ハコベ
はこべ【繁縷】ナデシコ科の越年草。山野・路傍に自生。高さ15~50センチメートル、下部は地に臥す。葉は広卵形で柔らか
い。春、白色の小五弁花を開く。鳥餌または食用に供し、利尿剤ともする。春の七草の一。あさしらげ。はこべら。[広辞苑第五版]
なんだかこう、やたらと毛の多いつぼみです。
なんとなく粘液でも出していそうな感じの毛ですが、別にべたつくわけではありません。
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◆上の写真を貼り付けて、書き始めたのは3月17日でした。で、参考に、田中修 著「雑草の話」中公新書 1890 から引用しようと思って読み始めたら・・・
茎には、なぜか、片側だけに毛が生えている。小鳥やひよこの餌に利用されるので、「ヒヨコグサ」という名もある。英名も、「chick weed(ひよこ くさ)」である。
花は春に咲くが、日当たりのよい場所では、真冬に咲くこともある。白色の花びらは五枚だが、一枚の花びらの中央が基部近くまで深く裂けているので、一見、花びらが10枚のように見える。
◆さあ、びっくり。「片側」というのは「半円周」だろうか、どんなのだろうか、と気になって、書きかけのまま写真を撮りに走って、写真は撮ったのですが、書きかけのまま今日に至ってしまいました。
写真の茎の左上側の部分に毛が生えているのが分かります。
半円周ではなくて、「一筋に」なんですね。
たとえて言えば馬のたてがみ。「馬の首の片側だけに生えて」いますよね。
◆さらによく見ると、面白いことが分かりました。
葉と葉の間の部分に注目してください。この写真ではそういう部分が三つあります。
いちばん左、茎の先端に近い方ですが、ここでは毛は写真の上の方に向って生えています。
中央の部分では、毛は写真の奥から手前への向きに生えています。
右の部分では、毛は写真の下のほうに向って生えています。
つまり、葉の生えたところを境にして、90度ずつ向きを変えながら生えているのですね。
ということは、想像するに葉序と関連しているのでしょう。ハコベの葉は「十字対生」という葉序です。葉の向きが直交しているということです。
でも、この毛の生え方と関連付けると、90度ずつ回転しているというべきなのでしょうね。見かけ上は単に直交ですが、90度回転なのでしょう。
葉序を決める遺伝子と、毛の生え方の遺伝子が関連してしまったのでしょうか?これは私の想像です。
不思議だなぁ。
◆最後にもう一回、花をどうぞ。
つぼみの時の外側の毛が、花が開いてからもきれいに見えています。
小さな花なんですが、見れば見るほど不思議です。
お楽しみください。
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