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2008年6月

2008年6月30日 (月)

ツマグロヒョウモン羽化 Part4

0630tumaguro1 ツマグロヒョウモンはさしあたって3匹全部羽化しました。ケースには抜けがらが残っています。

蛹が天井にぶら下がっていた、その部分を拡大してみました。

天井側に糸でマットを作ってあります。そこへ、面テープ(商品名だとマジックテープでしょうか)のように、先端の曲がった剛毛が引っ掛かっているように見えます。

よくできた仕組みですね。

0630tumaguro2 腹端は少し壊れましたが、蛹の抜けがらをはずしてみました。

これです。気門も見えるようですね。

写真、上側にずらっと突起が並んでいるのですが、中央の大きな突起を境にして右の突起は褐色不透明です。左の突起は、先端は黒いけれど無色透明です。

この無色透明な突起が光るのです。

0630tumaguro3

これが光る突起です。

0630tumaguro4

向こう側が透けているのがわかります。

少し光の向きを変えると、この膜の反射が増えて

0630tumaguro5 こうなります。

屈折率の大きな膜は反射率も高くなります。また、蛹の中身があるときは中は黒くなりますので、さらに反射光が目立つことになります。

多分、これが蛹が光るメカニズムの大半であろうと想像します。

この突起の形状もかなり寄与していると思います。

その他はどうかなぁ。研究してください。

ツマグロヒョウモン羽化 Part3

0628tumaguro1 6月28日。

3匹目が羽化しました。

ケースのふたを開けたら、すぐに飛び去っていきました。

で、ケースの中を覗くと・・・

0628tumaguro2 この液体、「蛹便」といいます。

飼育経験でいうと、ルリタテハとツマグロヒョウモンの蛹便は、こういう風に「赤い血」のごとく、です。初めて見たときは、どうなっちゃったんだろうと、びっくりして不安に駆られました。

羽化後、腹部の筋肉を使って体液の圧力を上げ、体液を翅脈に圧送します。この力で翅を展開するわけです。翅の展開が終わると、翅脈は中空のパイプとなり、とても強い構造材として翅を支えます。

体の中に残った、余分な体液は重いですし、捨てます。それがこの蛹便なのです。アゲハなんかでは緑色の蛹便をします。

ところで、体液を送るための筋肉と、その筋肉を動かす神経は、これ以降は、もう使うことはありません。そこで、この筋肉と神経の細胞は、積極的に死んで分解され、他の細胞の栄養となります。

蛹の体内で体の作り変えをしてきた、最後の仕上げです。

チョウの羽化を見るチャンスなどありましたら、こんなことも思い出してください。

ツマグロヒョウモン羽化 Part2

0627tumaguro1 さて、Part1に続いて、6月27日。

晴れました。昼前、様子を見に行ったら、翅をパタパタさせて、飛び立つ準備完了、の様子。

外へケースを持ち出して、何の気なしに、フタを開けたら、何と2匹羽化していました。夕べのうちか、今朝がたに羽化したのでしょう。

明るいところで記念写真。

0627tumaguro2_2 0627tumaguro3 2匹のうち、左はヤツデの葉にとまったもの、右はアジサイの葉にとまったもの、です。

どちらも、翅をゆったりと閉じたり開いたり、思いっきり開いて腹を少し持ち上げたり。

どちらも、太陽光を翅全面に受けて、少し残った湿り気を飛ばしている様子です。

実に気持よさそうでした。おひさまの光はいきものすべてに対するめぐみですよね。こういうときは「お天道様」と言いたくなります。体全体でお天道様の恵みを吸収しています。(このごろはお天道様に対して顔向けができないような人間が増えて、異常なことになってきています。)

0627tumaguro4

さて、飛び立つ準備です。

思いっきり伸びをしているという感じですね。

このあとすぐ、飛び立っていきました。世界は君たちのものです。思いっきり生き抜いてください。

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ところで、上の写真を見ると、脚が4本(2対)しかないように見えませんか?

いや実際、観察眼の鋭い人なら、脚が4本しかないチョウがいる、ということをご存知かもしれません。

ツマグロヒョウモンでは、3対のうち、いちばん前の1対が退化して短くなり、胸の前にぴったりくっつけているのです。ですから普通は4本しか見えません。

http://puh.web.infoseek.co.jp/geochoashi.htm

http://blog.goo.ne.jp/subarumama_2005/e/7aa79799980beacd56803eaf95fd9480

http://www17.plala.or.jp/sennse/hitorigotop/hitorigoto030.htm

こんなサイトを見てください。特に最後のサイトでは、小学校の授業参観で、4本脚のチョウがいるという正しい主張を、先生が6本だ、と決めつけてしまって、悔しく悲しい思いをさせてしまったというエピソードが載っています。

世界は多様です。見たものをきちっと根拠にして議論をしましょう。

常識に縛られると、とんでもない間違いをすることがあります。

これは、自分自身への警告でもあります。

ツマグロヒョウモン羽化 Part1

0626tumaguro1 6月26日、夕方、気づいてみると、ツマグロヒョウモンが羽化していました。

幼虫や蛹の状態をご紹介したあの3匹のうちの1匹です。

ケースの外側から記念写真。

向こうに見えているのは別の蛹。フラッシュで光っているのが見えますね。顔がツンとした感じなのも特有のものです。

まだ明るいうちに外へ放してやろう、と妻と二人で外にケースを出してふたを開け、飛び立つ姿を撮影しようとしたのですが・・・。

0626tumaguro2 0626tumaguro3 これは外での撮影なのですが、どうもこの日は寒くて(東京では、朝より日中の方が気温が低くて、16℃を切るところまで気温が下がりました)、うまく体が動かせない様子でしたので、ケースに戻して、翌日暖かくなってから放してやることにしました。

この2枚で、翅の表裏が分かると思います。

これはメスです。翅の先端部で分かります。

ツマグロヒョウモンの「ツマ」は「褄」です。和服の袖の両端の部分のことですね。

そのつもりで見ると、このチョウ、粋な和服を着こなしているように見えませんか。

遠目で見ると、茶色い部分が四角っぽく見えるのも特徴です。

0626tumaguro4 ケースの壁ごしなので少しぼんやりしているのですが、翅の模様を拡大してみました。

鱗粉が並んで模様を構成している様子が見えます。

イトカメムシ

0625itokamemusi1 0625itokamemusi2 ホトトギスの葉の上にいるところを見つけました。

この触覚がなんといっても面白い。

途中に関節がある問うな感じの曲がり方です。先端に「提灯」

よく見たら、脚の数が変。

再度よく見たら、口吻が1本あるんだ。

左の写真では、葉の葉脈に口吻を刺して吸汁しているようです。

これが「カメムシ」の仲間だと教えていただいて、本当にカメムシの仲間の姿に関する概念が拡張されました。

0625hosoharikamemusi これはホソハリカメムシだと思いますが、カメムシというと、こういう感じのもの、というイメージだったのです。

あとよく見るところでは、クサカメムシとかね。

この年になって、暗記力も衰えてきて、名前を覚えるのは大変ですよ。おもしろいけど。

ルリイロナガハナアブ

0624ruriironagahanaabu 鼻が長いのではなく、体が長いハナアブ、です。

http://www.insects.jp/kon-abururiironaga.htm

ここを見て、名前を決めました。写真はこれ一枚ですので、間違ってたらごめんなさい。

マダラアシナガバエ

0624madaraasinagabaef 0624madaraasinagabaef2 金色に輝くのですが、翅に模様があって、アシナガキンバエとは違うようです。

マダラアシナガバエのメスではないか、と思います。

気づきはじめると、いろんなものが見えてくるんですね。

楽しいけど、タイヘン。

キジバト

0624kijibato1 0624kijibato2 番(つがい)でしょうか。家の前にキジバトがやってきました。

お隣ではハトやスズメに残飯をあげたりしていますので、すぐ近くにいるのですが、家の前にやってくるのは比較的珍しいのです。

線路際の、ムギの仲間の実でもついばんでいるのだと思います。昆虫もいるかもなぁ。虫好きとしては、鳥は強敵すぎます。

キセルガイ

0623kiserugai1 0623kiserugai2 それぞれ別の個体なのですが。

どちらも、ニンジンに頭を突っ込んだせいなのか

殻の口近くに赤い模様がついています。

ワンポイントで紅をさしたような感じで、かわいかったのでご紹介します。それにしても、同時に、両方とも同じ場所に、というのは面白い。

前に、この2匹から、稚貝4匹が生まれたことをお話ししましたが、その後また子を産みまして、現在稚貝は7匹になっています。

先に生まれた方は貝の巻き数が少し多くなって区別がつきます。

アサリの貝殻(スパゲティで食べた残り)を入れてやったら、よほどカルシウムがほしかったらしく、いつもくっついています。初め卵殻を入れてやったときはそれほど関心を示しませんでしたが、あさりの貝殻はおいしいのか、何か「におい」のようなものがあるのか、大好評です。

名前が分かりません

0624humei1 0625humei2 ナミテントウかな、と思ったのですが・・・。

ナミテントウの模様のパターンの中に、こういうのは見当たらなくって。

困ってしまいました。

ハムシかな、とも思うのですが、調べがつきません。詳しい方、教えてください。

0627namitentou このパターンならナミテントウだと思います。

微妙だなぁ。

アシナガキンバエ

0619asinagakinbaef 0619asinagakinbaem 左がメスで、右がオスだと思うんですけれど・・・。

違うかなぁ。

0619asinagakinbaem2 これもアシナガキンバエのオスだと思いますが。

翅が薄いので、シャボン玉と同じ「光の干渉」で虹色に輝いています。美しいです。瞬間的な運動を可能にする軽さと丈夫さを備えています。

0624asinagakinbae こんな写真が撮れました。

フラッシュに反応して跳びあがったところが写りました。

見事なものですね。

もういいか、と思いつつ、見かけるとまた新しい写り方をしてくれるのではないかと、ついシャッターを切ってしまいます。

乾電池で走るバス!

0630batterybus 6月30日。朝、用事があって自由が丘駅のそばを走っておりましたら、バスが、単三乾電池2本直列、で走っておりました!?

この広告気に入りましたよぉ。

とってもリアル。直列3Vなのもよくわかります。オマケに、電池ボックスの左にスイッチがあって、ちゃんと「ON」に入ってるんですよ。乗降中にパチリ。

降りて行って、あのスイッチをOFFに書き換えちゃったらきっと走らなくなりますね。

単三電池2本でバスが走るなんて、知らなかったなぁ。ウレシイ。

2008年6月27日 (金)

ネジバナ Part2

0625nejibana1 ネジバナはもういいかな?と思ったのですが、上まで咲きあがったので、再度撮影。

今度は花そのものに注目。

0625nejibana2 0625nejibana3_2 ネジバナはラン科です。

こう撮ればいかにもランの花でしょ。

右の写真では、私の知っている範囲で、花の各部の名称を書きこんでおきました。

ねじ‐ばな【捩花】ラン科の多年草。原野・芝生などに自生。高さ10~30センチメートル。根茎は白く肉質。夏に淡紅ないし紅色の小花を多数総状につけ、花序がゆるい螺旋ラセン状を呈するのでこの名がある。モジズリ。綬草。<季語:夏>

◆百人一首に下の歌がありますね。

みちのくの信夫もじずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに

兄貴が小6で百人一首を習ってきて、5歳年下の私は兄貴への対抗上ただひたすらに丸暗記し、少女時代にカルタ取りを身につけていた母のスピードに対抗すべく頑張っていた時があるのです。五十有余年も昔の話。

意味なんか全然わかりませんからして、(もちろん恋愛感情なんて一切縁のない年齢とて)、すごい誤解だらけの暗記でした。

「なほうらめしき」なんていうと、幽霊の歌かいなぁ、とかね。

さて、上の歌への誤解は・・・

「我なら泣くに」なんです。「自分だったら泣いちゃうなぁ」と解釈しておりました。

アハハ、というのもお恥ずかしい。

ネジバナ Part1

0620nejibana1 6月20日。

ネジバナが咲き始めたな、とパチリ。

当然、アップしにかかったら

なんとまぁ、もうアブラムシが活躍していました。

0620nejibana2 上の方にもう成長した大きなのがいて、

下の方には、子虫がいます。

頭の黒い眼が二つ、と、腹の方の黒いトゲ二つと、区別できるでしょうか?

0620nejibana3 これ、ちょっとボケていますが、お尻の方から見たアングルになります。

こっちを向いているようにも見えますね。なんだか愛嬌のある顔に見えます。

0620nejibana4 この写真はすぐ上の写真と同じ花なのです。

上の写真で写っているアブラムシの向こうにいるアブラムシに焦点を移したものです。

横からの姿がなんとか写りました。かわいいでしょ。愛嬌があって。

ネジバナの花のサイズと合わせて考えてください。しかも2匹も乗っているのです。

まぁ、なんとも小さいのです。老眼ではとてもくっきり見える代物ではありません。カメラのおかげによる出会いです。

イチゴ

0620itigo 6月20日撮影。

花の詳細が見えます。

メシベがいっぱいあるのです。

そのメシベの乗っている花床が大きくなっていわゆる「イチゴの実」になります(偽果といいます)。その表面にたくさんの痩果がついて、ふつう「イチゴのタネ」といっているわけです。その「タネ」をまいて発芽させ育てている方はまた別の鉢で、そちらはまだ花のつく状態ではありません。

0620itigoari2 見ていたら、アリが花を訪れていました。本当にアリというのは勤勉で、どこにでも現れます。

虫媒花というと、ついハチのことを思ってしまいますが、アリの働きも多分相当に大きなものでしょう。

0620itigoari1_2 ちょっと幻想的な雰囲気で。

逆光でこんな写真が撮れました。

花弁の脈まで浮き上がって見えますね。

さて、6月25日。もう結実です。

0625itigo あまり大きくはならないし、味としてはちょっと甘味にかけるのですが、旬産旬消のモデルですよね。

ナメクジさんになめられてしまう前に、競争で、食べなくっちゃ。

ナメクジをやっつけようとは考えない夫婦ですので、競争になります。

オランダ‐いちご【―苺】バラ科の多年生果菜。いわゆるイチゴ。ヨーロッパで栽培され、世界に広まった。天保(1830~1844)年間にオランダから渡来。ランナーと呼ぶ走出枝を出し繁殖。白色の五弁花をつけ、果実は鮮紅色。生食され、またジャム・ジュースの原料。1899年(明治32)福羽逸人によって育成された福羽やダナーなど多くの栽培品種がある。[広辞苑第五版]

由来はずいぶん昔なんですね。

フサスグリ

0620husasuguri こんなに熟しました。

本当に宝石みたいですね。

中の種が透けて見えます。

ただなぁ、数が少なくて~。味を楽しむまではいかないようです。

眼のごちそうですね。

2008年6月26日 (木)

雨の日に Part3

0622ame3_2_2 この写真の右の方では、水滴が空中にあります。水の柱がくびれて水滴をつくり、柱はもう水中に戻り、水滴だけが空中に取り残されて、これから落ちるところです。

さて、左の方を見てください。別の水滴がありますが、水の円形の波の中心などではありませんね。

これは、別のところで生まれた水滴が、水面に落下したのですが、そのまま下の水中に吸い込まれずに、水面と水滴の間に空気の膜がはさまって、コロコロと水滴が水面を転がっているところなのです。フシギでしょ。

実は、肉眼で水面を観察していると、水滴ができる瞬間などは見えません。コロコロと水滴が転がる方が見えるのです。ある程度の時間は持続しますので眼に見えるのです。

0622ame3_1_2 これは完全に水滴の水面転がりですね。

円形の波は見えません。

◆この現象、その気になって意識していると、結構いろいろなところで見えるのですよ。

・急須からお茶を注いでいて、しぶきがあがったときに、コロコロっと水滴が湯呑の縁の方へ走っていくとか。

・サーバーにドリッパーを乗せてコーヒーを淹れているときに、ドリッパーから落ちてきたコーヒーのしぶきが水滴になって、サーバー内の水面を走るとか。

・洗面器に水を張り、中性洗剤を少し溶かして(泡立たないように)よく混ぜて、その水をスプーンですくって水面にたらすと、かなりの確率で、水滴が水面を走ります。

(理由はここでは説明しません。また、水滴が空気に包まれたまま水中に入ってしまって「水中シャボン玉」になったりもします。私のホームページなどご覧ください

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/11th/sci_11.htm

◆水滴と水面の間に空気層がはさまるというのは面白いですね。さすがに長時間は持たなくて、その空気層はつぶれて、水滴は水面に吸収されてしまいます。

◆高校で化学を習った方の中には、米粒大の金属ナトリウムを水面に投入すると、金属ナトリウムが球形になって水面を走る、という実験を経験した方があるかもしれません。

金属ナトリウムは 水より密度が大きいのになぜ沈まないのでしょう?

ナトリウムと水が反応すると水素が発生し、同時に発熱します。金属ナトリウムは融点が97.8℃ですから、反応熱ですぐ融解して液体になりますので、表面張力で球形になります。球形になった液体ナトリウムと水面の間に水素ガスの膜がはさまるので、コロコロ水面を転がり走るのですね。はさまった水素が抜けると、ナトリウムと水が接触してまた水素を発生し、間にはさまって転がる、ということを繰り返しているのです。

◆焼けたフライパンに水をたらすと、水滴が走るという現象をご存じないでしょうか?

昔でしたら、ストーブの焼けた天板に水をたらすと水滴が走るというのを、子どものころから知っていました。

100℃を超えた板の上に、100℃で沸騰して水蒸気になる水が、なぜ液体のまま転がるのでしょう?

この現象には名前がついていまして「ライデンフロスト現象」といいます。

水滴が熱い鉄板に接触すると、接触面が瞬間的に沸騰・蒸発して水蒸気になります。この水蒸気が、水滴と鉄板の間にはさまって、直接の接触を遮断します。そして、水蒸気の層に乗った水滴は走るわけです。水蒸気が抜けると、また接触して沸騰し水蒸気が発生し、コロコロと・・・。というわけです。

フライパンの上でしたら、どっちへ転がるかは、傾きによりますし、完全に水平な面でしたら、でたらめな方向に走るでしょう。

もし、のこぎりの歯のような、規則的な凹凸をつくって加熱し、そこに水滴を落としたら?

発生する水蒸気の逃げる向きが常に一定の向きであるなら、その反動で水滴が一定の方向に走るのではないかという研究があります。2006年に物理学の雑誌「パリティ」で読んだのですが、あまりにも面白いので、ここで広くご紹介してしまいましょう。オレゴン大学のサイトですから安心してください。ただし、英語のサイトですので、それは覚悟してください。

http://darkwing.uoregon.edu/~linke/dropletmovies/
このサイトに、水滴が走る動画が何本か載っています。オモシロイですよ~。

こんな解説も載っています。

When a liquid drop is placed on a surface that is held at a temperature much higher than the liquid's boiling point (such as a drop of water in a very hot pan) it hovers on its own vapour cushion, without wetting the surface (figure a below).This phenomenon is called the Leidenfrost effect (or film boiling) and occurs beyond a surface temperature called the Leidenfrost point (about 200 - 300 C for water on flat surfaces, depending on surface quality).

水滴がけなげに見えてくるから面白い。お楽しみください。

◆ところで、上の英語の解説に「film boiling」という言葉が出てきます。日本語にしたら「膜沸騰」でしょうか。

熱い鉄板の上に水滴が載っているのに、直ちに沸騰して水蒸気になって消えていかない、ということは、別の見方をすると、鉄板から水滴への熱の輸送の効率が悪いということになりますね。

冷えたカレーやシチューを温めようとして、うっかり少し強めの火で熱すると、焦げますよね。

熱くなったなべ底で、部分的に沸騰がおこり、水蒸気が発生してカレーを持ち上げ、なべ底から離れてしまう。そうすると、なべ底は100℃を超えて熱くなり、そこへ水蒸気の支えが消えたカレーが落ちてくると、焦げちゃうわけです。

粘っこいものでよくおこります。ゼラチンや寒天を熱するときもよく失敗しますね。

普通にお湯を沸かすときの沸騰は、なべ底の傷なんかが沸騰のタネになって、コンスタントに沸騰がおきスムーズに加熱され、熱輸送も滑らかです。こういう沸騰を「核沸騰」といいます。

液体の粘性とのかかわりで、カレーやシチューのように蒸気がはさまってしまうような沸騰現象を「膜沸騰」というのです。膜沸騰がおこると、熱輸送が滞り、非常に危険なことになります。

料理の失敗なら、まあスケールは小さくて「焦げる」くらいですむのですが、化学工業などで、液体を加熱するときに、核沸騰にならないで、膜沸騰になると大変なことになります。熱輸送がスムーズでなくなるわけですから、熱源側に過剰の熱がたまってしまって、大事故になることがあります。

火力発電、原子力発電などで、水を熱して水蒸気を作らなければならないときに、熱交換の場で「膜沸騰」が起きてしまうと事故になります。

◆物理は実生活に役に立ちます。料理を焦がさないためにも、化学工場で事故を起こさないためにも。

雨の日に Part2

0622ame2_2 0622ame2_3 さて、雨のつくる波紋の写真を撮っていたら、通称「ミルク・クラウン」に似た現象が起きていることに気づきました。

ミルク・クラウンというのは、ミルクの水面にミルクの滴が落ちてきて、中心から少し離れたあたりで円筒状にミルクが立ち上がり、表面張力でちぎれて、あたかも白い王冠ができたかのような瞬間の写真です。

ここでは、そのクラウンの話ではないのです。水の場合でもミルクほどではないですがクラウンのような壁が立ち上がるのでしょう。それがつぶれると、そこから外へ向かう波と、中心へ向かう波とが生じます。中心へ向かう波は、中心で同時に衝突します。すると、その波が全部足し算になって、中心に水の柱が立ち上がります。

水の柱は、表面張力でくびれて、先端部に水滴をつくります。

上の2枚の写真を見てください。左は、水の柱が立ち上がって、くびれてきたところです。

右は、もうほとんどくびれきって、水滴が完成するところです。

0622ame2_1 0622ame2_4 この2枚の写真では、水の柱は消えて、柱の先端がくびれてできた水滴だけが空中で写っています。

フラッシュのおかげでこういう静止写真が撮れました。

肉眼では、こういう瞬間はとても見えません。

この水滴が、生まれたばかりで、これから落ちるところだということは、下の水面を見ると分かります。水滴の真下が、水の円形の波の中心になっていることが特徴です。

◆では、Part1の冒頭に掲げた写真の、水滴部分を再掲しますので、「睨んで」ください。

0622ame2_0 微妙なところですね。水滴の真下は、円の中心でしょうか?

何を言っているのかとお思いでしょう。

実は、上のようにして生じた水滴が水面に落ちてきたときに、ちょっと不思議な現象が起きるのです。

水面を水滴が「転がり走る」のです。

その現象かどうか「微妙だ」ということなのです。

その話はPart3に譲ります。

雨の日に Part1

0622ame1_1_2  6月22日(日)東京は雨でした。

ベランダから外を眺めていたら、鉢植えに水をやる皿に雨水がいっぱいにたまり、雨のしずくが水面を叩いていました。波紋が生まれては消え、消えては生まれていました。

物理教師としては、その波紋を見ていると、波の重ね合わせ、波の干渉のことが思い出され、いい写真は撮れないものかな、と思ってしまいました。退職してずいぶんになるのに、いまだに「教師眼」が抜けません。何かを見ると、「コレは教材になるっ!」などと思ってしまうのですね。

さて、上の写真を見てください。3か所で波が発生し、あちこちで波の重ね合わせが観察されます。干渉縞まではいきませんが、波の授業の最初の「つかみ」には使えそうです。

波の他にもうひとつ、別のパートで議論しようと思いますが、写真左の方白い矢印の指すところに水滴が写っています。これが空中を飛んでいるのか、水面を転がっているのかが面白い話になると思います。

◆さて、写真右の方の黄色い矢印の下の辺りに、モコモコと波の重なり合いが見えます。

波の「重ね合わせの原理」をくずしていうと、「重なり合った波の振れは、元の波の振れの足し算になる」ということです。(理想的な場合です。水の波ですと振れが大きいとずれが大きくなりますし、さらに海の波などというスケールになると、「おおよそ足し算だ」というくらいでしょう。)

波の山と山の出会ったその場所では、山の高さがほぼ2倍になり、谷と谷が出会ったその場所では、谷の深さがほぼ2倍になります。

そんなつもりでもう一回写真を見てください。

0622ame1_2 0622ame1_3 この写真では、干渉縞に近いものが見えているのですが、静止画像では縞模様には見えないでしょう。

でも、生徒に干渉縞が生じる原理を作図させるときに、こんな写真を見せてイメージ形成するのも悪くはないかな、などと思いました。

一方からやってくる波の山に、他方からの波の谷が重なって、節ができる様子などもよく見えています。

◆私の意識は、このように、高校物理の授業をイメージして写真を撮っていたのですが、翌6月23日、千葉沖で漁船の転覆事故が発生しました。その事故を報じる記事の一部を引用します。

千葉沖で漁船転覆、4人死亡13人不明 救助は3人(朝日新聞 2008年6月23日23時11分)
・・・。海保によると、船に横からの大きな力が加わった原因として、強風などで様々な方向からの波がぶつかりあい、鋭くせり立つ「三角波」が発生した可能性がある。・・・

◆「三角波」という言葉が出てきました。これは、ベランダで観察した波の重ね合わせが、海で起こったもののようです。

最初の写真の黄色矢印の辺りをイメージしてください。

個々の波は、風に吹かれて進行してきます。やってきては通り過ぎていきます。

ところが、三角波は、三角の形をして遠くからやってきて通り過ぎていくという波ではないのです。

異なる方向から進行してきた波の山と山が、漁船の辺りで重なりって、その場所に突然、波高の高い波が生まれて、船を突き上げるのです。

多分次の瞬間には谷と谷が重なって、通常より深い谷が、そのばに生じて、船が「落ちる」のでしょう。

避けようにも避けられないのではないでしょうか。今いるその場所が突然盛り上がって船を突き上げるのですから。

◆そんな事をこの小さな写真の中から想像しました。私は海の専門家ではありませんが、物理的な原理をたどれば、この想像は大筋では間違っていないと思います。

2008年6月25日 (水)

我が家に幽霊が現れました

0624ieyureigumo1 蛸の干物でもぶら下げたような感じのクモです。頭を下にしています。

これは

ユウレイグモ科ユウレイグモ属 イエユウレイグモ といいます。

脚がやたらとひょろ長くて、こんな感じのクモが屋内でぶら下がっていましたらイエユウレイグモです。

少し接近。

0624ieyureigumo2 脚が7本しかありません。1本失ってしまったのでしょう。

フラッシュで単眼が光っています。

独特の形でしょ。

0624ieyureigumo3 階段の途中にいるので、写真の撮りにくいことおびただしいのですが、カメラを差し伸べて、勘でレンズの中央を向けて、何枚か撮った中に、こんなのがありました。

華奢な体とはイメージが違って、発達した頑丈そうな顎が写っています。

眼が光りますね。他のクモではあまり経験したことがないですが。

0624ieyureigumo4 腹部の形も横から見ると特徴的です。

背中の模様を見ていただきたくて、2枚目の写真を縮小しないで、トリミングだけした画像を載せます。

0624ieyureigumo22

こんな模様でした。

「日本のクモ」という本によりますと

産卵期は6~8月。卵は糸で薄く包んで口にくわえて保護する。

のだそうです。

◆コモリグモが卵を保護するのは有名ですね。卵を糸で包んで腹部の先端につけて歩きます。子どもが孵化すると、巣立ちまで背中に乗せています。

それ以外にも結構卵を保護するなど、「子育て」をするクモは多いようです。

◆日本の在来種としては珍しい毒グモである、カバキコマチグモの子育てはすさまじいものだそうです。(私はまだ出会ったことがありません。)アシやススキの葉を「ちまき」状に巻いて巣をつくり、その中で産卵します。

孵化した子グモは親を食べて巣立っていく(「日本のクモ」より)。

「へんな虫は すごい虫」安富和男 著、ブルーバックスB‐1073、1995年刊 によりますと

一回目の脱皮を終えた幼虫たちはいっせいに母親の体に集まる。ただし、母親をしたっているのではなく、なんと母親を食べに集まるのである。母親の体に群がって体液を吸い取る。

とのことです。すごい習性ですね。

オニグモ

0623onigumo1 オニグモの仲間、というのか、それとも単純にオニグモでいいのか、迷います。

網の中央にいるところを撮影したら、出糸突起というのか出糸管というのかが、きれいに写りました。

フラッシュをたかれて迷惑だったのか、さっさとこの場所から移動して、隠れ場所の方へ移動。

0623onigumo2

松の葉の向こうへ隠れてしまう前の一瞬です。

腹の背面の模様が写っています。この模様でオニグモ、だろうと推測しているわけです。

このところ、ずっと同じ場所に網を張っています。

なお、オニグモは、コガネグモ科オニグモ属オニグモです。

オニグモ属の他のクモの中にも似たような模様のものがいるので悩んでいます。

カタツムリ

0622katatumuri1 カタツムリに出会いました。

もうこのあたりでは20年以上カタツムリを見かけなくて、ほぼ絶滅状態だな、と思っていました。ほんのたまに、殻だけ見ることはあっても、生きたカタツムリは見ていませんでした。

6月22日。妻が、カタツムリがいたわよっ、と鉢ごと連れてきました。食べ終わった万能ねぎを植えて育てて遊んでいる鉢です。

ほんとに懐かしいですね。

0622katatumuri2 お顔拝見。

大触覚と小触覚。つぶらな瞳。

ピンホール眼の黒い輝きです。

0622katatumuri3 眼球に始まって、黒い筋が体内を走っているのが見えます。何かな。

ところで、このカタツムリの正式な名前はなんというのでしょう?

昔よく見た筋のある種類ではないようで。調べてみたら多分

ウスカワマイマイではないかと思います。

http://www.nacsj.or.jp/event/ss2004/ss2004-sheet02.pdf

↑ここに「カタツムリの見分け方」のチャートがあります。

http://bigai.world.coocan.jp/pic_book/data07/asiebold.html

↑ここにもきれいな写真があります。

このサイトによりますと、

学名  Acusta despecta sieboldiana

和名  ウスカワマイマイ

Common name:Korean Round Snail

だそうです。

腹足綱 有肺亜綱 柄眼(マイマイ)目 マイマイ超科 オナジマイマイ科 ウスカワマイマイ

となるようです。

◆いやそれにしても、懐かしかった。嬉しかったですね。

しばらくは、飼育してみようと思います。ニンジンやスギゴケ、アサリの貝殻などを入れてやっています。

妙なことに、飼育ケースの壁にウンチをくっつけて排泄します。変なの。

元気ですよ~。

キイロホソガガンボの交尾

0620kiirohosogaganbo 多分、左がメスで、右がオスでしょう。

大田区の白山神社で見かけました。

http://members.jcom.home.ne.jp/fukumitu_mura/hae_.html

ここに、やはりキイロホソガガンボの交尾の写真がありますが、やはり一方は翅を閉じ、他方は開いていますので、これが交尾姿勢なのだろうと思います。

ヤブソテツ

0619yabusotetu ヒメクチナシの奥の日陰の方に、なんだかクルッと丸いものが。

ヤブソテツの新しい葉のようです。

アップにしてみましょう。

0619yabusotetu1 こうです。

もう胞子嚢もできた新しい葉が、巻かれています。

きれいなものですね。

オオシオカラトンボ

0619oosiokara1 クロスジギンヤンマが羽化し、ヤブヤンマが産卵に来た池に、今度はオオシオカラトンボのオスがやってきて、縄張りを主張してパトロールに励んでいます。

シオカラよりもがっしりとした感じで、色も濃く、腹部の先の方の黒い部分が短いです。上の写真の棒の辺りで羽化したのではないかと思うんですが。

0619oosiokara2 この写真でほぼ全体像をつかんでいただけると思います。

イチョウの盆栽に移動したところを、葉蔭からワンショット。

なんとなく、こう、たくましくって、かっこいいトンボです。

写真を撮りに近づくと、私の顔の前まで飛んできて「検問」されてしまいます。「ごめん、写真を撮りたかった、他意はない」と引き下がるしかありません。

0624oosiokara3 こんなアングルはいかがですか?

迫力あるでしょ。

2008年6月24日 (火)

コシロカネグモ

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_26c2.html で、コシロカネグモをご紹介しました。

0618kosirokanegumo2 毎日様子を見ていましたら、腹面が撮れるチャンスがあったので撮らせてもらいました。

緑色がきれいですね。「ミドリグモ」とでもした方が印象にあうような気がします。

0618kosirokanegumo この大きさにすると、さすがにボケていて、恥ずかしいのですが、腹の先端近くの腹面といいましょうか、そこに糸を紡ぐ突起が見えています。

出糸突起(糸疣)といいます。なかなかそこまで意識して撮影していないのでたまたま写ってくれてラッキー、という感じです。

また、いろんなアングルに挑戦していきたいと思います。

タンポポ

写真そのものはどうということもないものです。

0616tanpopo タンポポの茎が曲がっています。

これを眺めていて、フト思ったんですね。

「不撓不屈」というのは、かっこいいけど疲れるでしょ。撓んでもいい、屈してもいい。撓んでも屈しても、自分というものが消滅するわけじゃなし。

教師をかつてやっていたころ、生徒に、だんだん自己ガードがきつくなってきて、失敗したら自分の人格に大きな傷がつく、というような姿勢がめだってきていました。失敗したくない、傷つきたくない、ということでガードばかりきつくなって、肝心の中身が十分に育ち切っていないのではないか、と心配でした。

自尊心というのは自己をガードする殻を固くすることではありません。中身を育てることです。心の成長には失敗は必須なのです。失敗もせず成長するのは多分無理でしょう。

理科系の実験で探求していく仕事では、失敗は当たり前、失敗こそが原動力、失敗する能力=創造力というような世界なんです。

失敗する能力がない人には創造的な仕事はできません。そのあたり、理解してほしいなぁ。

秋葉原事件のことを少し考えています。傷つくことになれていたら、傷つくことこそ成長なんだとわかっていたら、なんて思うんですよ。

満1歳の時から、障害者をやっている私は、その障害をさらけだし、何千人もの生徒にむき出しの私を見てもらうという職業を選びました。私が私であることそのものを見てもらいました。私には「殻」は不要。あるがままに私です。

撓み、屈し、傷つき。いいじゃないですか。この世に生まれてきたということ自体が、どんな宝くじに当たるより「ラッキー」なことなんですから。力まず、急がず、ゆっくり生きる力にまかせていけばいい。

生きたいと執着するのも、死にたいと執着するのも、どちらも苦悩ですよね。己の生きる力がある限り生きていけばよい。執着を捨てると、心が身軽になりますよ。

勝ち組だ、負け組だと騒ぐことはない。

勝てなくったって、負けはしない、という生き方だってあるんですよ。

タンポポを見ていて、まとまりもない思考がいろいろと脳裏をよぎっていったのでした。

ゴマフリドクガ

0620gomahuridokuga1 毛虫ついでに、もうひとつ。

苦手な方は拡大なさらないように!

大田区の白山神社で、妻が、こんな毛虫がいた、と朝顔の葉の上に乗せて連れてきました。

さて、調べてみると、ゴマフリドクガの幼虫です。幼虫の毛がつくと、かゆいのですが、成虫はそうでもないようです。(チャドクガの場合は、幼虫・成虫ともにかゆくなりますから要注意!)

小さい方はまるでタワシです。大きい方は結構きれいだと思います。

0620gomahuridokuga2 左の方が頭です。

派手派手しいですね。

0620gomahuridokuga3 タワシちゃんの方も寸詰まりですが、同じ模様。

大きい方の、頭の辺りをアップにしてみました。

0620gomahuridokuga4

赤い目玉がついているように見えますよね。これは胸の飾り。

本当の頭は毛の下の方で曲げています。

いろんな虫たちと出会うことです。ウレシイナ(少し自嘲気味に、斜に構えて)。

シロヒトリ(訂正:キハラゴマダラヒトリ)

 2008.7.11訂正。以下の文中で「シロヒトリ」とあるのは誤りで「キハラゴマダラヒトリ」が正しい名前でした。訂正します。この幼虫が蛹になり、さらに7月10日に羽化しました。その結果判明しました。

羽化した成虫の写真は「キハラゴマダラヒトリ」としてアップしてあります。ご覧ください。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_56b5_1.html

------0617sirohitori1--------------------------------

ものすごい毛虫です。

苦手な方は拡大しないでください!

柄をつけたら試験管洗いのブラシ(洗い矢)になりそう。

妻が見つけてきました。

これは多分シロヒトリキハラゴマダラヒトリの幼虫でしょう。最近では桜の花のあとでアメリカシロヒトリがたくさん発生して騒がれたりしますが、我が家にいたのはおそらくシロヒトリ。0617sirohitori2 キハラゴマダラヒトリ。

プラスチックケースの壁面を上へ登っているところです。

背中に一筋、白っぽい筋があります。

頭の方を見るとなんだか、大きな眼が二つ付いているようにみえますが、これは、眼ではないですね。

実際の頭はもっと先で下に曲げているのだと思います。

念のために申し上げますが、ものすごい毛虫ですけれど、毒はありません。成虫にも毒はありません。安心して眺めてください。

0617sirohitori3

近づいてみると、毛の生え方がよくわかります。

半球形の盛り上がりがあって、そこから放射状に毛が生え開いている様子が見えました。

0617sirohitori4 こちらへ向って歩いてくるところをパチリ。

いかにもスゴイ顔をしているように見えます。

ケースの縁をかなりの速さで歩くし、プラスチックに噛みついているような雰囲気です。これはきっと腹が減っているのだろうと、手近にたくさんあるタンポポの葉を入れてやったら、食べていました。

もう一つ、すごい能力がありまして、こいつは「走る」んです。速いのなんのって。とんでもないスピードで走るんです。あきれました。

しばらくタンポポの葉を食べて生活していたら、繭を作りました。中で蛹になっているはずですが、はっきりとした姿は見えません。

0623sirohitorimayu ケースの底から撮ってみました。(苦しかったです)。

うまく成虫になれるといいですね。

成虫は真っ白で美しいんですよ。

http://www.jpmoth.org/Arctiidae/Arctiinae/Chionarctia_nivea.html

↑ここに美しい成虫の写真があります。

【幼虫食餌植物】 タデ科:スイバ、イタドリ、ギシギシ、キク科:タンポポ、オオバコ科:オオバコ

とありましたので、これを参考にタンポポを入れてみたのです。

http://www.geocities.co.jp/AnimalPark-Tama/1915/imomusi-kemusi/z-ga-hitoriga-sirohitori.html

↑これは「晶子のお庭は虫づくし」のページです。

---------------------------------

http://www21.ocn.ne.jp/~k-yanagi/2-Arctiidae.htm

ここにヒトリガ科の蛾の写真があって、よくわかります。(7・11記)

2008年6月23日 (月)

キョウチクトウ

0616kyoutikutou1 夾竹桃の花です。ちょっと高いところに一輪咲いたので写真を撮りました。その後はあまり開花が進んでいません。

どうも夾竹桃の花というのを、遠目の「姿」として認識していて、花自体は何となく、くたっとなったようなイメージしか持っていませんでした。

花弁の内側にまた、すごい構造があるのですね。

0616kyoutikutou2 これはしまった、という感じですね。

次には、じっくり花の中を観察しましょう。

どうも、予備調査として検索してみたら、結構ややこしい事情があるようなんですよ。

またの機会にチャレンジします。

アオスジアゲハ終齢幼虫

0616aosuji1 立派な姿でしょ。

この写真でなら頭を下向きにぐっと曲げている様子もはっきり見えますね。

前の方、「胸」に3対の胸脚があって、これがまぁ昆虫にとっての本当の脚です。

腹部には写真では3対、本当は4対の腹脚があります。貝殻みたいで毛が生えていて、これがなかなかかわいいのです。歩くところを見ていると「ギュッとしがみつく」ようで、このかわいさはたまりません。

写真では腹部の先端の「尾脚」が写っていません。腹脚と尾脚は幼虫時代特有の脚です。

蛹時代を経て胸脚が成虫での脚になります。

0616aosuji2 頭の部分だけを拡大してみました。

写真に書きこんだように、側単眼というものがあります。

左右それぞれ6個ずつあります。

これが、幼虫時代に外界の様子を光で知る唯一の窓です。

「昆虫はスーパー脳」山口恒夫 監修、技術評論社、平成20年2月刊

この本から、少し引用します。

・・・

 それぞれの単眼の視野は比較的狭く、瞬間的には空間のごく一部しか見えないので、頭を動かして大きな空間をカバーします。また、非常に視野が狭いぶん、分解能が高い視細胞もあるので、対象物の縁などはかなりの精度で検出できているはずです。

 実際、幼虫に大きな葉っぱを提示すると、頭部を左右に振りながら葉の縁に向かって進みます。進む途中で葉を大きく移動すると、立ち止まって頭と胸部を振って葉を見つけ、再び頭部を振りながら進みます。彼らの見る世界は、ちょうど私たちが細い筒を目に当て、頭をいろいろな方向に向けて見ているようなものではないでしょうか。ゆっくりした幼虫の生活にとってはその程度の視覚能力でも十分なのでしょう。

・・・

ということです。アゲハやアオスジアゲハなどを飼育していると、幼虫が頭を振りながら歩くのを見ますが、こういうわけだったのですね。

幼虫が葉っぱを探して枝を歩いていて、枝の先端まで来てしまったとき、幼虫は胸から乗り出して、頭を大きく振りまわし葉を探します。単眼での明暗変化を使って、葉の有無をチェックしているのですね。

このとき、アゲハの幼虫は何度も何度も頭を振り、もうわかったでしょ、といってあげたくなるほど、葉の探索を長く続けます。

それに対して、アオスジアゲハの幼虫は2、3回頭を振って、ここには葉はない、とすぐに見切りをつけてサッサと向きを転換し、別の枝へと葉を探しに行きます。決断の速さは抜群です。

成虫のアオスジアゲハの直線的で高速な飛翔にも似て、幼虫の行動もなかなかにスマートなのです。飼ってみて分かりました。

アオスジアゲハのファンです。アゲハももちろん大好きです。パセリにやってくるキアゲハも大好きです。

http://puh.web.infoseek.co.jp/geochoashi.htm
このサイトなどもご覧ください。脚の話が詳しく載っています。

ツユクサの花

0618tuyukusa ハムシの項で、ツユクサが咲いていると書きました。

←これです。

実は去年もツユクサの話は書きました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_3afd.html です。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_3afd_1.html ここでは花を分解してみました。

そのあたりは、読んでいただくとして、今回はオシベ・メシベについてだけご紹介します。

サムネイルでは分かりにくいでしょう、拡大してください。書きこんでおきました。

虫を呼ぶための飾りオシベと、ちゃんとしたオシベ、そしてメシベです。もし虫が来てくれなかったら、花を閉じるときに自家受粉します。望ましくはないけれど、緊急避難のようなものです、自家受粉やむなし、ということですね。

http://www.sunfield.ne.jp/~oshima/ccd/natu21.html

http://homepage2.nifty.com/hih/C.communis.htm

このあたりのサイトをお読みください。いろいろわかりますよ。

ハムシ(には違いないのですが・・・)

0615yamaimohamusi 出会いがしらにというか、すれ違いざまにというか、たった一枚撮れた写真で悩んでいます。(撮影後、飛んで行ってしまったし、その後見かけないし・・・)

ヤマイモハムシアカクビボソハムシのどちらかです。(と思うけど・・・)

http://www.insects.jp/kon-hamusiyamaimo.htm
ここを見てください。ヤマイモハムシの写真があります。

http://mushinavi.com/navi-insect/data-hamusi_akakubiboso.htm
ここには、アカクビボソハムシの写真があります。

ここでは「和名 :カワリクビボソハムシ  別名:アカクビボソハムシ」と出ています。

http://earthsea.ifdef.jp/insects/kochu_hamushi_tsumakikubiboso.html
ここでは「ツマキクビボソハムシ/アカクビボソハムシ/カワリクビボソハムシ」としてまとめて出ています。そうして「備考:和名の混乱が見られる。前翅(鞘翅)の個体変異が大きいため、そのつど別の名を冠せられたようだ。」とありました。

◆ダメです。お手上げ。

悪いことに、家の周りにはヤマノイモはいっぱい生えているし、ツユクサも咲いているし、食草がどうのといっても、わけわかりません。

ごめんなさい。下駄を預けます。

鑑賞してください。

2008年6月21日 (土)

スグリゾウムシ(かなぁ)

0615sugurizoumusi 甲虫の世界は奥が深くて、深入りすると迷います。

これ、スグリゾウムシかなぁ、と思うんですが、自信はありません。

http://members.jcom.home.ne.jp/fukumitu_mura/syu_k/koucyu3_.html

このサイトを眺めていて、いちばん近いのはスグリゾウムシかな、と思いました。

よろしく、ご検討ください。

クルミ

0615kurumi 風で落ちてしまった、クルミのまだ成熟していない実です。

割れていました。中を見ると、もう「まるで脳のしわ」みたいな、種のしわしわはできています。完全に熟すまでにはまだかなりの時間がかかるのですが、基本的なことはもう出来上がっているのですね。

イチモンジハムシ

0615itimonjihamusi 線路際の草むらで撮影。テントウムシかなぁ、あまり見たことはないが・・・。

黄色に黒の点点があるのが特徴のようなので、これを手がかりに調べてみましたら、イチモンジハムシだろうということで、ほぼ決まりです。

http://mushinavi.com/navi-insect/data-hamusi_ichimonji.htm によりますと

「前胸部はオレンジ色で黒い紋が4つ並び、更に中央の前翅側に1つある。」

とありました。私の写真では背側からのショットがありませんので、4つ並んでいるかどうかは確認できません。

実はこの昆虫は、同じ日に、娘の方が先に認識していまして、撮影したといっておりましたので、背側からのショットがあったら確認してほしいと頼みましたところ

P6150112

こんな写真をくれました。なるほど、4つ並んでいるようです。また、「中央の前翅側に1つ」というのもはっきり映っています。

これで確定にしたいと思います。

イチモンジハムシでした。

スイートピーの豆が熟すと

0614sweetpea 来年のためにスイートピーの種を採っておこうと種を集めていた妻が、こんな風になってたわよ、と持ってきてくれたのがこれ。

さやがねじれています。

へぇ、こんな風になるんだっけ?と記念撮影。

小林正明 著「花から種へ  種子散布を科学する」全国農村教育協会、2007年2月22日初版刊行

という本を見てみましたら、ありましたよ。

「自力散布」の「②果実の乾燥ではじく」という項目に「マメ型の散布」という解説がありました。

カラスノエンドウなどマメ科の鞘は1心皮で果実をつくり、中央で折れている。熟すと乾燥して折れた部分を境にしてそれぞれが反対方向にねじれる。ねじれ始めてしばらくは緊張に耐えているが、限界を超すとはじけて種子を飛ばす。果実の内側の皮の収縮が大きいためである。

なるほど。そうやって種を弾き飛ばした後の姿がこれなんですね。知らなかったなぁ。

面白い。

ササグモ

0616senryosasagumo 前の記事で使った写真をとって数日後。なるほど、これが花なんだ、と見ていたら、やはりいました、花を愛でる風流なササグモ。

花に来る虫を捕まえようとしているのですしょうが、私が何かの花を見つけると、必ずといっていいほど先に来て花を見ていますね。

すごいやっちゃ。

記念にアップでポートレイト。

0616sasagumo

迫力のある姿、花を愛でる姿、です。

ところで、この写真を撮ってからまた数日後、今度は自動車のボディーにクモの抜けがらがくっついているのを発見。

0620kumonukegara 何というクモかなぁ、と、その時は老眼で細かいところの見えない眼で撮影したのですが、パソコン上でつらつらと眺むるに・・・。

この、脚のトゲトゲはササグモのものではないでしょうか。

クモの抜けガラというものは正直のところあまり見たことがないのです。自信はありませんが、これはササグモの抜けがらであろう、ということにします。

間違ってたらなおしてくださ~い。

センリョウの花

0614senryo センリョウの花です。

とはいうものの、これが「花」なのか、「つぼみ」なのか、ということは全く分からないままに、「おや、花かな」と撮ったものです。

せん‐りょう【千両】 ③〔植〕センリョウ科の常緑小低木。関東以南の暖地の林下に生じ、高さ約50センチメートル。茎にふくれた節がある。葉は対生し卵状楕円形。夏、黄緑色の細かい花を短い穂状につける。核果は球形、冬に赤く熟す。実の黄色い品種もある。鉢植や切花とし、多く正月用。クササンゴ。仙蓼。<季語:冬>

この記述では花の様子は分かりません。

検索してみたら大学のサイトで、すごい写真を見つけました。

http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/senryouka.html

ここです。「センリョウの花は、ずんぐりとした緑色の雌しべと、雌しべの途中から突き出ている黄白色の雄しべと、たった2つの部品から出来ている。」

そうなのかぁ、と再度写真を調べたら、見られそうなのがありました。どうぞ。

0614senryo2

写真の右のほうに矢印をつけて「メシベ・オシベ」を書きこんでおきました。

不思議な花ですねぇ。知ってるつもりでも、調べてみるものですねぇ。

また新しいことを知ってしまった、楽しいな。

2008年6月20日 (金)

マツバボタン

0618matubabotan1 イチゴ・キャンディーかな?

いえいえ、マツバボタンです。

0618matubabotan2

ランタナの花

0614lantana ランタナの花です。

それ自体は、特に珍しいものでもなし。取り立てて言うべきこともありません。

ところで、花の季節が過ぎると、ランタナにも実がなります。結構たくさんの実がなります。ということはもちろん、メシベがあってオシベがあって、受粉して結実するのですよね。

さて、ランタナの花をよく見ていただきたいのですが、花弁しかない!?

0616lantana3 拡大してみるとこうです。

花の中央が深い穴になっていて、毛が生えているのが見えるだけです。

う~む。こうなると、どうにも、どうなっているのか中まで覗かせてもらいたくなるかかしさんです。

0616lantana1 花を手で抱えるようにして裏側を見たら、1輪ころっと落ちました。

落ちた後を見るとこうなっていました。

花の管になった部分の半分より下のほうに、メシベがあるのですね。

落ちた方の花を、指先で注意深く割ってみたらこうなっていました↓

0616lantana2

管の中央付近にオシベがあるようです。

花弁にくっついたような状態ですね。

それにしても、この細い管の中にオシベ・メシベがあって、それでいて多分、虫媒花なのだとすると、ずいぶん小さな昆虫を媒介者に選んでいるのですね。ミツバチなんかが入れる太さではないですから。

それでも、高率で授粉に成功しているようですから、安定した媒介者がいるのでしょう。

参考までに:上の写真の「青い背景」は私のジーンズの生地です。膝の上で花の中を観察させてもらいましたから。織り目と比べていただければスケールが分かるかと思います。

◆日経サイエンス 2008年3月号の「顕微鏡で見る細胞のきらめき」という記事の終りに、こんな文章がありましたので引用します。

 ・・・
 これらの画像は物理学者のファインマン(Richard Feynman)が著書"The Pleasure of Finding Things Out"(邦訳は「ファインマンさんベストエッセイ」岩波書店)で述べているエピソードを思い起こさせる。それによると、ファインマンのある友人が「科学者というものは、芸術家ほどには花の美しさがわからない。花をバラバラに分解して調べ、せっかくの美を台なしにする」と主張した。これに対しファインマンは以下のように反論している。
 「彼は少々いかれていると思う。まず、彼が見ている美は誰にでも、私にも見えるものだ。私には彼ほどの洗練された審美眼はないかもしれないが、花の美しさを愛でることはできる。そして私は、そこに存在する細胞を思い描くことができ、その細胞の中で起こっている複雑な活動もまた、美を備えていると想像できる。1センチ大の世界の美だけでなく、もっと小さな内部構造にも美がある。また、花の色が、昆虫を惹きつけて受粉を手助けさせるために進化したという事実も興味深い。これは昆虫も花の色が見えるということだ。そこで疑問が生じる。昆虫にも審美的な感覚があるのだろうか?その感覚はなぜ審美的なのか?
 こうした興味深い疑問はすべて、花を見たときの興奮と謎と畏敬の念が、科学知識によってさらに強まることを物語っている」

そうですね。より深く知れば知るほど、美は深まります。知れば知るほど、わからないことが増えます。

その知的困惑を楽しむ精神が科学的といえるでしょう。

私に(きつく)言わせれば、薔薇の花びらやチューリップの花びらを「単なる画材」にして道路に敷き詰めて絵を描いて「美しい」といってはしゃぐ精神の方が異常に見えます。

植物の死体の部分を画材にして美しいですか?

私は植物でも動物でも生きる姿が美しいと思っています。

(さらに極端に言うと、切り花や、盛花、華道、フラワー・アレンジメント・・・みんな嫌いなんです。生きて花を咲かせ次代をつくり、枯れてゆく・・・全部含めて「生きる姿」を、私は美しいと思います。)

◆日経サイエンス 2008年4月号には、「科学世評『似非(えせ)科学と非寛容』」というコラムがありました。部分的に引用します。

 ・・・
 非科学的であることが、情緒豊かなことだと勘違いしているのは、テレビ局ばかりではない。・・・
 ・・・
 繰り返すが、科学は極めて寛容で包容力に富んだ論理体系だ。異質を排除しない。真理の検証は厳密で時に苛烈ですらあるが、反論・反証をいつでも受け入れる。科学を知らないほうが思考は柔軟で人間味があるなどという奇妙な神話が幅を利かすこの国が、科学技術創造立国をうたっている。ご都合主義の極みだ。
 似非科学やオカルトは、基本的に賛同しないものを呪う。その手の非寛容が、最近の血なまぐさい事件に見え隠れする。

 最近の「時代の雰囲気」とでもいうのでしょうか、「非寛容」な空気が色濃く漂っていて、息苦しいですね。

 なんでこう、もっと、「ゆっくりゆっくり、ゆとりたっぷりに、生きることを楽しむ」ということができなくなってしまったのでしょう。

 急ぐべきことなんて人生になんにもありはしません。人生を全体で見れば、勝つも負けるもありません。生まれてきたこと自体それだけで、最大の幸運なのですからして、あとはどうなったってそう大した差じゃないでしょ。

 ゆっくり、ゆっくり、です。

ナンテンの花

0614nanten1 前回は「六角形のつぼみ」でしたが、花が咲き始めました。

0614nanten2 咲いたばかりなのに。白い花弁はそっくりかえってしまってあまり目立ちません。

オシベがまるでメシベを包む花弁のように見えます。

0614nanten3 横から見て、花の全体の姿を理解してください。

◆広島工業大学のホームページに「学園草花シリーズ」というエッセイがありまして、中野 武登(たけと)先生のナンテンに関する一文がありました。部分的に引用させていただきます。

http://www.it-hiroshima.ac.jp/12serials/05kusabana_data/2002_01.html

・・・

また,霊草として,食あたりなどを防ぐためにナンテンの箸を用いたり,葉を赤飯やお祝いの餅の下に敷いたりしますし,縁起の良い植物として正月の床飾り花材に用いられます。果実は一般に赤色ですが,白色や淡紫色の果実をつける品種もあります。

花は咲くのだけれど実がならないという話を良く聞きますが,これは花期が梅雨期にあたり,花が開花した時に雨が降ると,花粉が雨で流されてしまうためです。実がならない場合は,軒下などに植えてみて下さい。ナンテンは一見木のように見えますが,実際には草本です。見せかけの木なのです。

6~7月ころに光沢のある白い花をつけます。果実は秋に赤く熟し冬を通して鑑賞できます。赤い1個の果実ですが中には一般に2個の種子が入っています。まれに1個のこともあります。

ナンテンの果実には,ナンテニンというアルカロイドが含まれていて,乾燥させた果実を漢方では南天実と呼んで咳止めに用います。また,葉は胃腸,脱肛,眼病あるいは歯の痛みをおさえる薬として使用されています。

・・・

◆そういえば、のど飴なんかがありましたね。アルカロイドというのは植物が作る毒物です。毒物ですから生理活性があるわけで、その毒の強さや用量で薬にもなるのでしょう。

生理活性がなければ「毒にも薬にもならない」のです。

「植物は優しい」などというのは真っ赤なウソですので信じないでください。植物の毒は強力です。チンパンジーやゴリラは、いろいろな植物の葉を少しずつ食べていますが、これは植物の毒性を考慮したリスクの分散を行っていると考えられます。

ヒトも、いろんな葉っぱを食べてきたのですから、植物の毒にあたらないような知恵を発達させてきたはずですが、今になって「植物は優しい」なんて、噴飯ものですよね。

毒と薬とは基本的に同じものです。体に何らかの影響を及ぼすということはそういうことです。

◆ところで、調べていたら常盤薬品のホームページでこんな記述がありました。

「南天実エキス」の薬効の一部は、エキスに含まれるO-メチルドメスチシン(ナンテニン)によると考えられている。

フ~ン、と、今度はMERCK INDEXで「domesticine」を調べてみたら

Domesticine こんな構造式がありました。

なるほどね。

窒素(N)が入っていますね、これが「アルカロイド」のもともとの特徴なんです。(詳しい解説はしませんが。)

構造式が分かったからといって、何かが分かるというほどのものでもないのですが、化学屋としては、構造式を見ると何となく安心するのです。変でしょ。

ナンテンの学名が「Nandina domestica」といいますので、ここからついた物質名ですね。

◆今日20日。花は盛りです。

0620nanten

2008年6月19日 (木)

ヒメジャノメ

0614himejanome シダの葉の上にヒメジャノメがとまっていました。

翅が大きく欠けています。

何があったのでしょう?

左右両方ともほぼ同じ形に失われています。鳥のくちばしから逃れたのかな?

でもまだ元気に飛べます。おそらく飛行姿勢の制御など、かなりやりにくくなってはいるのでしょう。でも、飛べます。

長年、チョウの飼育をやってきましたが、羽化したチョウを放してやるときはいつも「翅がボロボロになるまで思いっきり飛んで、飛んで、子孫を増やしてね」と内心で声をかけてしまいます。

このチョウも、そう寿命は長くはないでしょう。でも、一生懸命飛びました。交尾をして子孫を残したでしょう。その結果、今、翅はボロボロです。でも、一生懸命生きたこの姿は、美しいと思います。

私は、このチョウに心打たれました。

テッポウユリ

6月13日。

0613teppouyuri これ、実生なんです。

何年かかったのかなぁ。今年やっと花が咲きそうです。

左の花はもう咲きかかっています。

6月14日。咲きました。

0614teppouyuri1

まったく見事な容姿です。

清楚という言葉はこの花のためにあるようですね。

0614teppouyuri2 オシベ・メシベを見させてもらいました。

花粉も散っておらず、メシベにもまだ何もついていない、全くの無垢の状態のようです。

6月16日。2輪目が咲きました。花の姿は省略して、中をご覧ください。

0616teppouyuri2 オシベの約もまだ熟し切っていない状態です。

花粉が外に出てきていないようですね。

6月18日の状態をお目にかけましょう。

0618teppouyuri これから、花粉が撒き散らされ、花の姿も崩れます。

そこまでは追わないことにします。

種まき好きの夫婦の、一つの「結実」です。

ハラビロカマキリ

0613harabiro1 0613harabiro2 6月13日、庭で、ハラビロカマキリの幼虫を見かけました。

ハラビロカマキリの幼虫の特徴は、右の写真にあるように、腹をピンと曲げて立てた姿にあるのです。

かわいいでしょ~。いかにも一人前。りりしい姿です。

0615harabiro1 6月15日。今度は外で拾ってケースの中に入れておいたハラビロカマキリの卵が孵化しました。

写真をとるタイミングを失して、薄い膜をかぶった前幼虫の状態のもものは撮り損ねました。惜しかった。

1匹だけ右のところに前幼虫状態のものがいます。

0615harabiro2 わらわらとあふれだしてきた幼虫たちの写真をいっぱい撮りましたが、1枚だけお目にかけましょう。

やはり腹を曲げていますね。

これがたまらなくかわいい、というのはカマキリ・ファンだからでしょうか。

幼いものはやっぱりかわいいですよ。

名前が分かりました

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_39a4.html#comments

↑ここで、「名前が分かりません」として掲げた写真の昆虫が分かりました。

「成城の動植物」をやっているアーチャーンさんが教えてくださいました。

初め2枚の、幼虫の方は「ヒメイトカメムシ」の幼虫で、

もう1枚の方は「イトカメムシ」の成虫だろうというご指摘でした。

http://ujiharao.exblog.jp/tags/%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A0%E3%82%B7%E7%A7%91/

↑ここに大きな写真があります。

↓アーチャーンさんのブログも見に行ってください。私はお気に入りに追加していつでも参照できるようにしました。

http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/

◆私にとっての「カメムシ」という概念を覆されるようなできごとです。

びっくりしました。世界は広いんですねぇ。これからも名前不明の動植物を掲げますので、どうかよろしく「お世話」ください。

2008年6月18日 (水)

ヤマノイモ

0613yamanoimo 6月9日に「ヤマノイモ」という記事を書きました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_6989.html

6月13日。

「ねえ、ぼくも~っ。なんかおもしろいものが見えるんでしょ?」

という感じ。しませんか?

ヒメクチナシ

0614himekutinasi1_2 ヒメクチナシのつぼみです。

つぼみ自体の対称性がいいので、全体としては対称性を崩してトリミングしてみました。

花も咲いていて、もう落ちそうだったので、家へ持ち込んでミニ花瓶にさして芳香剤として楽しみました。

0614himekutinasi2

白い花の写真は難しいですね。

全然上達しません。

オオスカシバ産卵

0610oosukasiba ヒメクチナシのところでオオスカシバがホバリングしています。

花が咲いているわけではありませんから吸蜜ではありません。

オオスカシバの幼虫の食草はクチナシなんです。腹を曲げていますね。こうやって葉の裏に産卵していくのです。

(オオスカシバは翅が透明なのでハチと間違う方もいらっしゃいますが、蛾です。全然怖くありませんよ。)

0614oosukasiba_2 といったそばから、蕾を食べているやつがいました。

それはいかんよ。お前の食草はクチナシの葉っぱだろっ!

 

オオマルハナバチ

0609hanabati 普通にマルハナバチといっているハナバチですが、ちゃんというとオオマルハナバチかな、と思います。

ビヨウヤナギの花を訪問していました。なかなかうまく写真が撮れず、今回やっとこの程度のものが撮れましたのでお目にかけます。

アジサイ

0613ajisai1 これは普通のアジサイです。

装飾花とかではないので、オシベ・メシベがあるはずだ、と近づいてみました。

0613ajisai2 ありました。

メシベは背が低いです。

いままで、あまり意識したことがなかったので、なんだか嬉しい気がします。

ということは・・・アジサイにも種が稔るのですよねぇ?

「アジサイの種」で検索してみたらありました。

http://www.kakinotane.jp/archives/2004/12/post_108.html

ここに

アジサイも普通の花同様
雄しべと雌しべがあり、受粉させます。
その結果、根元が膨らんでくるのが果実となるようです。
その果実が熟すのには、100日~150日かかるそうで
受粉して果実をよく見ると、雌しべが(種類にもよりますが)
3つ~4つの付け根のところが割れて、中から種が出てくるようです。

10月以降頃から発芽可能な種が取れるようです。

受粉の際、他の種類の紫陽花同士で受粉されると 上手くいけば
自分だけの紫陽花が出来るようです。。。

こういう話がありました。なるほど~。受粉させれば遺伝子が混じるわけですから、親とは異なる花ができるのでしょう。なんだかムズムズするなぁ~。

ツマグロヒョウモン

0608tumaguro1 これは一体何でしょう?

じつはこれ、ツマグロヒョウモンの終齢幼虫の「とげ」なんです。

別に痛いというほどのものではありません。「毛」とは言い難いかなぁ、と思って。

↓毛虫の嫌いな方は拡大しないでください。

0608tumaguro2 これがその幼虫。

派手派手しいというか、にぎやかな格好の幼虫です。

まるっきり「毒」とは無縁ですから安心していいです。

スミレ、パンジーなどの葉を食べます。

いつもは冬も近づいてから発見して、あわてて食草探しに奔走するはめになるのですが、今年はいい季節に現れました。パンジーがいっぱいありますから充分に食事を上げられます。3匹います。

0615tumaguro 6月15日、前蛹になりました。

この蛹はぶら下がり型ですから、こういうようにぶら下がっています。

飼育ケースの蓋だけ開けて、驚かせないように写真を撮りました。

これで、幼虫の皮膚を脱げば蛹になります。

0616tumaguro1 16日。

蛹になっていました。この形になれば、落ち着いてみることができるという方もいらっしゃるでしょう。

安心して拡大してください。

木の葉に擬態している感じがしますね。

0616tumaguro2 まだ幼虫のやつもいて、驚かせたくないもので、ケースの外からの写真です。そのためぼんやりしていますが。

光る蛹、というやつですね。もちろん反射で光っているのです。

5対の光るポイントがあります。うまく光る角度がありまして、これはその角度を狙ったもの。

0616tumaguro3

こちらはあまり光らない角度からの写真。

尖った部分があって、そこが透明になっていて、効率よく反射するのではないかと思います。

私のホームページでこのことを議論したことがあります。よろしければご覧ください↓

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_36.htm

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/72nd/sci_72.htm

さて、いつ羽化するでしょう。楽しみですね。

カマキリ成長中

0608kamakiri カマキリの脱皮です。

左がぬけがら。右が体を乾燥中の子カマキリ。

一度の脱皮でグンと大きくなります。脱皮による成長というものの面白さ、すごさですね。

(たぶん)ヤブヤンマ

0615yabuyanma1 6月15日、日曜日、午後1時ころ、庭に出たら、足もとを大型のトンボが飛んで、池の縁にとまって産卵を始めた様子。

てっきりこの池で羽化したクロスジギンヤンマが自分の生まれた池へ戻ってきて産卵しているのだろう、と家族を呼んで観察会。

ところがですね、その時はそう思い込んでいたのでしたが、パソコン画面で見ると、これはクロスジギンヤンマではないですね。参った~。

0615yabuyanma2 胸のあたりの模様はオニヤンマみたいです。断じてクロスジギンヤンマではありません。

池が防水シートで防水されていて、石で押さえてあるので、このトンボにとっては産卵しにくかったのでしょう。この写真では、池の外の地面の草に産卵を試みています。そこはダメと教えてやるわけにもいかず、ただ眺めるのみ。

0615yabuyanma3 0615yabuyanma4 石にくっついたり、もっと下の水面の辺りに腹部を入れたり、また外の地面に産卵行動をとったりを繰り返して、やがて飛び去っていきました。

大興奮の観察会だったのですが、さて、写真を整理しながら種を同定しようとして、私は大混乱。

◆「トンボ入門」新井裕 著、どうぶつ社刊 という本の口絵を眺めると

オニヤンマ、コオニヤンマ、オオヤマトンボなどが見開きに載っていて、オオヤマトンボの模様が似ているような気がしました。

ところが

http://www.kobe-c.ed.jp/shizen/tombo/tombo/n01068.html
によりますと

「メスは池の岸に沿って往復しながら打水産卵します」とあります。ホバリングしながら、あるいは低空飛行をしながら、腹部の先端で水面を叩き、その瞬間に産卵するやり方です。

これは違う。ということで、除外。

◆ネットを検索していたら、「オオルリボシヤンマ」というのが引っ掛かってきました。

これは池の岸辺で、落ち葉の下や朽木の皮の下などに産卵するようです。

これかっ!とほぼ納得しました。模様もとてもよく似ていると思いました。

http://www.lbm.go.jp/emuseum/zukan/tonbo/family/tonboa19f.html

ここに、オオルリボシヤンマの産卵時の写真があります。見てください。

◆ところが

http://homepage2.nifty.com/KUNIKAMINUSI/series61~77/series62.html
を読んでいたら

「特に♀の場合は他のヤンマ(ネアカ、マルタン、ヤブなど)との照合も必要になってくるので注意。」

ときました。ネアカヤンマ、マルタンヤンマは似ていません。

ところがヤブヤンマがそっくり。

http://www.h7.dion.ne.jp/~n-tombo/n-tombo/yanma/yabu.htm

http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/SEIBUTSU/doubutsu/01tonbo/yabu/index.html

このあたりを見てください。

胸から腹にかけての背側の模様が一致しました。

結論:我が家に産卵に来た上の写真のトンボは「ヤブヤンマ」である。

地面に産んでしまった卵は回収できませんでした。池の縁で産卵したものがおそらく孵化してくれるのではないかと期待しています。

◆しかしまぁ、一体どうして、60年間見たこともなかったヤンマが今、やってきて産卵行動を見せてくれるんでしょうね?

みんなして、かかしさんに「撮って撮って」とやってくるようでもあります。

(多摩川が近いし、六郷用水跡の水路も近いし、そういう水辺環境があって、飛びまわっているうちに、我が家の池の水面の輝きを見つけた、というのが真相でしょうけれど。)

2008年6月17日 (火)

カタバミ

0611katabami1 0611katabami2 カタバミの葉なのですが、こんな色のを見かけました。

なんとも可憐できれいなので、お目にかけます。

いろいろあるんですねぇ。見るたび不思議を味わいます。

葱坊主

0610negi_tane 葱坊主が熟して、種が稔っています。

関東地方のニュースで、大仁田のネギのタネの収穫というのを流していたので、そうだウチのはどうなったかな?と見たら、やはり稔っていました。

野菜だって植物です。食べて残った根を植えてみてください。花が咲いたり、実がなったり、楽しいですよ。

キセルガイの稚貝

0608kiserugai1 これ、キセルガイの稚貝です。

まだ殻の巻き数が少ないでしょ。生まれたばっかりだから。

卵胎生で、親貝から貝として生まれてきます。キセルガイは雌雄同体ですから、2匹いれば生殖は可能なのですが、まさか飼育を始めてすぐに子どもが生まれるとは思っていませんでした。

今回、4匹生まれたようです。

0608kiserugai2 ニンジンの上に3匹。左のスギゴケのところに1匹、計4匹、全員です。

0608kiserugai3 思い切りアップにしてみました。

一人前に、ピンホールカメラ型の杯眼が立派でしょ。小さいのに一人前、というのがやたらとかわいいですね。

4匹いれば4匹ともアップで紹介したくなってしまいます。

0608kiserugai4 苔の上が好きらしく、苔から離れません。

食べ物のせいか、ニンジンの上のとは色合いが違っているようですね。

0611kiserugai ◆これは別の日に撮った大人のキセルガイですが、ケースの外から口を撮ったものです。

モノアラガイの口とは異なって、あまりはっきり開口部が分かりません。

ぼんやりと逆T字型になったところが見えますので、ここが口でしょう。

アシナガキンバエ

0611asinagakinbae ◆本当に美しいものを見ました。

明るい太陽光のもとだったので、何気なく撮影して、パソコン画面で見てビックリ。これは一体なんという昆虫なのか!

http://wolffia.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_9bb1.html

このブログによりますと、

「キンバエと言っても、魚や汚物に集るキンバエとは全然関係ありません。アシナガキンバエは、短角亜目、直縫群(アブ類)、アシナガバエ科、アシナガバエ亜科に属すアブの仲間ですが、汚い方のキンバエは、短角亜目、環縫群(ハエ類)、クロバエ科、キンバエ亜科の最もハエ的なハエです。」

ということです。アシナガキンバエという、肉食性のアブなんですね。

◆一度、その存在を知ると、「見えて」くるのですね。6月14日には、ちょっと不思議な写真が撮れました。

0614asinagakinnbae1 0614asinagakinnbae2 ものすごく敏捷で、ストロボの発光に反応して飛び上るのですね。

ストロボが増光し始めると飛び上り、ストロボの光量最大の辺りで撮影されたようです。

この後、また元の葉の上に戻ってくるのです。一眼レフでは、シャッターを切るとミラーが跳ね上がりますから、シャッターを切る瞬間葉の上にいて、ミラーが復帰してファインダーが回復するとまた葉の上にいるのですが、でも写真には写っていない、ということが起きるのです。

◆今日、6月17日にもこんな写真が撮れました。

0617asinagakinbae0 写真左の葉の表面にピントが合っています。このあたりにアシナガキンバエが止まっていたのです。それをフォーカシング・ポイントにとらえてシャッターを切ったのですが、写真はご覧の通り。

フラッシュの光に反応したようです。すごいですね。

0617asinagakinbae やっと、止まった状態が撮れたのがコレ。

ピンボケ気味ですが勘弁してください。

水波誠著「昆虫―驚異の微小脳」中公新書1860 から少し引用します。

ハエやハチの視覚の特徴は、時間的な解像度が高いことである。時間的な解像度は、一秒間に何回の明暗の変化を見分けらることができるかで評価され、、これを「ちらつき融合頻度」と呼ぶ。ちらつき融合頻度はカタツムリでは四ヘルツ(一秒間に四回)、ヒトでは十五ヘルツから六〇ヘルツ、ハエで一五〇ヘルツ程度である。カタツムリの眼の前に一本の棒を見せ、一秒間に四回棒を出し入れしても、それを静止しているものと区別ができず、棒の上に乗ろうとする。しかし、私たちにはカタツムリを笑う資格はない。私たちは映画のコマ(通常三二コマ/秒)や蛍光灯のちらつき(一〇〇ヘルツまたは一二〇ヘルツ)を感じとれないが、このちらつきはハエにははっきりと見えている。

ということです。人間は優れた動物だ、などと思いあがらない方がいいですね。ハエには蛍光灯が点滅して見えているのです。

視覚のスピードもさりながら、それを生かす、翅の動きの速さもものすごいですよね。

フラッシュが光を出し始めると、それを感知して、静止していた状態からはばたきはじめて、離陸し、フラッシュの光が減ると戻ってくる。ミラーが上がってから降りるまでの間にこれだけのことができるのです。

ヒトの「一瞬」が、アシナガキンバエにはスローモーションなんですね。

いや、驚きました。

名前が分かりません(訂正:6月19日)

0608humei1 0608humei2

以下の文章は残しておきますが、赤で書いたのが正しい名前です。アーチャーンさんからいただいたコメントの通りに訂正します。

これはヒメイトカメムシの幼虫です。

なんとも特徴的な姿・形ですが、名前が分かりません。6月8日に妻が捕まえてきて、写真を撮って逃がしてやりました。飼いようもなくて。

推測するに、ナナフシの仲間の若虫なのではないでしょうか。

ご存じの方はぜひ教えてください。

ついでに、こんなのも見たのです。こちらは6月16日です。

0616humei こっちは翅がありますから成虫ですね。

触覚が不思議ですねぇ。小さな提灯でも釣っているような具合。

名前を教えてください。

↑これはイトカメムシの成虫です。

2008年6月16日 (月)

アオスジアゲハ羽化

0616aosuji1 0616aosuji2 我が家での今年最初のアオスジアゲハの羽化です。

今日(6月16日)昼ごろ、羽化していることに気づきました。

まだ、出たいとばたつくほどではなかったので、4時頃までそっとしておきました。

ケースを外へ出して、ふたをはずして撮影しました。

しばらく見ていたら、羽ばたいて旅立っていきました。

0616aosuji3

これが外界での第一歩。

元気でね。翅がボロボロになるまで飛んで、子孫を残してね。

◆こぼれ話:チョウの口がゼンマイ状に巻かれていることや、蜜を吸うストローになっていることはきっとご存じでしょう。1本の管なんですね。

さて、昆虫の口は、各体節に1対の脚の変形です。ですから、口器も左右1対の脚の変形がアゴになるのが普通です。

チョウでは、さらに左右1対のアゴが細長くなり、雨樋のような形になって、それを合わせて1本の管にするのです。

羽化直後のチョウを観察すると、口器が左右2本に分かれているのです。それを合わせて1本の管にするという作業を見ることができますよ。

アオスジアゲハ成長中

0608aosuji                

0608aosuji2_2 2齢、3齢とご紹介します。

かわいいですね。アゲハの幼虫より、透明感のある体が特徴です。

右の写真で本当の頭は見えていません。写真左に「角」のようなものがありますが、その下でギュッと曲げているのです。

葉っぱを食べるときにはよくわかるんですよ。

オンブバッタ孵化

0607onbubatta1 オンブバッタが孵化して、跳ね回っています。

ほんの5,6mmの小さなバッタです。

0607onbubatta2 成虫はもっと体の線がすっきりしているように思います。

実のところ、こうやって接写してみてビックリしているところです。

ずいぶんすごい格好をしているものですね。

実は、カマキリを育てていることはもうすでにお話していますが、カマキリの餌は、最初がアブラムシ、次にショウジョウバエときて、もう少し大きくなってからはオンブバッタあたりが最適なのです。

食べるカマキリ、食べられるオンブバッタ、一緒に成長していきます。ですから、オンブバッタはカマキリにとって大人になってもよい餌なのです。

◆長くカマキリを育ててきました。家族の冗談に「私たちが地獄に落ちた時、カマキリの恩返しと、オンブバッタの復讐があるに違いない」というのがありまして、もうずいぶん積もっちゃったなぁ。

テントウムシの蛹

0606tentou1 何テントウかは、ちょっと分かりかねます。

蛹化の直前でしょう。こんな風に立ち上がるような格好をよくするのです。

脱皮の準備でしょうか。

テントウに特有の動作のように思います。

2008年6月13日 (金)

ヤンマの思い出

◆小学校にあがる前のことですから、今から五十四、五年も前の昔話です。

そのころ、大田区の千鳥町駅から少し歩いた、久が原の台地の端のあたりに住んでいました。車などあまり走らない時代ですし、袋小路の突き当りの辺りに住んでいましたので、のんびりと道で遊ぶ日々でした。(幼稚園はありましたが、「お大尽の子」が行くものだと思っておりましたから、私は無縁に遊んでおりました。)

ある日、道の奥ですから電柱も端っこで、端の電柱はワイヤで斜めに引っ張って支えるものですが、その斜めのワイヤに、ギンヤンマがとまっていました。そのメタリックな輝きのギンヤンマを見つけたとき、手には長さ1m程度の簡易な捕虫網を持っていました。

とにかくギンヤンマを捕まえたくて、まず、じっくりと間隔を詰めていき、手と捕虫網の柄の長さがギンヤンマまで届く範囲までにじり寄りました。

ギンヤンマは斜めのワイヤに頭を上にしてとまっていましたから、後ろ側から追い・すくいあげるつもりでギンヤンマの下側から少しずつ網を近づけていきました。もう、ここから全力ですくい上げれば、飛びあがるギンヤンマの飛跡と網が交差して、網にヤンマが入るはずだというところまで、じっくりじっくり近づいて行って、思いっきり網を振ったのです。

かすったような気がしましたが、みごとにヤンマに逃げられたのでした。悔しかったけれど、闘いが終わってすっきりした気分でした。

あの濃密な時間、時間の流れの密度がとてつもなく高くて、主観的には何十分もの間だったように思いますが、きっと数分のことだったのでしょう。

あのような時間を「至福の時」というのかもしれません。私の記憶は映像的な記憶が多いのですが、中でもくっきりと残っている幼い夏の日の鮮烈なワンシーンです。

緑色の金属光沢に包まれたギンヤンマにあこがれていました。

◆同じ道の突き当り、台地の端の崖っぷち。(私はこの崖を転げ落ちたことがありますから、それなりに注意深くはなっていました。)

ふと目の前にオニヤンマが現れたのです。オニヤンマのパトロール、というやつですね。

手には何も持っていませんでした。崖の縁から1m弱先の空間でオニヤンマはホバリングしています。手を伸ばせば転げ落ちます。どうしようもなくて、ただひたすらにオニヤンマと見つめあってしまったのです。確かにあの瞬間オニヤンマと眼があい、視線が絡まったと思います。どれほどの時間なのか分かりません、多分、数十秒か1分程度のものでしょう、でもその時間が永遠といえるほど長く感じられたのです。

オニヤンマの威厳ある眼差し、ホバリングによる完全な空中停止、あの黒と緑の迫力ある姿。

これも鮮烈な映像として記憶にくっきりと残っています。写真など撮らない分、余計に記憶としては鮮明になるのかもしれません。

やがて、ツイ、とオニヤンマは向きをかえ軽々と飛び去っていきました。私は呪縛から解かれたようになって、ため息をついて、疲労感に包まれたのでした。

オニヤンマとの衝撃的な出会いでした。

◆少年というよりはまだ幼児に近い時代の、はるか昔の記憶です。あの時代、時間は濃密に流れていました。

60歳にもなって、クロスジギンヤンマの羽化に興奮している自分を見て・・・楽しいですね。昆虫たちが与えてくれる時間は、人間社会の時間とは違って、昔ほどではないにせよ濃密で、季節の流れにより浸りこんだ、命の流れの時間です。

贅沢な時間流に身をひたしているな、と実感する日々です。

クロスジギンヤンマの羽化

◆大事件なのです。6月12日、夕方5時50分ころ、妻が「羽化してるわよっ」と知らせてくれました。「なにが?」「クロスジギンヤンマよ」。あわててゆっくり、飛びだしてみました。

0612kurosujiginyanma1 この日は、午前中はかなり強い雨でした。午後に入ってもかなり遅くまで降り続いていたのですが、いつ羽化したのでしょう?

翅をよく見ると、雨の水滴がついています。雨の中での羽化は危険なのに、もう時間切れで体内の動きにせっつかれて羽化したのでしょうか?

無事羽化できて、本当によかった。これまで、ヤゴを見、羽化後のぬけがらを見、ああ羽化していったんだなぁ、と、何度も見送ってきたのですが、成虫を見ることはできずにいました。

今回、初めて我が家の庭でクロスジギンヤンマの羽化した姿を見て、さすがに大感激です。

美しい姿ですね。うっとり見とれてしまいます。もう夕方で暗くて、望遠レンズで1mくらいの距離からなんとか一応のショットをものしてから、最後に2回、フラッシュをたかせてもらいました。驚かせて羽化の最後の仕上げを失敗させてはいけないので、我慢していたのですが、2回だけ。その1枚がこれです。

暗いせいか、羽化からの時間経過のポジションのせいか、緑っぽい色が主に見えていて、クロスジギンヤンマの青っぽい色が見えないようです。また、背側からしか撮れなかったので、「クロスジ」の名前のもとになる、胸の部分の黒い筋が見えません。

クロスジギンヤンマだろうというのは、ヤゴの抜けがらの、アゴの形の微妙なカーブを眺めて、多分ギンヤンマではない、クロスジギンヤンマだ、と判断したものでしたから、できれば成虫の姿・色・形で確定したかったのですが、この写真からは完全確定とはいきませんでした。

でもまぁ、一安心。この時、池の中には別のヤゴの姿が見えていて、「あれももうすぐ羽化するんだろうね」と妻と二人で話をしました。

◆翌13日、快晴。朝8時ころ、庭へ出て、昨日の羽化現場を見に行きました。

0613kurosujiginyanma2_2 これが、昨日羽化したトンボのヤゴです。池に落ちてしまっています。

でもおぼれたわけではないですから、大丈夫。

と、思って、ふと脇を見ると、何と、また別のクロスジギンヤンマが羽化しているではありませんか!っ

0613kurosujiginyanma3 今度は横からのショットが撮りやすい位置です。

見てください。胸に黒い筋が2本。これぞクロスジギンヤンマの証です。

腰のあたりに青い色が見えています。正直のところ、ホッとしましたね。間違ってはいなかった、と。

フラッシュはたいていませんが、胸の下に細かい毛が生えているところまで写りました。朝の日光はさすがに明るいですね。

棒の向こう側に、この成虫が出てきたヤゴの抜けがらが見えています。

いやぁ、ギンヤンマほどの派手さはないけれど、美しいですね。感動のショットです。

0613kurosujiginyanma4 0613kurosujiginyanma5 ほとんど同じ写真に見えるでしょ。

微妙に角度が違うのと、ピントのあった位置がまた微妙に違うせいで、触覚が見えるとか見えないとか、翅脈がくっきり見えるとか見えないとか、選別しかねてしまったので両方ともお目にかけます。

ため息の出るほどパーフェクトなフォルムですね。よいものを見ました。嬉しいです。

昼ごろ、また見に行ったら、成虫はもう飛び去っていましたので、抜けがらを撮影しておきました。

0613kurosujiginyanma6

頭の下に大きな顎がありますでしょ。右のところで折れ曲がっていて、先端は再度頭の直下のところにあるのです。その部分に、左右から「牙」のような顎が出ているのも見えています。ここの部分のカーブでクロスジかどうかを判断していた部分です。

無事、羽化できて、よかったねぇ。

◆実は、こういう写真を用意していたのです。

0606yago1 0606yago2 これは2枚とも同じヤゴです。水面近くに上がってきていたので、羽化も間近だなとは思っていたわけです。

昨日・今日に羽化したうちのどちらがこのヤゴかは分かりませんが、このヤゴが成虫になってくれたのは間違いないでしょう。

小さな池ですが、ずいぶんたくさんのクロスジギンヤンマを生み出してくれたようです。

生きものが生まれ育っていくのを見るのは、楽しいですね。

2008年6月12日 (木)

ヒトスジシマカの吸血

0606ka 血を吸われているのはワタクシです。左手に止まってくれたので、右手でカメラを持って接近。吸血に夢中になっていると簡単には飛び去りません。

(蚊を叩くなら、軽く吸血が始まってからが確実。止まった瞬間に叩いても逃げられることも多いです。)

ところで、写真を拡大していただくと、「↑」を書きこんであることに気づかれるでしょう。何かが「弓状」になっていますよね。これ、蚊の口が入っていた「鞘」です。針の先端はノコギリ状になっていて、頭を振動させて皮膚を切り裂き差し込みます。鞘はそのとき取り残されて、針が皮膚にもぐった分、たわんで弓状になるのです。

カメムシの口の場合は似ているけれど、違ってもいます。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_6af5_1.html
ここに、ツマキヘリカメムシの写真を載せました。

これを見ると、針の納まっていた鞘が取り残されるのは蚊と同じなのですが、カメムシの鞘には「関節」があるものですから、そこできちっと折れ曲がって、「くの字」になるのです。

見比べてみてください。

◆なお、上の写真を撮った後、この蚊は叩いて殺しました。いくらかかしさんでも、蚊は叩くんです。為念。

子カマキリ

0605kamakiri カマキリの子が結構います。うれしいな。

飼育中のカマキリにカメラを向けたら、なんとなく気取ったような格好をしましたので、記念撮影。

見てあげてください。

少しでもカマキリが苦手な人が減りますように。

カイミジンコ

0605kaimijinko1_2 なんだ、ピンボケのメダカじゃないか、といわないでください。

下のほうに「←」を書きこんでおきました。その指しているところにカイミジンコがいるのです。

水の中にレンズを突っ込むわけにはいきませんから、ちょっとカイミジンコ君には出張してきてもらいました。

ピペットで吸い上げ、顕微鏡用のカルチャースライドグラス(中央に丸いくぼみのあるスライドグラスです)にたらします。水量が多いと激しく動き回るので、ティッシュで少し水を吸い取って、カイミジンコの動きを制限します。そうやっておいて、マクロレンズで最接近。

0605kaimijinko2 2枚の貝殻が合わさったような構造が見えますね。

そのために「カイミジンコ」なのです。貝の仲間ではありません、あくまでも甲殻類なのです。詳しくいうと「節足動物門甲殻綱貝形亜綱」の中のさらにいろいろな「目」の中のさらに・・・。となるので、カイミジンコで十分でしょう。

0605kaimijinko3 

合わさった殻の間から触手が出ています。これを振って、泳ぎ回ることができます。普通のミジンコは動きが「ピョンピョン」ですが、カイミジンコは滑らかに動きます。

カメラでもここまで撮れるのか、と嬉しくなりました。

さて、撮影後は元の水槽に戻してやりました。

実は、理科おじさんとしてU君と顕微鏡でゾウリムシを見たときでしたか、見終わって、私は流しに流してしまっていいと思っていたのですが、小学生だったU君は元の水に戻してやりたいといいました。すぐれた感性です。反省して水槽に戻してやった理科おじさんでした。

ということで、今回も、カイミジンコは水槽にもどいてやったのです。

◆↓ここに詳しい話が出ています。関心のある方はお読みください。

http://cyclot.hp.infoseek.co.jp/sonota/kaimiji1x.html

ヒメモノアラガイ

0605himemonoaragai1 ヒメモノアラガイの卵塊なのですが、もう卵の中で稚貝が動いています。

貝殻があって、その下に眼が二つ黒くぽっちりとあって、足があります。

卵塊の直径が4~5mmくらいですか。その中の稚貝ですから1mm足らずです。かわいいでしょ。

小学生のころ、ガラスの外から、顕微鏡の接眼レンズを逆に使ってガラス内面の卵塊を飽きずに眺めていたことを覚えています。

0605himemonoaragai2 こちらは、もう孵化して稚貝たちが出て行ってしまったあとです。

何匹育つものやら。これだけ孵化しても、水槽が満員電車のようにならないということは、ほとんどが生育できないということですね。

澤口たまみさんの「昆虫楽園」山と渓谷社刊、は素晴らしい名著です。この中にこんな言葉がありました。

「さようならと、おめでとう。ちょっぴりだけど、おめでとうのほうが多いのよ」

それが生きるということなのです。

アリグモのオス

0605arigumo これはアリグモのオスですね。

ものすごい上顎が特徴です。

アリグモは明らかにアリに擬態しているのですが、アリに擬態してアリに近付いてアリを食べるというのではないようです。

アリとアリグモがすれ違ったり接近遭遇しているシーンはいくらもありますが、アリグモがアリを捕まえようとした、ということはありません。

アリというのはヒトにとっては有毒というわけでもなく、つぶしてもさして臭かったりするわけでもないのであまり意識しませんが、小さな昆虫の中ではかなり「強力」なやつなんです。(大きなアリを捕まえて、怒らせて、指先の皮の厚いところに噛みつかせて、それを何匹も指先にくっつけて、ぷらぷらさせて遊んだ覚えがあります。昔の男の子ですねぇ。昆虫にとっては、ヒトって超巨大な生き物であることをお忘れなく。)

お尻から蟻酸を含む液を噴き出すのですね。(ちなみに、アリをたくさん集めてフラスコに入れ、蒸留したら刺激性の酸がとれた、というので「アリの酸=蟻酸」というのだったと思います。)

昔、生まれたばかりのカマキリの幼虫に、その時アブラムシもいなくて、アカアリを捕まえてきて入れてやったのですね。小さなアリなら餌になるか、と。そうしたら、子カマキリがアリを捕まえようとすると、パタッと倒れるのは子カマキリの方だったのです。蟻酸攻撃にやられたのでしょう。あわててアリをつぶしたりつまみだしたりしました。あれには焦った。以来、アリの強さを認識した「一家」なのです。

というわけで多分、アリに擬態することは、敵を避けることに有効なのではないでしょうか。

(アリを食べるヒトもいますし、アリクイのようにアリを食べる動物もいます。でかい体の相手に対しては、蟻酸はあまり効果的な毒にはならないのですね。)

名前不明の甲虫

0604humei 名前が分かりませんが小さい甲虫です。

手のひらに乗っていて、掌紋の筋がこれだけ拡大されているところを見れば大きさがお分かりでしょう。

あっ、これはね、とお分かりの方は教えてください。

フサスグリ

0607husasuguri あんまりみごとにみのっているとはいえませんが、一応真っ赤に熟しました。

昔、伯母は「スグリ酒」とかいって、焼酎にすぐりの実を漬けこんだものを作っていましたっけ。きれいな色のお酒が出来上がります。

我が家のは、まだ小さな木ですので、これからですね。道は遠そうだ。

ミスジハエトリ

0611misujihaetori0 メダカの稚魚が入っている水槽の縁にとまって、しきりに中を覗き込んでいるように見えるクモがいました。(まさか、メダカを捕まえようと思っているわけでもないでしょうけれど。)

その姿が妙にかわいらしくて、ひとしきり撮影した後、家で調べて見ましたら。

ミスジハエトリというのだそうです。「日本のクモ」によりますと

本来は屋内性であるが、アダンソンハエトリの侵入地では競争に負け、屋内より出て野外で生活している。・・・

とありました。ふ~ん、そうなんだぁ、と感心したり驚いたり。

0611misujihaetori1 0611misujihaetori2 全体の姿としては左の写真で十分といえますが、単眼の様子があまり明らかではないので、右の写真も付け加えました。

ネコハエトリの食事

0606nekohaetori ネコハエトリが葉っぱの上で食事をしているのを見ました。

写真を撮ろうとしたら嫌がって、サッと葉の裏に隠れてしまいました。

ゴメン1枚だけ、と追いかけて、ワンショット。この様子だと餌を捕まえたばかりのような気がします。これからゆっくり食事というところだったのでしょう。

アサヒエビグモ

0604asahiebigumo アサヒエビグモのメスです。

初め、横に大きく脚を張った姿なのでカニグモの仲間かな、と調べたらエビグモの仲間でした。

クモも識別パターンの中に定着してきたらしく、やたらといろんなクモが目につくようになりました。今までは「見れども見えず」の状態だったんですね。

心不在焉 視而不見、
聴而不聞 食而不知其味

「見る」というのは「眼の働き」ではなく、「心の働き」だったんですね。

◆ちなみに、クモの名前にはなかなかユニークなのも多く、エビグモの他に、カニグモとかシャコグモ、ヤドカリグモなどというのもあるんですよ。

2008年6月11日 (水)

ツヅミミノムシ

0607tudumiminomusi1 ◆いわゆる「ツヅミミノムシ」です。邦楽に鼓という打楽器があります。真中が細くなった打楽器。あれに似ている、ということですね。

6月7日、土曜の朝、のんびりと新聞を読みおえて、新聞をたたんで脇に置いたら、テーブルの上にツヅミミノムシがいるではないですか。

妻に、「これ連れてきたのかい?」と聞いたら、「知らないわ」。「へぇ?なんで、どうして、ここにいるんあだぁ?」とまぁ、大騒ぎ。新聞にでもくっついてきたのでしょうか。

ツヅミミノムシを見るのは久しぶり。でも、新聞の下になっていたのですから、つぶしてしまったのではないだろうか、と心配しながらティッシュの上に置いて眺めていました。

すると、何と、生きていて、端っこから幼虫が顔を出し始めたのです。席を立っていた妻を、大慌てで呼び戻して、二人で観察し始めました。

上の写真でも、左側にちょっぴり顔をのぞかせているのですが、わかるでしょうか?

0607tudumiminomusi2 同じ写真を拡大してみますね。いかがでしょう?

左端に顔を出していますね。同時に、「ミノ」の材質も見てください。

どうも、樹皮か何かをよくかじって細かくして作ったものではないでしょうか、そういう質感です。

さて、眺めていると、左から顔を出して、顔を引っ込めた次の瞬間、今度は右から同じような色の「先端」を出すんですね。二人して、これは頭を引っ込めて、次はお尻を出して、どちらでも外界の様子を探ることができるのではないか、と考えました。

0607tudumiminomusi3

左の写真を見てください。2枚並べてあります。写真の中に矢印で示したところが、ティッシュの上の黒い点状のしみです。つまり、この矢印を見る限りミノ自体は動いていないことが確認できると思います。

その上で、ミノの端を見てほしいのですが、左の写真では左に、右の写真では右に、「体の端」を出しているのが分かると思います。

とても速いんです。ですから、ミノの中で体を反転させているとは思えなかったんですね。そこで、頭と尾端を出しているのではないか、と推測したわけです。

でも、それは間違っていました。

◆先に、ネットで検索した結果を書いておきましょう。

正式な名前は「マダラマルハヒロズコガ(斑丸翅広頭小蛾)」です。なんとまあ、安直というかすごい名前をもらったものです。

普通のミノムシはミノガの幼虫ですが、ツヅミミノムシおよびその成虫はヒロズコガ科だそうです。

成虫の写真を見ましたが、とても地味で、成虫を見て「これはマダラマルハヒロズコガだ」と判定するのはとても無理です。幼虫はこの独特な形で、一目で「ツヅミミノムシだ」とわかりますけれどね。

◆調べたサイトの中で、↓ここに外側の覆いを開いて中を見てしまった写真があります。

http://homepage3.nifty.com/matsumaroom/child/insect/tsuzumiminomushi_01.html

ここの写真によると、幼虫の体で色が濃いのは頭から胸部にかけてまでで、腹部は淡い黄褐色です。

0607tudumiminomusi7 私たちも、この写真のように、頭部とそれに続く3つの体節までが濃い色で、それ以降は明るい色であることは観察していました。ただ、ツヅミを開けてしまうことは私たちにできることではありませんので、腹端部がどんな色であるかは分かりませんでした。ですから、ツヅミの中で向きを変えているとは思わなかったのです。でも、上のサイトで腹部は端まで淡い色であることが分かりましたから、いかに瞬間的とはいえ、ツヅミの両側に出てくる色の濃い部分はどちらも頭部であると結論せざるを得ません。

しっかしまぁ、超速ですよ、この幼虫のターンは。どうやってこのツヅミのなかで向きを瞬間に入れ替えているのか、やはりナゾです。

0607tudumiminomusi4 もう一回、体を乗り出しているところを見てやってください。

これで、頭部、胸部の全部が出てきています。

見ていると、はたで声をかけてやりたくなるようなかわいらしさでしてね。

おもしろいんだ、これが。フラッシュにびっくりして引っ込んでしまうときもありますし、特に何も感じていないときもあるのです。わぁ、ゴメン、などと声をかけつつ、眺めていると、なんだかいつの間にか、前進していたり、ツヅミの向きが変わっていたりするのです。

なんだぁ?と眼を離さず眺めていると・・・

0607tudumiminomusi5 0607tudumiminomusi6 ここでも、ティッシュの上の目印となるしみの位置に矢印を書きこんであります。

この矢印とツヅミの位置関係を見ればお分かりでしょう。

まず、体を外へ乗り出して、肢で体を外に固定し、(おそらくツヅミの中で腹部をツヅミに固定してあって) 体を縮めることでツヅミを引き寄せるのです。

ミノムシの場合は、ミノを背負ったまま歩いていきますが、ツヅミミノムシの場合はシャクトリムシ方式とでもいいましょうか、体を伸ばしては縮めるという動作で、ツヅミを引き寄せ引き寄せ移動していくのでした。

また、向きを変えるときはこうやります。

0607tudumiminomusi8 0607tudumiminomusi9 体をひねって乗り出しておいて固定し、体をまっすぐにすると、ツヅミの向きが変わるのですね。

よっこらしょ、とはたから声をかけてやりたくなるような動作でした。

そんなこんなで、眺めていたら、1時間もたってしまっていたのでした。

いやぁ~、面白かった。

◆ところで、このツヅミミノムシにはちょっと思い出があります。

ツヅミミノムシという昆虫の存在を知ったのは大人になってから、それも子育てに入ってからのことなのです。

福音館書店の、月刊かがくのとも の160号「おみやにいったらむしがいる」という本で知ったのでした。文は日浦勇さん、絵は高橋きよしさんです。(1980年7月号)

「かがくのとも」という雑誌は素晴らしい本でして、子らが幼い時から小学校を出るくらいまでずっと購読していました。

「おみやにいったらむしがいる」というのも大好きで、家族旅行にこの本を持っていき、実際にこの本を持ってお宮に行ってみたりもしたのです。

この本でツヅミミノムシというものを知って以来、眼がパターンを認識できるようになり、時々見つけては「お~、いたぁ」と喜ぶようになったのでした。

でも今回のように、じっくりとひたすら眺め続けたのは初めてのことでした。20数年をかけて持続してきた観察と言ってもいいと思います。

いや、ありがとう。

◆翌、日曜日、仕事が休みの娘にこのツヅミミノムシを見せたら、早速写真や動画をとって、自分のブログに載せておりました。彼女もツヅミミノムシがなつかしかったようです。

私たち夫婦は、さしあたって人参の切れ端を入れておいてやったのですが、彼女は、「樹皮の地衣類などを食べるのではないか」という記載を読んで、早速、庭の木の皮のボロボロになったところを少しはぎ取ってきて入れてやっていました。しばらく飼ってみようと思います。

チャドクガの幼虫

0604tyadokuga ツバキやサザンカの花を楽しむお宅ではよくご存じだと思います。

この季節、何回かお目にかからざるを得ません。

さすがの私も、これを見ると気がせきます。私自身はあまり被害にあったことはないのですが、私の家の辺りは保育園児の散歩場所でもありますので、この幼虫の毛が飛んだらまずいので、早速に始末します。

チリトリを葉の下に差し入れ、上から剪定ばさみで葉を切り落として、殺虫剤をかけて殺します。注意深くやれば、そう被害にあうことはありません。冷静に、確実に。

風通しをよくする方がいいとのことですから、ザクザクと枝を払って、スカスカにしておきましたが、まだ何回かはこの作業が来るんでしょうね。仲良くはできない相手ですから。

http://www.afftis.or.jp/konchu/kemushi/chadokuga.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%89%E3%82%AF%E3%82%AC

上のサイトなどを参考にしてください。毛が刺さっても、むやみと掻いてはいけません。掻くほどにさらにかゆくなってしまいますから。医者に行った方がいいでしょう。

タケノホソクロバ

0527humei1 0527humei2 トクサに止まっているところを何気なく撮ったのですが・・・。(5/27)

名前が分からなくて。

触覚がすごく特徴的です。

きれいなクシ状。

ハチ?ガ?

蛾かな、と、検索してみたらありました。下のサイトを参考にしました。

http://www.jpmoth.org/Zygaenidae/Procridinae/Artona_martini.html

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/HTMLs/takenohosokuroba.html

http://mushinavi.com/navi-insect/data-ga_takenohosokuroba.htm

マダラガ科・クロマダラ亜科のタケノホソクロバのオスだろうと思います。

「幼虫は毒針毛に球状部を有し、接触時に疼痛はげしく、発赤と丘疹を生ずる。痒感強く治癒に7-10日」とありました。

見ればすぐわかる幼虫のようです。成虫がいるということは、幼虫も近くにいたんだろうなぁ。気づきませんでした。

気をつけてください。

2008年6月10日 (火)

白いホタルブクロ

0607hotarubukuro ご近所にある、白いホタルブクロの花が咲いています。

コンパクトデジカメでの撮影です。

人通りの多い駅前の道ですので、さすがにマクロレンズをつけて這いつくばるようにして撮影するのは気が引けます。

可憐ですね。

元気だよ

0607itigo 死ぬものがいれば、生まれくるものも必ずいるのです。どんな瞬間にも、生と死は一体になって流れゆくものです。とどこおりはしません。

イチゴの実生です。本葉が大きくなってきました。自らの光合成で、自ら育っていきます。

ちからづよい、でしょ。

クシコメツキ

0603kusikometuki1 6月2日でした。部屋の中にクシコメツキが落ちていました。

てっきりもう死んでいると思ってティッシュに包んで机の上に置き、翌朝にでも家の裏の落ち葉の下にでも返してやろうと思ったのです。

翌3日の朝、見ると、ティッシュの中にクシコメツキはいなくて、机の下に落ちていました。まだ死んではいなかったのです。夜中に動いて落ちたようです。拾い上げてみると、脚を縮めてはいますが、まだ生きていました。

ひょっとすると、5月26日に屋外で見かけた、あの個体なのかもしれません。私はファンタジー世界の住民ではありませんので、センチメンタルに、死ぬ前にこのコメツキが私に顔を見せに来てくれたんだ、なんて思ったりはしないのですが、それでも何らかの因縁を感じざるを得ません。

せっかく出会ったのですから、記念に写真を撮って記録に残したい、とは思いました。

0603kusikometuki2

なんだかなぁ、私の意識世界は「ヒト」の世界をはみ出しつつあるのかなぁ、などと思うこのごろではあります。

「穏やかな表情」と言ってあげても、違和感はないでしょ?

この後、家の裏に持って行って、落ち葉の下に置いてやりました。姿を持つ個体というものは、「生命の流れ」の中に生じる「渦」のようなものです。エネルギーと物質の流入と流出の流れの中に、いっとき生じる渦です。終わりの時が来たら、速やかに生命の流れに帰りたいですね。そのような生き方には「死への恐れ」などはありません。命の源の流れに還るだけですから。死んだら地球に遍在となる。

ヒト以外の生き物たちは、常に遍在です。生まれ来て、死に還る。地球上に遍在し、時に形をとり、時に形を失い、38億年も生き継いできました。

ヒトである私は、地球を私の墓標として、地球に還り、生命の流れに復帰し、地球に遍在となるのだ、とやっと意識によって「悟り」ました。

「生きものは、死にもの」と喝破された方もいましたっけね。

なんだかそんなことをしきりと考えさせられるひとときでした。

クシコメツキくん、ありがとう。

ナンテンのつぼみ

0606nanten1 0606nanten2 家の裏でナンテンのつぼみがだんだん成熟してきました。

正面から見ると、六角形なんですねぇ。

面白い。ナットみたいだ。

花の内部までは見た覚えがありません。

咲いたら撮ってみたいと思います。

カタバミの実

0606katabami1 6月5日にカタバミの実が弾けそうだ、という写真を載せ、弾ける瞬間は栗林さんのサイトで見てください、とご紹介しました。

弾けちゃったあとです。

弾け損ねた種が残っています。

熟したカタバミの実を見たら、軽くつまんでください。充分に熟していれば、プチプチと音を立てて弾けます。

指に当たってきてびっくりします。痛いわけではないのですが、こんな激しさで弾けるのかぁ、と驚きです。

0606katabami2 夕陽に透けて種が見えます。

こんな状態なら、つまめば弾けます。

お試しあれ。

ガクアジサイ

0606gakuajisai1 青い花の「両性花」部分を拡大してみました。

オシベの花糸まで青いのですね。きれいな色です。

あたりの花も見ていたら、こんな装飾花がありましたよ。

0606gakuajisai2 なんといったらいいのか。

モダンなデザインですね。滑らかな曲線が美しい。

周りも一緒に見ていただきましょう。

こんな風です。

0606gakuajisai3 美しい、という形容詞しか浮かびませんが、ちょっと陳腐だなぁ。

自然の技に見とれるばかりです。

梅の実

0608ume 6月8日、日曜日、散歩に行った娘が、小梅を採ってきました。

これだけ。

で、よく水洗いして、ナイフで果肉を削ぎとり、適当に砂糖をかけて、適当に電子レンジでチンと加熱。

梅ジャムができました。

Umejam これだけ。

とっても

!スッパイ!

香りがものすごくいいです。甘い梅の香りが最高。

紅茶にちょっぴり入れて、ロシアンティー風にして飲んでみたら、これはいけます。濃く淹れた紅茶の色が、ジャムの酸味で薄くなり、最後の方で香りとともに甘いジャム。贅沢なティータイムになりました。

モンシロチョウ

0609monsirotyou 0610monsirotyou 6月9日、10日と2日続けて、同じブルーサルビアの花で吸蜜しているモンシロチョウを見かけました。

もしかすると同一個体かもしれません。

スジグロシロチョウではないと思います。

ポツンと紋のある真っ白な蝶です。

複眼の中まで見えますよ。よ~く見てください。左の写真では口吻をのばしているのも見えます。

なかなか落ち着いてくれないチョウなので、このくらいまでが限度でした。

(たぶん)コシロカネグモ

今日、6月10日、庭の池の上で、初めてのクモに出会いました。

0610kosirokanegumo1 ひどくカッコイイ、とても印象的なクモです。

初見の印象は「きれいな緑色!」ということでした。実際の緑色の部分はそう大きな面積ではないのですが、目立って、とても印象に残ります。

0610kosirokanegumo2 これは、腹部尾端側からのショットになります。

脚が長くてきれいですね。

少し傾いていますが、一応、水平円網という形の網です。

0610kosirokanegumo3 きれいでしょ~。

クモでこういう輝きのは見たことがありませんでした。

調べてみると、アシナガグモ科・シロカネグモ属・コシロカネグモではないかと思われます。オオシロカネグモとかチュウガタシロカネグモというのもいまして、見たことがないので完全に自信を持っての同定ではないのですが、多分間違いないでしょう。

平地~山地に広く生息。草原、雑木林の周辺、河原、林道、渓流沿いの樹間、都市部の庭園などにも見られる。樹間、草間に水平円網を張り、中心に止まる。腹部は銀色で、通常線条は目立たないが、刺激を与えると中央に1本と後方に1対の細い条が現れる。

「日本のクモ」の記載です。腹部の横や腹面に緑色があることが記されていないので戸惑いました。でも、本の中の写真とほぼ一致していると思います。

0610kosirokanegumo4 腹部背面は確かに銀色です。先だって見たギンメッキゴミグモの仲間かなと、初めは思いましたもの。

0610kosirokanegumo5 頭胸部から単眼、顎などを観察してください。

脚や腹部に毛が生えているのも見えますね。

なかなかに迫力のある顔です。

0610kosirokanegumo6 腹部が大きく頭胸部の上に盛り上がっている形など、再度見ていただいて、終わりにします。

いや~、なんというか、いろんな生き物たちが入れ替わり立ち替わり、姿を見せてくれることです。楽しいなぁ~。

2008年6月 9日 (月)

ヤマノイモ

0602yamanoimo1 ヤマノイモの葉ですが、どういうわけか、勝手口の扉の隙間から1枚だけ顔を出しました。

なんとなく、ひょうきんな感じで、面白かったので撮ってみました。

ところで、こういう形、あるいは、これのもう少し細長い形がヤマノイモの葉の形だと思うのですが・・・。

こんなのを見かけました。

0602yamanoimo2 なんだか、変でしょ。

2枚がくっついてしまったのかなぁ。

意外と標準的でないやつもいるんだなぁ、と妙に感心しました。

タイサンボクの花

0602taisanboku1 泰山木です。

たいさん‐ぼく【泰山木・大山木】モクレン科の常緑高木。高さ約10メートル。北アメリカ南東部の原産。暖地で観賞用に栽培。葉は大形、革質で長楕円形、表面は光沢があり、裏面には茶褐色の毛が多い。初夏、白色で芳香のある6~12弁の大輪花を開く。果実は卵形。種子は赤色。漢名、洋玉蘭。<季語:夏>[広辞苑第五版]

0601taisanboku2 いろいろな状態の花を、おおよそ時間的な順番に並べてお目にかけます。

つぼみが開いたところですね。

まだ中が見えません。

0601taisanboku3 0602taisanboku4 このあたりが花としての盛りですね。

純白で、花の構造がしっかりしています。

このあと、開き方が大きくなり、色も黄ばんできます。

0601taisanboku5 蕊が見えています。

モクレンとよく似ていることが分かりました。

あまり黄ばんでしまった姿は、花に対して失礼かな、と思い、撮りませんでした。

大柄で、ざっくりとした姿が好きです。

2008年6月 6日 (金)

アオスジアゲハ孵化・蛹化

0601aosuji1 ◆この丸いものは一体なんでしょう?

実はアオスジアゲハの卵です。孵化して中身の幼虫が出て行ったあとなんです。半透明で、きれいでしょ。向こうが透けて見えています。

0601aosuji2 この卵の中で成長して生まれたのがコレ。

左側、葉の裏についているのがそうです。さっきまで、卵の中にいたのが、とうとう外界での「虫生」へと一歩を踏み出したところです。がんばろうね。

0601aosuji3 ◆こちらは、すでに幼虫段階を終えて、蛹になったばかりのところです。

きれいな緑でしょ。これがたまらなく好きです。

蛹の体の模様と、蛹が乗っている葉の葉脈の模様と、見比べてください。

蛹はクスの葉に擬態しているのですね。

◆蛹の体内で起こること。

幼虫のときにはなくて、成虫になって現れる、複眼や翅、肢、生殖器などは、幼虫期に「原基」という形で準備していたものをもとにして、新たに作り上げます。

神経系は幼虫のときにも基本はもちろんありますが、行動のスケールやスピードがまるっきり違いますので、大々的に作り変えているはずです。

葉っぱの上を歩く神経系や筋肉と、空を素早く飛び回る成虫の蝶の神経系や筋肉が同じであるわけがありません。幼虫では単眼だけでしたが、成虫では複眼が主たる眼になりますしね。単眼は個数も少ないのに、複眼の個眼は1万以上でしょう。画像処理の仕組みも全然違うはずですね。

◆「子供の科学」という雑誌は侮りがたい雑誌でして、時々ものすごい最新情報を掲載します。

2008年5月号「コカ・トピ!」というコーナーで昆虫の記憶の話が載っていました。

変態前の記憶は残る?残らない?

・・・。変態の間には神経系なども変化するため、「変態前の記憶が変態後も保たれるか」については、研究者の間でも意見が分かれています。

 アメリカの研究チームがタバコスズメガの幼虫に特定の匂いをかがせて電気ショックを与えたところ、①脳がかなり発達した段階で電気ショックを受けた幼虫は、成虫になった後もその匂いを避けるが、②脳が未発達な段階で電気ショックを受けた幼虫は、成虫になった後にその匂いを避けない、ということがわかりました。

今後、変態という「大改造」の後まで残るのは脳のどの部分かを突き止めるため、さらなる研究が必要でしょう。

ということです。出典が示されていないのが残念です。昆虫関係の原論文を読むチャンスがある方は教えてください。

◆初めに戻って。

今、アオスジアゲハの蛹の中で起こっていることを想像してみましょう。外見は静かですが、内部ではヒトという生き方からは想像もつかないような激変が起こっています。

どうか、すべてを無事成し遂げて、羽化に至ってくれますように。

水滴

0530waterdrop 雨上がり。

サトイモの葉の上の水滴です。

シングル・オートフォーカスというモードで、一回だけ焦点合わせをさせて、シャッターを落としたものです。

こうやって写真を見ていると、どうやら、水滴のレンズを通して向こう側の葉の表面にピントが合ったようですね。

葉の表面の細胞の配列がぼんやりですが見えているのだと思います。

水滴を利用した写真もいろいろチャレンジしてみたいものです。

つつじ

0530tutuji 一転して。

おだやかな気分で落ち着いて拡大して鑑賞してください。

フラッシュの効果で、花だけを浮き立たせてみました。

たおやか、でしょ。

チャコウラナメクジ(かな?)

これ絶対不評だと思うんですが・・・。

5月30日、大田区の白山神社でのことです。

0530name1 神社の地面は環八側より高いので、歩道のところに石垣があるのです。その石垣の上の面は1mちょっとの高さで、ちょうど見やすい高さなのですが・・・。

この日は、雨はたまにパラッときましたが、降る、というほどでもなく湿っぽい日でした。ふと見ると、この石垣の上の面で、ナメクジとダンゴムシの大パーティーなのです。4~5mの範囲にわたって、何十、何百という感じのナメちゃんとダンゴムシが一緒になって歩き回っていました。

このナメクジを見ると、どうも家の水周りで見かけるナメクジとは違うような気がしました。

上がそれです。

体が小さめである、体が半透明である、体の中央部の体内に何やら明るく白いものが埋まっているように見える、という感じです。これは、噂に聞く「コウラナメクジ」ではないかと思いましたが、私の中でのコウラナメクジは山にいるもの、大型のもの、というイメージでしたので戸惑ってしまいました。

調べた結果「チャコウラナメクジ」だということのようです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%A1%E3%82%AF%E3%82%B8

によると

人家周辺でよく見られるものはナメクジ(ナメクジ科)やチャコウラナメクジ(コウラナメクジ科)などである。後者はおよそ1970年代以降に見られるようになったヨーロッパ原産(恐らくはイベリア半島)とされる外来種

だそうです。

0530name2 子どももいました。

写真の下に写っているのは私の指です。小さいでしょ。

いくら私でも得手不得手というのはあるのでして、ナメちゃんは「敬して遠ざく」という相手なのですが、こういう子どもはやっぱりかわいいですよね。

背中の内部の構造物を観察してください。薄い貝殻のようなものであるような気もします。

0530name3 つぶらな瞳でこちらを見上げておりますよ。

ところで、体のほぼ中央部右側に「穴」があいているのがお分かりでしょうか。

多分、これは「肺孔」というものではないかと思います。要するに呼吸するための空気出し入れ口ですね。おそらく間違ってはいないと思います。こんなにくっきりと見たのは初めてでした。

0530name4 「見上げている」という表現を使いましたが、この写真をよく見てください。ピンホールカメラ型の眼の「光の入り口」が黒く見えるわけですが、それが、柄眼の先端の「まっすぐの方向」に向いているのではなくて、ほぼ水平に突き出した「柄」の上面にあって、そのために「上を見ている」ようになっているのですね。(肺孔もくっきり見えていますよ。)

カタツムリの場合は、柄の方向まっすぐじゃなかったかなぁ。遠い思い出ですので間違っているかもしれません。今は家のそばではカタツムリは絶滅状態ですので、カタツムリを観察するチャンスのある方は、よく観察して調べてみてください。

0530name5 ダンゴムシと並んでごあいさつ。

ご丁寧に痛み入ります。

0530name6 これは親子連れなんでしょうか?

親が後ろから注意しながら歩いているという感じがします。不思議な光景だなぁ。

0530name7 あめ色のアリが餌をくわえて、ナメちゃんの前を、運んでおりました。

なんとなく、のどかな光景でした。

◆余談:「カタツムリの生活」という本によりますと

 ときどき、山地で化石ではない新鮮な二枚貝の殻を拾った、ということで話題になることがありますが、おおかたは2枚の殻のうちのかたほうだけしかありません。じつはこれがオオコウラナメクジの甲羅なのです。石灰質で爪のようなかっこうをしており、なんとなく二枚貝のかたほうの殻の感じがします。

 生きているオオコウラナメクジは背中に平らな輪郭が見られます。この部分に甲羅が入っているのです。体をちぢめると全体が三角柱のように見え、ほかのナメクジと異なることがよくわかります。

ということです。

チャコウラナメクジの殻だけが残ったら、どんな感じになるのでしょう?

桜貝の貝殻のような可憐な感じになるでしょうか?

2008年6月 5日 (木)

キイロホソガガンボ

0530kiirohosogaganbo

5月22日に「キイロホソガガンボ」をアップしました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_77d8.html

あの時は、高い位置にいたのですが、今回は低い位置にいて、上から見ることができましたので、追加掲載します。

頭まで見えています。

模様もかなり面白いのですが、脚の長さには参りますね。やたらと長い。

これを見たのは、大田区の白山神社です。

ヨモギエダシャク

0528yomogiedasyaku1 スイートピーにくっついていた「尺取虫」。もちろんシャクガの仲間の幼虫です。

ついていたのはスイートピーなんですが、おそらくこれは、ヨモギエダシャクの幼虫だろうと思います。

写真、下が頭です。3対の脚が見えていますね。

腹部の先端は、枝のまねをするときに体を固定する脚ですね。

0528yomogiedasyaku2 嫌でなければ拡大してください。写真の中に「気門」と書きこんでおきました。

各体節に1対、体の両側にあるのです。ここから気管が枝分かれしながら体内に広がり、体液に酸素を供給し、二酸化炭素を排出します。肺はないのですが、昆虫の体のサイズだと、「拡散」というスタイルで体内の隅々まで換気が十分にできるのです。

0528yomogiedasyaku3 頭の近くを拡大してみました。

ここでも写真に「側単眼」と書きこんでおきました。

幼虫では複眼はなくて、単眼しかありません。くっきりした像を結んで「見て」いるわけではないでしょう。明るさの変化に敏感なのではないでしょうか。枝や葉の端に来たとかいうことが分かる程度かもしれません。

気門の下の腹側に毛があります。各体節とも同じようです。

背中にちょっと盛り上がったところがあって、色が違うのと、毛が生えています。

0528yomogiedasyaku4 頭部のアップ。

なかなかユニークですね。

単眼も見えます。

0528yomogiedasyaku5 3対の脚の辺りを拡大してみました。

トゲ(毛)がいっぱい生えてます。

脚の付け根は「蛇腹式」ですね。

大きな気門も見えています。

カメラの助けがなければここまで観察することはなかったでしょう。マクロ撮影を楽しんでいます。

◆私の好きなホームページをご紹介します。

http://shoko.web.infoseek.co.jp/yomogiedashaku1.html

「晶子のお庭は虫づくし」というホームページのヨモギエダシャクのところにリンクしています。

ここからぜひホームへ上がって、全体を眺めてください。昆虫が好きで、実物をちゃんと見ているという「愛情のこもった眼差し」を一緒に楽しめます。

カタバミの実

0530katabamimi これカタバミの熟した実です。

もう弾けたくってしょうがない、という様子です。

縦に裂け目がはいって、中の種がのぞいていますでしょ。

(ついでに、撮影時は全く気づいていませんでしたが、多分アリさんの足でしょう、ちょっぴり見えてますよ。)

弾ける瞬間の写真は私には写せません。

栗林慧さんのサイトでご覧ください。

http://www5.ocn.ne.jp/~kuriken/

↑ここがトップページ。ここからEnterして、Gallery2の6という写真をご覧ください。

カタバミの実が弾ける瞬間の写真が見られます。

他のギャラリーもぜひご覧ください。プロというのはすごいものです。特に栗林さんの場合、レンズや必要な機材を自作してしまうのですから、桁が違う。

私は30年近くも前からのファンです。

ガクアジサイ

0530gakuajisai1 ガクアジサイの実際の花を見ようと思い立ちました。

粒々がつぼみです。

色が変化してきているので、そろそろ開花ですね。

0530gakuajisai2 一輪だけ咲いたのがありました。

なるほど、小さいけれどちゃんとオシベ・メシベもあるようです。

言われないと気づかない、ぼんやり かかしでした。

と、眼を上げると、奥の方に、いっぱい咲いているのに気づきました。遠くて、接写はできませんでしたがお目にかけます。

0530gakuajisai3

これまでずっと、ガクアジサイも目にしてきたはずなのに、こういう風に花が咲くのだとは、意識の外でした。

これからは、見る世界が変わるんだな、と思います。

アジサイ

0530ajisai1 0530ajisai2 0530ajisai3 アジサイが季節通りに咲いていました。

大田区の白山神社です。

真ん中の写真の株は花びらの縁がストレートじゃないんですね。

おしゃれっ、という感じでしょうか。

東京も梅雨入りしました。

一方、5月に3個、6月に入ってまだ一週もたっていないのに1個、台風が日本の近くまでやってきました。

いつも通りの季節の進行と、ちょっといつもとは違う気象現象が並進しています。今年の夏はどうなるのかなぁ。

ヤゴ、羽化に成功

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_ecd1.html
で、ヤゴのお話をしました。その最後のところに、池の中のヤゴの写真を載せてあります。

多分そのヤゴが羽化したのだと思います。

0528yagouka1 つかまっているのは破魔矢の軸。

クロスジギンヤンマだと思います。といって、実際の成虫を一度も見ていないというのが悲しい。早朝に羽化して旅立ってしまうんでしょうね。いつも抜けがらばかり見ていますが、それでも、こうやって羽化に成功して、美しい抜けがらを残して行ってくれると、なんとも言えず嬉しいのです。

0528yagouka2思いっきり近づいてみました。

複眼を構成する個眼の粒々が見えますね。六角形であることまでは直接には見えませんが、配列の仕方からして六角形だな、ということが分かります。

見事な機能美ですね。うっとりします。

多分、今はもう池にこのタイプのヤゴはもういないと思います。別の種類のヤゴがいる可能性はありますので、夏に向けて観察を続けましょう。

オニグモの仲間

0528kumo 家の外で網を張っている(多分)オニグモの仲間です。

大分、大きくなってきました。(5月28日)

写真写りもよくなりました(ピントが合わせやすくなったということです)。

頭が下ですよ。よく見ていただくと、大きな眼が2つ、見えています。

0601onigumo こんな写真も撮れました。(6月1日)

この模様で、種の同定ができるようでしたら、ぜひ教えてください。

名前不詳のクモの子

0528kogumo1 0528kogumo2 部屋の中をクモの子が2匹、歩いていました。

「こんなところを歩いていると、つぶされちゃうよ」と部屋の外へ連れて行って逃がしたのですが、逃がす前に記念写真を撮りました。

この2枚は同一のクモです。腹部の模様がとても特徴的なので、これなら調べれば種を特定できるかな、と思ったのですが・・・。

だめです、分かりません。ハエトリグモの仲間かなぁ。成体でこういう模様のは見つからなくて。

でもまぁ、きれいでしょ頭胸部の模様もなかなか面白いですよね。

0528kogumo3 0528kogumo4 こちらが2匹目の方のスナップ。

腹部が少しほっそりしていますが、頭胸部の模様が上のとほぼ同じだと思いますので、雌雄の差かな、とも思います。

脚なんかほとんど透明な感じ。

ガラス細工のような美しさだと私は感じます。

しばらく眺めいってから、外へ逃がしてやりました。大人になったら戻ってきてもらえると、種の同定ができるかもなぁ。ぜひ、またのお出でをお待ちしております。

2008年6月 4日 (水)

マツバボタン

0528matubabotan1 これは園芸ショップで買ってきて線路際に植えたマツバボタンです。もともと好きな花ですし、このあたりに保育園児が散歩にやってきますから、いろいろ花でも咲かせておくと、喜んでくれますので。

で、まあ、見れば一目でマツバボタンとわかるのですが・・・。

マクロレンズに凝ってしまった私としては、花の中をちゃんと覗いたことがなかったなぁ、と思い起こして、接写を試みました。

0601matubabotan1 よく見るとメシベも見えてはいるのですが、オシベにまぎれてよく見えませんね。

なんとか、メシベが見えるアングルを探して地面に這いつくばって・・・

撮った写真が次のものです。

0601matubabotan2 0601matubabotan3 0601matubabotan4

どれもちゃんと同じ姿のメシベを見ることができました。

ちょっと粘り気でもあるのでしょうか、花粉をくっつけるために。そんな感じがします。

きれいですね。

◆マツバボタン(Portulaca grandiflora)は、スベリヒユ科 スベリヒユ属だそうです。

そうなると、ベンケイソウなどと同じCAM植物でしょうか。

CAM植物というのは乾燥地帯で生育する植物で、昼間に気孔を開くと、水分を失いますので、夜間に気孔を開いて二酸化炭素を吸収して有機酸の形で蓄積しておきます。そうして、昼間は気孔を閉じたままで、有機酸から二酸化炭素を取り出して光合成をするという植物です。

Crassulacean Acid Metabolism(ベンケイソウ型代謝)の略です。

そういえば、マツバボタンの葉も肉厚ですね。CAM植物の共通の特徴です。

ショウジョウバエ

高校で生物をとった方なら、必ず名前だけは聞いたことのある昆虫。ショウジョウバエ。

遺伝の話には欠かせない昆虫です。体長3~4mmで、たったの2週間くらいで世代交代が進んでいきます。ですから、遺伝の研究には欠かせない昆虫です。

さて、名前だけは有名なのですが、身近にもいますよ、といわれるとエッそうなの?と戸惑う方も多いかもしれません。

カマキリの幼虫のところでお話ししましたように、小さなカマキリの餌として、アブラムシの次あたりにショウジョウバエを与えると食べやすいようです。

そこで、ショウジョウバエの飼育ですが・・・。何ということはありません。バナナでもメロンでも、適当な果物の皮や屑を瓶にでも入れて屋外に置いておけば、必ずやってきて繁殖します。

台所の三角コーナーあたりで、小さなハエを見かけたら、実はそれがショウジョウバエなのです。それを、育てておいて、インスタントコーヒーの瓶を逆さに乗せてハエを瓶の中に移し、そこへカマキリちゃんを入れてやればよいということなのです。

では、ショウジョウバエをお目にかけますが、苦手な人は拡大しない方がいいかもしれません。

0602shoujoubae フラッシュを浴びせたら一挙にほとんど全部飛び上ってしまいましたので、これ一枚にします。

いっぱいおりましょ。苦手な人は見たくもないでしょうね。でも、これがかの有名なショウジョウバエなのです。

見てすぐわかることですが、眼が赤い。だからこそ「猩猩」蝿なのです。

しょうじょう‐ばえ【猩猩蠅】ショウジョウバエ科のハエの総称。小形で、複眼は赤く、体は黄褐ないし黒褐色で種類が多い。体長2~2.5ミリメートル。家の中、台所、倉庫などで味噌・酒やいたんだ果実などにあつまる。ほとんど全世界に見られ、遺伝学の実験材料に用いる。[広辞苑第五版]

しょう‐じょう【猩猩】①(ア)中国で、想像上の怪獣。体は狗イヌや猿の如く、声は小児の如く、毛は長く朱紅色で、面貌人に類し、よく人語を解し、酒を好む。(イ)オラン‐ウータンのこと。
 ②よく酒を飲む人。大酒家。日葡辞書「アレハシャウジャウヂャ」
 ③酒・酢などの上に集まる虫。[広辞苑第五版]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%83%90%E3%82%A8

ショウジョウバエの和名は、代表的な種が赤い目を持つことや酒に好んで集まることから、顔の赤い酒飲みの妖怪「猩々」にちなんで名付けられた。

というわけです。

カマキリの子の餌としてショウジョウバエを準備中です。そのショウジョウバエを増やす容器にメロンの皮を入れておいたら、ショウジョウバエも増えましたが、ヒメジャノメもやってきて、うっとりと液を吸っていったのでした。

これで、3つがつながったのでした。メデタイ。

カマキリの幼虫

0528kamakiri1 ドクダミの葉の上でカマキリの幼虫を見かけました。

理科おじさんの部屋をご存じの方は知っておられると思いますが、我が家はカマキリ大好き一家。U君が遊びに来てくれていた3年間、毎年カマキリの飼育をしていました。

今年は、もうカマキリの飼育もできないのかな、と思っておりましたら、見つけてしまいました。我が家の周辺のどこかで、少しカマキリの系統が維持されているのでしょう。

ハラビロカマキリとコカマキリの可能性はまずないので、オオカマキリか単にカマキリという種類かです。

0528kamakiri2

「栴檀は双葉より芳ばし」といいますが、カマキリの子はさすが、子どものときから、あたりを圧するような威厳をもっていますね。(カマキリべったりのファンなものですから・・・)。

0528kamakiri3_2 こんな子どものカマキリでも、「偽瞳孔」はくっきりしているのですね。

偽瞳孔というのは、複眼の中で観察者方向に「黒い瞳」が見える出来事です。虫がこちらを見つめているような気がするのです。

このあと2枚の写真でも、偽瞳孔がはっきり見えます。カマキリの偽瞳孔は有名なのですが、子カマキリで観察したのは初めてです。

複眼を作っている単眼は、いろいろな方向を向いているわけですが、観察者方向の単眼では、入っていった光が返ってこないために、その単眼が黒く見えるわけです。入射光が返ってこないとき「黒く見える」という原則通りです。(メダカの子のところでも書きました)。

0528kamakiri4 0528kamakiri5 妻にも見せたくて、プラスチックケースに入れておいたところ、やはり案の定、しばらく飼おう、ということになりました。

この写真は室内に連れてきてからの写真です。威風堂々といいますか、ものおじもせず、といいますか。

こういう雰囲気が好きなんだよなぁ。

娘は小1の夏、秋田でカマキリに出会い、秋まで飼いました。その後、2~6年生の間は、継代飼育を続けたという、「昆虫少女」をやっておりました。家族旅行にも車のトランクにカマキリたちを積んで出かけ、旅先どこでも虫捕りをしてカマキリの飼育を続けながら旅行したものです。いやあ、楽しかったなぁ。

ところで、このくらいの大きさのカマキリの餌は、アブラムシが最適です。飼育箱にアブラムシのついた葉や茎を入れてやれば、歩き回って自分で捕まえて食べます。

次のレベルでは、ショウジョウバエなどがいいでしょう。

そこで、カマキリ、ショウジョウバエ、ジャノメチョウという三題話が完成するのですが、それは次の記事で。

2008年6月 3日 (火)

ギンメッキゴミグモ

0528ginmekkigomigumo1 0528ginmekkigomigumo2 5月28日。勝手口を出たところで、足もとを「銀色の虫」が走っていくのを見つけました。

なんだぁ?とよく見たら、銀色に輝くクモでした。

あせって写真を撮ったのですが、かなりのスピードで走り去って行ったので、見られる写真はこの2枚くらいです。

「日本のクモ」の写真をパラパラとパターン認識だけで2回くらい全部眺めてみたところ、「ギンメッキゴミグモ」が引っ掛かりました。

人家、神社、寺院の周辺、庭園・公園、樹林地の周囲などに垂直の正常円網を張り、中心に頭を上にして止まる。網には枠糸、横糸、縦糸などの一部などに細かいかくれ帯を付けたものや、中央部にゴミを並べたものなど様々なタイプが見られる。腹部の色も銀色から黒色まで多様。

と解説されていました。網から落ちるか何かして、あせって走って行ったのでしょう。

 本の写真で見る限りでは「クマダギンナガゴミグモ」というのがいて、とてもよく似ているのですが、分布域に私の住む東京南部が含まれていないみたいなので、ギンメッキゴミグモということにしたいと思います。

0601ginmekkigomigumo1 6月1日。

上の写真を撮った位置のほぼ真上に、ギンメッキゴミグモが網を張っていました。

風の強い日で、激しく網が揺れて、いい写真は撮れませんでしたが、こんなところでいかがでしょう?

小型の円網です。できたてなのでしょうか、あまりゴミはついていません。

上向きに止まっています。ナルホド。コガネグモやジョロウグモなど、下向きに止まっていますからね、これは一つの特徴なのでしょう。(ジョロウグモはジョロウグモ科、コガネグモはコガネグモ科です)。

ゴミグモはコガネグモ科です。

網の中央のクモの部分を拡大してみました。

0601ginmekkigomigumo2

脚を縮めています。脚の間から大きな単眼が少し見えているようなのですが、あまりはっきりしません。

翌日見に行ったら、また網を撤収してどこかへ移動していました。風のない日に再会したいなぁ。じっくり撮りたいので。

ビヨウヤナギ

ビヨウヤナギです。

0528biyouyanagi1 この花の美しい姿自体は見慣れたものです。

で、花のあとの実が稔っていくところも結構見ます。

でも、花の咲いているときに、メシベをちゃんと見たことがありません。

上の写真ではなんとかメシベが写るように撮ってありますが小さいですね。

0528biyouyanagi2

この手の写真は、マニュアルフォーカスが使えると撮りやすくなります。

手前のオシベにいったんピントを合わせてから、ピントを少し奥へずらしていくと、手前はボケて、合間から奥が見えてくるのです。めしべの花柱と子房が分かります。

では柱頭はどうなっているでしょう?

0528biyouyanagi3 五つに分かれていました。

この姿を見たのは初めてでした。

ところで、クモというのは、風流を解するというか、花の美しさを愛でるというか、花の写真を撮りに行くと、よく私なんかより先に花のそばに来ています。

0528biyouyanagi4 写真右上。

ササグモがつぼみの上に乗って花の方を向いています。

もちろん、花のそばにいれば餌の昆虫を捕まえる機会が増える、ということなのですが、なんだか、いつも花の脇で見かけると、クモが花を愛でているように見えてきます。

メスジロハエトリのオス

0527mesujirohaetoriosu1 黒地に白い模様が美しいクモです。

見ただけでクモの名前が分かるほどの知識はありませんので、ひたすらいろんな角度から撮っておきました。

0527mesujirohaetoriosu2 左側の脚2本を失っているようです。

白い大顎が印象的。

「日本のクモ」という本で調べたら、どうやらメスジロハエトリのオスのようです。

メスジロハエトリについては去年書きましたので、ご覧ください。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_b02b.html

「オスは全体黒色で腹部両側に黄色の縦条がある」と書かれていました。写真では明るいところがとんでしまっているます。他の写真を探したらこんなのがありました

0527mesujirohaetoriosu3

クモの姿としては失格の写真ですが、腹部の模様が黄色であることはよくわかると思います。

0527mesujirohaetoriosu4 葉の裏側へ回り込んだところを最後に一枚。

やはりピンボケなんですけれど、単眼のぐあいとかはわかると思います。

脚が少なくて生きていくことは大変だろうと思いますが、どうか精一杯生き抜いてくれますように。

ホタルブクロ

0527hotarubukuro1 0527hotarubukuro2 単なるホタルブクロの写真に見えますでしょ。しかも、右の写真なんかブレてますから恥ずかしいものです。

よく比べてみてください。

左の写真では花の中に「黒い影」が見えるのに、右の写真では影がなくなっています。

ハナバチが、蜜を吸いに来ていたのです。なんとかして、ハチの姿を写真に収めようと頑張ったのですけれど、花から出たとたん、一瞬にして飛び去り、しばらく離れていてから、また花の中へ飛び込み、ということを繰り返していて、結局、ハチの姿は撮れなかったのです。

代わりに、花の中で仕事をしているハチの黒い影だけを収めることができたのでした。

ヒメジャノメ

0527himejanomefemale ヒメジャノメのメスではないかと思います。

参考にしたのは下のサイトです。

http://www.insects.jp/kon-tyohimejya.htm
チョウ目 タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科
Mycalesis gotama大きさ (前翅長)18-31mm
時 期 5-10月
分 布 北海道・本州・四国・九州

草原や林の周辺で見られる薄茶色の地味なチョウ。はねの裏面に白い帯と目玉模様を持つ。ふわふわと比較的ゆるやかに飛び、草の葉などによくとまる。人家の近くにもいる。花にはほとんど来ず、腐果や獣糞などに集まる。

ここに交尾中の写真があって、雌雄が識別できます。それを参考にしました。

◆ところで、上の引用文中に、花にはあまり来なくて、腐果などにくる、とあります。実はこのことを知りませんでした。

6月1日。ガラス瓶の中にメロンの皮の切れ端を入れて屋外に放置しておいたところ、瓶の中にヒメジャノメが入り込んで夢中になって液を吸っていました。

0601himejanome1 夢中になりすぎて無防備になり、妻がそっとティッシュをかぶせて、ジャノメチョウがこんなところにいる、と家の中へ持ち込んできても、知らんぷりで吸い続けていました。

その後、また外へ出して、30分もしたでしょうか、外へ見に行ってみると、まだ吸い続けていました。

よほど、半分醗酵しかけたような果汁がおいしいのですね。無我夢中というのはこのことです。

しばらくして、翅を開いた姿を見かけたので、パチリ。

0601himejanome2

ジャノメの背中を見るのは、結構珍しいことです。

おいしかったのでしょう。くつろいでいたのでしょう。

オビヒトリ(ではないかなぁ)

0527ga 5月27日。ボウガシの葉の間に、白い蛾を見つけたので写真を撮ったのですが、これ一枚しか撮れませんでした。

平べったい印象でした。

0530ga1 5月30日。

ほぼ同じ場所で、また同じ蛾を見かけました。

今回はじっくり撮らせてもらえました。

0530ga2 腹部に色があるかどうか知りたいと思って、ぎりぎり低く横から撮ったのですが、色の有無は分かりません。

なかなか趣のある顔つきなので、どこまで近寄らせてくれるだろう、と思い切り近づいたら

0530ga3 こんな顔を見せてくれました。

複眼の粒粒が見えます。

さて、何という蛾なのか、調べたところ、オビヒトリが一番近いように思えました。

◆余談:「ヒトリ」は「一人、独り」ではありません。「火盗り、火取り、灯盗り」です。

桜の毛虫で有名な「アメリカシロヒトリ」も「アメリカから入ってきた白い火盗り蛾」という意味です。

シロオビアワフキ(その後)

5月30日午前。また泡を見かけたので、吹き飛ばしてみました。

0530awahukimusi 前回と同じく、腹部の赤い幼虫が出てきたので、一枚だけ、写真を撮りました。あとでよく見たら、腹部の先端をかなり伸ばしているようです。

シュノーケルを出した状態なのでしょう。少しピンボケなのが残念ですが、ご勘弁を。

この日の午後、妻に「アワフキムシがいるよ」と教えて、妻の目の前で泡を吹き飛ばして見せたら、ナント!!

0530awahukimusi2 腹部の色が違う!

同じ木のほぼ同じ場所ですからね、午前中に見たのと。

違う種ではないと思います。同種の齢を重ねた幼虫なのではないでしょうか。

若齢幼虫の腹は赤く、終齢幼虫(ちかく)の腹部は薄茶色ということではないでしょうか。

0530awahukimusi3 さらに、今回は、一つに泡のなかに複数の幼虫がいました。

3匹いるようです。

共同で泡をふくんですね。知らなかったなぁ。

0530awahukimusi4 なんかこう、結構凄みのある顔つきですね。

いやあ、泡吹き飛ばしてしまってゴメンと謝って、引き下がったのでした。

アワフキムシ(シロオビアワフキか?)

0527awahuki1 5月27日。ビヨウヤナギで珍しくアワフキムシの泡を見ました。

世田谷に住んでいたころよく見かけた覚えがあるのですが、大田区に来てからは見たという記憶がありません。ところが最近、娘が目黒の自然教育園へ行ってアワフキムシの写真を撮ってきたばかりだったのです。

偶然というのか、私のイメージ処理能力の中に、昔見たアワフキムシのイメージが復活したために「見れども見えず」状態から脱却したのか、よくわかりませんが、とにかく、イマシタヨ。

低い位置にあったので、枝を手で押さえて、息を吹きつけて泡を吹き飛ばしてみました。(ゴメン)

0527awahuki2 こんな幼虫が出てきました。

赤い腹部が透きとおっていて、内臓が透けています。

顔はまるで「セミ」です。そりゃそうだ。

目 : カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目 : 頚吻亜目 Auchenorrhyncha
下目 : セミ型下目 Cicadomorpha
上科 : アワフキムシ上科

とかいうので、セミとは仲間ですものね。

ところで、何というアワフキムシか、ということについては確証がありませんが、検索して調べたイメージでは「シロオビアワフキ」だろうと思います。

http://members.jcom.home.ne.jp/fukumitu_mura/hanshimoku_.html
シロオビアワフキ幼虫写真

http://www.ne.jp/asahi/rhyncha/index/sam/aphrsam.html
アワフキムシ一覧

↑これらのサイトを調べた結果です。

0527awahuki3 体表面が濡れているせいでしょうか、光ってしまって、うまくピントが合いません。申し訳ない。虫はかなり焦っています。(オジサンギャグ:アワフキムシが泡を吹き飛ばされて、泡を食っています。)

逃げられそうになったので、待ってくれ~、としばらく手の上を歩いてもらって撮影。

0527awahuki4

この指は左手の人差し指です。幼虫の大きさがわかるでしょう。

0527awahuki5

腹部が透きとおっているのがよくわかるでしょう。

面白い動作をします。腹部の先端をひょっと伸ばすんです。これが虫の大きさからするとかなり長く伸びます。多分、泡のなかでのシュノーケルみたいなものだろうな、と想像しました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%95%E3%82%AD%E3%83%A0%E3%82%B7

↑ウィキペディアです。

  アワフキムシの幼虫は多年生の植物にしがみついて口針を維管束に刺し、そこの道管を流れる液にわずかに溶け込んだアミノ酸やミネラル分を栄養としてほとんど移動せずに暮らす。その際、道管には大量の水分にわずかにしか栄養分が溶け込んでいないため、消化管の一部が変化した濾過室で栄養分を濃縮しつつ吸収し、大量の水分を排泄する。道管には篩管のように多量の糖分は流れていないため、排泄物に余剰の糖分は排泄されず、アブラムシやカイガラムシのような甘露とはならない。この道管液を餌とし、多量の水分を排泄する性質は、セミの幼虫やオオヨコバイ亜科のヨコバイ(成虫・幼虫)と共通する
  このほとんど水だけのような排泄物の中には、虫の代謝で生じた窒素排泄物がマルピーギ管から排泄されてわずかに溶け込んでいるが、アワフキムシの場合には、これはアンモニアであることが知られている。幼虫が植物に寄生して摂食を行うとき、多量の排泄液はセミの幼虫のように周囲の土壌に吸い込まれたり、オオヨコバイ類のように遠くまで水鉄砲のように跳ね飛ばして処理されたりせず、虫体と宿主植物の間に保持されて溜まっていく。
  このとき溜まった排泄液の中には、さらに虫体の分泌腺から分泌された蝋(ワックスエステル)と繊維状のタンパク質が溶け込む。蝋は排泄液中のアンモニアと反応してケン化反応を起こし、アンモニウム石鹸を生じるアワフキムシの幼虫の腹面は樋状に陥没していて気門はこの内面に開口し、その先は尾端でシュノーケル状になって液体中に虫体が沈んでいても呼吸することができる。さらに腹部を伸縮させることによって、空気をスポイトのように吸い込んだり吐き出したりすることができるようになっている。排泄液が界面活性剤であるアンモニウム石鹸によってあわ立ちやすくなると、幼虫は尾端を液面の外に突き出して空気を吸い込んでから液中に尾端を引き込んで空気の粒を吐き出すという運動を繰り返し、排泄液を泡立てていく。最終的に排泄液は白く泡立った粘度の高い泡の塊となる。泡は分泌された繊維状のタンパク質によっても強化されており、高い安定性と強度を保つ。アワフキムシの中でアワフキムシ類やコガシラアワフキ類の幼虫は、この泡の塊を巣としてこの中で生活するが、トゲアワフキ類の幼虫の場合には泡巣の表面が硬化して貝殻状の巣となり、この内部をさらに泡と液体が満たす。巣が完成するともはや巣を補修するとき以外は排泄液にワックスエステルや繊維状タンパク質を分泌することはなく、中に幼虫が生活している泡巣の下端からは、常に粘性のない水様の排泄液が滴っている。
  界面活性剤の水溶液でできた泡巣は気門と気管で呼吸する昆虫にとっては通常致死的であるため捕食性の昆虫に対して高い防御性を発揮し、アリなどが巣の中の幼虫を捕食するのは溺死してしまうため不可能に近い。しかし、アワフキムシの幼虫の捕食者として特殊化したいくつかのアトキリゴミムシ亜科のゴミムシは、成虫も幼虫も溺れることなく泡巣の中に進入して捕食することができるし、それ以外のゴミムシの中に長く伸張した首を持ち、これだけを泡巣の中に突っ込んで幼虫を捕食する種類も知られている。

◆なるほどねぇ。普通、腹部の脇にあって外を向いている気門が、シュノーケルの中へ向って開いているのですか。さすが、それなら窒息しませんね。そのシュノーケルを使って泡を立てているんですねぇ。

知らなかったことを知る、って楽しいですね。こういうのを「無上の喜び」というのでしょう。何の得にもならない知識ですが、そうだからこそ、余計に楽しいのです。役に立つ知識なんて、さほどおもしろくもありません。

◆普通の「油脂」は脂肪酸とグリセリンのエステルですが、ロウは鎖の長いアルコールと鎖の長い脂肪酸のエステルです。これが、アルカリ性で加水分解されると、アルコールと、脂肪酸ができますが、その脂肪酸がアンモニアと反応すれば「アンモニウムせっけん」になるわけです。R-COO-NH+ でしょう。

2008年6月 2日 (月)

イチゴの芽

0526itigo スーパーの食品トレイで発芽させたイチゴを、砂に移植しました。5月25日だったかな。

カビないように、砂を焼いて消毒して・・・とか、大昔に読んだイチゴを実生で、という記事には書いてあったように思うのですが、園芸用として買ってきた砂ですからあまり気にすることもないでしょう。

0528itigo 5月28日にはこんな状態でした。

本葉が出たよ、と妻が言っていたので、久しぶりに晴れた6月1日、日曜日。

写真を撮りに出てみると

0601itigo 本葉ですっ!

かわいいでしょ。

いや~、双子葉植物だぁ。

アシナガバチ

0526asinagabati アシナガバチです。

私たちだけなら、よほど出入り口の近くにでも巣をつくられない限り放っておきますが、この写真の場所近くで巣をつくられると、ちょっとマズイんです。

ここは、線路際の袋小路。車の行き来がほとんどないので、近くの保育園の子どもたちが時々散歩にやってきて遊ぶ場所です。

アリさんがた!ダンゴムシさんがいた!と喜ぶ子、怖がる子といろいろです。

さすがにこの近くにアシナガバチが巣を作ったら、「駆除」するしかないでしょうね。

写真では、どうも巣材を探しに来ているような雰囲気でした。

なるべく遠くに巣をつくってねぇ~っ。

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