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2008年6月20日 (金)

ランタナの花

0614lantana ランタナの花です。

それ自体は、特に珍しいものでもなし。取り立てて言うべきこともありません。

ところで、花の季節が過ぎると、ランタナにも実がなります。結構たくさんの実がなります。ということはもちろん、メシベがあってオシベがあって、受粉して結実するのですよね。

さて、ランタナの花をよく見ていただきたいのですが、花弁しかない!?

0616lantana3 拡大してみるとこうです。

花の中央が深い穴になっていて、毛が生えているのが見えるだけです。

う~む。こうなると、どうにも、どうなっているのか中まで覗かせてもらいたくなるかかしさんです。

0616lantana1 花を手で抱えるようにして裏側を見たら、1輪ころっと落ちました。

落ちた後を見るとこうなっていました。

花の管になった部分の半分より下のほうに、メシベがあるのですね。

落ちた方の花を、指先で注意深く割ってみたらこうなっていました↓

0616lantana2

管の中央付近にオシベがあるようです。

花弁にくっついたような状態ですね。

それにしても、この細い管の中にオシベ・メシベがあって、それでいて多分、虫媒花なのだとすると、ずいぶん小さな昆虫を媒介者に選んでいるのですね。ミツバチなんかが入れる太さではないですから。

それでも、高率で授粉に成功しているようですから、安定した媒介者がいるのでしょう。

参考までに:上の写真の「青い背景」は私のジーンズの生地です。膝の上で花の中を観察させてもらいましたから。織り目と比べていただければスケールが分かるかと思います。

◆日経サイエンス 2008年3月号の「顕微鏡で見る細胞のきらめき」という記事の終りに、こんな文章がありましたので引用します。

 ・・・
 これらの画像は物理学者のファインマン(Richard Feynman)が著書"The Pleasure of Finding Things Out"(邦訳は「ファインマンさんベストエッセイ」岩波書店)で述べているエピソードを思い起こさせる。それによると、ファインマンのある友人が「科学者というものは、芸術家ほどには花の美しさがわからない。花をバラバラに分解して調べ、せっかくの美を台なしにする」と主張した。これに対しファインマンは以下のように反論している。
 「彼は少々いかれていると思う。まず、彼が見ている美は誰にでも、私にも見えるものだ。私には彼ほどの洗練された審美眼はないかもしれないが、花の美しさを愛でることはできる。そして私は、そこに存在する細胞を思い描くことができ、その細胞の中で起こっている複雑な活動もまた、美を備えていると想像できる。1センチ大の世界の美だけでなく、もっと小さな内部構造にも美がある。また、花の色が、昆虫を惹きつけて受粉を手助けさせるために進化したという事実も興味深い。これは昆虫も花の色が見えるということだ。そこで疑問が生じる。昆虫にも審美的な感覚があるのだろうか?その感覚はなぜ審美的なのか?
 こうした興味深い疑問はすべて、花を見たときの興奮と謎と畏敬の念が、科学知識によってさらに強まることを物語っている」

そうですね。より深く知れば知るほど、美は深まります。知れば知るほど、わからないことが増えます。

その知的困惑を楽しむ精神が科学的といえるでしょう。

私に(きつく)言わせれば、薔薇の花びらやチューリップの花びらを「単なる画材」にして道路に敷き詰めて絵を描いて「美しい」といってはしゃぐ精神の方が異常に見えます。

植物の死体の部分を画材にして美しいですか?

私は植物でも動物でも生きる姿が美しいと思っています。

(さらに極端に言うと、切り花や、盛花、華道、フラワー・アレンジメント・・・みんな嫌いなんです。生きて花を咲かせ次代をつくり、枯れてゆく・・・全部含めて「生きる姿」を、私は美しいと思います。)

◆日経サイエンス 2008年4月号には、「科学世評『似非(えせ)科学と非寛容』」というコラムがありました。部分的に引用します。

 ・・・
 非科学的であることが、情緒豊かなことだと勘違いしているのは、テレビ局ばかりではない。・・・
 ・・・
 繰り返すが、科学は極めて寛容で包容力に富んだ論理体系だ。異質を排除しない。真理の検証は厳密で時に苛烈ですらあるが、反論・反証をいつでも受け入れる。科学を知らないほうが思考は柔軟で人間味があるなどという奇妙な神話が幅を利かすこの国が、科学技術創造立国をうたっている。ご都合主義の極みだ。
 似非科学やオカルトは、基本的に賛同しないものを呪う。その手の非寛容が、最近の血なまぐさい事件に見え隠れする。

 最近の「時代の雰囲気」とでもいうのでしょうか、「非寛容」な空気が色濃く漂っていて、息苦しいですね。

 なんでこう、もっと、「ゆっくりゆっくり、ゆとりたっぷりに、生きることを楽しむ」ということができなくなってしまったのでしょう。

 急ぐべきことなんて人生になんにもありはしません。人生を全体で見れば、勝つも負けるもありません。生まれてきたこと自体それだけで、最大の幸運なのですからして、あとはどうなったってそう大した差じゃないでしょ。

 ゆっくり、ゆっくり、です。

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