妻がなにやら嬉しそうな顔してやってきました。こういうときは必ず何か面白いことがあるのです。
「何だい?」「ミニ・カラーが咲いてるわよ」「ミニ・カラー?」というわけです。
大きさの見当がつくように、ものさしを脇に置いて撮影してみました。
確かに、小さくて、かわいいのです。
小さくても、立派なつくり、一人前です。
どうして、小さいまま咲いてしまったのか、よくわかりませんが、常識の枠をはみ出たものを見ると、どうにも楽しいですね。
なんとなくウキウキした気分を楽しんでいます。
黄色いのはおしべの葯の集合体でしょうか?よくわかりません。
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ご存じとは思いますが、カラーはサトイモ科。
カラー【calla】〔植〕オランダカイウに同じ。[広辞苑第五版]
オランダ‐かいう【阿蘭陀海芋】サトイモ科の多年草。南アフリカ原産で観賞用。水湿地を好む。高さ1メートル内外。葉は大きく光沢がある。夏、長い花茎の頂部に、大きな白色の苞に包まれた肉穂花序がつく。温室で冬・春に開花させ、切花とする。普通、旧属名のカラーで呼ばれる。[広辞苑第五版]
肉穂花序というのはサトイモ科にごく普通に見られる花序です。ミズバショウやコンニャクもそうですね。
ばかでかい「ショクダイオオコンニャク」もサトイモ科です。漢字で書けば「燭台大蒟蒻
」。なるほど、花の姿を表していますね。
下の記事は朝日新聞の日曜日のbe(4/13付)から引用しました。
[花と虫の物語]⑥ショクダイオオコンニャク:激臭で存在感
インドネシア・スマトラ島のショクダイオオコンニャクの花は、3m以上の高さになる。単子葉植物の花としては世界最大。しかし、一つの株からは7年に1度しか咲かず、しかも3日間でしおれるその花を見るのは至難だ。
花が咲くと、魚が腐ったような激しいにおいが数km四方に広がる。昆虫には、腐臭が大好きな仲間がいる。花粉を運んでいるのは、そんな虫の代表格のシデムシの一種のようだ。
開花時にメシベは成熟していて、虫が別の花の花粉を持っていればそれで受粉が終わる。持っていなくても、開花2日目には、オシベが成熟して、糸くずのような花粉を出す。それを、他の花に運んでもらえれば十分だ。
いつどこで咲くとも知れない花にとって、激臭はその存在を示す最良の方法だ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%82%AF
これはウィキペディア。一部引用しますと
学名:Amorphophallus titanum (Beccari) ex Arcang
英名:Titan arum
スマトラオオコンニャク(スマトラ大蒟蒻) Amorphophallus titanum は、サトイモ科・コンニャク属の植物。インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生する。数年に一度しか咲かない、世界最大の花として有名になった。花の形からショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻)という別名もある。また、Titan arumという英名からタイタンアルムとも呼ばれる。他にも、その腐臭から死体花という名前もある。
花序とその付属体、および仏炎苞の複合体は直径1.5mに達するとされ、その縦寸は3.5mまでになった記録もある。肉穂花序の先端は棍棒状の付属体となり、その下の仏炎苞に包まれた部分の上部に雄花、下部に雌花が密生する。
余談ですが、「phallus」というのは「おちんちん」のことです。花の姿を表しているのでしょう。
「Amorpho」の、「A」は否定辞、「morho」というのは「形」という意味なんですが・・・。
アモルファス半導体っていいますでしょ。あのアモルファスは「無定形」という意味なんですが・・・。
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上のミニ・カラーのプランターの逆側につぼみがありました。
苞がくるっとまいています。
雨の日でしたから、濡れそぼっています。
このつぼみの先端部を見ていて、私はまた妙なことを連想しました。
このカラーの葉を食草にするガの幼虫がいるのです。
ビロウドスズメ(ビロードスズメ)です。
その、ビロウドスズメの幼虫のお尻の先端の突起が、このつぼみの先端とよく似ているなぁ、などと考えてしまいました。
ビロウドスズメの幼虫の写真は私のホームページで見ることができます。下がそれです。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_24.htm
ただし、芋虫や蛇が大嫌いな人は見ない方がいいですよ。蛇そっくりの目玉模様をもった「かっこいい」幼虫ですから。でも、見てみると、よく似てます。
スズメガの仲間の幼虫たちは、みんなこういう尾端の突起をもっています。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_31.htm
ここではセスジスズメの幼虫を見られます。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_3.htm
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_5.htm
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/frends/frnds_6.htm
ここではオオスカシバの幼虫が見られます。
この「かかしさんの窓」でも去年オオスカシバの幼虫をご紹介しました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_1415.html
ここです。
昆虫を見ても大丈夫な方はぜひご覧頂いて、カラーの花つぼみとスズメガの幼虫のお尻が似ている、という私の感想を確かめてみてください。