台風9号の「構造」
9月7日に東京の近くを通過していった台風9号について、台風の構造などの話をしようと思っていて、すっかり忘れていました。
http://www.jma.go.jp/jma/index.html
ここが気象庁のホームページです。ここから、「過去の気象データ検索」へ入りますと、いろいろな気象データが入手できます。
私は9月12日に、台風上陸の前後の、9/6~9/7の東京のデータをダウンロードしました。
◆これは、風向と風速の変化のグラフです。
気象庁のページですでにグラフ化されていたものです。9月6日分と7日分を、貼り合わせて作りました。横軸の数値がちょっと変になっているのはそのためです。
風速のグラフだけならエクセルでも簡単に作れるのですが、風向を表示するのはかなり難しいのです。そこで、既存のグラフを加工して作成しました。
台風9号は9月7日午前2時頃に小田原市付近に上陸しました。
グラフを見ると午前3時と4時の間で風向が変わったことが判ります。東風が西風に変わっていきました。
と同時に、午前3時頃、風速が最小になり、その前後は風速大です。
ということは、午前3時頃、台風の眼が東京の非常に近辺を通って行ったということを示しています。
天気予報でよく「吹き返しの風」という言葉を聞きますね。真夜中でしたし、勢力も最盛期は過ぎていましたから、あまり意識はしなかったと思いますが、台風の眼が通過していく時、風がおさまり、前後で風向きが反転する、という出来事が起こっていたことが判ります。
◆これは、気圧変化のグラフです。データ表の形でダウンロードしたデータから、必要なところだけを抜き出してエクセルでグラフ化したものです。
横軸がうまく作れませんでした。9月6日の1時~24時に続けて、9月7日の25時から48時という形にしました。24時を超えた分は、24を引いて考えてください。
このグラフでも、横軸の「27」のところ、つまり午前3時頃に気圧の最小値「979.5hPa」を記録しています。
(気圧の値は、測定地の高度の影響を補正した「海面補正値」です)。
◆上の二つのグラフは、「東京」という固定された場所での気象データの経時変化です。実際には台風は上陸後に勢力が衰えることが多いのですが、その勢力変化を無視して、グラフを眺めると、これは、台風を中心を通る面で切った断面における台風の構造を示していると「非常に粗っぽい近似で」考えることができるでしょう。
◆台風の直撃を食らうことはまるっきりありがたくはないのですが、せっかくのチャンスでしたので、このような報告をつくって見ました。
◆実は、理科おじさんの部屋:第62回で、同じような分析を試みています。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/62th/sci_62.htm
2006年9月16日6時頃に台風13号は、沖縄県の石垣島を通過しました。その後、9月17日18時頃に長崎県の佐世保に上陸しました。
この時の気象データの変化をグラフ化して「台風の断面図をつくる」という勉強をしました。よろしければお読みください。
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