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2007年10月30日 (火)

ツマグロヒョウモンへの寄生者は?

一つのケースの中に3匹の蛹がいますという話をしました。その3匹のうち2匹は無事羽化してチョウとして旅立っていったのですが、1匹は寄生されていました。

Tumaguro2 これは無事に羽化していった蛹の抜け殻です。

Tumaguro1 こちらは、寄生を受けた蛹。

蛹化するときに、幼虫時代の皮を脱ぎ棄てることができなくて、ぶら下がっている先端部に残ってしまったのです。

たまには失敗してこうなることもあるのだな、と思っていましたら、羽化できませんでした。

蛹の中で成虫の体をつくりかけていたように見えます。

気づいたらケースの底に、褐色の俵状の「蛹」が二つ転がっていました。ハエの蛆が出てきて蛹化したのでしょうね。このせいで、蛹化でも完全に「脱ぎ捨てる」ことができなかったのでしょうか?

Kiseibaekara

これが、ハエの蛹の抜け殻です。

寄生者はどんな昆虫なのか、と見守っていましたところ、端を押し開いて羽化してきたのは「ハエ」でした。ヤドリバエの仲間なのでしょうが、正式な名前はわかりません。

ハエが羽化した時の出口が開いていますね。

Kiseibae1 これがその寄生バエの全体像です。

羽化したばかりはあまりにも元気がよくてとても写真を撮れるような状態ではありませんでしたので、ツマグロヒョウモンの方に感情移入している私としては、かわいそうな気もしましたが、ハエには餓死してもらいました。

そうして撮ったのがこの写真です。

Kiseibae2 顔の方を見るとこんな感じ。

両複眼の内側が金色のようで、ずいぶんきれいなハエです。

アングルを少し変えて毛むくじゃらな感じを出して見ました。Kiseibae3

結構、美しいハエとは言えます。

最後に、口をご覧ください。

Kiseibae4

2匹羽化したうちの、もう1匹です。脚が伸びていて、体を起こせなかったのでひっくり返ったままの写真になりました。

頭部に、口器があります。ハエ特有の、いわゆる「なめる口」です。

さて、こうやって観察してみると、ハチと違って産卵管があるわけでもなし、噛む口もないし、どうやって寄生するのでしょう?

http://homepage3.nifty.com/ueyama/seitai/kisei.html
ヤドリバエに産卵されたヒメアカタテハの幼虫とヤドリバエの卵

↑すごい観察記録の写真があります。

http://shoko.web.infoseek.co.jp/Guest/kiseibae1.html
ヤドリバエの寄生方法
◆卵生
発生の殆ど進んでいない卵を寄主の体に貼り付けたり、体内に生み込むという方法をとります。
産卵管を持たないため、♀の腹部末端数節がへらのような形になっているもの、または産卵管状になっているものもいます。
◆卵胎生
♀の総輸卵菅を子宮の役割を果たす器官に変形させ、卵発生を進めてから産み出します。
  3つの寄生方法に分かれます。
1.卵生と同じように寄主に直接卵を産みつける(直接型)
2.寄主のいない場所に孵化直前の卵を産み孵化した幼虫がその場にとどまって寄主の通りかかるのを待つ(待機型)
  または幼虫が自分から探しにいく(検索型)
3.非常に小さな卵を寄主の食餌に産み付けて、それを寄主が植物とともに呑み込むことによって寄生する(微小卵型)

↑「晶子のお庭は虫づくし」というサイトは、本当にすごいです。まあ、なんでもあります。

上にあげたどれかの方法で寄生したのですね。

ちなみに、アオスジアゲハへの寄生は「微小卵型」です。

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昔話:便所がまだ汲み取り式で、日常生活にハエは普通の昆虫だった時代。ある時、飛んでいる結構大型のハエをパッと手づかみで捕まえてしまったのです。少年のころ、まだ老眼じゃないし、反射神経もいいし、捕まえちゃったのですね。かるく握りつぶして、そっと、手を開いてみたら、微小な蛆がいっぱい。メスの腹の中で孵化していたのが出てきてしまったのですね。ハエに卵胎生があることを初めて知ったのはこのときでした。

最近:ハエの蛆が、腐敗したものしか食べないことを利用して、糖尿病などで壊死した組織をハエの蛆に食べさせて、健康な部分を救い、脚の切断をせずにすむような治療法が開発されています。無菌のえさで育てれば別に不潔なわけではなし、健康な組織には全く影響のない優れた治療法だそうです。

「ウジ虫で治療」都ベンチャー大賞:文京の医療関係会社に(朝日新聞 2007/10/26)
 新技術や商品開発に取り組むベンチャー企業を表彰する「都ベンチャー技術大賞」の表彰式が25日、江東区の東京ビッグサイトであった。ウジ虫を使い、壊死した部分を治療するバイオセラピーメディカル社(文京区)が大賞を受賞した。
 8回目の今回は115社の応募があった。大賞を受賞した企業は賞金300万円がもらえるほか、販路の開拓や低利融資など都の支援を受けられる。
 バイオ社は、ウジ虫が腐った組織だけを溶かして吸収する性質を利用した糖尿病による足の壊死などの治療法「マゴットセラピー」を広めるため、飼育したウジ虫を販売するだけでなく、病院と連携して、診療料金の設定からウジ虫の保存、処分法、患者の副作用対策までをシステム化した。

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