自転車
昨日のニュースについての、今朝の天声人語です。
2008年03月06日(木)付
江戸中ごろに始まる金魚売りは涼しげな商売で、夏の季語でもある。とはいえ、品物が泳ぐ水桶(みずおけ)を運んで売り歩くのは重労働だ。炎天下、よろけることもあった。〈金魚売り己(おの)れの影へ水零(こぼ)す〉中村苑子。
明治までの金魚売りには天秤棒(てんびんぼう)が欠かせない。両端に桶を下げ、真ん中を肩に担ぐ。昔の旅姿にある振り分け荷物のように、前後に等しく荷を下げ安定させた。同じことをすると、がぜん不安定になるのが自転車だ。
転ぶと命にかかわるから、前後に幼児を乗せれば交通違反となる。黙認してきた警察が「禁止」を強く打ち出すと、母親らから「送り迎えができない」「買い物に困る」と悲鳴が上がった。
警察庁は、安定して走れる自転車なら3人乗りを認める方針に転じ、メーカー団体に試作を要請したという。安定の工夫とは、低い重心や三輪化だろうか。ともあれ、母の声が行政と産業界を動かし、交通ルールを変えようとしている。
細腕に力を込め、よろよろと進む3人乗りは「子育て奮戦中」の見えない旗を掲げている。老いる日本が子を欲する時に、国が四角四面に育児の足を奪っては時代感覚を問われよう。かといって、危険な習慣を放ってはおけない。3人用の開発とともに、数年しか使わない「特殊車」の負担を軽くする道も皆で考えたい。
幼子を事故から守り、子育ての現実にも気を配る。どちらも譲れぬ安全と利便とを、社会の天秤棒にどうぶら下げるか。「金魚え~金魚~」の声に群がった人々のように、関係者総出でワイワイやれないか。
無茶苦茶な乗り方をしていても、若い男性は緊急時の反応が素早いのですが・・・。
前後に子どもを乗せたお母さんの自転車は、自動車側から見て、本当に怖いです。
両足が地面に着くようにサドルの高さを調整するのが基本だと思いますが、なかなかそうはなっていないですね。子どもが動いてバランスが崩れた時など、足をさっと両側に出して支えられない状態の方がたくさんいらっしゃいます。
一人で乗っているときはまだいいとして、子どもの体重が加わるととても危険です。
ところで、私は自転車に乗れない身ですので完全なことはよくわからないのですが、天声人語の「安定の工夫とは、低い重心や三輪化だろうか」というところに疑問を抱きます。
棒や箒やモップを指先や手のひらにに立ててバランスをとって遊んだことはありませんか?ああいう「不安定の安定」といった状態を作り出すときは、重心は高い方がいいですよね。短い棒や、重心の低い棒は、すぐ倒れます。
自転車ではどうなのですか?車輪の大きくて重心の高めの自転車と、折りたたんで車に積み込めるような、車輪が小さくて重心の低い自転車と。
どちらが運転しやすいのですか?想像するに、重心は高い方がバランスがとりやすいのでしょう?
子どもを乗せる自転車なら、両足が地面に着く範囲で重心は高い方が良いのではないでしょうか?
それとも、天声人語の「低い重心」というのは、私が言っている「両足が地面に着く」という意味なのかな?
「重心が低い方が安定だ」という考え方は、「不安定の安定」では通用しません。ちょっと疑問に感じたので、言葉にまとめてみました。
お考えください。
3輪車か、子育て車専用補助輪か、がおそらく可能な対処法だとおもうのですが、いかがでしょう。
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