約3センチメートルの花柄を出し、花冠の5裂した小白花を数個つける。球形の液果は熟すと黒色、ソラニンを含み有毒。茎葉の煎汁は頑癬(タムシ)をなおし、解熱剤・利尿剤となる。牛ほおずき。漢名、竜葵。[広辞苑第五版]

実は黒くなるそうです。しかも、ジャガイモの芽の毒で有名なソラニンを含むのだそうです。名前につられて口に含まないでくださいね。

熟していくところを観察します。

オオカナダモの花

0710ookanadamo1 0710ookanadamo2 オオカナダモの花が2輪咲いています。

オオカナダモ自体は、生物実験などでもおなじみで(原形質流動の観察)、よく知っているのですが、花を見るのは今回が初めてです。

花弁が3枚、何の花だぁ?と調べたらオオカナダモの花でした。

右の写真では水面から立ち上がっている様子が分かるかと思います。また水中にオオカナダモの葉が写っています。

http://www.geocities.jp/goleshiiriin/newFlowers/Flowers_index.htm

↑このサイトのサムネイルを眺めていて名前が判明しました。

花弁がちりちりした感じです。しわも寄ったような感じ。不思議な花弁です。

メシベが見えないような気がしてどうしてかなぁ、と思ったら、雄株しかないのだそうです。

http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200706030000/

↑このサイトは、なんでもありのすごいサイトです。ここに解説がありました。一部引用します。

「オオカナダモ」、と誰がどう言うつもりで付けたのかは知らないが、原産地はカナダではなく南米のアルゼンチン、ウルグアイ、南西ブラジル。雌雄異株で、日本ばかりでなく、北米、オーストラリアなど世界各地に帰化している。しかし、それらはみな雄株だけとのこと。有性生殖ではなく、植物体が千切れることによる栄養体生殖で増えるので、雄株だけでも繁殖出来るのである。

とのことです。

0710ookanadamo3

花びらの質感が出せたかな、と思う写真を追加しておきます。

お楽しみください。

キヒメグモ

0709kihimegumo1 0709kihimegumo2 クモの写真はなかなか思うようには撮れません。

ヒメグモの仲間であることは間違いないでしょう。

模様からすると、キヒメグモではないかと思います。

成虫でも体長2~3mmという小さなクモです。不規則網を張ります。いわゆるきれいな円網ではありません。

気づきはじめるとクモもいっぱいいるものだなぁ、とつくづく思う日々です。

ツマグロオオヨコバイ

0710tumaguroooyokobai1 ツマグロオオヨコバイはセミなんかの仲間です。

人は刺しません。園芸の方に重点のある方は、駆除した方が植物のためにはよいでしょうね。

成虫をお目にかけます。

多分、羽化して比較的間もない個体だと思います。

珍しいことに、翅の後ろに、腹部の先端がのぞいています。こんな姿は初めて。

3対目の後ろ足が体の下に隠れて、あたかも4本しか肢がないように見えることもあります。じっくり見てやってください。

0710tumaguroooyokobai2

若虫のことを、英語でニンフ(nymph)といいます。

日本語でニンフというと、妖精という意味の方が知られていると思いますが、こんな写真を見ていると、若虫は妖精なんだなぁ、と感じられます。

あんまり美しいので、また載せてしまいました。

2008年7月 9日 (水)

ツマグロオオヨコバイの幼虫

0709tumaguroooyokobai1 キハラゴマダラヒトリがとまっていたのがアジサイの葉でした。そして、蛾のそばに抜けがらがありました。

で、上の方の葉を見たら、こんな具合。

嫌いな人は、あるいはアジサイ好きのかたは、早速殺虫剤をとりに走ることでしょうが、私はまぁ、これでアジサイが枯れるわけでもなし、と静観。

0709tumaguroooyokobai2 これは脱皮したての幼虫のようですね。多分左がその抜けがらでしょう。

白っぽくて、透明感のある体です。

眼、がね、変です。複眼の昆虫は、複眼をつくる個眼のうち、見ている者の方を向いた個眼が黒く見えて、まるで瞳があってこちらを見ているように見えるものも多いのです。これは偽瞳孔といいます。

この幼虫の眼はどうもそのタイプではないですね。白い縁取りの中に黒い部分、いわゆる「眼」の形の眼をしていますね。ユニークなやつです。かわいらしいですね。

0709tumaguroooyokobai3 幼虫だけを拡大してみました。

翅の芽が見えます。透明ですのでよく見てください。

きれいですね。

0709tumaguroooyokobai4

上の幼虫も時間がたてば、こんな風に、黄色っぽくなってくるはずです。

ところで、「ヨコバイ」は「横這い」です。逃げるときに前進せずに、つつっと、横に動いて葉の裏側に逃げていきます。動きが普通の昆虫と違うので、意表を衝かれて、アレッどこへ行ったのかな?となりがちです。お試しください。

ウィキペディア方一部引用します。

ヨコバイ(横這)は、ヨコバイ科 Cicadellidae(カメムシ目・頚吻亜目)に分類される昆虫の総称。セミ類に近い一群で、それを微小にしたような姿をしている。学名も Cicada(蝉)+ ella(縮小辞)で「小さいセミ」の意。

ということでした。セミに近いんですね。

キハラゴマダラヒトリ

0709kiharagomadarahitori1 7月9日朝。アジサイの葉の裏に白い蛾がいました。

真っ白ならシロヒトリだろうと思うのですが、ちょっとゴマダラ模様。

最近私は「毒蛾づいている」ものですから、ちょっぴり不安になって、さしあたって、写真だけ撮って、調べてみることにしました。

0709kiharagomadarahitori2 横から見て、屋根型というのでしょうか、そんな形。

翅を開いてとまるか閉じてとまるかは、大きな情報になります。

背面から見た形も重要でしょう。

ということで、この2枚。

蛾の左前に何か白いものが写っていますが、これはツマグロオオヨコバイの幼虫の抜けがらです。

さて、部屋に戻ってネットで検索。

http://www21.ocn.ne.jp/~k-yanagi/2-Arctiidae.htm

このサイトで、「ゴマダラヒトリ」に出会いました。

アカハラゴマダラヒトリ:純白の翅に隠された腹部は赤い。これと同じで腹部が黄色いものはキハラゴマダラヒトリと言う。アカハラゴマダラに似るが、腹部が黄色いので翅をめくってみれば簡単に区別できる。

ふ~ん。ドクガじゃないんだ。ならあわてて「抹殺」しに行くこともない、とのんびり。昼に見に行ったら、案の定同じ場所にいました。

「翅をめくってみれば簡単に区別できる」とはいってもなぁ。

0709kiharagomadarahitori3 葉を持って、蛾の真後ろから覗いてみました。

かなり失礼なアングルで、ゴメンナサイ。

どうも、腹の背面、翅の真下は黄色いのではないでしょうか。

すぐ手の届くところにあったツツジの葉で、蛾の翅を持ち上げようと試みました。

失敗。

0709kiharagomadarahitori4

葉に移ってきてしまいました。

腹は見えたのですけれどね。きれいな模様です。でも、見たかったのは腹の背面なんですけどね・・・。

困ったな、と思っていたら、飛びもせず、ひょこひょこと歩いて、手にのぼってきてしまいました。ドクガじゃないことは確認していましたからいいのですけどね、くすぐったいというか、なんだかむずがゆいというのか、トホホな状況になってしまいました。

左手に蛾をのせて、右手でカメラを構えて、撮りましたよ。

0709kiharagomadarahitori5 0709kiharagomadarahitori6 マクロレンズで接近してますからね、自分の腕の産毛が写ってるんですねぇ。

フワフワした毛は、貴婦人の装いですね。

前足の内側が黄色いでしょ。実はこのあと、しょうがなくて、元の葉に戻そうとしたら、翅を開いてやっと飛んで葉蔭へ隠れたのですが、その瞬間、写真には撮れませんでしたが、腹部背面の色は、前足の内側の色と同じ、黄色でした。

結論:一連の写真は、キハラゴマダラヒトリです。

対決

0708sasagumoyamatosijimi モノサシトンボの写真を撮っていて、ふと眼を上げると、こんなシーンに出くわしました。

右のクモはササグモ。

左のチョウは、翅がもうボロボロなんですが、多分ヤマトシジミでしょう。

たまたま、ササグモの前にとまってしまったのかな。で、ササグモは動きを察知して狙っているのでしょう。

カマキリの場合だと、餌になる相手をいったんみつけると、相手が動かなくても見えているようで、狩りをします。距離感がつかめないときは体を左右に少し動かして距離を測り、カマの射程距離に入るように近づいていきます。

クモの場合はどうなのでしょう?カマキリと違って単眼です。相手が動かなくなった場合、対象としてとらえ続けられるのでしょうか?単眼は動きに敏感だと思うのですが。

この後、どうなったかはわかりません。もう夕暮れ時でしたし、蚊に襲われていましたし、何より、昆虫たちが命をかけて闘う場合、介入する気はないからです。

気分的にはチョウに肩入れしたくなりますが、クモだって、食べて繁殖して命をつなごうと懸命なのです。命に差はありません。

ヒトのように「飽食」などということもしません。必要な食べ物をとるだけです。

ヒトの生半可な感情をさしはさむことはしたくないのです。

生きることは荘厳なことです。

モノサシトンボ

0708monosasitonbo1

7月8日、夕方のことです。

我が家の庭の「トンボ池」で、今度はモノサシトンボの羽化です。

よくまあ、この小さな池から次々にいろんなトンボが現れてくることよ。

大きなヤゴは大きな餌を食べていて、小さなヤゴを見逃したんですかね。

あまりアングルを変えることはできませんでしたので、似たようなアングルから撮った写真をお目にかけます。

0708monosasitonbo2 0708monosasitonbo3 これはオスです。メスはもう少し黄色っぽいはずです。

オスが先に羽化してメスを待つ、というパターンかもしれません。

交尾チャンスを増やす戦略です。

交尾や産卵が見られるといいですね。

観察を続けます。

2008年7月 8日 (火)

東急多摩川線7000系

0628_7000_1 携帯ストラップです。

かわいいので買ってきました。

0628_7000_2 0628_7000_3 なかなか芸が細かいでしょ。

左の写真などは、ちょっぴり猫が香箱をつくっているような雰囲気もあってかわいいです。

私は週に1回くらいしか電車には乗らないので、先日、初めてじっくり乗りました。(前回は、運転席の写真を撮るのに夢中でしたので)。

ドアが、ちょっと凝った閉じ方をします。

運転手さんが(ワンマン運転ですので)、ドアを閉めるボタンを押すと、ドアは閉じ、中央でドンとぶつかるのですが、ほんの僅か1cm足らず、開いたままになります。

その後、運転手さんがレバーを「力行」側に倒してモーターが動き始めると、ドアはびしっと閉じてしまいます。

おそらく、ドアに挟まれないようにという配慮なのでしょう。もちろん、挟まったことへの「ドアが閉じていないぞセンサー」もあるでしょうし、赤外線センサーもあるようですが、発車寸前まで少し隙間を緩めているように思えました。

芸が細かい。

黙読

はた目には黙読なれどきみからのメールはきみの声で読みおり:(山形県)鈴木より
 朝日歌壇(2008/06/02)より

 高野公彦さんの評:君からのメールは君の声で黙読する。爽やかな恋の歌。

いや実際、頭の中には声が響いているのだとおもいますよ。共感覚に近いものでしょうか、視覚による文字情報と、聴覚が連動することはよくあることです。

目はメールを追いながら、心は恋人の声に聞き入っているのだと思います。

◆こんな話を、たまたま読みました。

日経サイエンス 2008年6月号の、「SEMICOLON」という編集後記です。

◆筆者をよく知っていると、原稿を読みながら頭の中でその人が音読しているように聞こえることがあります。102ページからの記事でも筆者・中島の声が聞こえてきました。先にゲラ読みをした菊池がNHKの『プロジェクトX』みたいとつぶやいたせいか、頭の中で聞こえてくる中島の声があの独特なナレーション風に。途中から中島みゆきのテーマ音楽まで聞こえてきました。こうなると、ゲラ読みなんてできたものではありません。楽しめますけれど。(詫摩)

ここで、102ページからの記事といっているのは、「短期集中連載 カミオカンデとスーパーカミオカンデ 物理学を変えた四半世紀 3: 崖っぷちからの再生」中島林彦(編集部)、協力:戸塚洋二 という記事の事です。

記事を書いているのが編集部の中島さんという方なので、詫間さんにとってはよく知っている人なのですね。すると、ゲラを読みながら、中島さんの声が聞こえてくる、というのです。

恋人とかいう話ではありませんが、ほぼ時を同じうして、「読む」と「聴く」の連動の話に接したものですから、おもしろい偶然だなぁ、と思ったわけです。

薄羽蜻蛉

雛芥子の花さく軌道すすみゆくワンマンカーに薄羽蜻蛉:(岸和田市)南与三

朝日歌壇(2008/06/02)より。

歌の内容には関係のない戸惑いを覚えたものですから。

「蜻蛉」というのは、ごく普通には「トンボ」を指しているように思っていました。南さんの歌の昆虫は「ウスバカゲロウ」だと思うんですよね。カゲロウというと私の頭の中では「蜉蝣」の方が思い浮かぶんです。

うすば‐かげろう【薄羽蜉蝣】 アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科の昆虫の総称。また、その一種。一見トンボに似る。翅は透明、細かな脈がある。開張約8センチメートル。幼虫は「ありじごく」。<季語:夏>[広辞苑第五版]

かげろう【蜉蝣・蜻蛉】(飛ぶさまが陽炎カゲロウのひらめくように見えるからいう)
①トンボの古名。源氏物語蜻蛉「―の物はかなげに飛びちがふを」
②カゲロウ目の昆虫の総称。体も翅も弱々しく、2本または3本の長い尾毛がある。夏、水辺を飛び、交尾・産卵を終えれば、数時間で死ぬ。幼虫は2~3年を経て成虫に羽化。はかないもののたとえに用いる。かぎろう。青 セイフ。朝顔。 ヒオムシ。  秋 。徒然草「―の夕を待ち、夏の蝉の春秋を知らぬ」[広辞苑第五版]

とんぼ【蜻蛉】トンボ目に属する昆虫の総称。腹部は細長く、円筒状。細長い透明な2対の翅ハネは非常に強くよく飛ぶ。複眼が大きく、触角は短い。幼虫は「やご」といい、水中に生活。成虫・幼虫ともに他の昆虫を捕食。せいれい。かげろう。あきず。とんぼう。<季語:秋>[広辞苑第五版]

いいんですね、「薄羽蜻蛉」でもって「ウスバカゲロウ」と読んで。

トンボの方で「薄羽黄蜻蛉=ウスバキトンボ」というのもいるんです。こちらは、お盆のころに見かける黄色いトンボで精霊トンボとかも呼ばれます。

何となく混乱しそうなので、私のような散文的な人間には「薄羽蜉蝣」「薄羽黄蜻蛉」と使い分けた方がよさそうな気がしてしまうのでした。

◆ところで、ウスバカゲロウの幼虫はアリジゴクです。英語では ant lion というそうです。

アリジゴクは前向きには歩けないのですね。らせん状に後ずさりしながらすり鉢状の巣をつくります。落ちかかったアリなどの小動物に、砂を浴びせかけて引きずりこんで体液を吸うわけです。

成長の速さは遅く、蛹までに2,3年かかることもあるそうです。妙な話ですが、体液を吸うだけなので、固体のウンチができないのです。蛹が羽化して成虫となるときに初めて排泄をします。ふ~む、不思議な昆虫ですね。

2008年7月 7日 (月)

オオシオカラトンボ

庭の池がにぎやかです。この前は、オオシオカラトンボかシオカラトンボか困惑している、という話を書きましたが、今回は確かにオオシオカラトンボです。

0706oosiokara アジサイの葉の間から、望遠レンズで撮りました。

まだ、ヤゴがいるようですし、これからこの池の生き物たちの「システム」はどう変化していくのか、小さな池なのに面白いものです。

この夏のにぎわいが楽しみです。

カタツムリ

0706katatumuri 私は腰をかがめるのがまるっきりダメなものですから、地面が遠いのですが、妻はかがんで、いろいろ世話をしています。

線路際の草の面倒見ていたら、「またカタツムリがいた」と、今回は2匹捕まえてきました。前回の1匹と合わせて、3匹になりました。

しばらくは飼育してみます。うまくいけば、卵を産むかもしれません。昔、子らといっしょにカタツムリを育てた時は、産卵してくれて、小さな稚貝を見た、という記憶があります。

キセルガイは卵胎生ですが、カタツムリは卵生です。思惑どおりに稚貝を見られるでしょうか?

カラスノエンドウ

0706karasunoendou1 カラスノエンドウの実もこんな風になっていた、と妻が取ってきてくれました。

スイートピーと全く同じ。乾燥して、弾けてこうなって、種を飛ばすんですね。

植物はいろんな方法で種を広く撒布しようとしているんですね。

ところで、乾燥してこうねじれるのなら、濡らしてやったらまた伸びるのかな?と思いついて、実行。

0706karasunoendou2 0706karasunoendou3 0706karasunoendou4 ティッシュペーパーの上に載せて、霧吹きで霧を吹きつけて濡らしててやりました。

すると・・・

見る間にねじれがほどけていくのですね。

で、完全に伸びてしまいました。

予想通り。ということは、もう一回乾燥したら、ねじれるのでしょうか?

0707karasunoendou5 翌日の写真です。

やはり、再びねじれていました。

予想が当たった、メデタイ。

トウキョウヒメハンミョウ

0705tokyohimehanmyo1 今庭に出ると、足元はピョンピョンハンミョウだらけです。

前にも紹介しましたのでもういいか、と思っていましたが、今回、翅の典型的な模様が写せましたので、ご紹介しておきます。

この姿を見たらトウキョウヒメハンミョウだ、と同定していただいて結構です。

ところで、触覚のところに「白い毛」があるように見えます。何か葉っぱの側の光だろうか、と、同じ写真の頭部のところを縮小なしで切り出してみました。

0705tokyohimehanmyo2 やっぱり白い毛があるんですね。

アングルによっては全然見えません。今回、初めて気がつきました。

アダンソンハエトリ

0704adansonhaetori 午後3時もすぎた屋外でアダンソンハエトリに出会いました。このハエトリグモは以前にも家の中の洗面所のところで出会ったのをご紹介しています。

今回は、なんだか影がかっこいい。

もうちょっと長いとな、口笛の伴奏かなんかで、夕陽のガンマン風に見えたかも。(古いですね。)

でもまぁ、とっても印象的でしたので、ご紹介します。

2008年7月 5日 (土)

タケノホソクロバ

マダラガ科の0704takenohosokuroba タケノホソクロバという蛾の幼虫です。

なんか、こう、毒のある毛虫づいてしまったなぁ。

黒いところから毛が生えていますね。これが毒針です。

大田区の白山神社の神楽堂の壁を歩いていました。連れ帰らなくてよかったです。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/takenohosokuroba.html

「幼虫図鑑」に成虫までの写真がありました。なんだか見たことのある成虫のようです。成虫には毒針はないそうで、幼虫に警戒すればよいようです。

一部引用します。

黒い斑点に見える部分が毒針毛が密生している部分であり,ここに触れると痛痒い。ドクガに次ぐ痒さであると思う。脱皮殻にも毒針毛が残っており,駆除の際には気をつける(成虫は無害)。平成 12 年頃から横浜市内各地で増殖中である。年 2 ~ 3 回発生する。平成 14 年は 3 回発生したらしく,11 月下旬には稀に見る大発生状況だった。鋏で切ったような一直線の食痕を残すので,虫がいなくても被害の有無の判定が容易である。

ということでした。お気をつけください。

アオスジアゲハ羽化

0704aosujiageha アオスジアゲハの羽化は既にご紹介したことがあります。

先日、ツマグロヒョウモンの羽化のところで、赤い蛹便をご紹介して、その時アゲハは緑の蛹便をする、と書いたと思います。

今回、蛹の状態が良くなかったので、足がかりの補助に紙を入れておいてやりました。

その紙に、緑色の蛹便がついているのが見えます。

このチョウも、元気よく旅立っていきました。

元気でね。

クシヒゲハバチ Part4

クシヒゲハバチは一件落着した、とおもって、2日後の6月12日。1匹しか羽化できなかったようだけれど、もうケースを掃除してしまっていいだろう、と中を覗いてみました。

0612kusihigehabatia1

これは羽化に成功した方の繭です。フタを開けたようになっていますね。

0612kusihigehabatia2 0612kusihigehabatia3 このフタをとって中を覗いてみましたが、蛹の皮は見えませんでした。

空っぽ。

ケースから引きはがして、くっついていたところを見ると。

こうなります。

平らな面にくっついていたことがよくわかります。

さて、もう一つの繭も開けてみることにしました。

0612kusihigehabatib1 これがその繭です。

外見的に、上の繭と違いはないようです。

フタにはなっていませんので、カッターナイフの先端で、そ~っと切り開いてみると・・・ビックリ!

0612kusihigehabatib2

中に幼虫らしきものが見えてきました。

どうして?

繭をつくって蛹になったんじゃなかったの?

0612kusihigehabatib3 中の幼虫をとりだしてみました。

生きています。死んじゃったら乾燥するなり、カビるなりしてしまうでしょう。

それに、まだ少し動けるんです。外からの刺激に反応して体を動かすのです。

参ったなぁ。これって、体内に寄生されているという状況ですね。その寄生者は宿主が死なないように大事なところだけ残して、体内を食べているのでしょう。

宿主が繭をつくるところまではいかせたけれど、蛹化はさせなかったのですね。

とにかく、どうなるのか?寄生者は羽化して出てこれるのか?

ということで、ケースに戻して、その後ずっと毎日観察していますが、7月5日現在、まだ状況に変化は起こっていません。まだ生きてはいるのだろうと思います。

飼育を始めてから、もう2か月以上になりました。決着がつくのかどうか、見続けることにっします。

◆参考

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/kusihigehabati.html

ここを見てください。「幼虫図鑑」の中です。

トップの写真が、クシヒゲハバチの幼虫に「ハエ」のようなものがくっついている写真です。これが寄生者でしょうか。解説がないのではっきりとは分かりませんが、多分そうなのではないかと思っています。

その他に、クシヒゲハバチの雌雄の写真もあります。

2008年7月 4日 (金)

クシヒゲハバチ Part3

0517mayu_kara1 0517mayu_kara2 0517mayu_kara3 5月17日、繭のうちの一つから、成虫が羽化して出てきました。

エ~ッ、ハチなのぉ?あの幼虫に対する「寄生バチ」だったのかなぁ?

その時の私の反応です。

後知恵:これは、クシヒガハバチのメスです。

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0610kusihigehabatimale これは、6月10日、庭で見かけて何気なく撮った写真です。

触覚が櫛状になっているので、きっと「くしひげ○○」とかいうんだろう、とグーグルで、「クシヒゲ」をキーワードに探していったら、ありましたよ~。

これは、クシヒゲハバチのオスです。

さぁ、びっくり。よく見ると、ひと月前に羽化していった、あの問題のハチとそっくりじゃありませんか。

◆この時点で、やっと全部が私の中できちっと組みあがったのでした。

クシヒゲハバチの幼虫は「バラ類の葉」が食草であるらしいので、ボケはバラ科ですから矛盾はないし。

下のページなどで、クシヒゲハバチの写真を見て、確定ということにしました。

http://blog-imgs-1.fc2.com/k/o/n/konton57/P6020528.jpg

http://www2.atpages.jp/kjrshoji/yy-kontyuu/hachi/html/kushihige.htm

◆懸案が解決したのでブログに記事を書ける状態なったはずだったのですが・・・。

その後、というのがありまして。それはPart4でお話しします。

クシヒゲハバチ Part2

0503humeiyoutyu 5月3日。

皮膚の様子が違ってきました。パリパリな感じ。

案の定、1匹が蛹になったようです。5月3日。

0503humeiyoutyumayu

さして大きくならないうちの蛹化でびっくりしました。これは、とてもセセリではない。

その上、繭を作っちゃったのですね。これで、私の頭は大混乱。

繭をつくるというのは、蛾かハチでしょう。そういう風にはとらえていなかったので、わからなくなってしまいました。寄生バチ?かなぁ。ワカラン、です。

0508mayu2 5月8日、もう1匹も繭をつくって蛹になりました。

小さな繭です。

後知恵ですが、これは、クシヒゲハバチの繭です。

クシヒゲハバチ Part1

0430humeiyoutyu1 ず~っとペンディングにしてきたのですが、一応、現時点での報告はしてしまいましょう。

これは、(多分)クシヒゲハバチの幼虫です。

ここの一連の写真、今年の4月30日の撮影です。

0430humeiyoutyu2 0430humeiyoutyu3 妻が、ボケの葉を食べていた、と2匹の幼虫を連れてきました。1cm強の小さな幼虫です。

我が家のボケは、鉢植えのまだ小さな木ですので、さすがに食料として与えるわけにはいきません。

妻は、ご近所のボケから葉っぱをもらってくるわ、といって小さなケースに入れて、飼育を始めました。

0430humeiyoutyu4 この時点で、私はこれはチョウの幼虫だろうと思っていました。

チョウの幼虫で似た感じがするのはセセリチョウでしょうか。

セセリの幼虫だったらもっと大きくなるなあ、葉っぱもずいぶんいるようになるだろう、と考えていました。

0430humeiyoutyu5 この写真では頭などは分かりませんが、逆光のため、アゴがはっきり写っています。けっこう、すごいアゴですね。

ササグモのメス

0703sasagumof1 お腹が大きくなっています。体全体もずいぶん大きくて、あれっ、デカイ、と思わず写真をとりました。

腹部の先端から糸を出して、葉にくっつけて、体を確保している様子がよく見えます。

産卵が近いのでしょう。迫力がありますね。

また分からなくてスミマセン

0701kumo1 クモです。

非常に面白い網の張り方をしています。

1枚の葉っぱを糸で巻くようにして、そのくぼみの中にいます。

写真で黒く見えるのは網にかかった餌です。茶色っぽく見えるのがクモです。

体長は2mmくらいでしょうか。今のところ、とても小さいのです。

0701kumo2 0702kumo3 なんとか頑張って、網越しに接写しようとするのですが、むずかしい。

このくらいが限度でした。

特に目立った模様はありません。

成長したら変わるのかなぁ。

ヒメグモの仲間ではないかと推測していますが、よくわかりません。ここで成虫になってくれると分かるかもしれません。

最初からギブ・アップします

0701koutyu 0701koutyu2 成長中のヒマワリのてっぺんのところにいました。

きれいな甲虫です。体長は5mm足らず。

最初から調べることをあきらめています。

○○コガネ、とかいうのかなぁ。

ルリハムシかもしれないという気もしますが。青系の色が入っていないしなぁ。

教えてください。

カタツムリの殻

0701katatumurikara 妻が、カタツムリの殻があった、と拾ってきました。

今飼育中のものと同じ種類のようです。

やっぱりいることはいるんだなぁ。

なかなか生きて活動中のにお目にかかれないでいるのですね。

もう少し増えてくれてもいいんだけどな。

2008年7月 3日 (木)

ナメクジウオ

西木空人さん選の「朝日川柳」(7/1付)に次のような川柳が掲載されました。

 ナメクジに塩をかけてる罰当たり

西木さんのコメントは「ご先祖さまに」となっていました。

◆きっと来るよなぁ、と思っておりました。これナメクジではなくて、ナメクジウオの話なのです。

ナメクジは無脊椎動物、今回の話は脊椎動物側の話なのです。

◆毎日新聞と読売新聞のネット版から引用します。

脊椎動物:祖先はナメクジウオ ヒトと遺伝子6割共通
 ヒトなど脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤ類ではなく、ナメクジウオ類であることが、ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)解読で分かった。京都大、国立遺伝学研究所や英米などの国際研究チームが突き止めた。19日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。
 ナメクジウオは脊椎動物の前段階で背骨に似た筋肉組織を持つ「脊索(せきさく)動物」の一種。大きさは3~5センチ。頭部はないが尾びれに似た器官があり、魚のように泳ぐ。ホヤも同じ仲間で、今から5億2000万年以上前に、ホヤ、ナメクジウオ、脊椎動物の順に進化したと考えられてきた。
 研究チームの解析の結果、ナメクジウオのゲノムの大きさはヒトの約6分の1で、約2万1600個の遺伝子を特定した。このうち、1090個の遺伝子をホヤと比較し、ナメクジウオの方が早く現れ、原始的であることを確認した。また、遺伝子の6割がヒトと共通しており、並び順も似ていた。一方、ホヤは独自の進化を遂げた傍流と分かった。
 佐藤矩行・京都大教授(発生ゲノム科学)は「ナメクジウオが脊椎動物の祖先に最も近い。ナメクジウオから脊椎動物が直接的に進化したと考えられる」と話す。
   毎日新聞 2008年6月19日 2時00分(最終更新 6月19日 2時00分)

ヒトなど脊椎動物、祖先はナメクジウオの仲間…ゲノム解読で
 人など脊椎(せきつい)動物の祖先は、これまで考えられていたホヤ類ではなく、ナメクジウオの仲間であることを、日米英など国際チームが突き止めた。ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒト、ホヤなどと比較したもので、成果は19日付の科学誌ネイチャーに掲載される。
 哺乳(ほにゅう)類や魚類など背骨を持つ脊椎動物は、5億2000万年以上前に、背骨の原形である棒状組織「脊索(せきさく)」を持つ脊索動物から進化したと考えられている。脊索動物には脊索が尾側にある尾索動物のホヤ類と、頭部から尾部まである頭索動物のナメクジウオ類があるが、詳しい進化の過程は分からなかった。
 研究チームは、約5億個の化学物質(塩基)からなるナメクジウオのゲノムを解読、約2万1600個の遺伝子を発見した。すでにゲノム解読されているホヤ、ヒトと比較した結果、脊索動物の中でナメクジウオが最も原始的であることがわかった。
 これは、脊椎動物がナメクジウオ類から直接進化したことを裏付けるもので、ホヤ類を祖先と見る従来の説を覆す結果となった。
 研究リーダーの一人である京都大学の佐藤矩行教授(動物学)は「ダーウィン以来の懸案だった脊椎動物の起源が初めてはっきりした」と話している。
   (2008年6月19日03時07分  読売新聞)

こういう話です。

◆イメージとしては下の図を見てください。

Keitouju

ここで間違えたくないのは、現生のナメクジウオがそのまま脊椎動物の祖先であるというわけではない、という点です。(「ヒトの先祖はサルだ」という考え方の間違いは大分浸透していると思いますが。ヒトとサルは共通の祖先から分岐した、というのが正しいのです。)

現生のナメクジウオの祖先から、現生のナメクジウオに至る枝と、脊椎動物の枝が分岐したのです。その分岐の後に、ホヤの先祖が分岐して現生のホヤに至るのです。

その後のナメクジウオの進化はあまり大きなものではなかったかもしれません。でも、ナメクジウオだって、当時のナメクジウオから進化して、現生のナメクジウオはその進化の最先端にいるのです。

脊椎動物の方へ分岐した枝は、その後、魚類やなんだかんだ大きな進化を遂げました。

間違っても、ヒトは進化の頂点に立つ優れた動物だなんて思わないでください。現生の生物たちは、それぞれすべて進化の最先端を生きているのです。進化とは別に「優れたもの」への変化ではありません。環境に適応して多様化していく営みのすべてです。

◆さて、ナメクジウオという名前が、生物にあまり詳しくない方には、ナメクジを連想してしまうだろうなとは思います。あまりいい名前ではなかったですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%82%AA

このウィキペディアのページをお読みください。写真もありますし、図解もあります。

ナメクジはというと、無脊椎動物です。動物界を2分する枝の別の枝の方に属しているのですね。ですから敢えて言えば、ナメクジは御先祖の筋ではなく、親類筋というべきでしょう。

もちろん、ナメクジなどと、私たちの「共通祖先」はありました。脊椎動物と無脊椎動物の共通祖先もいました。さらに、動物と植物の共通祖先もいたのです。動物も植物もミトコンドリアを持っていますね、それによって酸素を利用してエネルギーを取り出しています。同じメカニズムで生きる酸素利用型の兄弟生物なのですね。

◆というわけなのでした。

地球上のすべての生物は、それぞれ38億年の歴史を刻んでいます。途中、一回も途切れていません。途切れていたら、今いないのです。

私たちのなかに刻まれた38億年の歴史の一部が解明されたのです。楽しいですね。

私はいったい何者なのか?生物学や化学がそれにこたえようと努力しています。

ここはいったいどこなのか?物理学や天文学がそれにこたえようと努力しています。

自然科学というのは詰まるところ「私は誰?ここはどこ?」を知りたいと、好奇心を原動力として進んでいく学問だといえるでしょう。

◆追記:上に引用したニュースのソースが手に入ります。興味・関心のおありの方はダウンロードしてお読みください。

http://www.nii.ac.jp/kouhou/NIIPress08_07-1.pdf

http://www.nii.ac.jp/kouhou/NIIPress08_07-2.pdf

◆高校で生物を勉強された方は、「カエルの発生」のところで、脊索が現れれて脊髄をつくり、やがて消える、と習ったと思います。

 実は、椎間板ヘルニアでおなじみ、脊椎の椎体の間にある、椎間板の中央部に「髄核」というゼリー状の部分があるのですが、これは、脊索から発生したものなので、ある意味で脊索の名残というか遺物というか、そういうものなのです。

http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/newpress/np06.html

http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/basic-spinal.html

こんなところをご参考に。

キセルガイ一家

0701kiserugaifamily1 この写真の中に、親貝2匹、稚貝7匹がいます。

親貝はすぐわかると思って矢印入れてません。

左の方と、下のほうにいます。

拡大すると分かりますが、稚貝は矢印で指示しています。

黒い矢印が5本あって、白い矢印が1本です。アレっ、7匹って言わなかったっけ?

0701kiserugaifamily2 左の親貝に接近してみると、親貝の貝殻に2匹くっついているのですね。

甘えているのではないと思います。親貝の貝殻のカルシウムを食べているのではないか、という気がしています。アサリの貝殻だろうと、親貝の貝殻だろうと、多分区別なんかついてないんじゃないでしょうか。

0701kiserugaifamily3 0701kiserugaifamily4 稚貝は最初4匹、次に3匹生まれましたから、成長段階に少し差があります。

貝殻の巻き数が1回違っていますよね。

右の方が巻き数が多い。

さて、どこまで育てられるものやら。毎日「今日は雨だよ~」と、霧吹きから霧を吹きかけてやっていますが・・・。

ゾウムシ(には違いないんですけれど)

0628zoumusi1 6月28日(土)の朝、食事を済ませてふと下を見ると、エプロンに(私、朝食の準備・片付時はエプロンしてます)なにやら虫がくっついています。

なんだぁ?いったいどこからどうやって来たんだぁ?と思わず叫んでしまいました。先日のツヅミミノムシといい、やってきた経路に思い当たりません。「あのおじさんのところへ行くとさぁ、写真撮ってブログにのっけてくれるんだよ」と虫たちの間で話題になってたりして。(マサカ)

ぜひサムネイルをクリックして大きな画像を見ていただきたいのです。で、顔を見てやってください。

0628zoumusi2 0628zoumusi3 0628zoumusi4 いかがでしょう。なんといいますか、味わい深い顔つきでしょ。

どうしても擬人化したくなるような顔ですよね。

前向きの複眼、大きな鼻、朴訥な人物、という気になります。

さて、これほど特徴的な顔つきをしているのだから、名前はすぐわかるだろうと思ったのが大間違い。結局、確定的には分かりませんでした。

候補は

サルゾウムシかハナゾウムシの仲間ではないだろうか、というところまでです。

↓下はツツジトゲムネサルゾウムシに関するサイトです。

http://www.ob.aitai.ne.jp/~k_izawa/room/tsutsujitogemune.htm

http://plaza.rakuten.co.jp/hammeratsannda/diary/200804290000/

↓ここには、標本写真があります。

http://www.g-sigma.co.jp/beetles/hyouhon/thumbnail29.htm

◆ゾウムシに詳しい方、ぜひ教えてください。

トウキョウヒメハンミョウ

0701tokyohimehanmyou1 7月1日、ストケシアの葉の上で撮影。

そろそろ、トウキョウヒメハンミョウの季節のようです。まだ足元にうるさいほどは出てきていません。ハシリといったところでしょう。

昔見たカラフルなハンミョウはこのごろあまり見かけません。代わりにこのトウキョウヒメハンミョウをよく見るようになりました。

普通のハンミョウと同じく、足もとを飛び交いますので、同じように「道教え」の雰囲気はあります。

0701tokyohimehanmyou2 眼と眼の間、頭部のしわのような構造がすごいですね。

肉食性です。

http://mushinavi.com/navi-insect/data-hanmyo_tokyohime.htm によりますと

エサ:昆虫(アリ,ミミズなど)生きたものを大アゴで捕らえる。
幼虫は地面に穴を作り、近づいたアリなどを穴から捕食する。

とありました。

学名は「Cylindera kaleea yedoensis」といいますが、「yedoensis=江戸」ですね。

7月3日、シダの葉の上にいました。

0703tokyohimehanmyou

正面から撮影したら、ものすごいアゴが写りましたので、お目にかけます。

こうやってみると、迫力ありますねぇ。

ちゃんと見たことなかった。

エビグモ

0618ebigumo これ、エビグモの仲間だと思います。これ1枚しか撮れませんでした。

6月12日付で「アサヒエビグモ」の記事を書きました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_5bad.html

多分、同じだと思うのですが、腹のあたりの詳細が見えなくて自信がありません。

細かくいわず、この姿からしてエビグモの仲間だろう、としておきましょう。

2008年7月 2日 (水)

オオシオカラトンボ(だと思うんだけどなぁ)

0702siokara1 ちょっと困っています。

オオシオカラトンボの場合、翅の付け根付近が濃い色になっているはずなのです。それが、迫力ある姿の一つの原因でもあります。

ところが、このトンボの翅の付け根付近は特に色が濃いわけではない。ということは、シオカラトンボかな?

シオカラトンボの場合、腹部の全長の1/3くらいの長さで腹端側が黒いんです。黒い部分の長さが長いわけですね。ところが、このトンボでは、腹端部の先だけが黒いですね。これはオオシオカラトンボの特徴でしょう。

どっちかなぁ。このところ、オオシオカラトンボをよく見かけていますから、今回もオオシオカラトンボのような気がするのですが。羽化直後かなぁ。成熟するまで毎日姿を見せてくれるとわかるんだけどなぁ。

0702siokara2 トンボの近くに座り込んで、可能な限り近づいて撮影。迫力ある顔つきでしょ。このショットの後、彼は飛び上り、私の頭をつついたり、顔の前をホバリングして、縄張りから出ていけ、と警告をはじめましたので、ゴメンと謝って撮影を終了し、引き下がったのでした。

◆ところで、上の写真で、顔の部分を全く縮小せずに切り出すとこうなります。

0702siokara3 さすがにちょっとブレていて恥ずかしい。

写真の中に矢印が描きこんであります。これは単眼を示しています。

黄色い矢印で指示されてるのが、正中線上の1個。

白い矢印は1本しか入れてありませんが、左右対称な位置に2個単眼があるのです。

複眼は画素数は少ないものの、広い視野で周囲を「みている」と思われます。(紫外線や偏光やいろいろの情報が使えるかもしれません。私たちの目より優れているところもたくさんあります。)

単眼の役割については、空間解像力は低いけれど、明暗の変化を検知して姿勢制御に使っているもののようです。

軽い体で高度な飛行をするトンボは姿勢が狂っては飛べません。単眼系の信号伝達は、情報処理を減らして速度を上げ、複眼系の信号伝達より速いのです。

水波 誠著、「昆虫 驚異の微小脳」という本によりますと

飛翔時のトンボの舵とり反応を調べた研究では、中央単眼の視野を暗くすると、ノーズダイビング(地面への飛び込み)を防ぐための強い上向きの舵とり反応が起こった。一方、視野を明るくすると下向きの舵とり反応が起こったが、この反応は弱かった。単眼では減光(陰影)検知の方が緊急かつ重要な課題であり、このため応答域の大部分を陰影への応答にあてるのは理にかなっているのだろう。

(太字は原著にあるもの。)

ということです。視野が暗くなったら、体が前傾して地面に突っ込むかもしれないという警告として受け止め、緊急に上へ向かおうとするのですね。

こういう姿勢制御はスピードが命ですから、明暗の変化だけを検出し、形や色やそういう情報には関与していないのです。

トンボというと「大きな複眼」というイメージが圧倒的に強いですが、複眼の間に単眼もあるのです。もしトンボを捕まえることがあったら、よく見てあげてくださいね。

(すみません、また)チャドクガ(です)

0702tyadokuga

我が家の椿や山茶花の葉はちゃんと見ているつもりなんですが、見えにくいところで成長しちゃったのでしょうか。

勝手口側の郵便受けの下にいました。

この姿がチャドクガとしては標準的な姿だと思います。前方へ2本、側方へ2本の肢を出しています。肢は毛だらけです。

翅の先端近くに黒い点が2つずつあります。

全体の長さは2cm~3cm程度。

このような蛾を見かけたら、チャドクガですので、これと共存するわけにもいきませんから駆除してください。

私もこの写真を撮った後、ゴメンネ、気味が悪いわけではないのだけれど、一緒に住むわけにはいかない、と呟きながら殺虫スプレーを吹き付けました。

2008年7月 1日 (火)

チャドクガの成虫

0628tyadokuga1 車を出す用事があって行ったら、車のドアにくっついていました。

チャドクガの成虫、多分オスです。

ただ、羽化してから相当の時間がたっており、鳥か何かの攻撃を受けて、前肢1本を失ったようです。また、触覚もちょっと見えるだけで、ひょっとして失ったのかもしれません。

ですから、この姿が「チャドクガの典型的な姿」と覚えこまないでください。体の前方に1対2本の前肢を出し、直角に2番目の1対の脚を出すのが典型的な姿です。

0628tyadokuga2 翅の先端近くに黒い点が二つあります。

長さは2cm強というところでしょうか。

上の方をアップしてみました。

0628tyadokuga3

櫛状の触覚が少しだけ見えます。このことからこの個体は多分オスだろうと判断しました。

◆実のところ、チャドクガの幼虫は昔からよく知っていましたが、成虫を見たのは初めてなのです。

写真をとりながら、なんだかどこかで見たことがある、チャドクガってこれじゃなかったっけなぁ、と思っていました。

撮影後、殺虫剤をスプレーして殺しました。「もし私の知識不足でチャドクガでなかったら、本当に申し訳ないことになるのだけれど、ゴメンネ」と呟きながら殺しました。

用事を済ませて帰宅し、ネットで検索してみたら、やはりチャドクガだったというわけです。

さすがに、ドクガはいけません。いくら私でも見かけたら駆除します。

幼虫・成虫どちらの姿も頭におさめて、被害が他の方々に及ばないように気を配ることにしましょう。

http://www.jpmoth.org/Lymantriidae/Arna_pseudoconspersa.html

http://plaza.rakuten.co.jp/Wolffia/diary/200610190000/

このあたりのサイトを読んでもっと完全な姿を目に焼き付けておいてください。

ストケシア

0628stokesia ストケシアはキク科ですので、細かい花弁に見えるもの、それぞれが舌状花なのかと思っていました。

最盛期を過ぎた花を見たら、違っていました。比較的数の少ない舌状花の先に切れ込みがあって、細かい花弁のように見えていたようです。

ストケシアの花もこうやって写真に撮ると「光の泉」のように見えます。

光が湧き出てきます。

朝顔

0628asagao 6月28日、我が家としては今年第1号の朝顔の花です。

0628asagao2 少しピントがずれた方がこの場合、花びらの質感が素敵ですね。

花の中心部は「光の泉」のようです。湧き出してきそうですね。

オンブバッタの子

0627onbubatta がんばっています。

あちこちで見かけます。

なかなかに迫力のある姿です。

単子葉植物が好きかと思いきや、双子葉のホウセンカなども食べています。

大食漢のようです。

ヒルガオ

0627hirugao1 ヒルガオのつぼみです。

ソフトクリームかなにかのようです。

0627hirugao2_2 淡い色が心地よい午後でした。

ニラの花と種

0627nira1_2 0627nira1 大田区の白山神社前の環八の植え込みです。

花と種が同時に見られました。6月27日です。

花にはアリさんも来ていました。仕事熱心です。

種を見るとまきたくなる夫婦のこととて、種を持ち帰りまいてみました。

さて、どうなりますことやら。

アジサイの花が終わる頃

0627ajisai 0627gakuajisai 左がアジサイ、右はガクアジサイです。

そろそろ花が終わりかかってきました。

花びらが落ちた後を、接写してみました。

メシベの根本の子房がはっきり見えます。なるほど、これなら種ができそうですね。今までは、アジサイの種なんて意識したことがなかったので、こういうシーンは初めてです。

忘れなければ、おいおいと、アジサイの種の熟成も見ていきたいですね。

スイートピー

0626sweetpea 前にもスイートピーの豆が弾けたところの写真はご紹介したのですが、今回は、完全に一つの鞘が弾けた姿をご紹介できます。

見事に互いに逆にねじれていますね。

これだけねじれるということは、よほどの歪を蓄えておいて解放したのでしょうね。

植物の工夫はすごいですね。

思うに、大豆もきっと弾けるんでしょうね。弾ける前のものしか食べたことがありませんが。

完全に熟させて、来年用のタネをとるには、きっと弾けるところまで完熟・乾燥するんだろうな。

カタツムリ

0626katatumurihun 我が家では、カタツムリにおもにニンジンを与えています。

その結果、赤いフンをします。当然。

キャベツを与えると色のないフンをしますが、キャベツは傷んで悪臭を出しやすいので、ニンジンにしています。

(ヒトだって、トウモロコシとかの消化されずに出てくるものを食べると、出てきます。何時間腸内に滞留していたかも測れますよ。)

0626katatumuri

なんか、妙なアングルで写してしまいました。

何にたとえたらいいのかわかりません。

ツヅミミノムシ

0625tudumiminomusi1 車を出したら、ガレージの床をツヅミミノムシが歩いていました。

「こんなところを歩いていたら危ないじゃないか」と説教をして安全そうな場所に移してやりました。

ずいぶん元気に進んでいましたよ。マダラマツハヒロズコガの幼虫君です。掌の上でせっせと歩かれると、くすぐったくてかわいいです。愛着がわきます。

0625tudumiminomusi2 今回、何気なくミノに注目したら、面白いことが見て取れます。

小さな小さな幼虫が生長しながら、ここまでミノを拡張しながら生活してきたのでしょうが、ミノを拡張する向きは「縦方向ではなく横方向」なんですね。(もちろん縦にも伸びますけど)。

写真ではっきりわかりますでしょ。下のくびれたあたりから始まって、拡張してきた跡が縞模様になっています。

0625tudumiminomusi3

その始まりの辺りを拡大してみると。

初めのころは、手近にあった砂粒なども利用したのでしょうね。粒々が一杯見えます。

0607tudumiminomusi2

ちなみに前回6月7日に出会った、ツヅミミノムシの写真を再掲しておきます。このミノではあまり砂粒のようなものは目立ちません。

成長してきた履歴が残っているのですね。

ショウリョウバッタの幼虫

0625syoryobatta これはショウリョウバッタの幼虫というのか若虫というのか、です。

バッタは不完全変態で、蛹の時期がありませんので、脱皮を重ねて、やがて成虫になります。

この写真の時点で、体長は3cm程度でした。翅の芽が見えていますが、次の脱皮で成虫になるという終齢の段階ではないと思います。

顔つきが面白いでしょ。

子どものころ、くさはらで、バッタ採りに夢中になったことがあります。草をあしで漕いで、いったんバッタを跳ばすんですね。そうしてそのバッタが着地した場所を見定めて、視線を全く動かさず着地点を見据えたまま、そ~っと近づいて行って、麦藁帽子なり、捕虫網なりを、ほぼ真上からバサッとかぶせると、たいていは捕まえられます。

相手の昆虫に応じて捕まえ方のノウハウがあって、私らガキ共はそのノウハウを競ったものでした。

どういう姿勢をとっても、視野の中にはバッタの着地点しかない、という興奮した経験はありますか?濃密な時間でした。

◆ちなみにショウリョウバッタは「精霊蝗虫」と書きます。

http://members.jcom.home.ne.jp/fukumitu_mura/batta_.html によりますと

■名の由来:漢字で精霊飛蝗(しょうりょうばった)と書き、盂蘭盆(うらぼん/精霊祭り)の頃に見かけることから名が付いています。
ショウリョウトンボ(精霊蜻蛉)も同じ理由で名付けられています。
■新盆(しんぼん,にいぼん,あらぼん):7月15日を中心に13日~15日または16日。お盆を旧暦の7月15日の日付をそのまま新暦の7月15日にしたもので、日付を重要視したお盆(新盆:しんぼん)。
■旧盆(きゅうぼん)/盂蘭盆(うらぼん)/精霊祭り,精霊会:旧盆は季節を重要視したお盆で、旧暦(太陰太陽暦)と新暦(グレゴリオ暦=太陽暦)は単純に1ヶ月ずれているものではなく、7月15日は毎年8月上旬から9月上旬の範囲で移動します。現在は8月15日の月遅れのお盆が、旧盆として定着しつつあります。

とのことです。

ササグモのオス

0625sasagumom1 0625sasagumom2 ササグモのオスです。

丸いボールを持っているようでしょ。これは触肢の先端部なのです。

クモをみたときに、こんな感じで丸いものを持っているように見えたら、たぶんそれはオスです。逆は必ずしも真ならず、なのでして、クモのオスは必ずそうだ、というのではありませんからご注意を。

0627sasagumom

丸いボールのように見える部分を横から撮影するチャンスがありました。

こんな形をしています。

こうしてみると、ボールというより、太い筆を持っているような感じですね。

よく見かけるし、あまり走りまわらなくて観察しやすいクモですから、見かけたらじっくり見てあげてください。

オオシオカラトンボのメス

0627oosiokaraf 6月27日、羽化したツマグロヒョウモンを庭に放して、ヤツデやアジサイの葉で旅立ち準備をしているところの写真など撮っているときに、ふと池の方を見ると、オオシオカラトンボのメスがいるではありませんか。

「しまったぁ、うっかり近づきすぎた」

ツマグロヒョウモンに気をとられて不注意でした。このポジションから移動することはもう無理です。動けば飛び去るという体勢。

体をひねってなんとか同じアングルのまま数枚撮って、なんとか見られる写真になったのはこれ一枚。いわゆるシオカラ・ムギワラより一回り大きく、がっしりした体格が迫力あります。ここで羽化したのでしょう。うれしいな。

ここにいることに、初めから気づいていれば、遠くからアングルを変えながら、限界まで近付いていくという撮り方もできたのでしょうが・・・、まあ仕方ありません。

虫たちとは常に一期一会です。出会いがしらの正面衝突で姿を収めさせてもらうしかありません。

多分オスが先に羽化して、あとから羽化してくるメスを待ち、交尾するのでしょう。

この後、オスもメスも見かけていませんが、またきっとこの池に産卵してくれていると思います。

ランタナの実

0625lantana 6月20日に花を分解してみましたが、あの花のついていた花の塊に実がなりました。

熟すのはまだ先ですが、ちゃんと稔りました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_e56f.html

ここで書いたように、花の管はものすごく細いので、よほど小さな虫が入り込んで受粉を行ったのか、自家受粉でしょう。でも、やっぱり基本は他家受粉ですから、アリか何かがもぐりこんだんだろうなぁ、と想像しています。

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