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2008年5月

2008年5月31日 (土)

子メダカと一緒に

0525kaimijinko 子メダカを連れてきたときに、その水の中に一緒に入ってきた「カイミジンコ」です。はっきりした画像でなくてゴメンナサイ。

2枚の貝殻が合わさったような形をしています。

0525himemonoaragai1 0525himemonoaragai2 (ヒメ)モノアラガイです。

口を開けたり閉じたりしています。

こうやって、藻を食べるのです。

あまり大きくならないのでヒメモノアラガイではないかと思っています。

かなり大きくなるタイプもあるので、あれがモノアラガイなのかな、と思っています。

0528himemonoaragai これは、上の写真とは別の日に撮ったのですが、ヒメモノアラガイは、よくこういう「けったい」なことをやります。

水面に中からくっついて、「水面を歩く」のです。空気中から水面に浮いて水面を歩く、というのはアメンボなどいろいろあるのですが、反対なのですね。

水中から水面にくっついて水面を歩く。

水面にも裏表があるというべきでしょうか?

で、腹足を波打たせるとかいうのでもないのに、なぜか行きたい方向へちゃんと進んでいるようなのです。どうやって進んでいるのでしょう?前へ進むからには、後ろ向きに力を加えなければならないはずなのですが・・・。ワカラナイ。

ヒメモノアラガイの、不思議な特技なのです。

メダカが孵化しました

0525medaka1 ヤゴが食べてもかまわない、というつもりで、池で飼っているメダカですが、生まれたての子どもはやはりかわいい。

しばらく、室内で飼育しようと思います。

体に少し色素がありますが、それ以外で目立つのはやはり「眼」ですね。

眼は「光を吸収」して、吸収した光のエネルギーを利用して外界の情報を得る器官ですから、「入って行った光が出てこない」=「黒い」のですね。透明人間のはなしもしましたっけ。

カクレエビのような透明なエビでも、眼だけは隠しようもなく黒く見えるのです。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~palaemon/palaemon.htm

↑このサイトの「カクレエビの仲間」というようなところをクリックしてみてください。

「入って行った光が出てこない」=「黒い」。この原則をいつも頭の隅に入れておくと、何かと「ああそうか」というように理解できるようになりますよ。

0525medaka3 ここでは、内臓が銀色ですね。

眼球も光がはいっていく「瞳」は黒く、眼球の外側は銀色に光を反射しています。

 瞳から入った光から情報を得るためには、当然、眼球内部に余分な光が外界から入ってはいけないので、眼球それ自体は光を通しません。ですから、基本的に眼球を照らす光は全て反射されますので「白い」のです。

これは人間の目でも全く同じですね。

0525medaka2

この写真を拡大してみてください。赤く見えるのが心臓です。

心臓は体の左にあります。当たり前のようでいて、どうやって発生の過程で体の左右を決めるのかという問題は重大なことなのです。

内臓逆位ということがヒトでも起こりますが、それは左右を決めそこなってしまったということなのです。

ほとんどすべての人は(メダカも)、発生途中のどこかで体の左右をちゃんと決め、心臓は左側に作るのです。

このことに関しては、少しだらだらしそうなので、私のHPの方に「体の左右」という文章を書いておきましたので、興味のある方は是非お読みください。↓

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/biology/essay/L-R.html

また、メダカの卵を低倍率の顕微鏡で観察したときに、卵のなかで拍動する心臓の動画を撮ったことがあります。これも、HPの方で見られますので、ぜひご覧ください。↓

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/Movies.htm

では、終わりに、もう一回。全体像をじっくり見てあげてください。

0525medaka4

2008年5月30日 (金)

還暦を迎えました

◆asahi.comからのコピーです。

サケ、命がけ産卵? 6~7秒心臓停止、北大院生ら確認
2008年05月18日09時36分

 サケは産卵の瞬間、心臓を止めている――。北海道標津(しべつ)町の標津サーモン科学館で実施された北海道大学大学院生らによる実験で、14匹のシロザケから、こんなデータが得られた。今年9月に米国で開かれるシンポジウムで発表される見通しだ。

産卵行動中のシロザケのペア。口を開けた直後に心停止が始まる=北海道標津町の標津サーモン科学館、牧口祐也さん提供

シロザケの産卵の瞬間の心電図(上がオス、下がメス)。波形がないところが心停止状態を示している

 サケの心停止現象については83年に論文が発表されているが、この時は1ペアだけのデータだった。今回はこの論文を裏付け、心停止がシロザケ全体の生理現象であることを証明したとみられている。

 同大大学院の環境科学院博士課程の牧口祐也さんと、同科学館学芸員の市村政樹さんらの共同研究。産卵期の昨年11月、科学館に隣接する標津川とつながる魚道水槽で実験した。根室海峡から遡上(そじょう)してきた20匹に麻酔をかけ、心臓付近に電極、背中に心拍を記録する小型記録計を装着。水槽に戻し、動画カメラで撮影して産卵の様子を見守った。

 オス5匹、メス9匹のデータがとれ、心電図と動画を分析。シロザケの心拍は通常毎分80~90回とされるが、メスが産卵し、オスが精子をかける時に、いずれも6~7秒間、心停止していた。牧口さんは「10拍分は止まっている。心停止は産卵時だけだった」と話している。

 83年の論文をまとめた広島大学大学院生物圏科学研究科の植松一眞教授(魚類生理学)は「サケはタイやヒラメなどとは違い、泳ぐための筋肉を使い産卵する。その瞬間は全身の毛細血管が押しつぶされるくらいの状態だ。血圧を下げるために心停止するのではないか」と話している。(神村正史)

◆すごいことです。産卵は命がけ。そうですね、生物は基本的に次の世代へ命をつなぐために生きているのですから。それにしても、産卵のために心臓も止める、というのには驚きました。

◆この話を読んで、以前に読んだ柳澤桂子さんの「われわれはなぜ死ぬのか」1997年、草思社刊 の中の記述を思い出しました。

河の流れをのぼりきったところで、サケは産卵する。雌のために産卵の場所をあらそって確保するのは、雄の役目である。産まれた卵に精子をかけ終わると、サケは死ぬ。産卵を終わった雌も死ぬ。
産卵後のサケは、組織学的な変化と生理学的な変化の総合的な結果として死に至るものと思われる。まず、産卵期のサケは、食べ物を摂取することができなくなる腸の上皮細胞は、ほぼ完全に消失し、脂肪の蓄えは使いはたされる
サケが成熟すると性腺のステロイド・ホルモンの分泌が増加する。その結果、血中の副腎皮質ホルモンの濃度が5倍以上に増加する。
この副腎皮質ホルモンの濃度が高くなることによって、サケのからだは劇的に変化すると考えられている。まず、腎間細胞の核が大きくなり、からだ中の組織に変化があらわれる。心臓冠動脈、腎臓やその他の動脈の内皮細胞が異常増殖する。これは、ヒトの心臓冠動脈疾患の病理像と非常によく似ている。肝臓、心臓、脾臓、胸腺の細胞は核がこわれて細胞死をおこす。心筋細胞は変性して破壊される。しかし、筋肉細胞は正常な像を保っている。皮膚にはカビが増殖し、免疫反応は極端に退行する
性ホルモンの働きによって、一時的に副腎皮質ホルモンの濃度を高くすることによって、からだ中のすべてのエネルギ-を生殖に向けて集中的に発揮し、それがすんだときには、からだは使いはたされて死に至る。ここには老化はなく、青春から瞬時にして死へと突き落とされるのである。

体中のエネルギーを「燃やし切って」しまうのですね。生殖の後には生は要らない、という生き方のすさまじさに打たれます。

◆ヒトは、生殖・育児の後にも長い生の時間を持つ生物です。でも、やはり子育て後の長い生は、「その次の世代(孫世代)を育てる=社会を維持し育ててていく」ために使うべきなのでしょう。

「おばあちゃん」という生の時間を持つのがヒトの特徴です。「おじいちゃん」はどうしまようかね?(なんか、こう、無駄な気もしてきますが・・・。「かわいいおばあちゃん」というのは実際たくさんいらっしゃいますが、「かわいいおじいちゃん」というのは、何だか言語矛盾的な気もする。)

社会的な「子育て」を引き受けることが大事なのではないでしょうか。社会的な役割としての「じじ、ばば」を引き受けましょうよ、実際に孫がいるかどうかは別にして。

他人に「おじいちゃん・おばあちゃん」と呼ばれたといって目くじらを立てることもありますまい。おじいちゃん・おばあちゃんとして、社会的な子(孫)育てをしましょう。席を譲られたら受ければいい。それが子や孫たちの優しい気持ちを引き出し育てることになるじゃないですか。そういう「社会育て」をしていくことが、還暦を迎えた私自身の仕事でもあるのだろうと考えています。

サケほどの劇的な生き方・死に方はヒトにはないにしても、命というものはやはり、次の世代を育てるために使うべきものなのかな、と思っています。

2008年5月29日 (木)

ヤマノイモ

0524imo これ、ヤマノイモの若葉だと思うんですけれど・・・。

自信がない。

すごく、彫の深い印象的な葉っぱです。ということで、ご紹介。

0528imo ちょっと気取ってこんな撮り方をしてみました。

やま‐の‐いも【山芋・薯蕷】ヤマノイモ科の蔓性多年草。日本各地の山野に自生。塊根は長い円柱形。茎は細長く左巻き。雌雄異株。葉は対生し長心臓形。夏、白色の小花を穂状につけ、3稜翼をもつ果実を結ぶ。「むかご」という珠芽を葉のつけ根に生じ、これでもふえる。塊根と「むかご」を食用。ジネンジョウ。ヤマイモ。<季語:秋> 。[広辞苑第五版]

じねん‐じょ【自然薯】「自然生(ジネンジヨウ)」の転。<季語:秋>
じねん‐じょう【自然生】栽培されているナガイモに対して、自生しているヤマノイモの称。自然薯[広辞苑第五版]

むか‐ご【零余子】広義には珠芽(シユガ)と同義。また、特にヤマノイモの葉のつけ根に生ずる珠芽を指す。肉芽(ニクガ)。ぬかご。<季語:秋>

珠芽というのは、「腋芽が養分を貯え肥大したもの。落ちて成長すれば新個体になる。」(「写真で見る植物用語」から。)

むかごというのは、イチゴのランナーによる繁殖とおなじような「栄養生殖」の一つですね。

ゆでて、食べられますよ。「零余子」だけで示されたら、読めないですね。難読語のひとつでしょう。

◆偉そうに、「蘊蓄を傾け」ていたら、アリさんに笑われました。

0528imoari

私が何か見ていると、よく虫さんたちに割り込まれます。

「虫の好く」じいさんなのでしょうか?

テントウムシ

白山神社に庚申堂があることは以前お話しました。

その庚申堂の屋根の上

0523tentouseityu 0523tentouyoutyu 実際至近距離ですれ違ったのですが、そのシーンは撮り損ねました。

成虫と幼虫がすれ違うなんて、結構珍しいシーンでした。

この成虫については、ナミテントウであるということは確かです。幼虫はよくわかりませんが、多分同じ種でしょう。

その上、庚申堂の脇の笹を見たら、ナント

0523tentousanagi

蛹まで見てしまいました。

こういうことは、非常に珍しいことでした。

アブラムシに悩んでいらっしゃる方は、テントウムシを食事に招いてあげてください。

せっせと食べてくれますよ。

ナス科の2種(その2)

0523jagaimo1 これって、ジャガイモの花ですよね。

0523jagaimo2 花をちゃんと見ると・・・

まるで、ワルナスビと同じように見えます。

ジャガ‐いも【―芋】(「ジャガタラいも」の略。慶長年間、ジャカルタより渡来したからいう) ナス科の一年生作物。南米のアンデス高地の原産。世界の各地に広く栽培。初夏に白・淡紫色の小花をつける。塊茎で繁殖する。塊茎は澱粉に富み、食用。また、澱粉・アルコールの原料、飼料用。男爵など多数の栽培品種がある。馬鈴
薯。二度芋。ゴショイモ。<季語:秋>。花は<季語:夏>。[広辞苑第五版]

ジャガイモとトマトがナス科だというのは、分かりやすいですが、ジャガイモがナス科だということは忘れがちなので、確認しました。

0523jagaimo3

花はピンボケですが、見ていただきたいのは茎のほうでして。

トゲないですよね。

似たような花が同じ時に、すぐ近くで咲いていると、戸惑います。

これはワルナスビではありません。

私の癖で、虫さんがいると、ついお見せしたくなってしまう。

0523jagaimo4_2  後から気づいたものです。

律儀にお仕事中なのでしょう。

やっぱり私は基本は虫好き、ということのようです。

ナス科の2種(その1)

ワルナスビです。

0523warunasubi1 すごい名前をもらいました。

明治初年に牧草種子とともに渡来した帰化植物だそうです。茎や葉柄、葉の脈上に鋭いとげがあって、はびこると厄介な草ということで「わる」なのだそうですが・・・。

上の写真の左の方、ピントから外れてトゲが見えます。

0523warunasubi2 この写真でなら、トゲがはっきり見えますよね。

私にはこのトゲが判定の唯一といっていい手掛かりでして・・・

もっと他にもわかりやすい手掛かりはないかなぁ。

では、次の稿へ。

ガクアジサイ

0523gakuajisai1 大田区の白山神社です。

ガクアジサイが咲き始めていました。

がく‐あじさい【額紫陽花】 ユキノシタ科の落葉低木。伊豆など暖地の海岸近い山地に生える。茎は根際から叢生し、高さ約2メートル。葉は長卵形で厚い。7月頃梢上に大形の花序をつけ、中心には小さい碧紫色の花が多数密生し、周囲には大形の装飾花が並び、額縁を思わせる。アジサイの母種とされる。[広辞苑第五版]

普通のアジサイより「装飾的」な雰囲気があって、園芸的にあとからつくられた種かな、と思っていました。

0523gakuajisai2 装飾花です。白く大きいのは「萼(がく)」です。本来の花としてのオシベ、メシベは退化しているのだそうです。

0523gakuajisai3 装飾化に囲まれた粒々が実際の花です。

オシベもメシベもあるのだそうですが、この写真の状態ではまだ見えませんね。

拡大した写真もどうぞ。

0523gakuajisai4 粒々は五角形のようですね。

開花した状態を見たいものです。

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◆朝日新聞の4月9日付「窓」というコラムにこんな話が載っていました。

[窓]アジサイ(4/9)
 桜が散り始めた街を歩いていたら、緑の一角に目がいった。アジサイの小群落だった。人間世界はようやく春本番とにぎわいだしているが、自然界は、早梅雨時の準備に余念がない。
 アジサイは日本原産の樹木だ。それが中国を経由してヨーロッパに渡り、様々な品種が生まれた。西洋アジサイと呼ばれるのは、人々の長い丹精の賜だ。
 アジサイにはいろいろの名前がつけられてきた。日本名は、小さな青い花を集める、という意味だろう。「集真藍(あづさあい)」が転じたようだ。
 漢字では紫陽花。名付け親は玄宗皇帝と楊貴妃の悲劇をうたった「長恨歌(ちょうごんか)」などで知られる唐代の詩人白楽天だ。
 赴任先の杭州の寺に咲く花の名をだれも知らなかった。紫の色をめでて、自ら命名した。ただ、実際はアジサイではなく、ライラックだったという説もある。
 江戸時代、オランダ東インド会社の医師として来日したシーボルトもアジサイに関心を寄せた一人である。
 帰国後、出版した植物誌の本で、アジサイに「ハイドランジア・オタクサ」の名前をつけた。
 この「オタクサ」の意味が分からない。長い研究の末、大正時代に判明して、驚かされた。
 シーボルトの滞日中の恋人が、長崎丸山の遊女「お滝さん」。花の名に仮託することで、彼女をしのんだか。
 そうした縁もあって、長崎市の市花にはアジサイが選ばれている。

http://www.hana300.com/ajisai.html から引用します。

学名 Hydrangea macrophylla form. macrophylla(紫陽花)            
       Hydrangea macrophylla form. normalis(萼紫陽花)   
          Hydrangea   : アジサイ属            
          macrophylla : 大きな葉の            
          normalis    : 通常の、正規の       
  Hydrangea(ハイドランジア)は、ギリシャ語の
  「hydro(水)+ angeion(容器)」が語源。   
  大量の水を吸収し蒸発させる性質から(諸説あり)

・江戸時代にオランダ商館の医師として日本に滞在したシーボルトはこの花に魅せられ、愛人の「お滝さん」の名前にちなんで学名の 一部に「オタクサ」の名前を入れたとのこと。  (でも実際にはシーボルトより前に学名がつけられていたため、シーボルトがつけた学名は、採用されなかったそうです)

◆こういう感じのエピソードで思い出すのは、牧野富太郎さんの話ですね。

http://www2.odn.ne.jp/~had26900/wild_plant/wp_irumti/topics_on_pl_names.htm から引用します。

牧野は、自ら発見した新種に和名と学名の両方(スエコザサSasa Suekoana Makino)に妻の名寿衛子(すえこ)を付けている。牧野がスエコザサを仙台市郊外で発見した翌年(1928年)、長年清貧の牧野を支えた寿衛子夫人が数え年57歳で長年の闘病生活の後に亡くなっている。牧野は回復の見込みのない病に倒れ長年苦労を共にしてくれた妻に対する感謝の意を込めてこの命名に及んだのであろう。・・・。その後、スエコザサの学名はSasaella ramosa var. suekoana (Makino) Murataに変更され変種名になった。・・・

アメリカフウロの種

0524americahuurotane1 0524americahuurotane2 我が家では、豆腐の容器とか玉子豆腐の容器とか、プリンの容器とかそういうものが、いくつか常に残してありまして、種を入れたり、小さな昆虫を入れたり、いろいろ活躍しています。インスタントコーヒーの空き瓶も非常に重宝する容器ですね。

さて、5月23日に摘んできたアメリカフウロの実を白い発泡スチロールの容器に入れておいたところ、翌日、こんな具合です。

毛むくじゃらの種はわかるとして、弓なりになったものは何でしょうね?

実はこれが種を弾き飛ばす仕掛けなのです。

0524americahuurotane3 この写真を見ていただければ、一目瞭然ですね。

どうやって種を弾き飛ばしたのか、くどくど解説は要りますまい。

熟して十分に乾燥すると、果実の皮が裂けて跳ね上がり、中の種を弾き飛ばすのでしょう。

カタバミ、ホウセンカ、スミレなんかも種を弾き飛ばしますよね。

いろんな工夫があるものです。感心します。

アメリカフウロの実

0523americahuuro1 アメリカフウロの実です。

右側はまだ未熟、左はほぼ完熟でしょう。

おもしろい形をしています。

0523americahuuro2 よく見ると、実がすでに飛ばされて、なくなってしまっているものもありました。乾燥した日にでも跳ね飛ばしたのでしょう。

環八の歩道の縁石に座り込んでかがみこんで何か写真を撮っているじいさん、というのも傍目には少々怪しげに見えるのだろうなぁ、と思いつつ頑張って撮りました。

0523americahuuro3 この形、一度覚えたら忘れられない形ですね。

この先端のところを支えにして、種を弾き飛ばす機構があるのです。

で、ここまで熟したら、摘んで帰っても大丈夫だろう、と2,3本摘んで家へ持ち帰りました。

その後の話はまた稿を改めましょう。

2008年5月28日 (水)

ヨツボシオオアリ

0522yotubosiooari1 0522yotubosiooari2 アリもその気になってよく見ると、いろいろな種類が身の回りにいるのですね。

黒くて大きい、黒くて中くらい、赤くて小さい、という3種類くらいが私のぼんやりした認識でした。

ここでご紹介するのはヨツボシオオアリです。腹部の白い4つの斑紋が名前にもなっている特徴です。また腹柄の様子が、普通のアリとは全然違うようです。

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今年の3月5日の朝日新聞に、熊谷守一さんの「豆に蟻」という絵にまつわる話が載っていました。そこから、部分的に引用します。

なぜアリを描くのか
 なぜアリなのか。
 理由の一端は明白だ。熊谷守一は96歳のとき、「(自宅の)正門から外へは、この三十年間出たことはないんです」と話している。東京都豊島区千早の自宅からほとんど外出しなかったのだから、題材が身近なものになるのも、無理はない。
 では、外の世界に全く関心がなかったのだろうか。
 まるで逆だろう。「石ころひとつ、紙くずひとつでも見ていると、まったくあきることがありません」と語り、アリも地面にほおづえをついて見たという。
 身近な昆虫、花から軒先に見える月まで、何でもお面白いものとして見る才能を備えていた。
 それは、濃淡のない単色で平板に塗り、太い輪郭線で縁どる童画のような「守一様式」とも関係しているのではないか。どんな対象も、同じタッチで陰影なく、同じ輪郭線で描く。等価な色彩に、等価な輪郭。小動物から宇宙までを、等しく面白がり、慈しんで描く。だから立ちのぼる、温かさと詩情。
 熊谷はこう語っている。「絵と言うものの私の考えはものの見方です」(大西若人)
 ①油絵の多くが4号の大きさ。熊谷の絵の具箱に入るサイズで、手に持って描きやすい面もあったようだ。
 ②ひっかき傷のように片仮名で記されたサイン。1950年代から本格的に使われたという。1文字ずつには意味がない仮名を選んだという見方もある。
 ③観察をもとに、熊谷は「蟻は左の二番目の足から歩きだすんです」と語っている。

私もまぁ、毎日、小さな庭へ出ると、それだけで1時間近くの時間を費やしてしまいます。虫や植物との出会いを楽しんでいるせいです。これで、自然教育園なんか行ったら一日かけて10m歩けますかね、あの生物密度の高い場所では。

◆さて、熊谷さんは「蟻は左の二番目の足から歩きだすんです」とおっしゃっているそうですが、この記事の冒頭、1枚目の写真をよく見てください。

左の2番目の足と、右の3番目の足が上がっているのが分かると思います。

う~む、熊谷さんの観察はすごい!!

6本の足を、「右の1、3と左の2」「左の1、3と右の2」というように常に3点確保で歩くのが昆虫の歩行の基本なのです。

このリズムはパターン発生器という神経回路でつくられています。パターン発生器は自律的にリズムを作れますが、脳の支配も受けています。(実はヒトなどの歩行も、基本リズムは脳が作っているわけではなく、パターン発生器を脳がコントロールしているのです。昆虫もヒトも基本原理はよく似ています。)

肉眼で、この3点確保の歩行パターンを見抜くという観察力は、さすが画家の眼力というものなのでしょう。

私はまだまだ修行不足ですから、肉眼ではアリの足の動きは見えません。写真に撮ってみて、それが写っているのを見て大感激しています。

クモ(名前は分かりません)

0522kumo テラスに置いた鉢の間に水平な網を張っているクモです。まだ小さな網です。10数cm四方くらいの空間に張っています。テラス面からの高さも10cmくらいで、非常に低いのです。そこに、背を下にして腹面を見せているわけです。ですから、どうやっても背中の模様が見えません。姿だけでは同定は無理。ということで、名無しのままご紹介します。

とってもカッコイイくもでしょ。肢にトゲがあり、顎のあたりにもトゲがあるように見えます。

このあたりは鉢の出入りも多いので、同じ場所に網を張り続けることは無理ですが、ぜひ場所を変えながら大きく成長してほしいものです。

ナガミヒナゲシの実・種

0522hinagesitane1 0522hinagesitane2

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_bdc9.html

上で、「ナガミヒナゲシ」の話をしました。その最後では、まだ熟していない実の写真を載せました。

花の季節がほぼ終わって、充分に実は熟しましたので、一つ取ってきて写真に収めました。

フタ付ですね。さてどんな種が入っているのか?

「芥子粒」といえば、極めて微細なもののたとえですが、どの程度に小さいのか?ちゃんと見たことがなかったのです。(マツバボタンの種が砂粒のように細かい、というのはよく覚えていますが。)

0522hinagesitane3 0522hinagesitane4 透明なプラスチックの入れ物に中身を出してみました。

確かに小さな種がいっぱい出てきましたよ。

ケースを物差しの上に乗せて撮影しましたので、1mmの目盛が一緒に写っています。

およそ、0.3mmくらいといっていいでしょうか。真ん丸くはありません。その上、ある種「カゴ状」の構造を持っているようですね。知らなかったぁ。

中身が「充実」して黒っぽいのと、光が透けているのとあります。どうなのでしょう?透けている方は中身がないのかな?よくわかりませんでした。これだけいっぱいあれば、繁殖しますね。すごいパワーです。

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ところで、仏典からの用語なのかな、「芥子劫」という「長い時間」を表す言葉があります。

40里立方の箱があって、そこに芥子の種が一杯詰まっています。百年に一度、ここから芥子粒を一つ取り出します。そうやって、すべての芥子粒を取り出すのに必要な時間を「芥子劫」というのです。

見積もりをやる気はありませんが、長そうですね。

「大きな入れ物に、小さな芥子粒」という組み合わせの発想力がすごいですね。

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落語に「寿限無」という噺がありますね、そこに「五劫の擦り切れ(ず)」という語句が出てきます。(私の記憶では「擦り切れず」なのですが、最近は「擦り切れ」のほうがポピュラーかな)

ここに出てくる「劫」は多分、「磐石劫」のほうではないでしょうか。

磐石劫は、40里立方の岩があって、3年に1度天女が舞い降りてきて羽衣でこの岩を撫でるのです。そうやって、この岩がすり減ってなくなるまでの時間を「磐石劫」というのだそうです。

ですから、「五劫たっても擦り切れず」なのではないかと思うのですが。

ツマグロヒョウモン

0521tumagurohyoumon ツマグロヒョウモンが姿を見せました。

昨年、ずいぶん寒くなってからあわてて準備したパンジーとか、スミレの仲間は十分にあります。そのうち、あの派手派手しい幼虫の姿が見られることでしょう。楽しみですね。

2008年5月27日 (火)

ヤスデの幼体

風呂場のタイルの目地にじっとしているところを、かかしさんに見つかってしまった、子ヤスデです。

0523yasude1 体長は2cm足らず。

頭以外の体節数が18くらいカウントできるのかな?

0523yasude2 大人のヤスデはこんなに頭は丸くないですけどね。かわいいですねぇ。

色も淡い飴色で毒々しさもないし。

◆ヤスデは倍脚綱(Class Diplopoda)という分類群を構成します。上の写真のヤスデがその中のどういう種なのかはさっぱりわかりません。

Diplo-はおそらくdouble、-podaは脚という意味で、倍脚綱です。

(tripod は三脚、tetrapodは波消しブロックの四本足のやつ、monopodはスポーツカメラマンなんかが使う一脚、centipedeはムカデ(centi=100)、 millipedeはヤスデ(milli=1000)です。)

「多足類読本」という本によりますと

第1胴節には歩肢はない。第2-4胴節にはそれぞれ1対の歩肢、それ以降の胴節にはそれぞれ2対の歩肢がある。2対の歩肢を持つ胴節は重体節とよばれる。1つの胴節に2対の歩肢があるのは、もとは2つの節が1つに融合したためである。・・・

ということです。素人の私がムカデかヤスデかを見分けるのは、この体節(重体節)1つに2対の歩肢があればヤスデ、と認識しているのです。

◆実は、今回、この小さなのを見つけて肉眼で見ても、老眼の私の視力ではムカデかヤスデか分かりませんでした。カメラを向けファインダーのなかに拡大された像を見て「ヤスデだぁ」と思わず叫んだら、同じテーブルで食事をしていた娘が笑っておりました。ヤスデごときにうろたえる娘ではありません(ウレシイ)。

写真を、再度検討してください。確かに前の方の体節には1対しか歩肢がなく、しばらく後ろの方を見ていくと、2対あることがわかるでしょう。

重体節の部分は、一つの体節でありながら、少しくびれがあるのもわかるかと思います。

◆上の2枚目の写真は、もし私が現役教員で物理を担当していたら、絶対教材に使いたいという写真です。(いまだに、「教師眼」が抜けきらなくて、「あっ、これ教材になる!」とすぐ思ってしまう私です。)

どこが物理教材なのか?肢を見てください。ムカデは胴をくねらせてしまうのですが、ヤスデは、胴をまっすぐのまま、肢を「(縦に)波打たせる」のです。

後ろへ蹴っている歩肢と前へ出している歩肢が重なって、「肢密度」の高くなった部分が体長の全長の中に3か所位見えますね。その間の部分は「肢密度」がまばらになっています。つまり、本来等間隔である肢のなかに「疎密波」をつくって後ろへ送り、その反動として前進しているのですよ。

音や地震のP波などの「疎密波=縦波」の説明に絶好の教材になります。(毛虫でもいいのですがなかなかいい写真はないですね。)

物理教師の方で、この写真が「使えるっ」という方はお使いください。

0523yasude3

ヤスデちゃんが入っているのは、プラスチックケースのフタの方なんです。

深い本体に入れて写真を撮ろうと思ったのですが、見ていると滑って登れないようです。で、フタに入れてみましたら、1cm弱の垂直面が登れなくて苦労しているのです。成体なら多分軽々と乗り越えて出て行ってしまうと思いますが、この赤ちゃんにはこのフタの深さが乗り越えられないのですね。

生まれて間もない幼い子猫は、レンガを並べておくだけで出ていけないですよね。レンガは子猫にとってはとっても高い壁です。子ヤスデには1cmのプラスチックの壁が越えられませんでした。

写真を撮って観察させてもらったあと、この子ヤスデは庭の隅の落ち葉のところへ放してやりました。家の中で一緒に住む気はないですが、外で生きていく分には自由です。大きくなったら会いに来てもいいよ、という気分ではありますが・・・。

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◆ヤスデで思い出す話があります。

ヤスデは時々大発生することがあるのですが、あるとき大発生したヤスデが鉄道の線路を渡っていたのですね。そこへ汽車が走ってきて、ヤスデを轢いてしまったのですが、つぶれたヤスデの体液で汽車の車輪が空転し、汽車が立ち往生してしまったのだそうです。

その汽車を立ち往生させたヤスデの名前は、この事件にちなんで「キシャヤスデ」といいます。

http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/mori/mori-52.html ここをご覧ください。このエピソードが載っています。(写真が気持ち悪いという方もいるかもしれません。そういう方は見ない方がいいかも。)

1976年の秋に,小海線の甲斐小泉―野辺山間でヤスデが大発生しました。この区間は急勾配なため,ひかれたヤスデの体液で車輪がスリップし,動けなくなった列車は6本,運休した列車は12本になりました。10月末の寒さでヤスデがいなくなるまでの約2か月間,ヤスデ駆除のために動員された人は,のべ331人で,人件費と使った殺虫剤や機材,代替バスなどの費用をあわせると430万円にものぼりました。
 ヤスデによる列車妨害は1920年に中央本線贄川―奈良井間と,北陸本線刀根―疋田間で発生したのが最初の記録です。その後,福井県,岐阜県,長野県,山梨県でヤスデによる列車妨害が報告され,また,西は滋賀県から北は栃木県にわたる範囲で,キシャヤスデ類の大発生が観察されています。

私自身は少年時代に、何かのラジオ番組でこの話を聞いて、感動したものです。

◆私のHPをお読みください。ムカデのジレンマというお話を紹介しています。

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/Mukade.htm

        ムカデはとても幸せにくらしていました。

        ところがある日、ひき蛙が面白半分に「どの足がどの足の後に動くのかな?」と聞きました。

        ムカデはそれ以来このことが大変気になってしまって、

        混乱してみぞに落ちたり、

        足がもつれて走れなくなりました。

こんな、話です。上の物理教材になる、といった子ヤスデちゃんにも、尋ねてみたらよかったかな?悩んだかもしれませんねぇ。

ナミテントウ羽化

0523namitentou1 飼育ケースの中の蛹が羽化しました。

ケースの外側から、プラスチックの壁越しに撮影しました。

まだ体は黄色く、本来の色に発色していません。

この状態を背側から撮るとこうです。

0523namitentou2 羽もまだ黄色いですね。どんな模様が現れてくるのかな?

この写真は朝6時40分ころ。

それから約6時間後の状態をお目にかけましょう。0523namitentou3 0523namitentou4

私がひそかに「ニコニコ顔模様」と呼んでいる模様になりました。

色の変化がすごいですね。

0523namitentou5 腹側から見るとこうです。

やはりずいぶん色が変化しています。

ところで、写真を詳しくご覧の方はお気づきと思いますが、プラスチックケースの壁面に「糸」のようなものが写っていますね。

これは、実際、蝶の幼虫が吐いた糸なのです。アゲハやアオスジアゲハなどを飼育すると、幼虫は自分用の足場として壁面に糸を張りながら歩くのですね。

そのケースを洗わずに置くと、他の虫を飼うときに便利なのです。カマキリを飼うときでも、チョウを飼ったあとのケースに入れてやると、足場が固定できて、餌を取る狩りも安定してできます。

プラスチックケースが滑ってしまうようなタイプの昆虫を飼うには、そのケースで予めチョウを飼育すろいいのです。今回のテントウも糸を足場にしているようです。

というわけで、そのような足場糸も写っているのでした。

0523namitentou6 これは、上の成虫が出てきた蛹のぬけがらです。

幼虫時代の表皮が後ろに残った蛹のぬけがらと、そこから羽化出てきた成虫、というわけで、時間の流れが凝縮されています。

◆ところで、ついでに、これもナミテントウなんですよ~。

0522namitentou

ナミテントウ

0521tentou2 これはナミテントウでしょう。

パターンがいっぱいあって、よくわかりません。

0521tentou1 前からちょっと気になっているのですが、テントウの幼虫は歩くときにお尻の先端を粘着させるのではないかと思うのです。あるいは、アブラムシを食べたりするときに、足を放しても体が安定するようにお尻の先端で体を支えるのかもしれません。

そんな様子が、写真に写っていましたのでご紹介します。

カシワクチブトゾウムシ

0521kasiwakutibutozoumusi1 0521kasiwakutibutozoumusi2 単に「クチブトゾウムシ」なのかもしれません。そのあたりはよくわかりません。もし、引用される方がいらっしゃったら、大学のサイトか何かで確認してください。

それにしてもまあ、いろんな虫が入れ替わり立ち替わり、姿を見せにやってきてくれることです。

ゾウムシというと、「象の鼻」のように、長い「鼻状」の突起が目印なんですが、これにはそういう突起がないのです。ちょっと戸惑いました。

http://www.insects.jp/kon-zoukasiwakuti.htm  から引用します。

カシワクチブトゾウムシ甲虫目 カブトムシ亜目 ゾウムシ科 クチブトゾウムシ亜科
Myllocerus griseus大きさ 5mm前後
時 期 5-6月
分 布 北海道・本州・四国・九州
体は赤褐色~暗褐色だが、灰白色の鱗毛が密生するので淡褐色に見えるゾウムシ。口吻はあまり長くない。
カシワ、ナラ、クヌギ、ハンノキなどで見られる。

どこで成長してきたのか、ちょっと心当たりがないのですが。

◆ところで、右の写真の上の方に「赤いもの」が写っていますよね。これ「タカラダニ」というやつです。ちゃんとした写真を撮ろうとすると、やたらと走り回っているのでうまく写らないのですが、全然これを写すという意識なしで撮った写真に、ちゃんと写りこんでいました。皮肉なことです。

ビヨウヤナギ

0524biyouyanagi1 0527biyouyanagi2 ビヨウヤナギのつぼみです。

左は5月24日。

右は5月27日。

色濃くなってきました。

動物にしても植物にしても、幼いものが伸びゆく姿は、こころをなごませ、弾ませるものがありますね。

陽射しを浴びて、力を蓄えています。

びよう‐やなぎ【未央柳】オトギリソウ科の小低木。中国の原産。高さ約1メートル。葉は対生し長楕円形で、一見ヤナギの葉に似る。夏、茎頂に大形5弁、深黄色の数花を開き、多数の雄しべが刷毛ハケのように立ち並ぶ。庭園に栽培。美女柳。美容柳。漢名、金糸桃。<季語:夏>[広辞苑第五版]

キョウチクトウ

0526kyoutikutou1 0526kyoutikutou2 夾竹桃のつぼみです。

花が咲いてから気づくことが多いのですが、今回はつぼみの状態で気づきましたのでお目にかけます。

花のイメージとちょっと違った色合いのような気もします。かなり鮮烈ですね。

もうすぐ、咲きます。

タマスダレ

0525tamasudare 5月25日の夕方、つぼみでした。

0526tamasudare1 26日の朝、咲いていました。

きれいでしょ。ピンクのタマスダレ。

たま‐すだれ【玉簾・珠簾】②ヒガンバナ科の多年草。高さ約30センチメートル。葉は細長く円柱状。地下に鱗茎。晩夏、花茎を出し、白色花をつける。南アメリカ原産。観賞用に栽培。園芸上は属名のゼフィランサスで呼ばれる。四季水仙。[広辞苑第五版]

ふつう、タマスダレというと白ですがピンクもきれいです。

0526tamasudare2 例によって、花の中を覗きこませてもらいました。

オシベがずいぶん特徴的ですね。

メシベの先端が分かれています。自分の花の花粉が少しメシベについてしまったようですが、自家受粉もできるのでしょうか?

2008年5月26日 (月)

アダンソンハエトリ(♂)

0521adansonhaetori4 0521adansonhaetori2

アダンソンハエトリのオスです。

「日本のクモ」によりますと

屋内性のクモ。人家の壁や周囲の塀を歩き回ってハエ、カなどの害虫を捕食する。メスは褐色の頭胸部に茶色の腹部で目立った特徴はないが、オスは胸頭部後方と腹部前方に白斑があり、特に腹部後方の2対の白点と触肢の白色毛が目立つ。

「クモが手を擦る脚を擦る」という感じで、白い触肢を動かすのがとてもかわいい動作です。

ところで、この写真、やけに背景が白いですよね。実は洗面所の洗面器の壁についているところを見つけて撮影したためなのです。もうちょっと引いた画像をお目にかけましょう。

0521adansonhaetori1 洗面器の栓の鎖とクモ。なんだか・・・

「女性の美しいデコルテを飾る首飾りと妖艶な蜘蛛」という風には見えませんかねぇ。

そういう、クモを飾って微笑んでくれる女性は「美しい」と思うんだけどなぁ。

ユリ

0520yuri 実生のユリなんです。

蕾を持っています。

ここまで来るのにずいぶんかかりました。何年かかったのかなぁ。

花が咲いたらまたお目にかけます。楽しみですね。

ササグモ

珍しいシーンに出会ってしまいました。

0520sasagumo1 サムネイルでは分かりづらいので拡大してください。

2匹のササグモが接近遭遇しています。

どうも、体形が違います。

0520sasagumo2 0520sasagumo3 ねぇ、違うような、同じような・・・。

左の方の腹部が膨らんだ方がササグモであることは間違いないところです。

右がね、迷うんですが・・・。

シマササグモという体形の細いクモがいるんですが、「日本のクモ」によると、東京の辺りは分布域から外れているように思うのです。本州では東海から紀伊半島の低い地域あたりが分布域のようです。ですから、いわゆる温暖化で東京の方まで分布域が広がったのなら別ですが、そうでなければ、やはり右の写真のクモもササグモなのでしょう。

腹部に卵を持っているとかいないとか、そういう違いではないでしょうか。

コメツキムシ

0520kusikometuki1 0520kusikometuki2 カエデの木の葉についているところを見つけました。

コメツキムシ自体は子どものころから知っているのですが、実はわたくし、コメツキムシを屋外で見るのは初めてなのです。いつも、家の中の明かりに誘われて飛び込んできたのを捕まえて、ひとしきり、ひっくり返してはパチンと跳ばせて遊んでから放してやるという経験のみなのでした。

これ、コメツキムシだよなぁ、と思ったのです。胸の後端の独特のとがり具合など、やはりコメツキムシです。で、悪いけど跳ねて見せてよと、捕まえて地面に仰向けに置いてみたら、ちゃんとパチンと跳ねました。

調べてみたら、クシコメツキというのが正式の名前でした。

ところで、どうやって跳ねるのか?「発射準備」中に、レジリンというたんぱく質のバネを引き延ばしてエネルギーを蓄えます。その蓄えたエネルギーを一挙に解放してパチンと跳ねるのですね。ビックリ箱のようなものです。

私のホームページ「案山子庵雑記」の中に雑誌「サイエンス」から引用して、解説を書いてあります。よろしければお読みください。

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/biology/chptr_1/1-1-1/flea.htm

もう一つ別の昆虫、つまりコメツキムシも、ノミと同じ組み合わせを利用してきた。すなわちエネルギー貯蔵としてのレジリンを、例のパチンと跳ねるクリック・メカニズムと組み合わせたのである。コメツキムシが跳ねるとき、虫はまずあお向けになり、体を弓なりにする。そして突然体をたいらに伸ばして、体をジャックナイフのように空中に放り投げる。跳躍はほとんど垂直に近く、高さは300mmにまで達する。コメツキムシという名前の由来となった特徴的な音が、どうして生じるのかは明らかではない。しかし、それはおそらく前胸腹板上にある突起が次の体節の腹板の上にあるくぼみ(ソケット)の中に、パチンとはまりこむことによるものであって、一般に信じられているように、床に頭を打ちつけるときの音ではないと考えられている。

したがって、ノミの跳躍とコメツキムシの跳躍には、いくつかの共通点がある。どちらの昆虫もレジリンのエネルギー貯蔵を持つ。どちらもある時間の間「発射準備」の姿勢をとることができる。そして両者とも、筋肉が弛緩してクチクラの留め金をはずし、その結果、レジリンと胸部の曲がったクチクラ壁とに貯えられていたエネルギーが放出される。

キセルガイ

0520kiserugai このあいだ、キセルガイが飼育容器の底で、体を引っ込めてひっくり返っていましたので、ちょっとつまみだして、クチのところの写真を撮らせてもらいました。

キセルガイは英語で door snail というのだそうで、閉弁という「ドア」があるのが特徴だとウィキペディアに載っておりました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%82%A4
殻の内部に閉弁(へいべん:clausilium)と呼ばれる開閉式のドア様の構造を持つことが最大の特徴で、科の学名の Clausiliidae や英名の door snail はこれに因む。また、巻貝としては珍しく大部分が左巻きである。日本名は形が喫煙用具の煙管(きせる)に似ていることによる。中国名も「煙管螺」という。

最大の特徴は殻口の少し奥に閉弁(へいべん:clausilium)と呼ばれる殻の一部が伸びたハネ板状の構造を持つことである。これはバネ式の扉のように機能し、軟体部が殻の奥に引っ込むと自動的に閉まって外敵の侵入を阻み、貝が活動するために再び内部から出るときは、軟体に押されて殻の内壁にぴったりと押し付けられる。そのため弁は殻の内壁に沿った形に湾曲している。

ということです。

さて、扉が見えないなぁ、と。違うのかなぁ、透明で体にくっついていて見えないのかなぁ。

まだわかりません。

ヒメクチナシ&・・・

0520himekutinasi ヒメクチナシの木です。

去年、オオスカシバに食べられてすかすかになっていましたが、日差しが強くなるにつれて、緑が濃くなり、新芽が広がって木の中が見えにくくなてきました。そうして、蕾を準備しています。

風流を解するササグモさんが、蕾の様子を眺めています。(そういうわけでもないのでしょうけど・・・)

さて、去年、このヒメクチナシを食べたオオスカシバが蛹になって越冬していました。

5月25日、羽化しましたのでお目にかけます。

0525oosukasiba1

左上は蛹の抜けがら。

右下が羽化した成虫です。羽が透明なのでハチと間違われることもありますが、蛾です。

0525oosukasiba2 全体をお目にかけることをやめて、胸の辺りの画像をお目にかけます。ご覧ください。

油絵の筆致を思わせるような毛の流れに注目。

どうも蛾は、蛾というだけで嫌われがちですが、よく見て鑑賞してください。美しいものです。見なければ美しさもわかりません。どうか、頭から嫌わず、まずは見つめてください。

(生物学的には、チョウとガは基本的に区別されません。為念。)

今年も、ヒメクチナシとオオスカシバの「戦い」の季節がきましたね。どっちもがんばれ、としかいいようのないかかしさんなのでした。

ネコハエトリ

0519nekohaetori1 0519nekohaetori2 ネコハエトリの幼体ではないかと思います。

単眼が美しいでしょ。像が見えるとは思えませんが、頭の周りに4対あると、いろいろの方向での明暗の変化を素早くとらえることができるのでしょう。前方の単眼1対はさすがに大きいですね。

学名は「Carrhotus xanthogramma」。ラテン語なんて知りませんが(ちょっぴりかじりはしたけど)、この学名の中に「猫」はないように思いますが・・・。

どこが「ネコ」なのかなぁ。

「日本のクモ」によりますと、「神奈川県と千葉県の東京湾岸地域と、房総半島周辺地域には、ネコハエトリを戦わせる遊びがあり、その地域ではこのクモをホンチ、ババなどと呼ぶ。」とありました。

コガネグモを戦わせる「クモ合戦」が高知県にあるということは知っていましたが(絵本「かがくのとも」かな、で知ったのですが)、ネコハエトリの合戦というのは知りませんでした。いろんなのがあるのですねぇ。

コガネグモのクモ合戦を知って、ふ~んというので、コガネグモを捕まえて、紙箱に網を張らせ、餌に小昆虫を与えて、しばらく飼ったことはあります。網を張るクモは飼いやすかったです。

ネコハエトリは網を張らない徘徊型のクモですから、飼うのは結構厄介なのではないでしょうか。

チャコちゃん

0519chako 外猫、チャコちゃん。

ヒトと言語を共有しませんので、語ってはくれませんが、いろいろと難しい局面を生き抜いてきた猫のように思われます。

でもまぁ、生きているっていうことは、それだけで最高に運のいいことだよねぇ、チャコちゃん。

今日も猫日和。

人生の最後に「ああ楽しかったぁ」と言いたいものだと、常日頃考えております。

ヤゴ

0518yagonukegara これは羽化に成功したクロスジギンヤンマのヤゴのぬけがらです。

この後、1匹、羽化に失敗しました。

池に立てた棒にのぼってきたのですが、雨に降られたりして、羽化のタイミング失ったのではないかと想像します。

アカトンボなどは、夜中に棒などに上って明け方には脱皮しますが、途中で「人間の明かり」が点灯したりして、夜を中断されると、びっくりして水中に逃げ込み、すでに水中での呼吸から空気中での呼吸に切り替わってしまっていて、「ヤゴが水におぼれる」という出来事を起こします。

ギンヤンマやオニヤンマなどは羽化が近づくと、陸上を歩き回ったりしますので、飼育するなら「陸」が必要です。

タイミングを失すると、もう水には戻れないし、羽化を進行させることもできずに死んでしまうのでしょう。

脱皮というのはとても危険な瞬間です。もし、他の昆虫でも脱皮を見かけたら、一切関与せずに、ひたすらじっと見守ってください。ヒトが何かをしてあげられるような営みではないのです。

今日5月26日。池でもう1匹、ヤゴを確認しました。見守りましょう。

0526yago

トカゲ

0518tokage1 ここに写っているのは「硅化木」というものです。

けいか‐ぼく【珪化木】 地下に埋もれて珪化した樹幹の化石。[広辞苑第五版]

けい‐か【珪化】岩石の中に珪酸が浸入すること。または生物遺体が珪酸で置換されること。[広辞苑第五版]

秋田の親戚から頂戴したものです。

◆ところで、写真の右の方をよく見ていただくと、誰かさんが顔をのぞかせていませんか?

0518tokage2 見ていると、そろりそろりと姿を現したのはトカゲの幼体。

この日は、ご機嫌が良かったらしく、ゆっくりと姿を観察させてくれました。

0518tokage3

こんなに接近させてくれたんですよ。眼のふちどり、鼻孔まで見えます。

前足の爪も見てください。こんな風になっていたとは、初めて見ました。

0518tokage4 せっかくですから、後ろ脚の爪も見てあげてください。

鋭いですねぇ。恐竜のようです。(爬虫類仲間だもん!)

しばらく付き合ってくれたあと

0518tokage5 0518tokage6 おもむろに移動を始めて、ゆっくりと視界から去っていったのでした。

逃げて行った、というのではなく、「じゃぁ、またな」というような感じでした。

私もだんだん人間離れしてきて、トカゲが友達として認識してくれたのでしょうか。

少なくとも私が危険な雰囲気を発散していないことは感受してくれたようです。

◆ちなみに、カナヘビの写真を娘が自然教育園で撮ってきましたので、お目にかけます。

どう違うか、観察してください。

0518kanahebi

2008年5月23日 (金)

オモト

0516omoto オモトの実がなっています。きれいですね。とはいっても、去年からずっとくっついているのですが、ほったらかしで眺めているだけなのです。

0516omoto1 おもと【万年青】(烏木毒(中国音wu mu tu)からか) ユリ科の多年草。西日本山地の陰地に自生。葉は根茎から叢生し、
30センチメートルに及び、革質常緑。夏、葉間から花茎を出し、穂状に緑黄色の細花をつけ、のち赤色の液果を結ぶ。斑入フイリなど園芸品種が多い。「万年青の実」は<季語:秋> 。[広辞苑第五版]

http://www.hana300.com/omoto0.html によりますと
万年青 (おもと)(Lily-of-China)
・百合(ゆり)科。                               
・学名  Rohdea japonica                           
          Rohdea   : オモト属                     
          japonica : 日本の                      
  Rohdea(ローデア)は、19世紀のドイツの植物学者、「Rohde さん」の名前にちなむ。
・観葉植物。耐寒性あり。                         
・原産地は日本とも中国ともいわれる。             
  江戸時代にたくさん栽培され、現在は1000品種もあるらしい。
・葉は革質で光沢あり。冬でも枯れずにいつも青々。
・5~6月頃、白い小花が咲き、秋に橙色の実がなる。この実がとてもきれい。
・根は薬用になる。                               
・「おもと」は「大本(おおもと)」からきている。 
  根茎が太く大きいことから。また、大分県の「御許山(おもとやま)」で良質のオモトが産出されたから、とも。
  「万年青」の漢字は漢名から。「まんねんせい」とも呼ぶ。
・引越しの際、新居の玄関にこのオモトを飾ると縁起がいい、と言われる。

私自身は「縁起を担ぐ」ということを一切しないたちですが、今の大田区の家に引っ越してくる際に、私の父が引っ越しに先立って、鉢植えを置いたものです。それ以来、30年弱、手入れもせずにいるのですが、丈夫なのですね、元気です。

家が(=家族が)「いつまでも青々としている=万年青」という縁起担ぎなのでしょう。

愛好家の方から見たらとんでもない仕打ちでしょうね。ご勘弁を。

猫の草

0516nekonokusa1 なんだかなぁ。見たことのある花だよなぁ。イネ科の花なんだけど~。

と悩んで、妻に聞いたら、たぶん猫の草の、もう終わったやつをこのあたりに植えたとのこと。ペットショップで買ってくるのは、若い芽ですから、何の草なのか知りませんでした。

これ、猫の草の花です。

0516nekonokusa2 0516nekonokusa3 麦ですね。ここに写っているのは花が白いタイプ。

実は、別の色のもありまして。

0516nekonokusa4 0516nekonokusa5 こういう風に、紫いろっぽいのもあるのです。

ネットで検索してみると、「エンバク」だろうということでした。

えん‐ばく【燕麦】イネ科の一年生または二年生作物。中央アジア原産で、畑の雑草から作物化したとされる。世界各地の温帯で栽培され、明治初期に導入。オート‐ミールとして食用とするが、現在は主に飼料、特に馬糧として重要。オート。オートムギ。[広辞苑第五版]

麦の品種を特定することはできませんでした。詳しい方がいらっしゃったら教えてください。

旬(しゅん)

●5月21日にイチゴの芽生えについて書きました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_fd4d.html

そこで、こんなことを書きました。

もうやめませんか?不自然だし、無駄なエネルギー消費が多すぎる。

苗に冬を経験させるために、大型冷蔵庫に入れたり、高い山に運びあげたり。その上、今度は暖房を入れて開花・結実させる。

省エネ、二酸化炭素削減にまるっきり反してませんか?

本来の旬に戻しましょうよ。

ハウスものはみんな膨大な暖房費をかけていますよね。

露地で、旬のものを旬のときに食べて、ああおいしかった、また来年も楽しもう、でいいじゃありませんか。

●アサヒ・コムを見ていたら下のような記事をみつけました。(太字はかかしによる。)

CO2、50年に70%減へ12の提案 国立環境研 
2008年05月22日22時49分

 2050年に日本の二酸化炭素(CO2)排出を90年比で70%削減するために進めるべき12の提案を、国立環境研究所などの研究チームが22日発表した。太陽光や風力などの地域エネルギーを最大限に活用することや、歩いて暮らせる街づくり、低炭素型製品を開発・販売する企業経営などを挙げ、産業など部門ごとの削減分担も示した。

 研究チームは昨年2月、生活の質や経済成長を維持しつつ、産業構造や生活様式の転換で「70%削減」を実現できるとする報告をまとめた。今回はその達成のために、太陽光や自然風を生かした設計による「快適さを逃さない住まいとオフィス」▽露地栽培など旬のものを食べる「旬産旬消型農業」▽水素・バイオ燃料などの「次世代エネルギー供給」▽商品にCO2排出量を表示する「見える化で賢い選択」――など12テーマで、どのように対策を進めるべきかを具体的に示した。

 提案に基づく各部門のCO2削減量は、想定する社会の将来像で異なり、家庭など民生5600万~4800万トン(炭素換算、削減量全体の24~21%)、産業3千万~3500万トン(同13~15%)、運輸4400万~4500万トン(同19~20%)、エネルギー転換9500万~8100万トン(同41~35%)。国内排出量取引や炭素税などの経済的手法を追加すればさらに効果を発揮するとしている。

 政府は北海道洞爺湖サミットに向け、日本の長期目標設定を検討している。今回の成果は、それを後押しするデータになりそうだ。

●しゅん【旬】②魚介・蔬菜・果物などがよくとれて味の最もよい時。「―の魚」[広辞苑第五版]
 

旬をはずすことが「付加価値」だったのですよね。冬にイチゴが食べられる。冬にトマトが食べられる。露地のものが出るより先に出せるので高値がつく・・・。

これからの時代の「付加価値」は、「旬の真っ最中に、本当においしいものが食べられる」ということにシフトすべきじゃありませんか?

「本物志向」というのはこういう身近なところから始めるべきものでしょう。

と、(団塊世代ど真ん中の)かかしさんは真剣に思います。

2008年5月22日 (木)

ムラサキカタバミの花 夕方

0516murasakikatabami ムラサキカタバミの花は夕方になると閉じます。

ちょっと幻想的でいいでしょ。

田中修著「雑草のはなし」中公新書、に面白い話が載っていました。

ムラサキカタバミの花は、タンポポの花と同じように、三日間連続して、「朝に開き夕方に閉じる」という開閉運動をする。ところが、ムラサキカタバミの花が開いたあとに、極端に低い温度の場所に移す。すると、花は開きっぱなしになり、夕方になっても閉じない。・・・

この実験は、花が開いたり閉じたりするしくみを示唆している。花が開くときには、花びらの内側がよく伸び、閉じるときには花びらの外側がよく伸びるのだ。だから、開花したあと、低い温度の場所に移すと温度が低いために、花びらの外側の細胞が伸びずに、開いたままになる。

開閉運動が(このような)しくみでおこるのならば、花は、開閉運動をするたびに、大きくなるはずである。・・・。ムラサキカタバミでもタンポポでも、実際に、開閉運動をする花を観察すれば、確実にそうなっている。もっとわかりやすいのは、朝に開き夕方に閉じる開閉運動を約10日間繰り返すチューリップの花である。はじめて開いたチューリップの花と比べると、10日間も開閉を繰り返した花は、2倍くらいの大きさになるのも珍しいことではない。花は、開閉運動をしながら成長しているのだ。・・・

知りませんでした。根気強く見てなかったなぁ。

キイロホソガガンボ

0516kiirohosogaganbo 結構高い位置にいたので、もう少し胸の背面の模様を写したかったのですが、この写真が限界でした。

でも、見えている模様からして、キイロホソガガンボだと思います。

普通によく見かけるのはマダラガガンボでしょう。

キイロホソガガンボは初めて見ました。

ハエ目 > ガガンボ科 > キイロホソガガンボ:学名:Nephrotoma virgata 

だそうです。

わかりません

0516isthishae 玄関先の壁。

1枚撮ったら飛び去ってしまったのですが・・・

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_08eb.html 

でご紹介した、ミバエの仲間に似てるかなぁ、というやつにそっくりです。きっと同じだと思いますけど。あれほど鮮やかではないけれど、やはり緑色の目をしています。

これは誰なのでしょう?

イヌホウズキ(訂正→フユサンゴ)

0516inuhouzuki1 0516inuhouzuki2 0516inuhouzuki3 イヌホウズキです。初め知らなくて、ワルナスビに似ているような気もする、と雑草図鑑を開いたら、ワルナスビのすぐそばに、イヌホウズキの写真が出ていました。

両方とも、ナス科です。

真中で少し長いのがメシベでしょう。まわりの黄色いのはオシベが取り囲んでいるのだと思います。

実は熟すと黒くなり、中に数十個の種子がある、そうです。

ホウズキのように利用されないので「イヌ」がついたと説明にありました。

◆8月11日訂正。これはのちに実が赤くなりました。イヌホウズキの実は黒くなるので、ここの記載は間違いです。

この花はフユサンゴです。

下の記事をお読みください。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_208c.html

エノキワタアブラムシ

0516enokiwataaburamusi1 一人勝手に「フワフワムシ」とか「ピンボケムシ」と呼んでいました。

力強く羽ばたいているというわけではないのに、ホバリングしたり、ゆっくり漂うようにとんでいます。それでいて、意外とちゃんと風に飛ばされるというわけでもなく行きたい方へ飛んでいるようです。体が軽いのか、省エネでゆっくり飛んでいます。で、フワフワムシ。

いろいろなんとか写真を撮りたいと苦労しているのですが、どういうわけか、どうやってもきちっとピントが合った写真というのが撮れません。で、ピンボケムシ。

0520enokiwataaburamusi2 0520enokiwataaburamusi3 いかがでしょう。どうにもジャストピントになっていません。

そうか、何かケースを用意して、中に入れて撮ればいいのかな、とケースを用意したのが昨日。

そして、昨日今日、全く見かけなくなってしまいました。

妙なやっちゃなぁ。

http://www9.plala.or.jp/tokyoinsects/semi-enokiwata.htm

http://insects.exblog.jp/2867124/

このあたりを参考にしました。ご覧ください。

(ハルノ)ノゲシ(ですよね)

0512nogesi

この葉っぱの形、ノゲシですよね。

でも、こんなに赤かったですか?

0509nogesi2 どうにも気になって仕方なくて、ずっと見ていたのですが。

多少緑っぽくなってきましたが、ずいぶん大きく成長してもまだ赤い。

0509nogesi1 花はノゲシですね。

花に近い上の方の葉っぱはほぼ全面的に緑色なんですが、下の葉っぱは赤いまま。

まぁ、いいや。(ハルノ)ノゲシでした。

0515nogesi1 0518nogesi1 0518nogesi2 その後も見ています。気になるなぁ。

2008年5月21日 (水)

テントウムシ

5月16日。妻が庭からテントウムシの幼虫を3匹連れてきました。

0516tentou1 0516tentou2 0516tentou3 アブラムシを食べてくれるのですから、生物農薬のようなものです。

毛嫌いせずに、サムネイルをクリックして、拡大写真を見てあげてください。

たしかにまぁ、相当にごつい顔つきですね。

ここまで拡大して観察したのは私とて始めてです。アゴが立派です。やはり肉食昆虫のアゴですね。体のトゲトゲもここまでのものとは知りませんでした。

0517tentousanagi_2 もう充分に成長した幼虫だったのですね。

翌日、17日には蛹になりました。

不勉強のため、この幼虫・蛹をみて、何テントウなのかが分かりませんでした。

0520tentou1 5月20日、羽化しました。

ご覧ください。ナナホシかなぁ、と思っていたのですが、ナミテントウでした。

http://nemutou.fc2web.com/namitento/namitento.html

このサイトをぜひご覧ください。ナミテントウというのは、見かけ上はやたらといろいろな模様があるのです。そのバリエーションについて非常に詳しく説明されていますので、とてもよい参考になります。

0520tentou2 左は脱皮したぬけがら。

ケースをうっかりガタッと動かしてしまったために、壁にいた一匹が落っこちました。

0520tentou4 で、これ、擬死状態です。「僕は死んでいる」と主張しています。

仕方ないので、待つこと数分。

起き上がってくれましたが、背中にほこりがいっぱいついてしまいました。

0520tentou3_3

ちょっと申し訳ない姿を公開しますが、模様の全体が見やすそうなので。

ゴメン。

芽生え

0520itigo1 これは何の芽生えでしょう?おわかりでしょうか?

0520itigo2 0520itigo3 実はこれ、イチゴの芽生えなのです!

ちょっと前に、イチゴのタネまきをしました。

スーパーの食品トレイにキッチンペーパーを敷き、イチゴの「実」を80個ならべて、毎日乾燥しないように、びちょびちょにもならないように、霧吹きで湿り気を与えながら、ずっと眺めてきました。

5月19・20日になって、やっと双葉が立ち上がってきたのです。

0521itigo4 0521itigo5

こちらは21日の撮影。

もう一斉に、根や芽を出し始めています。

かわいいですよ~。

もう少し成長したら、本当はいったん清潔な砂地に植えてから、さらに生長させて土に植えかえるのがいいでしょう。

ちょっと省略して、直接土へ植えかえても、まあ大丈夫でしょう。

●ところで、「実」を並べた、と書きましたが、イチゴとして食べるあの「赤い実」ではありません。赤い実の外側に黒い粒々がついていますが、あれが「本当のイチゴの実」なのです。

イチゴの場合、「偽果」といいまして、私たちが実として食べているのは、本当は「花托」なのです。緑色の「へた」とか言っているのは「萼」です。

表面の黒い粒々が「真の果実と」いいます。

リンゴもそうなんです。「かまど」とかいって食べない部分が子房の成長した部分で、通常食べるのは花托です。

 というわけで、トレイに並べたのはあの黒い粒々です。それが発芽したのです。

●さて、通常、イチゴはランナー(走出枝)で増やします。栄養生殖といって、無性生殖の一種で、親の遺伝子がそのまま次世代に引き継がれます。クローンです。

 ですから、甘いイチゴのランナーから育てた苗には甘い実がみのります。

ところが、実(み)は、有性生殖でできるのですから、遺伝子が混合されます。ということは、遺伝的な性質の一つである「味」も多様化します。

甘いイチゴの実をまいても甘いイチゴがみのるとは限りません。

イチゴのタネまきはとても楽しいので、お勧めですが、味は保証できません。育てて開花し、結実したら、食べてみてください。酸っぱいかもしれませんよ~。

もし気にいった味の実がなったら、その株をランナーで増やしてください。そうすると「我が家味」のイチゴが作れます。お試しあれ。

●イチゴの本来の季節は今頃でしょ。クリスマスケーキに乗せるなんてことがはやり始めたのは私たちの世代が相当大きくなってからです。

もうやめませんか?不自然だし、無駄なエネルギー消費が多すぎる。

苗に冬を経験させるために、大型冷蔵庫に入れたり、高い山に運びあげたり。その上、今度は暖房を入れて開花・結実させる。

省エネ、二酸化炭素削減にまるっきり反してませんか?

本来の旬に戻しましょうよ。

ハウスものはみんな膨大な暖房費をかけていますよね。それって、自然派の人の好む「有機」に反してません?

露地で、旬のものを旬のときに食べて、ああおいしかった、また来年も楽しもう、でいいじゃありませんか。

と、私は思っています。

2008年5月20日 (火)

子ぐも

0516kogumo1 1mm程度のごく小さなクモが、寝室に紛れ込んできました。

寝返り一つで完全に潰してしまいます、こちらには何の感覚もないままに。

「おまえね、ここはダメ」とクモに説教して、行ったんプラスチックケースに入ってもらって、写真を撮ってから、廊下の隅へ放してやりました。

0516kogumo2

頭胸部の背面に、模様があります。

きっと、詳しい人なら、この模様からクモの種類が同定できるのでしょう。

でも、さすがに「日本のクモ」にも載っていませんでした。まあ、ハエトリグモの仲間の子ではないでしょうか。

0516kogumo3

ピンボケですが、脚を見てください。

まるでガラス細工のような透明感のある脚です。きれいですね。

どうか無事に大きく育ちますように。

スイートピーの豆

0515sweetpea1 夕方の光を逆光に浴びる、スイートピーの豆です。

夕陽の逆光ってかなり好きな光線です。

0515sweetpea2 ここまでいくと、やりすぎかなという気もしますが、でもきれいでしょ。

こまかい毛のふさふさ感がいいですよね。

穏やかであたたかい陽ざしが好きです。

ヒルザキツキミソウにササグモ

0515sasagumoonhiruzakutukimisou ちょっと気取って、映像的な美しさで勝負。

大したこたぁないやね。

クモの苦手な方は拡大しないでください。

でも、なんだか、様になってはいるでしょ。

ムラサキカタバミ、なんですけれど

0515murasakikatabami1 0515murasakikatabami3 この2枚、ムラサキカタバミの花であってますよね?

ところで、左の写真を、よくよくご覧いただきたいのですが・・・。

花弁の具合が変じゃありません?

大きくしてみましょう。

0515murasakikatabami4_2

いかがですか?

なんか、余分なものがあるような。

他の花はみんな、すんなりと5弁の花びらですので、それがムラサキカタバミの通常の花の姿だと言っていいと思うのですが。

この、ちょっと余計についている花弁のようなものは何なのでしょう?

よくわからないものを見てしまった。困った。

0515murasakikatabami2_2

美しいですね。

(多分)アリグモのオス

葉の上にいるところを見つけて、カメラを向けた瞬間に逃げ出してしまいましたので、1枚しか撮れませんでした、しかも大ピンボケで。

0516arigumomale サムネイルのままの方がかえって特徴が分かりやすいかもしれません。

頭の前に、巨大な上顎が二つ並んで見えるので、おそらくオスだろうと見当をつけました。くっきりした写真でご紹介できなくて申し訳ありません。

いつか、ゆっくり撮らせてほしいものです。

ホソハリカメムシ

0515hosoharikamemusi1 こんなカメムシをみつけました。

肩が張ってます。

横から見るとこんな風

0515hosoharikamemusi2 ちょっと露出オーバーですが、眼の雰囲気はお分かりいただけるでしょう。

カメムシにまず気を取られて写真を撮り、ふとみたら、すぐそばにクモさんが。

0515hosoharikamemusi3 別に、カメムシがクモの後ろをとって狙っているわけではありません。

たまたまこんな位置関係になっただけです。

クモはササグモです。

0515hosoharikamemusi4 頭部の複眼の内側に、単眼も見えているようです。

少し赤っぽい色をしています。

ちょっと近づきすぎたか、このあと飛び去って行ったのですが・・・。

車のところへまわって行ったら、再会を果たしてしまいました。

0515hosoharikamemusi5 車のボディーに左手を置いて、しっかりカメラを固定し、体重も預けてなお、カメムシの方にはその影響が伝わりませんから、接写が楽になります。

さらに回り込んで正面から撮ったら

0515hosoharikamemusi6 三角になってしまいました。

この肩の張りが特徴です。

ホタルブクロが咲きました

0513hotarubukuro1 0513hotarubukuro2 ホタルブクロの花とつぼみです。

ホタルブクロというネーミングのセンスには脱帽ですね。

私のような散文的な人間には、ムラサキツリガネソウ(ウソの名前ですよ。検索でこんな名前に引っかからないで下さいよ!)とかね、そのまんまの名前しか思い浮かびそうにないです。

花の終わった後をちゃんと見ていないな、という気がします。実はなるのかな?

テントウムシの蛹

0512nanahosisanagi1 アジサイの葉の上でみつけました。

鮮やかなオレンジ色です。

ナナホシテントウの蛹ではないかと思いますが、確実というわけではありません。ナミテントウの蛹と、実のところ私には区別できません。

0512nanahosisanagi2 さなぎの腹部の先端に、幼虫時代の皮が残っているのが見えます。

元気に羽化してくれますように。

2008年5月19日 (月)

キセルガイ Part 2

0514kiserugai1 キセルガイの眼に焦点を当ててお話したいと思います。

まずはもう一度眼の観察から。

柄の先が丸く膨らんでいて、その中に「黒い点」があります。この黒い点のところが光の入り口です。この眼の中に私たちの目のような「水晶体=レンズ」はありません。小さな穴から暗箱の中に外界の光が入ると、「ピンホール・カメラ」の状態になって、外の景色が眼の底に写るのです。あまりくっきりした像ではないと思われますが、一応、ピンホールカメラなのだ、と理解してください。

入射した光は眼の底に像を結び、そこで細胞に吸収されて信号に変換されて脳に送られるわけです。ということは、眼に入射した光は返ってきません。入射した光が返ってこないとき私たちはそれを「黒い」というわけです。

動物の眼をよく見てください。必ず「黒い」はずです。眼に入射した光が返ってこないのですから「黒い」のです。(余談:透明人間がいたとして、彼が眼でものを見るとしたら、彼の眼はやはり外から黒く見えてしまうので、体が透明でも、眼だけは隠しようもないはずです。眼の存在が外側からわからないとしたら、透明人間は物を見ることができません。昔、「透明人間は物を見ることができるか」というテスト問題を出題したことがあります。変な教師でしたでしょ。)

岩波生物学辞典から、また引用します。

:[2]・・・。イソアワモチ・アワビ・カタツムリなど腹足類の触覚の基部や先端やアメフラシの頭部皮下には、左右一対の杯眼が発達する。杯眼は感覚上皮が体表から陥入し、通光性の分泌物でみたされ、内腔が小孔をもって外界に通じている。始原的ピンホールカメラの機能があると推定され、オウムガイの杯眼はその完成型。・・・

柄があるということで、有柄眼だったわけですが、眼そのものの構造的には「杯眼」ということになります。

Me 高校の生物資料集から引用します。

杯眼ということの意味がお分かりいただけると思います。

Pinholeeye

この図はオウムガイの杯眼です。ピンホールカメラの眼としては完成形だということです。

外界の景色が網膜に映る仕組みもお分かりいただけるでしょう。

キセルガイではここまでくっきりした像は映らないまでも、ボンヤリ外界の状態はわかるでしょう。明暗だけということもありますまい。

もうひとつ、上の図で、光の入射してくる側に網膜の細胞があって、光の来る側と反対側に神経が伸びているのが分かります。「対光型網膜」といいます。何を当たり前のことを、とお思いのことでしょうが、実は、私たちの眼の網膜は逆でして、「背光型網膜」というのです。光の来る側に神経線維が出てるのです。なんだか変でしょ?

Moumaku1 これも高校生物の資料集です。

図の上に左から右へ光の方向を示す矢印がありますね。

図の左側が眼球内部なのです。神経は一か所に集まって眼球の外へ出ていくわけですが、その集まるところが「盲斑」ということになり、この部分が主観的な視野内での「盲点」になるわけです。

0514kiserugai2 さて、もう一度拡大してお目にかけます。

上の説明を思い出していただいて、じっくりご覧ください。

◆ところで、「でんでんむしむし、かたつむり・・・♪」という歌にもあるように、この触覚ひっこめることができますよね。

どうやってひっこめるのか、ご存じでしょうか?

0514kiserugai3

ひっこんでいく途中の写真です。

「カタツムリの生活」大垣内 宏 著、築地書館 という本がありまして、これがもうカタツムリ類を愛してやまない方の、愛情満ち溢れる名著です。この本から引用させていただきます。

 カタツムリが歩いているところを、ジッと見ていると、障害物に大触覚がふれるまでどんどんと進んでいき、前にある障害物に気づきません。

 何かに触れると、はじめて触覚を動かし、障害物を認識しています。

 小触覚は味覚と嗅覚をつかさどる器官です。小触覚を動かして食べ物を判別しています。これらの触覚を出たり引っ込めたりさせるところをよく見ると、じつにおもしろい動きをしています。ちょうど私たちがセーターの袖口をつかんだまま脱ぐと、袖は中に引き込まれていき、セーターが裏返ってしまうし、手袋やくつ下を脱ぐとき、手袋の指やくつ下が裏返ってしまうことがありますが、これと同じように触覚は中へ中へと裏返って引き込まれていきます。

 出てくるときは、これと反対の動きをして顔をだします。

お気づきでしたでしょうか?もちろんカタツムリだけでなく、キセルガイもナメクジも同じです。先日、ナメクジと出会ったので、眼をチョンとつついてやったら、カタツムリと全く同じひっこめ方をしていました。

くつ下に手を突っ込んで先端をつまみ、手を引いて靴下が裏返っていく様子をぜひ実験して観察してみることをお勧めします。これがカタツムリの眼なのかぁ、と感慨深いものがあるでしょう。

0514kiserugai4 引っ込んでいく眼の柄の先端をよくご覧ください。中央部にかすかなくぼみが見えるのではないでしょうか。

反射光を使ってもっとくっきり写したいという気持ちはあるのですが、キセルガイさんにあまり負担をかけたくなくって。こんな写真で我慢してください。

こんど、カタツムリやナメクジと出会ったら、ルーペでも使ってじっくり観察するような気持になっていただけたら幸いです。

キセルガイ Part 1

0512kiserugai1 娘がキセルガイをとってきました。

キセルの実物を知っている方は今はもう少ないかと思います。「キセル」でグーグルのイメージ検索をかけてみてください。実物のイメージがつかめます。

私の場合は、父がキセルを使っていたころがあったので実物を知っています。また、水蒸気でキセルの管のつまりを掃除してくれる「ラオ通し」という職業があって、リアカーに道具を積んで街中を「ピー」と音を立てながら歩いていたという風俗も知っています。

ラオ【Lao・羅宇】
①ラオスに同じ。
②(①から渡来した黒斑竹を用いたからいう) 煙管キセルの火皿と吸口とを接続する竹管。ラウ。「― 竹」[広辞苑第五版]

余談ばかりですが、上の記述のように、火皿と吸い口の間が竹でつながっていて、金属の一本の管ではないということが、電車の不正乗車である「キセル」という言葉になったのですが、これも語源を直接知っている人はもう少ないのかな。

さて、本題に戻って。といつつ、また注釈。上の写真に写っている「草のようなもの」はスギゴケです。茶色く伸びた胞子体も写っているのが、よく見ていただくと分かります。

0512kiserugai2 とりあえずキャベツやニンジンを入れてやったところ、元気にかじった様子です。

あまり湿らせるとキャベツが腐って、ひどいにおいがしてきますので、注意が必要です。

0512kiserugai3

プラスチックケースの外から写真を撮っていますので、映像にシャープさがかけますが、でも顔の様子はわかると思います。

カタツムリとおんなじですね。2対の触角があって、上の大きな触覚の先端に眼があります。

実は、キセルガイは、カタツムリと近縁です。

軟体動物門>曲体亜門>マキガイ綱>マイマイ亜綱(有肺類)>マイマイ目(柄眼類)

 この目の中にさらに亜目があって
  ハワイマイマイ亜目
  キセルガイ亜目
  オカモノアラガイ亜目
  マイマイ亜目

 となって、このマイマイ亜目に、ナメクジやマイマイ(カタツムリ)が入るわけです。

ですから、カタツムリもキセルガイも、ナメクジも眼はほとんど同じ構造です。柄があってその先端に眼がありますので「柄眼類」というのですね。

岩波「生物学辞典」第4版によりますと

有柄眼(stalked eye):眼柄をもって頭部と連結している型式の眼。節足動物では十脚類、口脚類などの複眼がこれにあたる。これに対し、一般の節足動物の複眼は頭部に直接着いていて坐着眼(sessile eye)とよばれる。・・・
軟体動物では腹足類のカタツムリの眼も眼柄をもつ有柄眼である。

眼柄(eye-stalk, optic stalk):[2]軟体動物腹足類の柄眼類(例:カタツムリ)の後触覚。この類では、眼は2対ある触覚のうちの後方のもの、すなわち後触覚の頂上にある。

0512kiserugai5 0512kiserugai4 右の写真では、キセルガイがウインクしてます。

振動に驚いて、左眼が引っ込んでいくところです。

もうちょっと、このあたりを詳しく見たいな、と思ったので、Part 2でそのお話をしましょう。

ガザニアが咲きました

0515gazania1 0515gazania2 ガザニアが咲きました。

くっきりと上品で、線が太くて、背筋が通っている、高貴というのか、いっさいの媚がないというのか、よい花ですね。

うつくしい、と思います。

0515gazania3 0515gazania4 2輪咲いているので、ちょっとボケ味を加えて撮ってみましたがいかがでしょう。

光線は夕陽です。

朝日より穏やかな感じがしませんか。

0515gazania5 

花の中ですが、ある種のらせん模様が見て取れるかもしれません。

ヒマワリなどでは、「フィボナッチ数列」がらみの「らせん、もしくは、渦模様」が有名です。(生物に見られるフィボナッチ数列の話は、検索でもしてみてください。私も書こうとか思うこともありますが、書くなら、結構きちっと書かないといけないので、今のところ敬遠しています。)

ぼんやりとした感じで写真を眺めてください。らせんが見えてくるかもしれません。

0515gazania6

こちらは、これから咲く蕾。しばらくの間楽しませてくれそうです。

カマドウマ

0512kamadouma1 0512kamadouma2 ガレージのタイル上に発見。

バッタ目のカマドウマ科のカマドウマ亜科というグループの昆虫です。

さて、種となるとよくわからないというのが本音でして。

よく見かけるのはマダラカマドウマです。その他、コノシタウマとかクラズミウマとかが比較的ポピュラーだとは思うのですが・・・。みんな体や脚に模様があると思うのですよね。専門的な人は脚のとげなども参照するらしいのですがそんなところは見えません。

この写真では体にほとんど模様がないのです。

0512kamadouma3 0512kamadouma4 いろいろなアングルで撮ってみました。

ひょっとすると「○○(カマド)ウマ」というのの「○○」のない、ただの「カマドウマ」という種もあるので、それではないかという気もします。

ベンジョコウロギと呼ばれたり、気持ち悪がられたり、不当な扱いを受けていますが、よく見れば流麗な曲線、とてつもなく長くてしなやかな触覚など、実に洗練された姿だと思います。もっとも、すべての昆虫が美しく洗練された姿だと思っている私の言うことでは、あまり信用してもらえないかなぁ。

2008年5月18日 (日)

ハルジオン

0512harujion 春紫苑=ハルジオン。

ピンクの花が結構多いのです。

間違ってないと思うんですけど。

姫女菀=ヒメジョオンと、本当にちゃんと区別できているのか?と問われると、ぐらっとなる私です。

蕾がうつむくのがどっちで?葉が茎を抱えるようになるのはどっちで?

さて、そういわれると、もうぐらぐらです。

ハナバチ(の仲間)

0512hanabati1 0512hanabati2 ハナバチの仲間だと思います。

花は、ムラサキツユクサ。

一所懸命蜜あさり。おかげで体中花粉だらけ。これが花の側の目論見。エニシダのようなズルはしていないと思うのですが、どうでしょう?蜜をあげて花粉を運んでもらっているのですよね。

0512hanabati3 もう本当に夢中です。

0512hanabati4 ホバリングして、空中停止しているところも撮れました。

素敵なシーンをプレゼントしてくれてありがとう。

2008年5月17日 (土)

スイカズラ(忍冬)

0509suikazura1 スイカズラです。と、堂々と言えるような状況ではないのでして・・・。

去年もこの花を六郷用水跡の水路脇で見かけて、何だろうなぁ、と思いつつ花の名前は分からずにいたのです。

今年、「花からたねへ」という本を買って、楽しんでおりましたところ、動物による被食散布というやり方で種を広く散布してもらう植物として紹介されている写真を見て、「アーッこれかぁ」と思わず叫んでしまったのでした。

0509suikazura2 0509suikazura3 特徴的な花ですよね。一度見て、一度名を覚えてしまえば忘れようもない花です。

上記の本によると「結実率が悪い。果実には種子が3~5個できる」とありました。

動物が食べると、種の外側が消化されて、発芽率が上がるものが多いのではなかったでしょうか。

すい‐かずら【忍冬】スヒカヅラ:スイカズラ科の常緑蔓性木本。山野に自生。全株に褐色の細軟毛を密生。初夏、芳香のある白色または淡紅色の唇形花を開き、のち黄色に変る。黒色の液果を結ぶ。茎・葉を乾したものは生薬の忍冬(ニンドウ)で、利尿・健胃・解熱薬、花を乾して吹出物などの洗浄用とする。葉が冬でもしぼまないので、忍冬の名がある。金銀花。<季語:夏>。[広辞苑第五版]

0509suikazura4 花のパーツをよく見ようと接近したら、メシベに何かが見えます。

初めこれがこの花のめしべの特徴なのかな?と他の花と見比べたらそうではないみたい。

よくみれば、何かのタネの羽毛がくっついているのではないでしょうか?いや、面白いものを見ました。

0509suikazura5 これはつぼみですね。

基本的には二つ並んでペアのようです。

ちょっと面白いつぼみです。

0509suikazura6 白と黄色の花が並んで咲いています。

黄色い方が少しだけ時を経た花ですね。

これ「金銀花」という状態でしょうか。

◆じつは、「スイカズラ」という花の名だけはもう20年以上も前に知っていたのです。

因幡晃さんの歌ですね。ご存じの方も多いと思います。「忍冬」です。

・・・

忍という字は難しい

心に刃を乗せるのね

時々心が痛むのは

刃が暴れるせいなのね

・・・

いとしい花なら忍冬

・・・

全部書いたら著作権に触れるでしょう。印象深いところだけ。

因幡さんの高い声で歌いあげられるこの歌、1985年ですか?フォークというにはちょっと湿っぽいけれど、結構好きでした。

当時の学級通信にも、何かの時に真崎守の劇画のコマとセットにして使った覚えがあります。(3年間で600号を超える学級通信を出したときだったな、思い出深い。)

ですから、スイカズラの名前だけ知っていて、実物を知らないというアンバランスな状況を20年以上も抱え込んだまま生きてきて、今年、やっと名前と実物が一致したのでした。お恥ずかしい思い出話でした。乞御容赦。

ヒラタアブ

このごろどうもヒラタアブとも「親しく」なってしまって・・・。

0509hirataabu1 0509hirataabu2 スイカズラの花を撮ろうとして、いろいろアングルを考えていた時のことです。

眼の前にヒラタアブがやってきて、ずっと目の前でホバリングしたまま、飛んでいかないんですよね。ヒラタアブは大分写真を撮ったので、もういいだろうと思ったのですが、なお、目の前でホバリングを続けている。

これはもう「撮ってくれ」といわれてるのかな、と5、6枚シャッターを切ったら、す~っと飛び去っていきました。空中停止の写真をわざわざ撮らせに来てくれるとは、フレンドリーなやつです。我が家で羽化したヒラタアブを放したあとですから「アブの恩返し」かなぁ、と独り笑い。

童話が書けそうだ。

おや?誰かな?

0509chako 郵便受けの真下にある、リュウノヒゲの中。

郵便物は来ていないかな、と覗いて、ふと気づくと足もとに誰かがいます。

外猫のチャコちゃんです。

潜り込んで、チャンと上から草がかぶさっている、というのが可笑しい。

一瞬びっくりして、「気持よさそうだねぇ」と声をかけて、笑いながら家に入りました。

白いベゴニア

0509begonia_siro1 0509begonia_siro2 白いベゴニアが咲きました。

なかなか品があってよいものです。

比較のために、赤いベゴニアも載せておきます。

並んで咲いていますが、きれいですよ。

0509begonia_aka 玄関を出たところにプランターが置いてあるので、外へ出るたびに眺めて楽しんでおります。

アメリカフウロ

0509americahuuro1 0509americahuuro2 アメリカフウロの花は終わりました。

熟していない実です。

これが熟して、弾けるところ、あるいは、弾けた後の姿などを撮りたいものだなぁ、と思っております。

いつになることやら。気長に参りましょう。

アジサイ

0509ajisai1 0509ajisai2 とくにコメントの必要な写真ではありませんね。

右の写真の左下。

先行するやつがいましたので、拡大してみました。

どこかに揃わないのがいる、というのが生物集団の楽しさですね。それと、判然としないのですが、どうもクモが入り込んでますねぇ。拡大してみるまで気づきませんでした。どうも、私の写真には思わぬゲストがやってくるようです。

いろんなのがいて、テンポがはずれている、でもまぁ、みんなでいくかぁ、というのがいいですね。

メスジロハエトリ

0508mesujirohaetori 白いクモが網も張らずに走っていたら多分これです。

この個体、最近私の車の周辺をテリトリーにしているようで、車を出そうとすると顔を合わせます。そのたびに「危ないぞ」と声をかけて、脇の方へ吹き飛ばすのですが、また戻ってくるようです。

0515mesujirohaetori1 0515mesujirohaetori2 0515mesujirohaetori3 みごとな顔つきでしょ。

右の写真では、単眼にガレージの屋根が写りこんでいます。この後、ぴょんと跳んでレンズに入ってきてしまったのです。

「おいおい」と笑って、吹き飛ばしてサヨウナラ。

松の葉芽

0508matu 松の葉芽などというものをしげしげと見たことはなかったのですが、撮ってみました。

拡大するって面白いですねぇ。

顕微鏡買ってもらった子どものような気分です。

こんななのかぁ、と感嘆の声を上げております。

ドクダミ

0508dokudami ドクダミのつぼみです。

どく‐だみ【○草】(毒を矯める・止める、の意。江戸時代中頃からの名称) ドクダミ科の多年草。雑草として各地に分布。茎は高さ15~35センチメートル。地下茎を延ばして広がる。葉は心臓形で悪臭をもつ。初夏、茎頂に、4枚の白色の苞ホウのある棒状の花序に淡黄色の小花を密生。全草を乾したものは生薬の 菜シユウサイで、消炎・利尿剤などとして用い、葉は腫物に貼布して有効という。ドクダメ。十薬ジユウヤク。古名シブキ。<季語:夏> [広辞苑第五版]

○は「蕺」という字です。MS-IMEの手書きで出しましたがIEで表示できるのかなぁ。

0515dokudami1 0515dokudami2 何気なく、白い花、と思っていましたが、そう単純ではないようです。

白い4枚の花弁のようなのは「苞」です。通常の花の作りでいいますと、下から、苞があって、萼があって、その上に花弁という順序になります。

そうすると、真ん中に立っているのはなんでしょう?

小さな花の集合体なのですね。この小さな花には萼も花弁もなく、オシベが3、メシベが1という構成だそうです。そのメシベの頭(柱頭)は3つに分かれるとありました。

0516dokudami1

下の方から順に開花していくのでしょうか。オシベが3というところまでは見てとるのは難しそうですが、メシベの柱頭が3つに分かれているというのは見えると思います。なるほどなぁ。マクロ撮影ができるおかげで、なんでも拡大してみようという気が起きた結果、いろいろなものに出会うことができます。楽しいなぁ。

0516dokudami3 0516dokudami2_6 ところで、4枚の白い苞が開いた状態を普通にドクダミの花として認識していますが、今回、眺めていたら、なんだか変!

3枚が開いていて、1枚は立って花の集合を包んだようになった状態の花を、何個かみつけました。

まるで、ミズバショウの、白い仏焔苞に包まれた黄緑色の花穂のようなイメージです。

もちろん、このあと4枚とも開いた状態になるのでしょうが、どの花もこのような状態を経ているのでしょうか?よくわかりません。ドクダミを見かけられましたら、そのあたりを観察してみてください。

最後に

0516dokudami4 一所懸命花を見ていたら、おや、ササグモさんが登場。花のそばにいると餌と遭遇するチャンスが多いのですね。たいしたものです。ホントにあちこちででくわします。

ササグモの足元には、すでに吸収の終わった獲物があるように見えます。お元気で!

2008年5月16日 (金)

ヒラタアブ羽化

0508hirataabu1 ベニバナトキワマンサクの葉についていた、あのヒラタアブの幼虫が羽化しました。2匹。

羽化記念写真です。

0508hirataabu2   餌は十分に入れているはずですし、環境を悪化させているつもりもないのですが、自然状態での成長に人為的に介入したわけですから、もし羽化できなかったりしたら、やはり後ろめたさを感じざるを得ません。

   無事羽化してくれて、ほっとしています。ところで、2枚目の写真はぶれていますが、よく見ると、二つの複眼の間が離れているように思います。                0508hirataabu3 0508hirataabu4

ところが、他の3枚は、ふたつの複眼が顔の中央でくっついていますよね。

雌雄の違いかもしれません。

オスは空中でメスをしっかり見定めて接近し、交尾行動に入るために、複眼による「立体視」をするのでしょう。そのために、前方を注視する必要がありますので、複眼がくっついているのではないでしょうか。

なんにしても、よかった、よかった。ほっとした。

ヒゴクサの実

0508higokusa ヒゴクサの実です。

大きな画像で見てください。ホント、虫っぽい感じがします。

面白い実ですね。(ネットに入れたドッジボール、にしてはとげとげだなぁ。なんかいいたとえはないでしょうかね。)

ダンゴムシの脱皮殻

0508dangomusi1 道に落ちていました。

ダンゴムシが脱皮した殻です。

あまりじっくり見たことはなかったので写真に撮ってみました。

0508dangomusi2

上は腹側から、下は背側からです。

門柱を降りていくダンゴムシを見かけました。脱皮から間もないのでしょう、色が淡く、体内が透けているようでした。(殻を残した個体と同じ個体ということはないでしょう。)

0515dangomusi

近所の保育園の子たちが遊びにきて、ダンゴムシに大喜びして、触って丸まらせてはしゃいでいました。いいことです。存分に親しんでください。

梅の実の成分

「梅の実」の項に桔梗さんからコメントをいただきました。

子供の頃学校や親から青梅を食べないように、ときつく注意されていました。「エキリ?」になると言われたのですが・・・

私もそんなことを言われていました。「エキリ」は「疫痢」ですが、これは伝染病ですから梅の実を食べたからかかるという病気ではありません。

えき‐り【疫痢】子供、特に幼児の急性伝染病。激烈な中毒症状、粘液下痢を主症状とし、高熱・痙攣(ケイレン)・嘔吐・昏睡などを起す。赤痢菌によることが多く、死亡率が高い。小児赤痢。颶風病(ハヤテ)。早手。[広辞苑第五版]

ただ、腹をこわすよ、危ないから食べるな、ということの具体的な指示だったのでしょう。

青梅の実が危険だというのは「アミグダリン」という化合物のせいです。この化合物にはシアンがくっついています。アミグダリンが分解されるとシアン化水素が発生しますので危険だということなのです。でも、大量の青梅の実を食べなければ死ぬほどではないのですが、やめた方が良いですね。

と思って、検索したら、何と、アミグダリンが健康によいという「ニセ科学」が流れているようですね。

やめてください!危険ですよ!!

http://hfnet.nih.go.jp/contents/
ここは、独立行政法人 国立健康・栄養研究所のサイトです。ここには、いろいろ危険な健康食品情報なども解説されていますので、重要なデータ源になります。

ここの中の

http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail748lite.html に「アミグダリン、レートリル、レトリル」の情報がありますので参考にしてください。

また、ウィキペディアにもちゃんとした情報がありますので、お読みください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%82%B0%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%B3

◆どうも日本では「毒も少量なら薬」とか「良薬口に苦し」とか、変なものを薬と信じ込む風潮があって危険です。身辺に警戒心の網を張ってください。

(上の場合、逆は真です。「薬も大量なら毒」です。薬というのは体の生理作用に影響を与えるからこそ薬なのですから、大量に飲めば、生理作用が妨害されて毒になるのは当たり前です。すべての薬には副作用があると考えてください。副作用と作用のバランスを勘案して薬は使うべきなのです。)

2008年5月15日 (木)

クロスジギンヤンマ

0507yago1 0507yago2 0507yago3 この3枚。別々の個体です。一つの小さな池の3か所で撮ったものです。

いちばん左のヤゴは水面から少し体を出しています。多分、羽化が近いのでしょう。

こんな大きなヤゴが3匹もいたら、小さな池のメダカたちはどんどん食べられてしまいます。

この池は娘が「トンボ池」として掘ったものですから、それでいいのです。

ただね、去年からヤゴと抜け殻ばかり見てきたので、できれば羽化した成虫もみたいなぁ、とは思っているのですが。

朝、雨戸を開けると、羽化していないかなぁ、と庭を覗いています。羽化は早朝でしょうから、なかなか見られずにいます。

シロスジヒメバチ(?)

0507sirosujihimebati1 イチイの木の葉の間をハチが歩き回っていました。

どこにピントが合うか不安ながら何枚か撮ってみました。結構ちゃんと写ったのですが・・・。

またまた、種の同定に不安を感じます。

0507sirosujihimebati2

0507sirosujihimebati3  背や眼の付け根、脚などに特徴的な白い模様があります。

この際、アングルを変えて、もう少しお目にかけましょう。

0507sirosujihimebati4 0507sirosujihimebati5 いかがですか。

特徴的な模様があって、これなら種を同定するのは比較的簡単なのではないか、と思ったのですが・・・。

http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/SEIBUTSU/doubutsu/08hachi/type1/02.html
和名:シロスジヒメバチ
学名:Achaius oratorius albizonellus
分類:節足動物門>昆虫綱>有翅昆虫亜綱>ハチ目(膜翅目)>ヒメバチ科

ここにシロスジヒメバチの写真があります。脚の模様とか眼の付け根とか、似てますが・・・背中の模様がちょっと違うなぁ。

http://www.sanmondat.sakura.ne.jp/kontyu/hati/himebati/sirosuzihimebati2.htm
蜂(ハチ)・シロスジヒメバチ2? (ヒメバチ科)
シロスジヒメバチに似ているが背中の模様が微妙に異なり、本当の名前は定かでない。ヒメバチに関しては同定が非常に難しい。できるだけ写真は撮っていきたいと思っている。

このサイトの写真が、私の撮った写真と同じものです。で「背中の模様が微妙に異なり・・・」と書いておられます。

ダメです。わたくしごときに歯の立つ相手ではないようで。でも「確かに見ました」。

同定してください。

ササグモの食事

0507sasagumo1 庭へ出てふと見るとササグモがアリを捕まえたようです。

アリの頭の方を抱え込んでいます。

抱え込んで消化液を注入し、自分の体内ではなく、相手の体内で消化して、それを吸いこむのです。外部消化といいます。

しばらくぶらぶらと歩き回って、戻ってきたらまだ同じ場所で、アリを抱えていました。何気なく再度写真を撮っておきました。

0507sasagumo2 0507sasagumo3 部屋に戻ってパソコンに取り込んでチェックしていたら「おや、アリの向きが反転している」

同じ場所で同じ恰好、ずっとそのままだったのかと思いきや、獲物のアリを逆さまに持ち替えて、今度は腹の方についています。

とらえた獲物を余すことなく吸収するには当然こうするしかないですね。とはいえ、実際に、ここまで見届けたのは初めてです。

肉食性のカマキリや、クモを「残酷だ」といって嫌う方もいらっしゃるでしょうが、これが動物が「生きるということそのもの」なのです。

他者の命の一部や全部をもらうことによって自分の命を保つのです。

生きるということは命をいただくということです。

ヒトも例外ではありません。スーパーに並ぶ食材は「工場産品」ではありません。元をたどれば、みな生きていたものです。植物だって命です。豚や牛や鶏は殺して食べるのです。そのことを忘れてはいけないと思います。

せっかく命をいただくのですから、その分、よく生きなければなりますまい。それが相手の命を引き受けるということでしょう。

梅の実

六郷用水跡の水路、水車のそば、です。

0507rokugouume 梅の実が大きくなってきました。

以前は梅酒を漬けて楽しんだこともありますが、今は酒類は全然飲まないので、梅酒もつくることがなくなりました。

梅酒用の大きなガラス瓶を使って、この3年くらいは「ラッキョウ漬け」を作っています。

ちょうど今頃、スーパーに生のラッキョウが出ますので、それを酢漬けにします。市販品と比べると、甘さが極端に少なく、ラッキョウの強烈な香りと味が存分に楽しめるものが出来上がります。おいしいですよ~。なれると病みつき、の味です。

梅の話がラッキョウになってしまった。ゴメンナサイ。

看板(といっていいのかな?)

0507kanban これ、とある有名スーパーの看板です。

色から店名のわかる方もいらっしゃるかもしれませんね。

今年度、久しぶりにこの店の前を走ったら、見つけたので信号待ちの間に1枚。

おめにかけます。

ハムシ(かなぁ)

0507hamusi 0507hamusi_2 車を出そうとしたらフロントのところにいたのです。

なんとまあ、埃だらけで、大変な姿ですが、拭いてやるわけにもいかず、記念撮影だけしてサヨウナラ。これは5月7日のこと。

0512hamusi_1 5月12日。今度は、イチイの木の葉についていました。

これ、上のと同じですよねぇ?

頭の模様が少し違うのではありますが・・・。

やっぱり違う種かなぁ?

0512hamusi_2 0512hamusi3 小さな甲虫類はさっぱりわかりません。

実は、時々、小さな甲虫を見かけることはあるのです。でも、同定できっこないから、我慢して写真撮影はパスしているのですが。

これはきれいな色で、目の前に出てこられてしまったので撮影しました。甲虫に詳しい方、種を同定してください。

ベッコウハナアブ

0507bekkouhanaabu1 0507bekkouhanaabu2 ベッコウハナアブではないかと思います。

さかんに蜜を探し、花粉だらけになっています。

http://www.insects.jp/kon-abubekkouhana.htm

このサイトを参考にして、名前を決めました。

ウィキペディアによると、不思議な性質があります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8A%E3%82%A2%E3%83%96

土中に営巣するスズメバチ類の巣にはベッコウハナアブ類が進入して産卵し、幼虫は巣の活動が盛んな時点では巣から捨てられたごみをあさって食べているが、営巣末期になり巣の勢いがなくなると巣の内部に侵入し、スズメバチの幼虫を襲って食べてしまう。

というのです。どうやってスズメバチの巣に侵入するんでしょうね。スズメバチの攻撃を誘発しないような「におい」でも発しているのでしょうか?わかりません。

ユウゲショウ

0506yuugesyou1 勝手口の外のコンクリートの隙間に根を張っています。

とてもかわいい花なので、妻はどこか広い所へ移してやろうとしましたが、うまく根から抜けてこないようです。

名前もわからずにいたのですが、最近、やっと「ユウゲショウ=夕化粧」という名を知りました。

なんとまあ、素敵な名前ですこと。

0506yuugesyou2 0506yuugesyou3  マツヨイグサなどと同じアカバナ科だそうです。

私がこの花の写真を見つけた「雑草図鑑」では、同じアカバナ科のヒルザキツキミソウと同じページに掲載されていました。

ヒルザキツキミソウなら、今、盛りと咲いています。

並べてみましょう。

0509hiruzakitukimisou1 0509hiruzakitukimisou2 なるほど、花の大きさや色は違うのですが、花の姿というのかが似ていますね。

メシベの先が4裂しているところなんかそっくり。

花弁の下の萼片でしょうか、しゃれたスカーフ風になっているところなんかも雰囲気が似てますね。

いくつかのサイトの解説を引用します。

http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/onagraceae/akabanayuu/akabanayuugesyou.htm
ユウゲショウ Oenothera rosea Ait. (アカバナ科 マツヨイグサ属)
ユウゲショウはアメリカ原産の帰化植物。多年生草本であり、観賞用に栽培されていたものが野化したものと思われる。路傍などに点々と生育が見られる。夏から秋にかけ、直径1.5~1.0cmの花をつける。めしべの先は4つに分かれ、十字状になっている。花が美しいので除草されず、次第に増えつつあるように思う。
 アカバナユウゲショウの別名もあるが、昼咲きであって夕方には花を閉じてしまう。ユウゲショウという名は色っぽいが、朝とか昼の化粧であるほうが、生態的には良くあっている。しかし、昼間のお化粧としては派手すぎるかもしれない。

http://www.hana300.com/akayuu.html
赤花夕化粧 (あかばなゆうげしょう)
・赤花(あかばな)科。                               
・学名  Oenothera rosea                              
          Oenothera : マツヨイグサ属                  
          rosea     : バラのような                   
  Oenothera(オエノセラ)は、ギリシャ語の            
  「oinos(酒)+ ther(野獣)」が語源。             
  根にブドウ酒のような香りがあり、それを野獣が好むため、らしい。また、「onos(ロバ)+ thera(狩り)」との説もある。
・南アメリカ原産、明治時代にアメリカから持ち込まれた。
・5月から9月頃まで、ピンク色のきれいな4弁花が咲く。
  花にある赤い筋が目立つ。                           
・夕方に開くことからこの名前になった。          

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/1586/yuugeshou.htm
ユウゲショウ(夕化粧)
 水田(兵庫県相生市)のあぜに雑草として咲いていたものを昨年鉢植えにしました。撮影は2006年5月19日。
 アカバナ科の多年草で、花の直径は1.2~1.5cm。マツヨイグサやツキミソウの仲間です。原産地は南米。明治時代に観賞用に輸入され、栽培されたのが、いまでは関東以西に帰化しているそうです(朝日新聞社「世界の植物」による)。
 アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)ともいいます。これは、オシロイバナ(別名ユウゲショウ)と区別するために使われた名前だと思われます。

読んでいたら「オシロイバナ」の別名が「ユウゲショウ」だと書かれています。へぇ、そうなのか、と広辞苑を引いてみました。

おしろい‐ばな【白粉花】オシロイバナ科の多年草。熱帯アメリカ原産で、江戸初期に渡来。高さ60~70センチメートル。茎の分岐点には膨れた節がある。夏から秋に数花ずつ集まり咲き、花(本来は萼)の形は漏斗状で微香があり、色は黄・紅・白など。果実は球形で堅く黒熟、中の白粉状の胚乳をおしろいの代用にした。オシロイグサ。夕化粧。<季語:秋>[広辞苑第五版]

ほんとだ。夕化粧ですって。無粋なことに、これは知りませんでした。オシロイバナは長い付き合いなのにね。

いろいろ面白い話に出くわして、楽しいですねぇ。

2008年5月14日 (水)

アシナガグモ

0507asinagagumo1 結構ポピュラーなクモなんですが、気づいていない方も多いと思います。

ゴミでも引っかかっているように見えますが、クモがいます。

「日本のクモ」によりますと

人家、神社、寺院などの庭園の池の周囲、水田、水路、小川、河原などの水辺、林道、渓流沿いの樹間、草間に水平円網を張り、中心に歩脚と腹部をまっすぐに伸ばして静止する。

とあります。この写真は六郷用水跡の水路の水面近くに張った円網の中央で、まっすぐになってじっとしているところを撮影したものです。解説の通りですね。

水辺などに行った時には注意してご覧になるといいですよ。

ウメエダシャク

0506umeedasyaku1 0506umeedasyaku2 散歩から帰ってきた娘が、こんな写真をくれました。

梅の木にいた、とのことです。

梅の木にいて、シャクガの幼虫であることがはっきりしていますので、これは「ウメエダシャク」です。

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/index.html

これは「幼虫図鑑」というサイトの中のウメエダシャクのページです。

この図鑑、虫が苦手な方は見ない方がいいですが、幼虫から成虫を調べたいときは便利です。

0506umeedasyaku3 見事に「尺取り虫」の格好をしています。

また、この姿がギリシャ文字の「オメガ=Ω」のようだという人もいます。

◆英語では「Geometer (earth-measurer)」というそうです。幾何学(= Geometry)をやっているのでしょう。すごいやっちゃ。

「loopers, spanworms, inchworms」というような呼び名もあるようですが、どれも、この幼虫の歩き方をよく表していますね。

◆どびん‐わり【土瓶割り】(保護色や擬態によって小枝と見誤り、土瓶を吊そうとして落して割ることがあるとしていう) エダシャクトリの俗称。[広辞苑第五版]

腹部の先端で体を支えてまっすぐに体を伸ばすとまるで枝のように見えるわけですね。

◆日付が不明なのですが、かれこれ10年くらいも前に日本経済新聞に掲載された写真を縮小してお目にかけます。(著作権に触れそうですから、あえて不鮮明にしてあります。)

Kamakiri

カマキリの幼虫がのぼっている小枝。これ実はシャクトリムシの幼虫なんですね。

どちらも子供。シャクトリムシの方は必死になって身を守ろうと、ひたすらじっとして動かずにいるわけです。(くすぐったそうだなぁ、と人間的には感じますが。)子どものシャクトリムシですから、小枝になっているわけです。

子カマキリの方は、間もなく立ち去ったそうです。

緊張の時間だったのですね。

2008年5月13日 (火)

ムラサキカタバミ

0506murasakikatabami ムラサキカタバミが咲き始めました。

第一報です。

写真の撮りやすい位置でも咲くようになったら、もう少しアングルを変えてお目にかけるつもりです。

メランポジウム

0506melampodium1 0506melampodium2 メランポジウムです。花の様子からして、キク科ですね。

コンピュータ画面では「ポ」と「ボ」はほとんど区別つかないでしょ。

学名が「Melampodium paludosum」なのです。ですから「po」でしょう。それで「ジューム」でもいいのでしょうけれど、化学屋のセンスとしては「ジウム」と読みたい。

で「メランポ(po)ジウム」としておきましょう。

「メランボ(bo)ジューム」でも検索できます。

三寸アヤメ(かな?)

0506iris1 これ、アヤメですよね。

花びらに「文目=あやめ」がありますしね。

でも・・・、背が低いのです。

0506iris2 0506iris3 でもって、いろいろ検索したところ、三寸アヤメというものがあることを知りました。

http://www.mitomori.co.jp/hanazukan2/hana2.3.92sanzun.html
によりますと

さんずんあやめ(三寸菖蒲 チャボアヤメ)
Iris sanguinea
多年草
【あやめ科あやめ属】
原産地 関東以南  
3~4月に咲く
花径6~8cm大
花色は白もある
株分けで繁殖させる
強健で作りやすい
草丈が低い割りに花は大きい
日当たりの良いわりと乾燥した肥沃な場所に植える
耐寒性は普通
草丈20cmまで

とありました。きっとこれだと思うのですが。

つぼみをご覧にいれます。

0506iris4_2

毅然としたいい姿ですね。

ハナバチ(の仲間だと思うんですけど・・・)

0506hiruzakitukimisou1 0506hiruzakitukimisou2 足もとのヒルザキツキミソウを何気なくみたら、昆虫がいます。

何かなぁ、と写真を撮ったのですが、決定的な写真には至りませんでした。花粉団子を作っているようですね。巣に持ち帰るのでしょう。

触覚の様子からしてハチでしょうし、花に来ているからハナバチの仲間だろう・・・と安易に考えています。信用しないでくださいね。

ヤマトシジミ

0505yamatosijimi なんだか黒ずんでないか?と娘が送ってきた写真です。

おそらくヤマトシジミのメスでしょう。羽の斑点はヤマトシジミのものですから雌雄の色調の差だと思います。

カタバミの花で吸蜜しているところです。

キタヒメヒラタアブ(ではないかなぁ)

0504kitahimehirataabu1 0504kitahimehirataabu2 普通のヒラタアブより小型です。

空中でホバリングする姿がうまく撮れたので、どうしても載せたかったのです。

一眼レフだと、シャッターボタンを押した瞬間にカチャッとシャッターが切れますので、見ている瞬間とのタイムラグがほとんどないのです。そのため、こういう写真が撮りやすくなりました。

ブルーサルビア

0504bluesalvia1 ブルーサルビアが咲いています。

シソ科サルビア属です。

検索してみたら「多年草(非耐寒性)」「原産地 米国南部~メキシコ 」とありました。

線路際にほったらかしです。東京の冬くらいは大丈夫なんですね。

なんだか花の様子がよくわからない花です。

0508bluesalvia2 ただ近寄ってみても、毛むくじゃらです。

花の中が見えるような開き方をしているのを探しました。

0508bluesalvia3 0508bluesalvia4 0508bluesalvia5 この雰囲気は蘭に似てますね。

虫が入ってきたら、背中に花粉をスタンプするぞ、というような感じです。本当にそうかどうかは知りませんが。

花も生殖のために懸命です。昆虫との絶妙な駆け引きがきっとあるのでしょう。

キノコ

0504kinoko 植木鉢の隅っこに、キノコが生えていました。

なんだか「とってもキノコ」という感じです。

種類を同定する気にはなれません。

笑って見過ごしてください。

ユキノシタが満開です

0504yukinosita コメント書く必要ないですね。

ユキノシタは普通は「栄養生殖」つまりランナー(走出枝)を出して増えるのですが、この花にタネもできるはずでしたよね。

意識して見たことがないなぁ。忘れなければ、探してみましょう。

イチゴも、ランナーで増やせますね。そうすると遺伝的に同じものが増えますから、甘いイチゴのランナーから出た苗は甘い実を実らせます。

種を作ると、遺伝子を混ぜ合わせますので、甘いイチゴのタネをまいても甘いイチゴが出いるとは限りません。生物的にはその方が多様性が生まれて、種を維持・拡大していくには有利だと思いますけれど。

エニシダ

池上本門寺植木市 Part3

0505enisida_r1 あれ、なんだこれ?

エニシダのようだけれど、こんな色のもあったのかな?

0505enisida_r2 0505enisida_r_3 どうみてもエニシダの花ですよね。

まいったな。

聞いてみたらやっぱり買い込んできたエニシダ。

初めて見ました。

0505enisida_r4

エニシダ【金雀枝・金雀児】(ラテン語のゲニスタ(genista)が転訛したスペイン語のイニエスタ(hiniesta)から) マメ科の落葉低木。南欧原産の観賞植物。高さ約1.5メートル。茎は深緑色で縦稜がある。5月頃、葉腋に黄金色の蝶形花をつけ、両縁に毛のある莢サヤを生ずる。紅斑のある花や白花などの園芸品種が多い。<季語:夏>[広辞苑第五版]

なるほど、園芸種はさっぱりわからない私でした。(園芸種でなくったって、わからないくせにね。)

ところで、黄色い方の、普通に見かけるエニシダもあるのです。

0505enisida_y1 0505enisida_y2 ね、こちらを普通には見かけますよね。

さて、結構なじみ深い花ですが、授粉の仕組みがユニークなようです。

朝日新聞の日曜日にbe on Sundayという版がありますが、そこで見つけた記事です。

2008/03/30 朝日新聞 be onSundayから
[花と虫の物語]④蜜出さず強引に:エニシダ
 日本の初夏をいろどるエニシダ。その受粉戦略はあくどく、強引だ。
 黄色い花はただでもよくめだち、においがあまりなくても昆虫が集まる。ところが、蜜のありかを示す蜜標はちゃんとあるのに、何とこの花は蜜を出さない。そうとも知らずに訪れたミツバチなどは、蜜標を頼りに左右に広がる花弁(翼弁)と手前下側にある花弁(舟弁)に足をかけ、幻の蜜を求めて踏んばる。
 次の瞬間、舟弁の間からオシベがいきおいよく飛び出して、花粉をまきちらしながらハチの体に巻きつく。直後、今度はメシベが飛び出してハチの背中をたたく。そこには、他の花の花粉も付いているから、これで無事受粉したはず。巧妙な作戦のかいあって、実を結ぶ確率が非常に高い。

珍しい花の話は「へぇ、そうなんだ」だけですが、身近な花の話となると興味深いですね。

今度この花を見かけたら思い出してください。

さくらんぼ

池上本門寺植木市 Part2

0505sakuranbodanti1 植木市で買ってきた木、第二弾。

さくらんぼです。「暖地」という品種名だそうです。

0505sakuranbodanti2 実がなっています。

おいしかったですよ。甘くて。

うちは、ちゃんとした園芸趣味ではないもので、どうもほったらかし、植物さん、生きるがままに生きてください、方式ですので、来年から実がなるものやらどうやら分かりませんが、楽しみですね。

実のなる木って好きです。

人間、成り上がるよりは、成り下がる方が上等な生き方でしょう。

カエデ

連休中に妻が娘と二人で、池上の本門寺の植木市へ行ってきました。

0503kaede1 カエデです。

幹が赤くて、節があるのがちょっと私には意外でした。

0508kaede2 以前からカエデを育てたいとは思っていたのです。

あの実がまた魅力的ですよね。

実によくできた「ヘリコプター」です。この翼は「子房」が変化したものだそうですから、カエデ・ヘリコプターは果実なんですね。

大きな木に育ってくれるとうれしいのですが。

0508kaede3 ところで、妻が4月の初めに京都で拾ってきた実生のカエデも、順調です。

こちらも、成長を楽しみにしています。

2008年5月12日 (月)

アオスジアゲハの卵と幼虫

0512aosujitamago これ、アオスジアゲハの卵です。この卵が孵化するかどうかはまだ分かりません。しばらくたって、中が黒く見えてきたら可能性が高くなります。

ところで、先ほど、連れて帰ってきた幼虫をご紹介しましたが、その幼虫のエサを取ってきておこうかと妻が家のクスノキへ行ったところ、「卵と幼虫!!」といって連れてきたのです。もう完全にアオスジアゲハの季節に入ったのですね。

0512aosujiyoutyu1 0512aosujiyoutyu2 今回は、横からのアングルで撮影できました。ご覧ください。

トゲトゲしいのは胸の部分の背面だということが分かります。

最前部の「トゲ」の下、少し後ろの位置で、頭をぎゅっと曲げているのが見えます。

3対の脚も見えるかと思います。

なかなかいいスタイルを見せてくれました。

ツマキヘリカメムシ

0509kamemusi1 前の記事で「口」が見える、と書きました。

5月9日、同じ場所で同じカメムシを見かけ、ちょうど茎に口を刺しているな、というところが横から見えるのがいました。接写してみました。

口を見てください。頭部からまっすぐな針状の口が伸びているのが分かります。その先端部分が隠れているような感じがしますよね。

上の写真の口の部分だけを切り出してお目にかけます。

0509kamemusi2 最初、口の先端部を脚が隠しているのかな、と思いました。でもよく見ると違うようです。

針状の口を、鞘が包んでいて、口だけが茎に差し込まれて、鞘は外に「くの字」がたに残っているという状態ではないでしょうか?

蚊の吸血の時も、針が皮膚に刺さり、針を包む鞘は弓状に針の下に残ります。あれと同じ状態になっていると思われます。

こんな状態を見るのは初めてでした。マクロレンズのおかげで、これまで知らなかったことがいろいろわかってきて、楽しくて仕方ありません。

何かの「ためになる」話では全くありませんが、「今まで知らなかったことを知る」ということは純粋な喜びですね。

写真全体としては少しぼけているのですが、もう一枚、参考にお目にかけます。

0509kamemusi3

ツマキヘリカメムシ

前回見かけたのが5月2日。5月7日に、今度は植え込みのつる性の植物(名前不明)のところで見かけました。

0507tumakiherikamemusi1 0507tumakiherikamemusi2 0507tumakiherikamemusi3 0507tumakiherikamemusi4 いろいろなアングルでお目にかけます。3枚目4枚目では、「口」(刺して吸う口)が見えています。

ツマキヘリカメムシで確定できるでしょうか?

アオスジアゲハの1齢幼虫

5月12日。

 妻が嬉しそうな顔をして帰ってきました。勤め先の近所のお家にあるクスノキでアオスジアゲハの1齢幼虫を見つけて、2匹連れてきたのです。

0512aosuji1 0512aosuji2 これ「毛虫」というわけではないのですが、すごい姿ですね。

体長2~3mmのごく小さな幼虫です。

かわいいですねぇ。がんばってるゾッ、と主張しています。

0512aosuji3 失礼して後ろから一枚。

白いところの下には、最後の腹脚がみえているようです。

今度は頭の方を一枚。

   ハデハデしいというか、にぎやかな格好というか。

0512aosuji4 一番手前に見えている「角」のようなものは、胸の部分の上に出ているのだと思います。

実際の頭は、下を向いているのですが、お分かりでしょうか?

アオスジアゲハの幼虫にはヤドリバエが寄生します。ハチの場合だと親バチが幼虫に産卵するのですが、ハエの場合はちょっと違うようです。

平賀壮太 著「蝶・サナギの謎」トンボ出版によりますと、ヤドリバエはクスノキの葉に卵塊をうみつけます。大きくなったアオスジアゲハの幼虫が、この卵塊をかまずに飲み込んでしまうと、幼虫の体内で孵化して寄生するのです。

卵塊は目に見える、と書いてありましたので、これからは幼虫に与える葉の表面をなるべく丹念にルーペで観察して疑わしいものは取り除くことにしましょう。

今年も楽しい季節が始まりました。

カメムシ

0502tumakiherikamemusi1 カメムシであることは一目瞭然。

ヘリカメムシの仲間だと思うのですね。

で、いろいろ検索した結果、ツマキヘリカメムシではないか、ということにしましょう。自信ないです。

0502tumakiherikamemusi2 0502tumakiherikamemusi3 0502tumakiherikamemusi4 これらの画像から、この種を完全に同定できる方はいらっしゃいませんか?

画面でもわかりますが、なんか「毛深い」みたいな感じのする体です。

ここは家のそばで、コンクリートのところに垂れていたロープにつかまっていました。

2008年5月10日 (土)

藤の季節をまるっきり失念していました。5月だったような気がして、そのうち藤棚のある公園にでも行ってみようかな、とのんびりしていたのです。

弁天様の池の手前に、藤棚がありました。見たら、なんともう、花の季節は終わりだったのですね。

0505bentehuji1 0505bentehuji2 咲き残っていた花を撮ってきました。

盛りを逃したのは残念でした。

そういえば、六郷用水跡にも藤棚はあったんだよなぁ、と見に行ってみました。

0507rokugouhuji こちらはもう、豆が成長し始めていました。

昔話:私が通った小学校にも藤棚があって、花の方はあまり覚えていませんが、藤豆は覚えています。

大きな豆ですよね。長さ10cmを超えるのではなかったですか?

これがまた硬い。これで頭を殴ると、痛いこと痛いこと。当時の小学生は、そういう痛さを身をもって知っていましたから、適当に力を抜きながら、藤豆で殴り合いをやって遊んだものでした。思い出です。

カメ

弁天様の池にはカメもいました。

0505midorigame これは、ミドリガメ。

あるいはミシシッピアカミミガメというべきでしょうか。

「アカミミ」というのは顔の脇の赤い模様のことです。

0505kusagame1 0505kusagame2 こちらはクサガメだと思います。

顔やら、あごの下やら、なにやらすごい模様があります。

カメは飼ったことがないので、あまりよく知りません。

むしろ、虫の方に感情移入してしまうたちです。

カルガモの母子

0505benten

ここは品川区のとある弁天様の池です。

鳥居の向こうが池で、橋がかかっています。この池で素敵なことが起こっています。

0505karugamo1 カルガモが子育てをしている、と妻が教えてくれたので、見に行ってきました。5月5日でした。

母親しか見えなくて、どうしちゃったんだろう?ヒナを失ってぼんやりしているのかなぁ、と心配しました。ところが、実はこの時、羽の下にヒナを包んでいたのです。

0505karugamo2 しばらく待つうちに、お散歩タイムにでもなったのでしょうか、羽の下から雛たちが出てきました。

ニュース映像などで見たことはあったのですが、実際に目の前で歩くヒナのなんとかわいいこと。

0505karugamo3 この写真で、一番右にいて水面をのぞいているヒナは、この後、チャポンと水に飛び込みました。

このくらいの段差でも、決断が要るようですね。

0505karugamo4やがてみんなで泳ぎ始めました。

ヒナもかわいいし、親の表情も決然としていてとても素敵。

ここでは5羽しか見えませんが・・・

0505karugamo5 ヒナは全部で6羽います。

この写真でなら確認できますね。

(5月10日にこの池を見に行った妻の話では、ちゃんと6羽いたそうです。ヒナには敵が多いからなぁ。心配ですね。)

0505karugamo6 ヒナが1羽で泳いでいるところが撮れました。

なかなかいい表情してるでしょ。

嬉しいですね。

ところで、似たような写真なんですが、もう一枚。

0505karugamo7 水面の波を見てください。

ヒナが動くと波が立ちます。波を立てながら泳ぐと、自分が作った波を追いかけながら次の波が立ちますので、前方では波が詰まった状態になり、後方では波の隙間があきます。

親鳥が泳ぐと、自分が作った波を追い越していくスピードがありますので、その場合、鳥の後ろにV字型の波が広がります。(船やモーターボートでも見られますね。)

ところが、ヒナの場合、一生懸命泳いでも、自分が作った波を追い越せません。ですから写真のような前で密、後ろで疎な状態ができるのです。

この出来事が、水面の波ではなく、音で起こった場合、ヒナの状況は「サイレンを鳴らしながら走る救急車」の状態です。前方で音の波が密になり、高音に聞こえ、後ろで波が疎になって音程が下がります。

親鳥のようなV字型の波の場合は「超音速のカルガモ(いえジェット機)」なんですね。

このあたりのことは、私のホームページでも扱いましたのでご覧ください。

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/117th/sci_117.htm

このページの後半の方にあります。

ヒナが一生懸命泳いでも自分の波が追い越せない、というのは実際に見て初めて知ったことです。ニュースなどではそういうシーンは見られませんので。

実に楽しい時間でした。「目が幸せ」になりました。(眼福、眼福というのでしょうが、ちょと古いかな。)

2008年5月 9日 (金)

輪になって踊る

0504dancing どうということもないのです。

マンホールの縁に、草が等間隔に並んで生えているだけです。

これを見た瞬間、頭をかすめたのが「♪輪になって踊る♪」のメロディーだったのです。

「アヴィニョンの橋の上で」という歌でしたね。

橋の上で 踊るよ 踊るよ
橋の上で 輪になって踊る

”On the bridge of Avignon”

They are dancing in a ring.

働き者のアリ

0504ant よく見てください。アリがハエの死骸を運んでいるところです。

大きなものを運べますね。ハエの死骸からは強いにおいも出ているでしょうに、巣へ帰るための、道しるべフェロモンをちゃんと嗅ぎとることができるのでしょうか?

トカゲの幼体

0507tokage0 日陰から顔を出したのは、トカゲの幼体。

この色は見間違えることはありません。

0507tokage1 ひなたぼっこをしていたら・・・

「いかん、みつかってしまった」と気づいて

再び日陰へと去っていきました。

0507tokage2

ヒラタアブの幼虫

0426hirataabu2 ベニバナトキワマンサクの葉の間に、ふと、虫の姿。

「あ、これはヒラタアブの幼虫ではないか」

アブラムシがいっぱいいれば、テントウムシの幼虫や成虫でもいるかな,、とは思ったのですが、思いがけず、ヒラタアブの幼虫に出会ってしまいました。

0426hirataabu1_2 葉をちぎるときに、幼虫を落としてしまって、葉に再度くっついてもらったところです。そのため、警戒感で丸くなってしまっています。悪いことをしました。

0426hirataabu3 普通のイモムシ・タイプではないのですよね。なんだか得体のしれない形。頭がどちらかもよくわからないと思います。

で、ちょっと気味悪がられそうですが、アブラムシを食べてくれるので、園芸家の方はよくご存じの虫です。

0426hirataabu4

体がずいぶん透けて見えます。

どうも、蝶の幼虫のようなはっきりした頭とか口が分からないですね。

0426hirataabu5

リラックスするとこんな姿になります。

この齢の幼虫を2匹みつけました。さらに、もっと若い齢の幼虫も見つけたのです。

0426hirataabu6 これです。

透明な幼虫です。

左上が頭で、今アブラムシを捕まえて体液をすっているところです。足のようなものが見えるのは、アブラムシの足です。

0426hirataabu7 右が頭なんです。

透明できれいな体です。

0426hirataabu8 0426hirataabu9

体から左へ離れたところに、すでに体液をすってしまったアブラムシの殻があります。ところが、なんと、ヒラタアブの幼虫の頭付近左側にもう一匹アブラムシがくっついています。呑気なことをやっている場合ではないと思いますが、敵だということを認識する能力はないのでしょうね。

このアングルで、最接近して写真を撮ろうとしたら、感動の出来事をファインダー内に見てしまいました。

◆幼虫の体内の背側、正中線沿いに、2本の管がはしご状になった構造が見えますね。これがファインダーの画像の中で「脈打って」いるのです。

昆虫の「開放血管系」というやつです。これほど見事に見たのは初めてです。

感動の余り、妻にはルーペを渡して一緒に観察。「ホントダー」と妻も感激。こういうことは知識としては知っているのですが、実際に目の前で脈を打っているのを見るともうひたすらに見入ってしまいます。

脊椎動物の閉鎖血管系と違って、昆虫の血管系は開放血管系といいます。私たちの心臓の代わりに、「背脈管」という器官があります。途中に穴のあいた両端がオープンな管のようなものです。途中の「穴」のところは弁になっていまして、背脈管を取り囲む筋肉の働きで、この穴と、管の終端部から体液(血液)を吸いこみ、管の中での体液の流れは弁の働きで後ろから前への方向に整流されて、管の先端部から噴出するのです。

「昆虫の生物学」という本を改めて開いてみたら「カイコガやモンシロチョウの幼虫を背面から観察すると、背脈管の拍動数(脈拍数)を調べることができる」と書いてありました。

さりげなく書かれていますが、実際に見るとすごいものですよ。(昆虫学者には常識なんでしょうけれど。)

昆虫には私たちのような呼吸器系はありません。気門から体内に枝分かれしながら伸びた「気管」という管から、体液に酸素が直接拡散していきます。昆虫の小さな体では「拡散」という私たちにとってはまだるっこしい方法も、充分に速いものなのです。

ちなみに、ミミズは完全に体表面から体内へ酸素が拡散するだけの呼吸です。ミミズの体の直径くらいが拡散によって酸素を行き渡らせることができる限界の大きさでしょう。

(私たちは閉鎖血管系で体の隅々まで血管によって血液が循環し、それによって酸素を体組織に送り、二酸化炭素を回収しているつもりでいますが、実のところ、毛細血管の末端から組織の細胞へは拡散によって酸素は届けられているのです。ここのところは高校の生物あたりではちょっと教えていませんので盲点ですね。)

◆さてもうひとつ。頭部から体の両脇を白いものが尾部へ向かって伸びています。これは何だろう?

きっと私の知っている知識内に存在するものです。ですが、実物を目にすると「何を見ているのかが判らない」ということになります。

おそらくは、神経系なのではないかと思っています。成虫では正中線にもっと近寄ったはしご形神経系に再編されますが、幼虫ではもう少しルーズに体の両側に開いているはずです。写真上の方の頭部に1対の角のようなものがあり、そのすぐ下あたりが「脳」ではないでしょうか。

詳しい方がいらっしゃったらご教示ください。

◆いや、すごいものを見せてもらいました。感謝感激です。

アブラムシのついたカラスノエンドウを入れたケースでしばらく飼育してみることにします。

ヒラタアブの幼虫さん、ありがとう!すごい勉強をさせてもらっています!

訂正:カナヘビ→(ニホン)トカゲ

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_38ef.html

上の記事で、カナヘビと記載したのは、トカゲの間違いでした。訂正します。

http://www.insects.jp/konbuntokage.htm

ここをご覧ください。(爬虫類の苦手な方は見ないほうがいいかもしれません)

カナヘビと、トカゲの写真があります。ウロコが異なりますね。カナヘビの背中にはトゲトゲ感があるようです。

いや、難しいものですね。誤情報を流してしまって申し訳ありません、お詫び致します。

5月9日

神様がお出ましになりました(訂正あり)

0501kanahebi1 なんのこっちゃ?とお思いでしょう。

写真はカナヘビです。(ニホン)トカゲです。{註:5月9日、訂正しました。記事末に、出典を記します。}

門のすぐ外、コンクリートの上。

[声]「神さま」現れ また春が来た(朝日新聞 2008/04/15)
 主婦(宮城県)
 これはこれは神さま、今年も桜の開花と共にお出ましになりました。お待ちしておりましたよ。
 転勤族であった私どもが故郷にほど近いこの地を終のすみかと定めて早29年。最初の年の春、隣近所にご挨拶に伺うと、3軒ものお宅から「そろそろ神さまのおんなる(出てくる)頃ですよ」。ここではカナヘビのことを「神さま」と呼ぶことを知りました。
 約10cmの大きさで、どこのお宅のお庭にも住みついています。何の悪さをするでもなく、聞く耳を持ち目で挨拶するように見えるのがもしかして神さまと呼ばれる所以でしょうか。
 以来毎春、お出ましを楽しみに待つようになりました。時には柊南天の花の下、小さな体を大の字にしてお昼寝、庭石のくぼみに身を丸めかくれんぼ。単身赴任や大学進学で4人家族が四つのかまどをかまえた時も、共通の話題として上がったものでした。
 沖あげの風が吹き、ねぐらに帰るカラスたち。今日も穏やかに暮れていきます。それでは神さま、お明日(おみょうにち)(ごきげんよう)。この地で知った私の大好きな言葉です。

というわけです。我が家にもワープしてお出ましになりました。私が気づくのが一瞬遅くて、先に気づかれてしまいました。で、さっさと走り出されてしまいました。もう、ただレンズを向けて、シャッターを切り続けるだけ。一連の写真を並べます。

0501kanahebi2

門の外にいたのですが、庭の方へ向って移動開始。

0501kanahebi3 ユキノシタの葉の下へ入ってしまったので、もう追跡できないかな、と思いきや、ユキノシタ・ゾーンを抜けて、再び姿を現しました。

0501kanahebi4

ちょいと段差を駆け上がり、

0501kanahebi5 平らな面をダッシュ!

0501kanahebi6 追跡の最後の瞬間です。

パソコンで見て、「やられたぁ!」と思わずつぶやいてしまいました。

「あっかんべぇ」をしているのかな?「つかまるもんか」と。 それとも

「しまった、見つかってしまった」と言っているのかな?

カナヘビ) トカゲの舌をみたのは初めてです。先が二つに分かれているのだそうですが、そこまでは写っていませんでした。

あんまりかわいいので、拡大画像をもう一回のせます。

0501kanahebi7

顔の少し後ろの方の側面に耳の穴がありますね。

突発的な遭遇で、あわただしく撮った割には、楽しい写真が撮れました。嬉しかったです。

それでは神様、お明日。

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http://www.insects.jp/konbuntokage.htm

↑ここに、ニホントカゲとカナヘビの明瞭な写真があります。それを見ますと、私がここに掲載した写真はトカゲであることが明白です。

間違いました。訂正します

ウロコが違いますね。カナヘビの背中はもっと「トゲトゲ」した感じのようです。

ご了承ください。

アメリカフウロ

0502americahuuro1 アメリカフウロです。

ゲンノショウコと仲間だそうです。

「アメリカ風露」でしょうかね。昭和初期に京都で見つかったのが最初とか。どうやって渡ってきたのでしょうか。

0502americahuuro2 0502americahuuro3 葉の切れ込みが特徴的ですね。

実が熟すと、弾けて種を飛ばすことでも有名です。

http://0424hana0714bun.blog63.fc2.com/blog-entry-379.html

ここに、種を飛ばす姿の良い写真があります。

ニラ

0502nira 白山神社前の環八の植え込み。ここもまぁ、いろんなものが植わっています。

これはニラですよね。

なんだかこの頃、自信喪失、何が何だかわかんなくなってきました。

にら【韮・韭】ユリ科ネギ属の多年草。葉は長さ20~30センチメートルで扁平、全体に強い臭気がある。春の葉は柔らかく美味。夏、紫色をおびた白い小花をつける。原産地は東アジアとされ、古く中国から渡来。日本各地で食用として栽培。古名こみら・みら。<季語:春> 。「韮の花」は<季語:夏> 。[広辞苑第五版]

(多分)キュウリグサ

0429kyuurigusa1 0429kyuurigusa2 これも、PCデポの駐車場。

「上見ればシュロの花、中見れば不明のハエ、下見ればキュウリグサ」という具合でして。

初め名前が分からなくて、雑草図鑑をパラパラと眺めておりましたところ、キュウリグサの写真にぶつかりました。本の写真と色合いが微妙に異なりますが、姿はそっくりでしたので、そう思うことにしました。

ムラサキ科の越年草。葉をもんで嗅ぐとキュウリの臭いがする。とありました。

そこまではしなかったし、当分PCデポに行く用事もないし。

間違っていたらご教示ください。

分からないのばかりでスミマセン

0429humei1 0429humei2 眼がなんとも言えぬ美しい緑色。これが悩みの種なんですが。

翅に模様があることも特徴。

ミバエの仲間に似ているともいえます。

ムネアカマダラバエが一番似ているのかなぁ。でも、この眼がなぁ。

わかりません。

見かけたのは、PCデポの駐車場。シュロの花を見上げる位置です。

ヒトリガの仲間かなぁ

0429hitoriga これ1枚なんです。

さて、何だろう?

候補としてはセスジヒトリとキハラゴマダラヒトリを挙げたいと思います。

うまく識別できません。

名前不明

0428humei 小さいんです。1cm足らず。

ゾウムシの仲間かなぁ、とも思うんですが、わかりません。

2008年5月 7日 (水)

シュロの花

用事があって馬込のPCデポへ行ってきました。駐車場の隣にシュロがあって、花が咲いていました。あまり見慣れない花なので撮影してきました。

0429syuro1

大きな黄白色の房状の花です。

0429syuro2 0429syuro3 0429syuro4 シュロの花には違いないのですが、花としての構造はまるっきり分かりません。

右端は「つぼみ」というんでしょうか。

「咲く前」といった方が適切なのかな?

よくわからない花なのでした。

しゅ‐ろ【棕櫚・棕梠・椶櫚】ヤシ科シュロ属の常緑高木の総称。特に、日本原産のワジュロをいう。幹は高さ6メートル余、円柱状で直立。幹頂に葉を叢生、葉柄は長く、葉身はほぼ円形、掌状に深裂。雌雄異株。5月頃、葉腋に分岐した花序を生じ、黄色の小花をつけ、小球状の核果を結ぶ。材は柱・器皿・鉢・盆または撞木シユモクとする。毛苞は縄・刷毛ハケ・箒ホウキとし、葉は晒して毛払い・夏帽子・敷物などとする。同属で中国原産のトウジュロと共に、庭園などに植栽。「棕櫚の花」は<季語:夏> 。[広辞苑第五版]

紫蘭

0428siran 0429siran シランの咲き始めです。

左は4月28日。つぼみだったものが、翌29日には、もう咲きました。

今日5月7日には、いっぱい咲き誇っています。

蘭って、遠目に見ていると姿もよく、美しい花なのですが、花の中を覗き込むと、かなり「スゴイ」感じですよね。なんとなく噛みつかれそうな気がします。

0506ran こちらはご近所の玄関脇で咲いているランです。名前はよくわかりません。

やはり、虫が潜り込んだら、上からスタンプされるのかな、と思わせる構造ですね。

個人的にはシンプルな花が好きです。

ねこじゃらし公園

0428koen1 ここは「駒八通り」。世田谷区の区の花である「サギソウ」のデザインが入っていますね。

駒八通りに面して、九品仏の裏手になるのでしょうか、面白い名前の公園があることを知りました。

「ねこじゃらし公園」

ねこじゃらしでもいっぱい植えてあるのかな?と期待しました。今年度はこのあたりを車で走るチャンスが多くありますので、まぁのぞいてみよう、と思い立ちました。

0428koen2 ありました!

世田谷区立なんですね。道路地図でみつけただけではそこまでは分かりませんでした。

ちょっとゆるやかに起伏があったり、あまり整備されすぎていない感じがいいですね。きっと幼児を遊ばせると楽しいでしょう。

0428koen3 歌壇の中にも表示がありましたよ。ポストがありまして、どうやら「ねこじゃら紙」というものが発行されているようですね。

0428koen4

住民参加でつくられた公園だそうですので、そのグループ紙なのでしょうか。

0428koen5

私のような団塊じいさんとしては、もっと荒々しい、それこそねこじゃらしのいっぱい生えた原っぱのほうが嬉しい気もしますが、最近の「安全感覚」では無理なのでしょうね。その方が虫も一杯生息できて楽しいんだけどなぁ。

ヒゴクサ

0427higokusa1 見慣れぬ花を妻が発見。池のほとり。今年初めてやってきたもののようです。鳥が連れてくるのでしょうか?風が連れてくるのでしょうか?

この写真は4月27日の撮影です。

さて、初めて見る草とて、名前が分かりません。なんとなく「カヤツリグサ」の仲間ではないか、と雑草図鑑をひっくり返してアタリをつけ、ネットで検索して確認が取れました。

カヤツリグサ科( スゲ属 )ヒゴクサ:学名Carex japonica だそうです。

和名は肥後で採集されたとか、細い茎が竹ひごに似るから籤草とかいわれるのだそうです。

花は穂のように立った部分と、その下に綿毛のようなぽやぽやがあるのが特徴です。

0428higokusa2 翌28日、花の様子に少し変化がありました。直立した穂のような部分が「開花」したのです。

0428higokusa3 この直立した部分は「雄性の頂小穂」といって、淡い黄色ですね。

下の綿毛のようなのは「雌性の側小穂」といって、白い繊維状のものはメシベの柱頭らしいです。中には淡い緑色の部分があります。

この姿を覚えればヒゴクサは大丈夫だと思います。

さて、しばらくするとまた変化が起きました。

0430higokusa4 0430higokusa5 雄花が完全に開ききって、そろそろ花の時期が終わりに近づきました。

この後は、花としては何となくしょぼしょぼした雰囲気になり、終わりました。

この2枚の写真は4月30日の状態です。

さて、しばらくたって、5月5日。どうなったかなと見たら、面白い姿が観察できました。

妻に言わせると、「虫みたい」なイメージだそうです。実がみのってきたのですが、なかなか面白い姿です。

0505higokusami1 なんかこう、虫の脚が連なっているような感じを連想させるのですね。

ぽわぽわした感じの柱頭が残っていて、実の集合を網のようにくるんでいます。

0505higokusami2 0505higokusami3

見れば見るほど、きれいに編んだネットにくるまれているようです。

不思議なものですね。

地下茎(ランナー)を伸ばして増えるとありました。

我が家ではこれからどうなるのでしょうか?

2008年5月 6日 (火)

ツツジの季節の終り

0427tutuji1 ふと見ると、なんだか見かけないものがありました。

おやっと思ってみると、ツツジの花が散るところなのです。

花が抜け、メシベに引っかかって提灯のようになっていました。

0427tutuji2 オシベが2本抜け切ったようです。

花弁の根本のすぼまったところが、メシベの柱頭の膨らみに引っかかったのでしょう。

散り際をクローズアップするのは少し花に失礼かな、とも思ったのですが、珍しかったのでお目にかけます。

クロスジギンヤンマ

0430kurosujiginyanma 4月30日、池の中の浅いところでヤゴを見かけました。

3匹くらいいるのではないか、という感じがします。

そのうちの1匹です。水中なのであまりクリアではありませんが、比較的よく写った方だと思います。

0504yagonukegara 5月4日、ヤゴの羽化の助けになるようにと、池に入れてある破魔矢の軸の先端に、ヤゴの抜け殻がついていました。

もう羽化したのですね。嬉しくてウキウキした気分です。

ダンゴムシというのはすごいもので、この抜け殻を食べに来ていました。抜け殻の腹部はしっかりしていますが、胸部から頭部が壊れているのは、ダンゴムシのせいだと思います。

0505yagonukegara 翌、5月5日、抜け殻は棒から落ちて、シダの葉の上にありました。

このあと、飛ばされたのか地面に落ちてまぎれたのか、見つからなくなりました。

クロスジギンヤンマが再びこの池に産卵に来てくれることを願っています。

クロスジギンヤンマ

0426kurosujiginnyanma1 4月26日です。

妻が「池でみつけた」といって連れてきたヤゴ。

嬉しいですねぇ。娘が掘った「トンボ池」で大型のトンボが2年連続して生活しているようです。定着してくれたのかなぁ。

一緒に、抜けがらもすくい取ってきてくれました。

0426kurosujiginnyanma2 これが抜け殻。

みごとなものでしょ。こちらはじっくり写真が撮れます。

0426kurosujiginnyanma3 顎がものすごく立派です。

このヤゴや抜け殻の見つかった池のメダカがほとんどいなくなってしまっていたのですが、おそらく、このヤゴ(たち)が食べてしまったのでしょう。

最初から、メダカはヤゴの餌のつもりで飼っていますので、一向に構いはしないのですけれど。それにしてもすごい食欲です。

0426kurosujiginnyanma4 顎をアップにしてみました。

このあごの先端の形で、クロスジギンヤンマか、ギンヤンマかの識別がつくのです。その文献を読んで、一応私としてはクロスジギンヤンマのヤゴであろうと考えています。

このあたりのことは、去年の記事を参照してください。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_8771.html

このヤゴについては、さらに続きの話があります。また項を改めて書くことにします。「今日の続きはまた今度」

◆おまけ

「今日の話は昨日の続き、今日の続きはまた明日」といって始まるラジオ番組をご存じでしょうか?

大橋巨泉・前田武彦、両氏の若かりし頃の番組です。10分間の短い番組。

この番組の前だったか後だったかに、やはり10分間で「フォーク・カプセル」という、高校生の頃の森山良子さんが出演する歌番組があったのでした。「今日の日はさようなら」などが誕生していくところに生で立ち会った時代です。(局はラジオ関東)。

六日の五月人形

0326nekoningyoua 忘れていただけです。意図的ではありません。

タイミングを失しました。

これを「猫的」といってようでしょうか?

0327nekoningyoub

いろいろ猫グッズの多い家です。

0326kabuto 一応、こんなのもありまして。

東京は今日六日、やっと晴れました。

日照の少ない連休でした。

それにしても、六日の菖蒲、十日の菊を地で行ってしまいましたことよ。

六日の菖蒲(アヤメ):(5月5日の節句の翌日の菖蒲の意) 時機におくれて役に立たない物事のたとえ。「十日の菊」に同じ。六菖十菊。むいかのしょうぶ。平家物語11「今はなんのようにか逢ふべき。会(エ)にあはぬ花、六日の菖蒲(シヨウブ)」[広辞苑第五版]

{かかし註:言うまでもなく五月五日は「端午」の節句}

十日の菊:(菊は9月9日の節句のものだからいう) 時機に遅れて役立たないもののたとえ。「六日の菖蒲(アヤメ)」と同意。[広辞苑第五版]

{かかし註:九月九日は「重陽」の節句です。陽の数「九」が重なるので「重陽」です。}

2008年5月 4日 (日)

ミドリガメ

0409kame4 この写真は、4月14日付「イシガメ」として書いた記事の中の一枚です。

今日、5月4日、「ミドリガメですね。耳の横の赤い部分が特徴です。それにしてもたくさんいますね。」こういうコメントをいただきました。

知識不足でした。なるほど指摘の通り、耳の横に赤い部分がくっきり写っています。

お詫びして、訂正します。

六郷用水跡には、家庭で飼えなくなったペットを放してしまう人もいるので、そのような由来で住みついたものではないでしょうか。六郷用水跡生態系というようなものが、これから安定したバランスをとれるようになるとよいのですが。

2008年5月 1日 (木)

紅花常盤満作

名前のわからなかった花の名を桔梗さんが「紅花常盤満作(ベニバナトキワマンサク)」と教えてくださいました。

再度、行ってみました。下の方の花はもう盛りが過ぎたようで、上の方にいっぱい咲いていました。

0426benibanatokiwamansaku1 このリボン状の花びらが特徴なんですね。

まん‐さく【満作】
①穀物が十分にみのること。豊作。「豊年―」
②マンサク科の落葉大低木。山地に自生。高さ3メートルくらい。早春、黄色・線形の四弁花を開き、楕円形のサク果を結ぶ。茶花(チヤバナ)として栽培、花季が早いので珍重される。葉を止血剤とする。金縷梅。<季語:春>

マンサクは黄色い花だそうです。そこで「紅花」なんですね。

0426benibanatokiwamansaku2 花びらの落ちた花を覗いてみると、はっきりはしませんが、オシベ・メシベがあったのだな、という名残が見えます。

0426benibanatokiwamansaku3 葉の色がすこし風変わり。

赤っぽい葉と緑の葉が共存しています。

赤っぽい葉は、触るとなんだかべたつくみたいです。ふと見るとアブラムシがいっぱいです。やはり糖分が高いのでしょうか。

0426aburamusi

さて、ここからまた一騒動が始まるのですが、今度はカテゴリーを「動物」にうつしてお話しましょう。

アブの飛翔

0425simahanaabu1 シマハナアブかな、と思いますが、ちょうど、カメラの状態とマッチした飛翔を見せてくれたので「ヤッタァ」という写真が撮れました。

ご覧ください。

0425simahanaabu2 0425simahanaabu3 いかがでしょう。高速で羽ばたきながらのホバリングです。

うまいことフラッシュもたける状態になっていたので、空中停止が撮影できました。(ちょっとぶれてますが、勘弁してください)。

右の写真では、翅がフラッシュによって停止して写っています。こういう写真撮りたかったんだよなぁ。嬉しくなりました。

切り株

0425kirikabu 4月10日に、白山神社で見かけた切り株の話を書きました。

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_e9da.html

です。

その切り株の新芽が4月25日に見たら、こんなに茂っていました。

もし、この木の「年齢」を聞かれたら何と答えたらよいのでしょう?

今茂ってきた芽は、今年生まれて激しく成長を始めたところです。ですから、人間的にいえば「0歳」でしょうか。生まれて1年目を生きています、という意味では「1歳」かな。

でも、その新芽が出てきた切り株の方を観察して、年輪を数え、この切り株が何年前に芽生えて成長を始めたかがわかれば、それを年齢とすべきでしょうか?

植物の生き方は、生と死が共存しています。死が生を支えています。すでに死んだ方の部分の年齢+今生きている部分の年齢と数えましょうか?それとも、今生きている方の年齢としましょうか?

先日、朝日新聞にこんな記事がありました

10000歳も夢じゃない世界最長寿の木 スウェーデン
2008年04月27日03時03分

 スウェーデン中部のダーラナ地方にある山岳地帯で、同国のウメオ大学の研究者が樹齢が1万年近くある世界で最も長寿とみられる木を見つけた。これまで米国のマツの仲間が樹齢4千~5千年で最も長寿と考えられていたが、その記録を大きく更新した。

樹齢9550年のトウヒ。古い低木の根から新しい幹が伸びている=スウェーデン・ウメオ大提供

 この木は針葉樹のトウヒの仲間。放射性炭素(C14)による年代測定で、樹齢9550年とわかった。米誌ナショナル・ジオグラフィック(電子版)によると、標高910メートル地点でハイマツのような低木の根から、幹を立ち上げることを繰り返してきたらしい。現在ある直立の幹は、周辺の夏の気温の上昇で1940年代初頭から伸びたという。

 鹿児島大の鈴木英治教授(植物生態学)は「横に次々と枝が出ており、1個体が生き続けて古い部分が9千年を超したということのようだ。木がゆっくり成長するスウェーデンの山の環境なら、このような発見があってもおかしくない」とみる。

死んだ部分からの年齢を数えれば9550歳。

今、生きている部分の年齢は約60年。

9000年にわたる死に支えられた、60年の生。

植物の年齢は難しいですね。

いや、動物(ヒトをもちろん含めて)だって、先祖の死に支えられた今の生、であることは同じなのですけれどね。

カラスノエンドウ

0425karasunoendou1 アブラムシに栄養を吸われているカラスノエンドウの方です。

立派な豆が成長してきました。

莢の中で、並んで上の方から栄養の供給を受けているさまが透けて見えます。きれいですね。

0425karasunoendou2 こちらは、初夏の光で盛んに光合成をしている葉っぱ。

輝いていますね。

生きています、という力が伝わってきます。

カロライナジャスミン

0425carolinajasmine1 4月25日、またカロライナジャスミンを見るチャンスがありました。

もう盛りは過ぎていました。

メシベの先端が4つに分れています。単純に、1本が4つにわかれたのかと思いきや

0425carolinajasmine2 よく見ると

1本がまず2つに分かれ、そのそれぞれがまた2つにわかれて、4本になったように見えます。

芸が細かい。

ところで、いくつかの写真を眺めていたら

0425carolinajasmine3

はっきりとは写っていないのですが、どうも虫さんがお仕事中のようです。

いや、虫と花の関係は切っても切れません。

なんという虫かはとてもわかりませんが。

アブラムシ

0425aburamusi1 びっしりです。

これはカラスノエンドウの茎。

すごいものです。

さて、アブラムシ自体はそう珍しいものではありませんが、よ~く観察したことはありますか?

目の敵にされますが、案外とかわいい姿をしています。

0425aburamusi2 赤い目、腹部の背面に1対の黒いとげ状のもの。

ユニークなスタイルでしょ。

0425aburamusi3 0425aburamusi4 大小取り混ぜいっぱいです。

大小取り混ぜといいましたが、今ここに見えている「大小」は有性生殖による「親子」ではないと思います。

◆春から夏にかけて、条件のよい季節には「単為生殖」で増えます。アブラムシの単為生殖では、メスの体内で卵が発生して産み出されるという「卵胎生」のスタイルです。

アブラムシの染色体数は2n=6です。

卵はもちろん減数分裂でつくられるのですが、染色体数を半減させず2nのままの卵を単為発生させます。環境条件の良い時は、この方法で数を増やす方が効率が良いのでしょう。

秋になると、2n=5というオスを生じるようになります。そうして、メスの卵とオスの精子で有性生殖をして受精卵の形で越冬します。厳しい時を潜り抜けるには、子孫を絶やさないためには、多様な可能性をはらんだ受精卵を作る方がよいのだと思います。

◆これも高校生物で出てきますが、植物組織に「道管」と「篩(し)管」というのが出てきます。道管は水の通り道です。篩管は光合成でつくられた栄養分が送られる管です。

アブラムシは口先を茎に突き刺して篩管からこの糖液を吸います。(私の写真ではそこまでは写っていません。)

さて、一生懸命篩管から糖液を吸っているアブラムシの口先を、スパッと切ってしまうんですね。(かわいそうに)。

すると、茎に差し込まれたまま残ったアブラムシの口先の管から糖液があふれだしてくるのです。

この実験によって篩管の中は圧力が高くなっていることが分かりました。篩管という極細の管内の圧力測定などできなかったのですが、アブラムシの口のおかげで判明したのです。また、微量ですがあふれだしてくる液を分析することもできたのです。

篩管の中は、糖やアミノ酸が溶けていて、浸透圧が高いので水が浸入して圧力が上がっているのです。

◆アブラムシは篩管から吸水しながら、まだ当分の残った液をお尻から出しますので、それを目当てにアリがやってきて、保護してくれるわけですね。で、「アリマキ」とも呼ばれるわけです。

◆下のページには、アブラムシと、ブフネラという菌の共生関係についての話があります。読んでみてください、

http://www.brh.co.jp/seimeishi/1993-2002/32/ss_6.html
細胞内の巧みな共生 ─ アブラムシとブフネラにみる:石川統

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