化学物質過敏症
昨日、ヒゲナガハサミムシについて書きましたが、その最後に、ホルマリン漬けのヒキガエルの解剖をした話もちらっと書きました。実はあの時、頭の隅にこんな見出しがあったのです。
解剖実習で化学物質過敏症に:元医学部生が2大学提訴(2004/9/8、毎日)
遺体の固定に使うホルマリンに接した後、のどの痛みや皮膚のかゆみなどに見舞われた。
さて、今朝の新聞を見ましたら、上で提訴された訴訟の判決が今日あるらしいのです。
「ホルマリンで過敏症」 2007年10月29日
元医学生が解剖実習のホルマリンで化学物質過敏症になったとして、二つの大学に計1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁である。解剖実習室の安全管理を問う訴訟は初めて。文部科学省は01年、国公立大学に実習室の環境改善を求めたが、その後の同省の調査で多くの学生の体調不良が明らかになった。原告は「実習で体を壊し、医者になれない学生は大勢いる」と訴える。
原告は都内に住む女性(34)。訴えによると、99年4月に東海大医学部に入学したが、直後の解剖実習の初日からめまいなどがして、同月下旬には倦怠(けん・たい)感や頭痛の症状も現れた。9月から休学、翌春に退学した。体調が少し戻った01年に山口大医学部に入学し直したが、実習で再び体調を崩して退学した。
解剖実習で使われる遺体には、劇物のホルムアルデヒドの水溶液であるホルマリンが1体に約1・4リットル注入されている。多くの遺体が並ぶ室内で学生は通常3~6カ月間、実習を行っているという。女性は「解剖実習以外でホルマリンに接する機会はない。実習が体調不良の原因なのは明らか」と訴える。
これに対し、被告側は「症状とホルマリン暴露との関係が明らかにされていない」(東海大)と因果関係を否定。換気などの注意義務を大学が怠った、との原告の主張には「当時、ホルムアルデヒド濃度の基準値は、解剖実習室に設定されていなかった」(山口大)などと反論している。■国は濃度基準示さず
ホルムアルデヒドは、室内の壁紙や建材に含まれる化学物質で体調を崩す「シックハウス症候群」の一因とされ、97年に厚生省(当時)が、住宅のホルムアルデヒドの室内濃度指針値を「0・08ppm」と設定した。
解剖実習室については文科省が01年4月、濃度の基準値は示さなかったものの、国公立大学に空気環境の改善などを講じるよう通知した。しかし、医歯学生を対象にした同省の調査によると、解剖実習でアレルギー症状の悪化や目の痛みなどを訴えた学生は01年度が180人、02年度は192人、03年度は217人に上っていたという。
独立行政法人国立病院機構盛岡病院の水城まさみ副院長によると、98年に勤務していた大分医科大(現・大分大)で測定した解剖実習中のホルムアルデヒド濃度は、0・13~1・2ppm。このため同大は簡易活性炭マスクを導入し、換気改善工事もしたという。
だが、「全大学で改善できているかは疑問」と水城医師は言う。「20年前と比べ過敏な体質の人が増え、より注意深い対応が必要な時代になっている」と話している。
噂をすれば影とやら・・・ですね。何というタイミングでしょう。
40年前の大学生は(団塊の世代だし)粗製乱造世代?それとも粗製頑丈世代?なのでしょうか?
DDTやBHCも日常大量に使ったし、水銀農薬米も食べたし、食品添加物も大量に摂取したし、いや~、いまんとこ元気です。
教師になってからも、そう20年くらい前までは、有機化学でホルムアルデヒドの濃い気体を生徒に吸わせましたけど。
メタノールに焼いた銅線のコイルを突っ込んで、ジュワ~っといわせると、メタノール蒸気と一緒にホルムアルデヒドの濃厚なやつが上ってきて、生徒に吸ってご覧、というと鼻がひん曲がる、ノックアウトだ、と大騒ぎしながら実験してました。
尿素樹脂の合成でも、ホルムアルデヒドの気体で眼をしょぼしょぼさせながら実験したものですが、だんだんに、アトピーの生徒も増え、そういう実験はできなくなったのです。
理学部化学科全体に漂うあの「化学物質の臭気」が懐かしい私です。私は有機反応論の研究室で卒論書きましたから、もう、有機物質蒸気の中で生活しておりました。
ところで、今のところ、判決がどうなったかはわかりません。(3:40pm)
判明したらまた書きましょう。


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