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2007年10月30日 (火)

ヒガンバナ

彼岸花地獄極楽花模様 彼の世の人を思い出す花

  (岸和田市)久吉英子

亡き母の形見のやうに彼岸花

  (東京都)向井はるを

    朝日歌壇・俳壇 2007.10.22

二時間の主婦の家出は曼珠沙華見たくてローカル線に乗り継ぐ

  (岩国市)兼重陽子

    朝日歌壇 2007.10.29

ヒガンバナという花は、「彼岸」という名前のせいもあるでしょうが、一種、非日常へのいざないを感じさせる花ですね。

「彼岸」はご存知のように生死を繰り返して流転する「此岸」にたいする、涅槃の世界を表す語ですから、日常を超えています。

でも、あの花の持つ、独特の「異様さ」が名前を超えて、非日常的な情感へいざなうのではないでしょうか?

鮮烈な赤、普通の花の花びらなどの構造が見えないこと、葉がなくすっくと立つ茎のてっぺんに「花だけ」・・・なんとなく、普通の人の、普通の時間の中に、フト割り込んできた非日常、という感じがしますね。

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◆山口百恵の「まんじゅしゃか」はたしか

・・・まんじゅしゃか、恋する女は、まんじゅしゃか、罪つくり・・・

こんな詞が入ってましたよね。世俗の価値を破壊しても恋に身を滅ぼしてもかまわないという、やはり、日常の一線を一歩踏み越えようとする歌詞、そして不安定な切羽詰った歌声。でした。

◆「femme fatal」(ファム・ファタール)英語でいえば「fatal female」でしょうか、「運命の女(ひと)」と訳すのでしょうか。でも「致命的な女(ひと)」でもいいのではないでしょうか。

世俗の価値を超えた恋に焦がれ尽くす、というのはまさしく世間の常識からすれば「致命的なこと」ですからね。

◆日常、という見慣れた世界を、一歩「向こう側」へ踏み込んでしまった、という歌を歌えるのは、井上陽水と一青窈かなぁという気がしています。

 一青さんなんかは、ちゃんとつなぎとめておかないと、ふわぁ~っと、どこかこの世ならぬ世界へ漂っていってしまいそうで、引きとめておかなくっちゃ、という気分にさせられます。

貴重な歌手だと思っています。今後、どのように年齢を重ねていくのか、見ていたい歌手です。

◆駄弁でした。ご容赦を。

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