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2008年2月11日 (月)

ねじれの解消

0124hayatouri これは、ハヤトウリをうっかり室内に置いておいたら蔓が伸びてきてしまったものです。

上にある電灯の傘に蔓の先端がくっついてその部分を固定しました。

そうして、下の部分を引き上げようとしているのです。

自然に屋外で育てれば、縦に伸びたメインの太い茎から、蔓が頭を振りながら横方向に周囲を探り、先端が接触したところで、先端部を固定し、それから蔓を巻き上げて、本体を引き寄せるという一連の成長過程ですが、それがちょっと向きが変わってしまったものです。

ところで、よくご覧ください。途中で巻き方が反転しています。右巻き・左巻きの定義はあいまいさを含むので言いませんが、とにかく、真中あたりを境にして上下で巻く向きが反転しています。なぜでしょう?

1本の蔓の、根本も先端も固定されています。このよじれのない状態から、蔓の一部をらせんに巻くと、当然よじれてきます。よじれのなかった蔓に、ある向きのらせんを作ったら、それとは反対向きのらせんを等しい回数巻かなければ、よじれが解消されません。

見事ですよね。下に3回、上に3回、それぞれ反転したらせんが作られています。その境目のらせんの切り替え部も写っています。

蔓を成長させながら、途中にこういう反転するらせんをつくり、このらせんを縮めることで、引きよせる、という動作をおこなうのです。

植物の知恵です。感心します。ほかのつる植物でもよくこういうらせんを見かけますから、今年の春以降、ぜひ観察してみてください。感動します。

◆ところで、カセットテープをうっかり引き出してしまったら、まず復元は不可能ですね。よじれのなかったテープですから、丹念に納めれば大丈夫そうに思うんですが、まず無理です。

 DNAというやつは「二重らせん」ですから、じつは「よじれている」のですね。

 これを、ほどいて、そこから情報を読み出したり、あるいはそれぞれのコピーをつくってDNAの複製をつくったりするわけですが、よくまぁ、分子的な糸、しかも恐ろしく長くてよじれた糸を、いじくりまわして、ちゃんとこんがらからずにコントロールできるものだと思います。

 実は「DNAヘラカーゼ」という、この「よじれ問題」にかかわる酵素があって、DNAの複製過程で働いているのです。このことを知った時は、本当に感動しました。DNAらせんはねじれているのですから、何とかしなければならないのだ、ということはやはりあったのですね。

 らせんをほどくには、よじれを解消しなければならない、このことは、電話機のコードや、毛糸で編みものをすることから、DNAまで同じように通用することなのです。

 「つる植物のよじれ解消」をご覧になったら、自分の体の中で常に行われている「DNAのよじれ解消」にも思いを致してください。不思議な感動に包まれます。

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