« 魔鏡 | トップページ | シロヘビ »

2007年10月22日 (月)

かぐや(SELENE)

ただひとつ闇に浮き立つ青き星 十一万キロ離れて見れば

(岡山市)梶谷 基一

朝日歌壇 2007.10.22(月)

1001kaguya_1 上の歌に詠まれたのは、この地球の写真です。(このページからコピーされるのは気持ちよくないので、なるべく小さな写真を入れておきます。コピーライトはJAXAとNHKです。)

アポロが月に行った時に撮影した写真より、精細な画像ですね。

宇宙では光が散乱されませんので、周りは本当に真っ暗です。地球はその闇に浮かぶ「いしくれ」です。自ら発光していませんので「星」と呼ぶのもおこがましい気がします。でも、きれいですね。いつのことだったか、地球の国の政治家たちをみんな宇宙に連れて行って、宇宙から地球を見せたら、政治は変わるのではないか、と誰かが言っていたように思います。

多分それは本当でしょう。生物的には「ただ一つの種」である「ヒト」なのに、なんだかんだと「差を言い立てる」ばかりです。人為的な線をはさんで「国」と称して争う。「心の中の出来事」でしかない「宗教」の、そのまた「差」ばかり言い立てて、衝突する。小さな地球を自分たちの活動で温めてしまって。「地球環境保護」なんてウソですよ。危ないのは人類自身です。今、絶滅が危惧されるのは「ヒト」です。絶滅を回避できるかどうか、「種としての智慧」が問われているのです。

◆昨日(21日)夕方近く、ふと窓の外を見たら月が出ていたので写真を撮りました。

1021tuki デジカメで撮影してこれだけ写せます。

「月の兎」が写っていますね。

月齢10日、でしょうか。

兎の話を思い浮かべるのもよし。「かぐや」を思い浮かべるのもよし。

「あの月の周囲を『かぐや』が周っているんだよなぁ」と思って、なんだか嬉しくなりました。

実は、月へ行くかぐやには「私たち夫婦のメッセージ」も載っているのです。とはいえ、どんなメッセージだったか忘れてしまいましたから、何ともドジな話ですが・・・。

おそらく「すべての人と人の間がなぎわたりますように」というようなメッセージだったと思います。

そんなことを思って、月に人工衛星が行く、なんとロマンチックなことだろう、と私などは思うわけです。月の周りを周回する衛星の軌道を精密に観測して、月の組成についての情報を得るなんて、わくわくするような計画です。宇宙のことを知れば知るほど不思議が増していく。人類にとっての宇宙への関心の、その第一歩を導いてくれたのが月と太陽。

「宇宙に住む以上、宇宙のことなら何でもかんでも知りたい。」それってロマンでしょ。

◆かぐやは9月14日に打ち上げられたのですが、10月に入ってからのことを、朝日新聞の記事で追ってみましょう。

「上弦の地球」鮮やか 月探査機「かぐや」が撮影
朝日新聞 2007年10月01日23時55分

 宇宙航空研究開発機構とNHKは1日、地球を離れ、月に向かって飛行中の月探査機「かぐや」が撮影したハイビジョンカメラによる地球の画像を公開した。
かぐや」からハイビジョンカメラで撮影された地球。右下に南米大陸の西海岸が見える=宇宙機構・NHK提供
 画像は9月29日午後9時46分(日本時間)、地球から約11万キロ離れた、地球と月の距離(約38万キロ)の3分の1の地点で撮影された。地球の昼間で太陽の光があたっている南北アメリカや太平洋が写っている。
 ハイビジョンによる地球の撮影はスペースシャトルや国際宇宙ステーションから高度約340キロで実施されたことがあるが、約11万キロという距離では初めて。撮影データは宇宙機構の臼田宇宙空間観測所(長野県)で受信され、NHKがデータ処理した。
 かぐやは4日ごろ月の周回軌道に入る見込み。月の地平線から地球が昇る「地球の出」の撮影も予定されている。
------------------------------------------------------------
「かぐや」月の軌道に 最大の難関突破 12月から観測
朝日新聞 2007年10月05日13時32分

 宇宙航空研究開発機構は5日、月探査機「かぐや」を、月を回る軌道に入れることに成功したと発表した。現在、月の高度100~1万1700キロの長円軌道を1周16時間40分で回っている。最大の難関を無事に突破したことで、12月中旬からの観測に向け大きく前進した。
月周回軌道を飛ぶ「かぐや」(子衛星分離後の想像図)=池下章裕氏提供、宇宙機構のフォトアーカイブスから
 かぐやは種子島宇宙センターから9月14日に打ち上げられ、超長円のコースで地球を大きく2周した後、月に向かっていた。4日午前5時55分ごろから約25分間、機体の前後を逆にし、エンジンを逆噴射して減速。軌道を調整して月を回るコースに入った。
 かぐやは今後、二つの子衛星を順次切り離し、長円軌道を高度100キロの円軌道に変えて約1年間にわたって月を周回する。14種類の観測機器で本格的な観測を12月中旬に始め、月の元素の分布や磁場の様子、地層などを調べる予定だ。
 米国のアポロ計画後では最大級の観測で、「月の起源」に迫るデータが得られるのではと海外からも注目されている。
 かぐやは、国内外の約41万人の名前とメッセージを載せている。宇宙機構が「月に願いを!」として公募したものだ。
 アポロ11号で月面に降りた米宇宙飛行士バズ・オルドリンさんは「月に戻った。さあ火星へ」。SF界の巨匠レイ・ブラッドベリさんは「月の向こうに火星が手招きしている」と寄せた。
------------------------------------------------------------
リレー衛星分離に成功 月の写真もくっきり 「かぐや」
朝日新聞 2007年10月09日19時51分

 宇宙航空研究開発機構は9日、月探査機「かぐや」がリレー衛星の分離に成功したと発表した。搭載カメラがとらえた月の画像も公開した。
「かぐや」のカメラが約800キロの距離から撮った月。左上3分の2は地球から見えない月の裏側部分=宇宙機構提供
 リレー衛星は、同日午前9時36分に正常に分離された。リレー衛星は、かぐやが月の裏側を飛行中に電波を地球に中継する役目を果たす。
 公開された月の画像は3枚。アンテナの状態を確かめるカメラが、5日午後2時50分から3時10分にかけて、月から約1500キロ、約1200キロ、約800キロの距離から撮影した。
 かぐやは12日ごろ、もう一つの子衛星であるVRAD衛星を切り離す。その後、高度100キロの円軌道で約1年間、月を周回して観測を続ける。
------------------------------------------------------------
「かぐや」と別れ「おきな」「おうな」 衛星を分離
朝日新聞 2007年10月13日02時15分

 月探査機「かぐや」は12日、二つ目の子衛星(VRAD衛星)の分離に成功した。宇宙航空研究開発機構は、9日に分離した一つ目の子衛星(リレー衛星)を「おきな」、VRAD衛星を「おうな」と名付けたと発表した。かぐや姫を見守るおじいさん(おきな)とおばあさん(おうな)にちなんだという。
 12日に分離されたおうなは縦横1メートル、高さ65センチの八角柱の形で、質量約50キロ。月の高度100~800キロの長円軌道を回る。高度100~2400キロの長円軌道を回るおきなとともに、12月中旬から、月の重力場観測に使われる。
 重い物質がある領域の上空を通ると、子衛星は通常より月に引き寄せられ、軌道が下がる。二つの子衛星が出す電波を日本と中国、ドイツ、オーストラリアにある電波望遠鏡で観測して軌道の上下を調べ、月内部の質量分布を探る。おきなは、かぐやが月の裏側にある時に、データを中継して地球に送る役割も持つ。
 かぐやは長円軌道から円軌道に移る修正を続けており、19日にも高度100キロの円軌道に入る。
------------------------------------------------------------

そして、今朝(22日)の記事。

■かぐや、月上空100キロに 周回軌道から観測開始へ

朝日新聞 2007年10月22日(月)付   

 宇宙航空研究開発機構は21日、月探査機「かぐや」を月を回る観測軌道に投入することに成功したと発表した。12月中旬までに14種類の搭載機器を点検、アポロ以来の大がかりな観測を始める。
 かぐやは、今月5日に月を大きく回る軌道に入り、子衛星を切り離した後、高度を下げて月との距離を縮めていた。18日に地球からの指令を受けて、月の北極と南極の上空を結ぶ高度80~120キロの軌道に。今後1年間、約100キロの高度を2時間ほどで1周しながら観測を続ける。
 重力場の影響を受ける低い高度を利用し、月内部の構造を調べたり、岩石の分布やクレーターの形などを調べたりする。ハイビジョンカメラで「地球の出」も撮影する予定だ。中国は、かぐやのライバルとなる月探査機「嫦娥」を24日にも打ち上げるとみられる。米国やインドも無人探査機の準備を進めており、かぐやが月探査ラッシュの火ぶたを切ることになる。
 宇宙機構の滝沢悦貞・プロジェクトマネージャは「とても大きなハードルを越えた。新しいデータを社会に出すのがゴールなので、気持ちを新たにしたい」と話した。
------------------------------------------------------------
かぐや:月の観測軌道に入る
高度120キロから「かぐや」が撮影した月面の様子=JAXA提供
高度98キロから「かぐや」が撮影した月面と地球(左上部の点)=JAXA提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は21日、月探査衛星「かぐや」が月の観測軌道に入ったと発表した。また、この軌道から撮影した月や、月と地球がいっしょに写った画像を公開した。
 かぐやは9月14日に打ち上げられ、月の周回軌道上で2基の子衛星「おきな」「おうな」を分離。10月19日に最終的な観測軌道への投入作業を実施し、高度80~120キロで月を南北に周回する軌道に入った。今後は搭載した14の観測機器の機能を確認し、12月中旬から月の誕生や進化の謎の解明を目指し、本格観測を開始する予定。
 画像はアンテナの状態を監視するために取り付けられたモニターカメラで撮影された。高度98キロから撮影された画像には、月の向こうに小さく輝く地球が写っている。高度120キロの画像は、解像度約300メートルで大小のクレーターが確認できる。
毎日新聞 2007年10月21日 18時59分 (最終更新時間 10月21日 19時25分)
------------------------------------------------------------

http://www.jaxa.jp/press/2007/10/20071021_kaguya.pdf

ちゃんとした写真は上のJAXAのプレス発表資料あたりで見てください。

Mnerth この写真の左上隅に写っているのが、38万kmかなたから撮影された地球です。正式のハイビジョンカメラではありませんから、あまりちゃんとは写っていませんが、それでも、これが地球です。

私は地球から月を見ました。かぐやは月から地球を見ています。

その間には「38万km」の距離があります。何だか不思議ですねえ。感動してしまいました。

◆最後に、もう一首、歌を。

地球からほんの少し跳んでみる蟋蟀百匹孵化せし悦び

(岐阜県)棚橋 久子

朝日歌壇 2007.10.22(月)

甕か、プラスチックの飼育ケースかはわかりません。ちびちょいのが、うわぁ~っと、出てきて、ぴょこぴょこ跳ねるんですね。これはもう、かわいいの一言。体長はmmの桁、ほんの1cm足らずでしょう、ジャンプ力は。

それでも「地球から跳ん」じゃったんですね。かぐやほどではないけど、重力に逆らう力をもって生きていくのです。これ、生命力そのものですね。

いや~、顔がほころんでしまって。もうたまりません。かわいいなぁ。

飼育できる数はほんのわずか、残りは庭へでも放してやらないと、共食いになってしまいます。どうか、無事に飼育できますように、どうか無事に放されたコオロギたちも成長しますように。でも、100匹いれば成虫になれるのはせいぜい1匹程度、というのも自然という世界の厳しい現実なのです。

実は棚橋さんは、もう一首投稿されていまして・・・。

棚は高し引戸は重し蓋は固し夫なき日々のこの不甲斐なさ

朝日歌壇 2007.10.22(月)

一人暮らしになられて、そう長い時間はたっていないのですね。そのなかで、コオロギたちの生命力が与えてくれた「悦び」は、きっと胸を熱くしたのでしょう。生きる力を分け与えてくれたのでしょう。推察いたします。

◆ある時、とある病院の受付で、年配の女性がカウンターの向こうの方にペットボトルを差し出されて「開けていただけませんか。力が足りなくて」とおっしゃいました。受け取った若い方は、「はい、どうぞ」とひねって栓を開けました。

そうなんだ、年齢を重ねるっていうことは、そういうことも含んでいるのか、と気付かされたのでした。

そして、ストレートに開けてほしいと頼んだ女性の「気持ちの強さ」と、それを当り前のように受け止めた若い方の「心のオープンさ」に、うたれたのでした。

◆私たちも、今まさに、年齢を重ねております。

« 魔鏡 | トップページ | シロヘビ »

人事」カテゴリの記事

崩彦俳歌倉」カテゴリの記事

自然」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 魔鏡 | トップページ | シロヘビ »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ