キセルガイ Part 1
キセルの実物を知っている方は今はもう少ないかと思います。「キセル」でグーグルのイメージ検索をかけてみてください。実物のイメージがつかめます。
私の場合は、父がキセルを使っていたころがあったので実物を知っています。また、水蒸気でキセルの管のつまりを掃除してくれる「ラオ通し」という職業があって、リアカーに道具を積んで街中を「ピー」と音を立てながら歩いていたという風俗も知っています。
ラオ【Lao・羅宇】
①ラオスに同じ。
②(①から渡来した黒斑竹を用いたからいう) 煙管キセルの火皿と吸口とを接続する竹管。ラウ。「― 竹」[広辞苑第五版]
余談ばかりですが、上の記述のように、火皿と吸い口の間が竹でつながっていて、金属の一本の管ではないということが、電車の不正乗車である「キセル」という言葉になったのですが、これも語源を直接知っている人はもう少ないのかな。
さて、本題に戻って。といつつ、また注釈。上の写真に写っている「草のようなもの」はスギゴケです。茶色く伸びた胞子体も写っているのが、よく見ていただくと分かります。
とりあえずキャベツやニンジンを入れてやったところ、元気にかじった様子です。
あまり湿らせるとキャベツが腐って、ひどいにおいがしてきますので、注意が必要です。
プラスチックケースの外から写真を撮っていますので、映像にシャープさがかけますが、でも顔の様子はわかると思います。
カタツムリとおんなじですね。2対の触角があって、上の大きな触覚の先端に眼があります。
実は、キセルガイは、カタツムリと近縁です。
軟体動物門>曲体亜門>マキガイ綱>マイマイ亜綱(有肺類)>マイマイ目(柄眼類)
この目の中にさらに亜目があって
ハワイマイマイ亜目
キセルガイ亜目
オカモノアラガイ亜目
マイマイ亜目
となって、このマイマイ亜目に、ナメクジやマイマイ(カタツムリ)が入るわけです。
ですから、カタツムリもキセルガイも、ナメクジも眼はほとんど同じ構造です。柄があってその先端に眼がありますので「柄眼類」というのですね。
岩波「生物学辞典」第4版によりますと
有柄眼(stalked eye):眼柄をもって頭部と連結している型式の眼。節足動物では十脚類、口脚類などの複眼がこれにあたる。これに対し、一般の節足動物の複眼は頭部に直接着いていて坐着眼(sessile eye)とよばれる。・・・
軟体動物では腹足類のカタツムリの眼も眼柄をもつ有柄眼である。眼柄(eye-stalk, optic stalk):[2]軟体動物腹足類の柄眼類(例:カタツムリ)の後触覚。この類では、眼は2対ある触覚のうちの後方のもの、すなわち後触覚の頂上にある。
振動に驚いて、左眼が引っ込んでいくところです。
もうちょっと、このあたりを詳しく見たいな、と思ったので、Part 2でそのお話をしましょう。
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