切株
何の木かはよくわかりません。
木は「肥大成長」という成長の仕方をします。
1年目は草と同じです。2年目は分裂組織である形成層の活動ではじめの木部の外側に、新たに木部と篩部を作ります。形成層の内側が木部、外側が篩部です。
3年目は、さらにその外側に新たな木部と篩部をつくります。
こうやって、内側は毎年「死」に、その外側に新たな「生」きた組織を作り足していくのです。
ですから、「木が生きている」といっても、その生き方は、動物とは違います。内側の死が、外側の生を支えながら、生死一体となって「生きている」のです。
この切り株の写真はそのことを如実に物語っています。
切株の内部は死んでいて、朽ちて穴があいているところもあります。一方、円周部、表皮のすぐ内側からはたくさんの芽が出て立ち上がっています。ここが「生きた形成層」がある場所です。ここは根とつながっていて、水の供給を受け、細胞が分裂し、新たに成長していくことのできる部分なのです。
いかがでしょう。
動物とは異なる生き方をしていることが実感できる写真になったと思います。
死を内包した生、生死一体の生。
動物として、こういう生き方を観照して、わが身の命を考えるのもまた感慨深いものではないでしょうか。
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