芽生え
ちょっと前に、イチゴのタネまきをしました。
スーパーの食品トレイにキッチンペーパーを敷き、イチゴの「実」を80個ならべて、毎日乾燥しないように、びちょびちょにもならないように、霧吹きで湿り気を与えながら、ずっと眺めてきました。
5月19・20日になって、やっと双葉が立ち上がってきたのです。
こちらは21日の撮影。
もう一斉に、根や芽を出し始めています。
かわいいですよ~。
もう少し成長したら、本当はいったん清潔な砂地に植えてから、さらに生長させて土に植えかえるのがいいでしょう。
ちょっと省略して、直接土へ植えかえても、まあ大丈夫でしょう。
●ところで、「実」を並べた、と書きましたが、イチゴとして食べるあの「赤い実」ではありません。赤い実の外側に黒い粒々がついていますが、あれが「本当のイチゴの実」なのです。
イチゴの場合、「偽果」といいまして、私たちが実として食べているのは、本当は「花托」なのです。緑色の「へた」とか言っているのは「萼」です。
表面の黒い粒々が「真の果実と」いいます。
リンゴもそうなんです。「かまど」とかいって食べない部分が子房の成長した部分で、通常食べるのは花托です。
というわけで、トレイに並べたのはあの黒い粒々です。それが発芽したのです。
●さて、通常、イチゴはランナー(走出枝)で増やします。栄養生殖といって、無性生殖の一種で、親の遺伝子がそのまま次世代に引き継がれます。クローンです。
ですから、甘いイチゴのランナーから育てた苗には甘い実がみのります。
ところが、実(み)は、有性生殖でできるのですから、遺伝子が混合されます。ということは、遺伝的な性質の一つである「味」も多様化します。
甘いイチゴの実をまいても甘いイチゴがみのるとは限りません。
イチゴのタネまきはとても楽しいので、お勧めですが、味は保証できません。育てて開花し、結実したら、食べてみてください。酸っぱいかもしれませんよ~。
もし気にいった味の実がなったら、その株をランナーで増やしてください。そうすると「我が家味」のイチゴが作れます。お試しあれ。
●イチゴの本来の季節は今頃でしょ。クリスマスケーキに乗せるなんてことがはやり始めたのは私たちの世代が相当大きくなってからです。
もうやめませんか?不自然だし、無駄なエネルギー消費が多すぎる。
苗に冬を経験させるために、大型冷蔵庫に入れたり、高い山に運びあげたり。その上、今度は暖房を入れて開花・結実させる。
省エネ、二酸化炭素削減にまるっきり反してませんか?
本来の旬に戻しましょうよ。
ハウスものはみんな膨大な暖房費をかけていますよね。それって、自然派の人の好む「有機」に反してません?
露地で、旬のものを旬のときに食べて、ああおいしかった、また来年も楽しもう、でいいじゃありませんか。
と、私は思っています。
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