7/31付でギンヤンマのヤゴの抜け殻をご紹介しました。(あの抜け殻は体長3cm弱でした。)
8/1、庭の池の近くにある柘植の木の木陰で、妻がギンヤンマの羽化した後の抜け殻を発見しました。
2mちょっと離れたところから池越しに撮った写真です。
柘植の葉で少し隠されています。夕方なので、角度の低い日差しが差し込んでいます。
足場をなんとか確保して接近し、フラッシュをたいて撮影。
輝くような抜け殻です。
ここまでは屋外での撮影。
枝を切って室内に持ち込んで撮影。
この抜け殻は体長5cm弱です。とても迫力があります。背中の紋様も見えますね。前に池に浮いていた抜け殻の紋様と同じです。ですから、池に浮いていた抜け殻と、ここにある羽化した後の抜け殻の主は同じ種類だと考えていいと思います。
さて、では、この抜け殻から羽化したのは何なのでしょう?
妻が言うには、黒と黄色のようなまだらのトンボを見かけた、ということです。
でも、この抜け殻の形はオニヤンマではないと思います。
そうなると、ギンヤンマの仲間で、まだらな感じのがいるのでしょうか?
クロスジギンヤンマはまだらっぽい体色をしています。
http://biodb.i.hosei.ac.jp/nagaike/Nag004/74.html
http://www3.pf-x.net/~tosakah/tombo/07yanma/kurosujigin03.html
などをご覧ください。
◆ギンヤンマとクロスジギンヤンマを抜け殻で識別する方法はないものでしょうか。
●「トンボ入門」という本では、ギンヤンマは「下唇の先端にある鉤が急角度で曲がっていることで見分ける」。クロスジギンヤンマは「曲がり方がゆるやか」と記載しています。
すでに知っている人にはこれでわかるのでしょうが、ちょっとこれだけではよくわかりません。
●「トンボの住む街・江東区」(江東区トンボまつり公式マニュアル)というのを見つけました。
http://city.koto.lg.jp/upimg/17071_bokuraA4v4_01.pdf
をご覧ください。
左は、眼が大きく横にふくらんでいてギンヤンマの仲間だそうです。
右は、眼が小さく前に出ていて、他のヤンマの仲間だそうです。(オニヤンマなど)
これでいくと、ギンヤンマの仲間であることはやはり確かなようです。
大分ぼけてしまいましたが、ヤゴの下唇の図です。
上の方(前の方)に出ているのが「側片」といいます。
この側片の様子で、ギンヤンマとクロスジギンヤンマが見分けられるのだそうです。
この鉤状の先端が問題なのです。
左は「側片の先が直角」でギンヤンマ、
右は「側片の先にまるみがある」のでクロスジギンヤンマとわかるのです。
こういうように図入りで説明してもらうと、「トンボ入門」の記述が理解できるようになりますね。
◆さあ、参ったぞ。もう一回ヤゴの写真を見てみましょう。
左は7/27に撮った写真の下唇の部分。
右はそれをグレースケールに変換して輪郭がくっきりするように調整したものです。
いかがでしょう?
「まるみがある」ように思うのですが・・・。
別のアングルから。
一応、私の結論は、側片の先にまるみがあって、この抜け殻はクロスジギンヤンマである、というものです。
ということで、
我が家の池でクロスジギンヤンマが羽化しました。
うれしいなぁ。わくわくします。この小さな池から、クロスジギンヤンマまで羽化したなんて!
おそらく1年で成長しきるものではないでしょう。何年かこの池に住んで、やっと今年羽化したのだと思います。
いや~、やっぱりうれしいです。
オマケ:池に浮いていた抜け殻の写真をグレースケールにした全体像です。